ポケモンGO研究
はじめに
ご存知の方も多いように、位置情報(GPS)とAR(拡張現実)を使ったスマホゲーはいくつかございまして、一番有名なのはナイアン(Niantic:ナイアンティック)のポケモンGOでしょう。その他にも、
なんかもありますな。
まぁ、社会現象になったのはポケモンGOだったんで(海外を含む)、研究のほとんどはポケモンGOを使ったものが多いんですが、位置情報ゲーであれば大体同じとみていいでしょう。因みにポケモンGO…?何それ…?な方は公式サイトをご覧いただくとよろしいかと思います。
それとポケモンGO(Pokémon GO)のリリースは2016年7月6日だったのですが、日本は屈辱の出遅れで2016年7月22日リリースだったんですよね(おのれジョン・ハンケめ…)。なんで、リリースからもうかなり経っているんですが未だに研究はいくつか発表されていたりします。まぁ、ピークは2016~2018年なんでその辺の研究がメインになりますが。
最後に、今回からご紹介する研究の質はゆる~い物が多いですので予めご了承ください。また、メリットがあるよ…!って研究もデメリットがあるよ…!って研究もご紹介していくつもりなんで、その辺も楽しみながら見て頂けたらと思います。
それでは前置きが長くなりましたが、早速見ていきましょう…!
現在分かっている最新のポケモンGOの統計を見てみよう…!
ゲームのユーザー数なんかをチェックする際、便利なのがVideo Game Stats(VGS)というサイトです。VGSはビデオゲームの統計なんかを取っているサイトでして、こちらにポケモンGOについての情報が結構詳しく載っているんですよね。
それでは早速、現在分かっている最新のポケモンGOの統計を見ていきましょう。
当時、今までほとんど注目されていなかった位置情報ゲームというジャンルにポケモンが組み合わさったのはものすごいインパクト・経済効果だったみたいですねー。
- 2023年のポケモンGOダウンロード数:6億7,800万ダウンロード
- 月間ポケモンGOプレイヤー数:1億4,700万人
- 2023年のアメリカのポケモンGOダウンロード数:1億6,400万ダウンロード
- 2022年のポケモンGOの総収益:60億ドル
- 2022年のAndroidユーザーからの収益:31億ドル
- 2022年のiOSユーザーからの収益:28億ドル
- 2022年のAndroidからのポケモンGOダウンロード数:5億1,720万ダウンロード
- 2022年のiOSからのポケモンGOダウンロード数:1億6,080万ダウンロード
- 2019年のポケモンGOリリース以降の1日平均収益:400万ドル
- 2021年のポケモンGOの収益のうちのアメリカの割合:36.6%
- 2021年のポケモンGOの収益のうちの日本の割合:32%
- 2022年のポケモンGOの収益:7億300万ドル
- 2021年のポケモンGOの収益:12億ドル
- 2020年のポケモンGOの収益:10億ドル
- 2019年のポケモンGOの収益:8億9,400万ドル
- 2018年のポケモンGOの収益:8億1,600万ドル
- 2017年のポケモンGOの収益:5億8,900万ドル
- 2016年のポケモンGOの収益:8億3,200万ドル
- ポケモンGOが全世界で5,000万ダウンロードを超えるまでにかかった日数:19日
- ポケモンGOがスマホゲームとして最速で6億ドルの収益を上げるまでにかかった日数:90日間
- 2017年のポケモンGOプレイヤーの男性の割合:57%
- 2017年のポケモンGOプレイヤーの女性の割合:43%
当時、今までほとんど注目されていなかった位置情報ゲームというジャンルにポケモンが組み合わさったのはものすごいインパクト・経済効果だったみたいですねー。
そして2023年時点でもまだまだダウンロードされているのもすごいですな。
ということで、これだけ世間を賑わせたおかげでポケモンGO(位置情報ゲーム)にまつわる研究がいくつも発表されたのは個人的に面白いよな~と思っております。
ポケモンGOがリリースされて3ヶ月が経ったからメリット・デメリットをまとめてみた…!
