【加筆内容】タンパク質の摂取量と腎臓機能の関係について見直ししてみた!前編
タンパク質の摂取量と腎機能の関係について見直ししてみた…!
2005年のコネチカット大学のレビュー論文によると、タンパク質の摂取量と腎機能の関係について見直ししてみたそうです。
そもそも高タンパク食を意識したダイエットは、習慣的に推奨摂取量を超えてタンパク質を摂るんで、安全面が疑問視されているそうなんですよ。特にGFR(糸球体濾過量)の慢性的な上昇はオーバーヒートを引き起こし、腎臓病の発症・促進する可能性があるとされているんだとか。
んがしかし、これは元々腎機能に問題があった人などの話で、健康な人の場合はどうなのか…?ってのは謎のままだったんですよね。そこで今回、先行研究を見直しし、2005年時点の結論を出して見よう…!となったみたいです。
では、具体的な中身を見ていく前に、このレビュー論文の中での高タンパク質食ってのがどのぐらいのタンパク質量なのかを見ておきましょう。研究者によれば、
- 高タンパク質食=1日のタンパク質摂取量(g)=体重(kg)×タンパク質1.5g以上の摂取量
と定義したそうです。以前の記事で、1日のタンパク質摂取量(g)=体重(kg)×タンパク質1.6gがベスト…!とご紹介しましたがほぼ同じ感じっすな。
因みに、慢性腎臓病(CKD)の定義については、腎臓損傷又は3ヶ月以上に亘ってGFR(糸球体濾過量)の低下(=腎臓の働きが悪い)している場合と定義したみたいです。
まずはレビューのポイントから
ではこれらを基準にレビューのポイントをバーッと見ていきます。
- 高血圧は、健康な腎臓機能を持つ男性において、腎臓機能の早期低下と関係していた…!
- 食事から摂取するタンパク質の摂取量と血圧との間には逆相関関係があることが一貫して証明されていた…!つまり高タンパク質食は高血圧対策になる…!
- 動物性タンパク質の摂取量の増加と腎臓機能の低下には関係があり、1日のタンパク質摂取量が多くなればなるほど腎臓病が促進され、また、腎臓機能の低下にもつながる可能性があった…!
- んがしかし、正常な腎臓機能を持つ健康な女性1,135人を調べたコホート研究によれば、タンパク質の摂取量とGFRの変化との間に関係性はなかった…!
つまり、元々腎臓病の方や予備軍などの場合に高タンパク質食を食べると確かに良くなさそうなんですが、健康な人の場合は問題ないみたいです。それどころか高血圧対策にもなりそうな感じ。
高タンパク質食以外でGFRが高止まりするケースの研究
また、この研究では高タンパク質食以外でGFRが高止まりするケースの研究もレビューしておりまして、例えば、
- 2004年のピッツバーグ大学の研究によると、妊娠中の女性は健康な場合でもGFRが65%もアップする…!
- そして1992年の書籍によれば、通常、産後3か月までに元のGFRレベルまで戻る…!
- 上記のような腎臓機能の変化はあるが、2004年のチャールズ・R・ドリュー医科大学の研究によると、妊娠で慢性腎臓病(CKD)になることはない…!
ということです。
更に、
- 2000年の琉球大学の研究によると、腎臓摘出手術を受けて腎臓が1つしかない方は腎臓が肥大化し、それに伴って腎臓機能が変わってくる…!
- そして腎臓が1つしかない為、長期間にわたって腎臓はフル回転する…!
- しかし1990年の東京大学の研究や1998年のローザンヌ大学の研究によると、腎臓が1つしかない状態で20年以上経っている方を調査してみたが、腎臓機能は正常のままであり、悪化していなかった…!
そうです。
う~ん。どうやら健康な場合はブレナー仮説は当てはまらないみたいですね。
因みに腎臓病の方は、1日のタンパク質の摂取量が少ない程、腎不全になるリスクが低下したり、腎臓病の進行が遅くなるってのは間違いないみたいなんですが、だからといって正常な腎臓機能を持つ健康な人を同じように危険とするのは過剰なんじゃないの…?と研究者はおっしゃっておりました。ごもっともですな。
それと間接的なパターンについても触れておりまして、高タンパク質食によって脱水症状が起き、それによって腎臓機能にダメージが…!みたいな話はどうなのかも書いておりました。研究者によれば、現在のところ、正常な腎臓機能を持つ健康な人を対象とした研究はないとしています。
ここでも腎臓病のある方などの場合は有り得るけど、健康な方は関係なさそうですねー。