オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想比率と現代推奨比率を人類の歴史から考察してみる!
結論はオメガ3脂肪酸を多く摂るよう意識して、それ以上にオメガ6脂肪酸の摂取量を減らそう…!ってのは、変わらないんですが、じゃあ、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想比率はいくつなのか…?ってのが今回の内容です。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想比率はオメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸=1:1
2000年のペンシルベニア州立大学ユニバーシティパーク校の研究には、人類の歴史から見た多価不飽和脂肪酸の摂取量の変化について書かれております。つまり、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取量が昔と今でどれぐらい変わってきたのか…?ってことですね。
まず、旧石器時代の狩猟採集民の食事を調べてみると、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取量はほぼ同じだったそうです。つまり、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想比率はオメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸=1:1であったと考えられます。
そして、時は流れ、産業革命の始まり(約140年前)に、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率が大きく変化したんだとか。ここで爆発的にオメガ6脂肪酸の消費量が増え、代わりにオメガ3脂肪酸の消費量が減ったそうです。なぜこの時代にここまで大きな変化があったのかというと、現在も使われている植物油が登場し、また、家畜への穀物使用量が増加したのが理由とのこと。
更に1935年から1939年の間の1人当たりの年間食品使用量からオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の推定値を出して見ると、1:8.4になっていたんだとか。
また、1935年から1985年の間にオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の推定値が1:10.3に増加したそうです。これは約23%も増加したことになります。因みにこれらの変化に伴い、脂肪や油、果物や野菜、ナッツ、コーヒー、お茶、ココア、スパイスの消費量が変化したとのこと。
その後の1985年以降のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率がどう変化したか把握するために米国農務省の1人当たりの年間食物消費データを調べ直したら、オメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸=1:12.4だったそうです。
但し、1985年から1994年の間に1:12.4から1:10.6に減ったそうなんで、ここら辺が現在の平均ラインっぽいですね。
以上をまとめてみると、
- 年代→オメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸
- 旧石器時代→1:1
- 1935年〜1939年→1:8.4
- 1947年〜1949年→1:9.0
- 1957年〜1959年→1:10.2
- 1967年〜1969年→1:9.9
- 1977年〜1979年→1:10.1
- 1935年~1985年→1:10.3
- 1985年→1:12.4
- 1994年→1:10.6
となります。
人類は進化の過程の中で、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率は崩れてきていますが、1800年代半ば以降からは、植物油などの消費量の変化による変動こそありつつも、比率はほぼ安定しているみたいです。
現代の食事で1:1はほぼ不可能…!では、現実的な推奨比率は…。
アフリカやアマゾンの奥地に行き、今も旧石器時代の暮らしを守り続けている狩猟採集民と明日から暮らすならオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率を1:1にできるかもしれません。しかし、現実的ではないので(当たり前)、では、現代の暮らしの中で実現可能な推奨比率はいくつなのでしょうか…?
研究によれば、現代のアメリカ人のオメガ3脂肪酸の摂取量は約1.6gだったそうで、内訳は、
- α-リノレン酸=1.4g
- エイコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA)=0.1g〜0.2g
だったそうです。因みにα-リノレン酸の主な摂取方法は、植物油や、大豆油、キャノーラ油だったそうで、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の主な摂取方法は魚とフィッシュオイルとのこと。
それらの摂取データから、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率を出して見ると、1:9.8であったそうです。
んで、カナダやイギリス、WHOやスウェーデン、日本などの推奨比率を参考に割り出した結果、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の現代の推奨比率=1:2.3だったそうです。結構厳しいですね~。
アメリカ人の平均比率が1:9.8であり、人口の60%が1:8〜12の比率らしいので、これはかなり厳しい。因みに一部の人たちは、1:20〜25だったらしいので、この推奨値はかなりのハードモードっぽいです…。
因みに研究者曰く、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量を0.1g〜0.2gから0.65gに増やすと達成できるそうです。これは、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量を約4倍に増やせ…!ってことになります。
更に具体的に見てみると、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量を0.65gにするには、1日当たり約20g〜62gのオメガ3脂肪酸の多い魚(オヒョウ、サバ、ニシン、サーモン、など)を食べる必要があるそうです。毎週1回の食事で上記の4種類の魚のうちの1つを食べれば達成できるみたいですね。
う~ん。頑張ろう…。
個人的考察
ということで、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想比率と現代推奨比率はいかがだったでしょうか…?
腸内環境を良くしたい方は、是非、1:1や1:2.3に近づけられるよう意識してみてください。また、牛肉・豚肉・鶏肉の比率については、下記からご覧ください。
まぁ、そこまでしなくても、サバ缶水煮1個(190g)=EPA・DHA=約4.5g÷7日=1日の摂取量0.64gなんで、1週間のうち1回だけ、サバ缶水煮1個(190g)を食べると達成できます。ぜひ、皆さんも食べてみてはいかがでしょうか…?
因みにサバ缶を買う際に、良ければ下記を参考にしてみてください。