2016年のウィリアムズ大学などの研究によると、ポケモンGOについてレビューしてみたそうです。
因みにこの研究は2016年10月に発表されたものなんで、ポケモンGOのサービス開始からわずか3か月後に発表されたものになります(ポケモンGOのリリースは2016年7月6日)
そもそもポケモンGOはリリースからわずか1週間以内に6,500万人以上のプレイヤーが出るほどの人気を博しておりました。そしてプレイヤーの多くは幼い子どもだったらしい。
そもそもポケモンGOはリリースからわずか1週間以内に6,500万人以上のプレイヤーが出るほどの人気を博しておりました。そしてプレイヤーの多くは幼い子どもだったらしい。
んで、ゲームには様々なメリットがあるのですが、ポケモンGOのような位置情報ゲームは子どもの安全と身体的健康に特定のデメリットをもたらす可能性があるとして、
- 親は子どもがポケモンGOをする際の決まりごとを決めておくことを強くおすすめする…!
としているんですよね。
まぁ、正直ポケモンGOに限らずテレビゲームやスマホゲー全般で良く聞く話ですな。
では研究者が挙げているポケモンGO(位置情報ゲー)のメリットとデメリットと見ていきましょう…!
まずはポケモンGOのメリットから。
- 運動頻度がアップする:ポケモンGOはGPSを使っているので現実に歩いてポケモンをゲットしに行かにゃ~なりませんので(位置偽装は別ですが)当然毎日の歩数が増えます。歩くことのメリットは当ブログでもさんざん紹介してきたとおりでして、しかもレアポケモンが湧いた日にはIWT(インターバル・ウォーキング・トレーニング)よろしくで早歩きしまくりです。
- 社交性(コミュニケーション能力)がアップする:インターネットにつながったゲームで会話をしたり、チャットをするのはこれまでにもありましたが、現実に会ってゲームをしてコミュニケーションをとっていく機会は友達の家で一緒にゲームをするというような状況以外稀な話。しかし、社会現象にまでなっているポケモンGOのプレイヤーは非常に多く、また知らない人でも同じゲームや目標があるので自然とコミュニケーションをとったり社交的になっていくことが考えられます。ラプラス(当時のレアポケモン)が湧いた情報を皆で共有し、皆で取りに行って問題になった…!って話は有名でしょう。
- 外での活動が多くなる:最初に挙げたとおり、ポケモンGOは現実に歩いてポケモンをゲットしに行くんで、当然従来のゲームのように家の中で行うことをメインとしておりません。野外にガンガン出てポケモンをとりまくる必要がありますので当然外での活動がメインとなります。外、特に自然のメリットも当ブログで何度もご紹介している通りなので、健康に良いと言えるでしょう。
続いてポケモンGOのデメリットについてです。
- ケガのリスクが増える:歩きスマホは危ない…!の代名詞にもなったポケモンGOですが、なんせスマホを見てポケモンをゲットして移動して…を繰り返すゲームなんでどうしても歩きスマホになりがち。結果、転んで怪我をするリスクが増えるのは当然でしょう。
- 誘拐のリスクが増える:画面(ポケモンGO)に夢中で気付いたら危ない路地に入っちまった…!ってのは当然有り得る話。また、夜にレアポケモンが湧くと危険でもとりに行きたくなるなんてことはあるでしょう。海外では誘拐事件はめっちゃ多いんで確かに気を付けましょうと言うのは分かりますな。特にこれはアメリカの研究なんで尚そう思いますね。
- 不法侵入してしまうことがある:ポケモンGOでレアポケモンが湧いたのが私有地だったり立ち入り禁止エリアだったりすると困っちゃうのは容易に想像できるはず。結果、誘惑に負けて不法侵入なんてことになることも。日本だと上記で挙げたラプラス事件が有名でしょう。
- 暴力事件になることもある:ポケモンGOでリアルファイトに発展する…!ってのは界隈では有名な話。特にジム置きについては、近隣住民とのトラブルやジム管理人(家からジムが届く人)との揉め事、果てはジムを壊した時の粘着(嫌がらせでずっと後を付けられる)などリアルに会うゲームだからこその問題もあったりします。
- 金がかかる:他のスマホゲー同様、ポケモンGOも基本無料のゲームではありますが、当然課金システムがございます。そのため課金の誘惑が常に付きまとうのは自明の理でしょう。また、ポケモンGOはリリース当初、地形によって出やすいポケモンがいたり、公園が巣(特定のポケモンがたくさんいる)になっていたりしました。そのため、遠征して交通費がかかるなどといった従来のゲームにはない出費がかかる事も。ミニリュウ欲しさに不忍池に夜通しいた人たちがいましたからね。
上記のメリットデメリットから研究者曰く、
- 小児科医は、ポケモンGOの安全面と注意事項について親と子どもにカウンセリングを行い、多感な青少年に適切なルールを設けていくことが重要だろう。また親や小児科医は、様々な人々を魅了するポケモンGOという人気のあるゲームについてもっと知っておくべきだ。子どもたちがケガや犯罪に巻き込まれないよう守るため、ポケモンGOのゲームを規制し、潜在的なリスクに気を付けていく必要性があるだろう
としています。
やっぱテレビゲームが出たころの問題がポケモンGOで再燃した感じですね。
ということでまずはポケモンGOリリース当初の研究をチェックしてみました。
リリース当初はポケモンGOで重度の引きこもりや若者のひきこもり問題を解決する可能性があるかもと期待していた…!
2016年のときわ病院ときわこども発達センターの研究によれば、ポケモンGOは重度の引きこもりや若者のひきこもり問題を解決する可能性があるかも…?とのことです。
そもそもポケモンGOは、2016年7月6日にアメリカでリリース、その1週間後にはドイツでリリース、その後他のヨーロッパでも続々リリースされ、日本は屈辱の出遅れた感ある7月22日にリリースされました。
んでポケモンGOというスマホゲーはスマホカメラやGPSを使って現実世界とゲーム世界をリンクさせつつ、ポケモンをゲットしに出かけるというゲームとなっております。従来のようにプレイヤーはテレビやパソコン画面の前でずーっと座りっぱなしになったり、携帯ゲーム機を抱えて動かなかったり、自分の部屋に閉じこもってゲームをプレイするといったことをせず、家の外に出て、ポケモンをゲットしたり、ポケストップ(ポケスト)を回したり、情報共有したりすることが求められるとのこと。
…っと出だしはこんな感じでポケモンGOの説明から入っておりました。物事を堅苦しく一から説明するとこんな感じで書くんだな~ってのが勉強になりますね(笑)
んでここから何故かポリゴンショックの話に移行していきます(驚)。なんでもポリゴンショックで約750人の子どもたちがめまいや吐き気、頭痛なんかの症状を訴えたそうで、ひどい人は発作を起こして病院に運ばれるほどだったとのこと。しかし皮肉にもこのことからポケモンは臨床医の興味を引く分野になったんだとか。正直ここはポケモンGOと関係ないんじゃ…。
気を取り直して、ここからひきこもり問題の話に続きます。この問題は当ブログでも以前に記事にしておりますね。
まず引きこもりについて、2012年の札幌医科大学の研究によると、幼少期の不登校から始まり成人期まで続くとのこと。また不登校の定義については、主に心理的要因(恐怖心や不安感、拒否感など)によって1年間で1ヶ月以上学校に行けない場合を言うそうな(もちろん病気で入院などの場合は除く)。そして2015年の文部科学省の全国調査では日本の中学生の不登校率は2.76%ということです。
更に不登校が続いて社会との関わりを避け続けると、成人後もひきこもりになる可能性がございまして、その場合、数年間にわたって自分の家や自室に引きこもってしまうんですよね。因みに2010年の国立精神・神経医療センター精神保健研究所の研究では、日本のひきこもりの総数は約230,000人であると推定されておりました(後に内閣府が調べてみるとその何倍もいましたが)。そしてこれらはネットの普及やネット依存と深く関わっているとして締めくくられております。
…ってことで、ポケモンGOの概要、何故かポリゴンショックの話、そして日本の引きこもり問題の概要を説明したところで、研究者は以下のような仮説を立てたそうな。
- ポケモンGOは、ポケモン図鑑を完成させるため、積極的に外出しなければいけないから引きこもりから抜け出すきっかけになるかも…?
- ポケモン図鑑の完成を目指すことで達成感や自信が高まるかも…?
もちろん、実際にひきこもりな方々でポケモンGOをプレイしているかどうか、そのプレイヤーの数を正確に数えることは不可能なんですが、少なくとも一部のケースではポケモンGOが部屋から出るきっかけになるとのこと。
更にポケモンGOはポケモン世代からそうでない高齢者も孫と一緒にプレイしているうちに夢中になる事も予想されるそうな。そのため様々な期待が持てるみたいです。
そして最後に研究者は、
- 既存のひきこもり支援センターってあんま機能していないから、ひきこもり支援センターにポケストップを設置すれば良いんじゃないか…?そしたら、他人とコミュニケーションしたりできるようになるかもだし…。
とおっしゃっておりました。
ひきこもり支援センターをポケストに…!ってのは面白い視点ですねー。
余談としてポリゴンショックの話でも。ポリゴンショックは1997年12月16日にテレビで放送されたポケモンアニメで起きた事件のことでして、番組内で赤と青の強烈な光がすんごいスピードで点滅するシーンがあるんですよ。その点滅を見た子どもたちが光過敏性発作を起こしちゃったんですよね。
その辺については2002年の昭和大学の研究なんかが結構参考になりまして、その時に発作を起こした子どもたちはそうでない子どもたちと比較して、
- ポケモンのアニメにめっちゃ集中していた…!
- テレビから近い場所で見ていた…!
- 明るい部屋では見ていなかった…!
って傾向が高かったみたい。
だからポリゴンショック以降、今尚続く「テレビを見るときは部屋を明るくしてなるべく離れて見てください」的なテロップが爆誕してしまったんですよね。懐かしい…。
因みにどうでもいい話ですが、ポリゴンショックが放映された当時、親戚から、○○(私の名前)君は大丈夫か…!?って電話がきたのは今でも忘れない思い出。当時は田舎に住んでいたんで、そもそもテレ東は入らない地域だったんすよ(泣)
ということでなんだか横道にそれちゃいましたが、黎明期ならではのポケモンGOに期待を込めた内容でした…!
ポケモンGOで本当に身体活動が増えるのか…?座り時間は減るのか…?
2016年のハワイ大学マノア校のパイロット研究によると、ポケモンGOで本当に身体活動が増えるのか…?座り時間は減るのか…?調べてみたそうです。
そもそも現代人は座りがちなことが多くそのリスクについては以前からご紹介している通りです。そして従来のゲームも座って行うことを基本としておりました。
しかしポケモンGOはGPSを使いリアルに歩いてポケモンをゲットしに行ったり、ポケストップ(モンスターボールやポケモンのタマゴなどのアイテムを収集できる場所)に行ったり、ジム(ポケモンバトルをする場所)に行ったりする必要があるんですよね。また、ポケモンのタマゴ(2キロ、5キロ、10キロ、12キロ)というのもあり、それぞれの距離を歩くことで孵化します。しかもキロ数が大きなタマゴの方がレアポケモンが生まれるんで自然と歩きたくなる仕様になっております。
そんなポケモンGOをプレイすれば、身体活動が増加し、座り時間が減少するんじゃないか…?ってことで今回チェックしてみたそうな。
実験はシンプルな感じでして、SNSや電子メール、Webサイトなんかを使ってアンケートに答えてもらうといった感じ。期間は2016年7月28日~2016年8月31日まで行ったそうなんで1ヶ月ほどですね。
次に集められたアンケートの中から、ポケモンGOプレイ日数が0日だった人やアンケートにしっかり答えていなかったものを除外していったそうな。最終的なサンプル数は486件でして内訳はこんな感じ。
- 女性:57.8%
- 白人:59.9%
- アジア人:28.5%
- 平均年齢:28.6歳
- 平均BMI:26.4
- ポケモンGOの平均プレイ日数:23.3日
またこの研究ではポケモンGOと関係のない身体活動もチェックしておりまして、高強度・中程度・軽度の身体活動に費やした週の日数(0~7日)と、1日当たりの運動時間(0~60分以上の10分間隔)で評価したんだとか。
因みに高強度・中程度・軽度の運動例としては、
- 高強度:サッカーやがっつりした水泳など、心拍数が高く汗をかきまくる運動
- 中程度:早歩きやバレーボールなど、軽く汗をかく程度で疲労感のない運動
- 軽度:ウォーキングや釣りなど、汗をかかない最小限の運動
って感じ。
更に毎日の座り行動の時間については、0時間から10時間以上で評価したそうです。こちらはテレビやビデオ、DVDの視聴時間、ビデオゲームやネットサーフィン、オンラインゲームを対象としたんだとか。
んで気になる結果はこのようになったみたいです。
- ポケモンGOをプレイすると、中程度~高強度の運動が1週間当たり約50分も増えていた…!
- 更に座り時間が1日当たり約30分も減っていた…!
おー。仮説通り身体活動が増え、座り時間が減っていますな。これはすごい…!
更に細かく内訳を見てみますと、
- 軽度の身体活動:1週間当たりプラス47分程増えていた…!
- 中程度の身体活動:1週間当たりプラス38分程増えていた…!
- 高強度の身体活動:1週間当たりプラス14分程増えていた…!
- テレビ・ビデオ・DVDの視聴時間:1日当たり約30分も減っていた…!
- ネットサーフィンの時間:1日当たりも約12分も減っていた…!
- ビデオゲームのプレイ時間:変化なし(まぁ、これはゲーム好きなら仕方ないでしょう(笑))
のようになっておりました。
因みに性別や人種などは関係なかったそうです。
今回の研究は、パイロット研究とはいえ、ポケモンGOリリース当時の研究としては割としっかりしておりまして、まずまず良い感じの結果でした。
最近はモンハンNOWもリリースされましたし、運動不足にゲームを取り入れても良いのかもって思わせる結果ですね…!
もしかしたらポケモンGOは健康的でアクティブな生活をするための新しいモデルになるかも…!と当時期待されていた…!
2016年のCHEO Research Instituteの研究によると、ポケモンGOで運動不足を解消できるのか…?について調べてみたそうです。
そもそも世界的に子どもの運動時間は減っておりまして運動不足は各国で問題となってきております(まぁ子どもに限らず大人もですが)。んで、なんか良い方法はないもんかってことで、ポケモンGOが使えるかも…?ってなったみたいです。
特にポケモンGOは外に出て活動する動機づけになるゲームだ…!ってのがポイントらしく、初期の報告によると、ポケモンGOを行うことによって身体活動レベルが高まっていたとのこと。しかもこれが人口レベルでの戦略として成功していたそうです。なんだかすごそうな話ですな。しかし、当然このゲームの長期的なリスクやメリットは謎でして、その辺は今後の研究に期待…!といったところ。
まぁ当時は、無料のスマホゲーで健康的でアクティブな生活をするための新しいモデルになる可能性がある…!と期待が込められていたみたいです。
ポケモンGOはひきこもりの方が抱える外出する動機がない問題を解決するかも…!
2016年の九州大学の研究によると、ポケモンGOで引きこもりから脱出できるのか…?についてレビューしてみたそうです。
そもそも日本における引きこもりの生涯有病率は約1.2%っぽいって話があるそうで、また当時の統計では541,000人ぐらいかな~って感じだったらしい。しかし、これは15~39歳を対象にしているんで氷山の一角の可能性が高いそうな(確かにその後の調査でもっといましたね)
また引きこもりは日本に限った話ではないそうで、例えば2014年のポートランドVAメディカルセンターの研究では日本だけでなく、インドや韓国、アメリカでもひきこもりの人が増加していたらしい。
一方で因果関係は不明ながらパソコンやスマホの普及はひきこもりと関係があるんじゃないのか…?と研究者たちは考えているそうな。1980年代にテレビゲームが登場して以来、家の中で遊ぶことが多くなっているのは確かで、偶然じゃないんじゃないかな~?とのこと。
じゃあなんでゲームに夢中になるんだ…?ってことで研究者たちが考えている理由は、
- ゲームは明確で現実的な報酬がすぐ得られる。故に満足感が高いのだ…!
- んがしかし現実世界はそんな単純じゃないので明確にすぐ報酬なんかもらえない…!多くの努力や忍耐があって初めて報酬を得る可能性が生まれるんや…!
とのこと。ゲーム化(ゲーミフィケーション)の記事で書いたことですな。
そのため、現実世界でやる気が出ず、ゲームの世界にどっぷりつかってしまうんだと。つまり、現実世界や屋外に出ようという動機がないのが原因ってことですね。
そこんところにポケモンGOが使える可能性があると研究者たちは期待しておりました。なんでも、ひきこもり外来で、それまでほとんど外に出なかった患者さんがポケモンGOを気に毎日外に出かけるようになった事例があったそうな。
その方曰く、
- ポケモンを探している人は公園にたくさんいる。しかしお互いに会話をすることはない。皆、それぞれのスマホ画面をただ見ているだけだ
とのこと。
特にコミュニケーションが発生する訳ではないから問題ないんだと。確かにそうかもしれませんな。またポケモンGOで外に出たからといって強制感や外部圧力なんかはないので、自分の意思で外に出ているってのも大きそうな感じ。更に上記に挙げた「現実世界や屋外に出ようという動機がない」ってのをポケモンGOが作っているのも大きいみたいです。
もちろん、長期的な効果は不明ですし、これはあくまで最初の一歩のきっかけに過ぎないんですが、それでも、そのきっかけを掴めずずるずるいっちゃっているパターンもございますんで、非常によろしいかと。
もちろんポケモンGOのデメリットもあるでしょうが、引きこもり対策の有効な手立てがない現状では期待してしまいますね。
ポケモンGOで運動頻度は増えるのか…?効果はどんな人にもあるのか…?他の健康アプリよりも優れているのか…?社会への影響力は…?って疑問を調べてみた…!
2016年のスタンフォード大学の研究によると、ポケモンGOで運動頻度が増えるのか調べてみたそうです。
そもそも運動はスリムな体型をキープするのに役立ったり、慢性疾患リスクを減らしたりなどメリットが多いことは周知の事実。そして世界中の多くの国々が年齢を問わず運動することを推奨しています。
ではどれぐらい運動したらいいのかですが、例えば、アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)がアメリカ人向けに作った2008年の運動ガイドラインや2010年のWHOの身体活動ガイドラインなんかを見てみると、成人の場合は最低週150分は運動すべし…!となっているんですよね。んがしかし、実際その通り運動している人は少なかったりします。そこで研究者はこの問題にポケモンGOが使えるのか調べてみたらしい。
具体的には以下の4項目をチェックしたそうな。
- ポケモンGOで運動頻度は増えるのか…?増えるならどれぐらい増えるのか…?どれぐらい効果が続くのか…?
- ポケモンGOの効果はどんな人にもあるのか…?例えば、元々の活動レベルや年齢、性別、体重なんかは影響するのか…?
- 運動頻度を変化させる健康アプリは他にもあるが、ポケモンGOとどっちが効果的なのか…?
- ポケモンGOがアメリカの運動頻度にどのような影響を与えたか…?潜在的な人々への影響力を持つ可能性はあるのか…?
気になる視点をチェックしてくれていて良い感じじゃないでしょうか。
次に研究の流れを確認します。
まず研究者たちは以下の参加者を集めたそうです。
- Microsoft Bandっていうウェアラブルデバイスを使うアメリカ人31,793名。そのうちの1,420名がポケモンGOをプレイしていた。
- ランダムに選ばれたMicrosoft Bandを使うアメリカ人50,000名。
続いて1,420名のポケモンGOプレイヤーをどのように選んだかですが、ここがちょっと弱い感じなんですよね。というのも実際にポケモンGOをプレイしていたかを見たわけではなく、推測したものなんですよ。詳しく見てみますと、
- 2016年7月6日(アメリカのポケモンGOリリース日)~2016年8月23日までの間にMicrosoft Bing(検索エンジン)で「ポケモン」というワードを検索した人をピックアップ
- その人たちは、単にポケモンGOを検索しただけでなく、ポケモンGOを実際にプレイしている可能性が非常に高いだろうと推測した
って感じ。
確かにリリース当初に検索している人はポケモンGOに興味がある人だし、ちょっとやってみようかな…って人も多いけど、ここは実際にやっている人かどうかちゃんとチェックしてほしかったな~ってのが正直なところですね…。
因みに今回選ばれた参加者はMicrosoft BandをポケモンGOリリース前から使っておりまして、中央値は433日というかなりの期間、毎日の歩数が計測されていた人たちなんですよ。んで、ポケモンGOリリース前後の歩数の違いをチェックしてみたって感じとなっております。
また他の健康アプリとの比較についてですが、4種類のアプリが選ばれたそうで、そのアプリはiOSとAndroidの両方に対応しており、人気上位にランクインされていたものだったらしい(各アプリの名前は不明)
これらの参加者のデバイスから3ヶ月間にわたってデータ収集し、最後に統計処理したそうです。
気になる結果ですが以下のようになっておりました。
- ポケモンGOを始めて30日間は歩数が大幅に増えていた…!
- 特にハマっていたポケモンGOプレイヤー(検索しまくっていた人)は平均で1日1,473歩も増えていた…!
- つまりポケモンGOプレイの前後で運動頻度が25%以上も増えていた…!
ポケモンGOで確かに歩数は増えていたみたいですね~。
更に詳しく見てみると、
- ポケモンGOで歩数が増えたプレイヤーは元々の歩数が少ない傾向にあった…!
- 具体的にはアメリカの平均的なMicrosoft Bandユーザーの歩数が1日平均6,435歩だったのに対して、5,756歩しか歩いていなかった…!
- しかし、ポケモンGOをプレイしてからは1日平均7,229歩(1,473歩アップ)になっていた…!
- これはポケモンGOをプレイしていない人たちよりも約13%多かったことを意味している…!
って感じ。
普段から歩いていない人程、ポケモンGOで歩くようになったみたいです。
しかしここからが悲しい話でして、効果はあんま続かなかったんですよね…。というのも、
- 大体3~4週間も経つと歩数が減っていっていた…。
- ポケモンGOで増えた歩数が多い人ほど歩数の減りも大きかった…。
ってな状況だったんです。
う~ん…。短期的には効果があったけど長期的にはなさそうな感じだったんですね…。運動するきっかけとしては良さそうだけど、続くかはまた別って感じですな。
次に人によって効果に違いがあったのか…?ですが、これは、
- 元々の活動レベルや年齢、性別、体重に関係なく歩数が増えていたよ…!
ってことなんで、誰でも上記の効果は得られそうです。但し最も効果が出たのは10~30歳の若い方だったそうです。
更に他の健康アプリとの違いについても結果が出ていましたが、これは、
- ポケモンGOは他の健康アプリよりも運動頻度の大幅な増加に関係していた…!
みたいです。健康アプリと同等以上の効果がポケモンGOにはあったんですね。
また健康アプリの使用者はすでに運動をかなりしている人が主な利用者だったのに対し、ポケモンGOは普段運動していなかった人が運動するようになったみたいです。ここは、だから上記の結果になったとも言えますし、一番健康アプリを使うべき人たちに刺さるアプリだったとも言えますね。面白い。
最後にポケモンGOがもたらすアメリカ社会への運動頻度の影響力についてですが、研究者によれば、
- 短期間でポケモンGOによりアメリカの歩数量は合計で1,440億歩も増えたと推定される
ってことなんで、結構影響はありそうな感じだったみたいです。
研究者はこの結果を踏まえて、ポケモンGOの課題を以下のようにおっしゃっておりました。
- 確かにポケモンGOで短期的に歩数が増えるけど、長期的にこの歩数が持続することが最も重要だよね~。
- ポケモンGOのプレイヤーは男性の方が女性よりも多いから、万人受けするゲームではないかもね~。
- ポケモンGOは、既存の健康アプリに取って代わるものではなく、あくまで補助的に使うのが良さそうだよね~。
確かに、やっぱメインはゲームなんで、この辺の問題は出ますわな。
個人的には、ポケモンGOは運動するきっかけとして使う…!って感じにし、そこからは習慣化のテクニックなんかを使ってスムーズな移行を行えると良いのかな~と思いました。
運転中のポケモンGOの事故率などを調べた最初の研究の話
2016年のサンディエゴ州立大学の研究によると、運転中のポケモンGOの事故率などを調べてみたそうです。
まず研究者たちは、2016年7月10日~2016年7月19日までの10日間、ポケモンやドライブ、車といったキーワードを含むポスト(ツイート)をX(旧Twitter)で検索してみたそうな。すると345,433ものポストが見つかったとのこと。
次にこの中からランダムに4,000のポストをピックアップ、それらから以下の3つの内容の記載があるか振り分けて行ったらしい。
- 運転手がポケモンGOをプレイしていたか…?
- 同乗者がポケモンGOをプレイしていたか…?
- 歩行者がポケモンGOに夢中になっていて交通事故に遭っていたか…?
併せて、ポケモンGO中の運転や歩行者に対する安全メッセージのポストがあるのかもチェックしたみたい。
更に研究者たちは2016年7月10日~2016年7月20日までの10日間に載っていたポケモンとドライブの単語を含むGoogleニュースもチェック、結果321件がヒットしたそうな。因みにこの中にはポケモンGOでの交通事故のニュースもあったそうです。また重複したニュースは除外していったらしい。
集めたサンプルがポストやGoogleニュースなんで、バイアスは結構高そうですが、リリース(2016年7月6日)してすぐの調査である事、これが運転中のポケモンGOの事故率を調べた最初の研究であることを踏まえると、文句は言えないですね。
では結果を見てみましょう。
- 33%のポストで運転手や同乗者、歩行者がポケモンGOに気を取られていたことがあると書かれていた…!
- 上記のポストの合計件数はわずか10日間で113,993件であった…!
- 反対に安全性メッセージのポストは13%だった…!
- 残りのポスト(もしもの話、よく分からん話、関係ない話)が54%だった。
- ポストの18%で運転手がポケモンGOをしていた…!
- ポストの11%で同乗者がポケモンGOをしていた…!
- ポストの4%で歩行者がポケモンGOに夢中になって交通事故に遭いそうになっていた…!
- 同時期のニュースでは、運転中のポケモンGOに関する事故が14件起こっていた…!
運転中のながらスマホによるポケモンGOなのか、車で移動して停車して運転手がポケモンGOをしているのかなどは謎なものの18%ってのは一つ基準になる結果ですな。それと意外だったのは、歩行中のながらスマホによるポケモンGOの事故遭遇率がわずか4%しかなかったってこと。もっと多い気がしていたんですが、まぁ、サンプルがポストなんでこんなもんなのかもしれないですね。
また10日間で運転中のポケモンGOに関する事故が14件ってのも規模から思うに多いんだかどうなんだかイマイチ分からない感じですな(ポケモンGOは2016年7月6日のリリースからわずか3か月以内で全世界で5億5,000万回以上ダウンロードされた)
ポケモンGOと事故・身体活動の関係を調べてみた…!
2016年のトレド大学の研究によると、ポケモンGOは健康にとってプラスなのかマイナスなのか調べてみたそうです。
まず研究者たちは2016年7月の最後の2週間に様々な公共の場所に赴き、現地でポケモンGOをしている人たちを探してみたそうな。そこで実際にポケモンGOをプレイしていた成人662人を対象に実際の健康行動について聞いてみたらしい。
その結果、潜在的なデメリットとメリットが浮き彫りになったとのこと。
潜在的なデメリット:事故
ではまず潜在的なデメリットということで、研究者が取り上げていたのは、ポケモンGOにまつわる運転事故、自転車事故、歩行中の事故についてです。これらはインターネットで検索すると簡単に数多くのニュースが出てきます(日本でもそうでしたよね)。んがしかし、メディアが題材的に取り上げることで広がったこの問題ですが、この時点では、調べた研究は1件のみだったそうです(因みにその研究が2016年のサンディエゴ州立大学の研究)
では実際どうなのか…?ってことで、Xのポスト(旧Twitterのツイート)を研究者たちがチェックしてみると、10日間で10万件以上のポケモンGOプレイ中のわき見運転の投稿があったみたい。またこのポスト(ツイート)を調べていくと、ポケモンGOプレイ中のわき見運転で実際に交通事故が起きていたケースが14件投稿されていたらしい。
…っと、こう聞くと、やっぱポケモンGOは危ない…!ってついなりそうなんですが、まずポスト(ツイート)のみで判断している事、そもそも10万以上のうちの14件と考えると別に取り立てて多いとは言えない事を踏まえるとなんだかな~って感じですかね。
んでこの裏取りってことで公共の場所でポケモンGOをしていた662人に聞いて回った結果、こんな感じでプレイしていたそうです。
- 運転しながらポケモンGOをしている人:27.3%
- 自転車などに乗りながらポケモンGOをしている人:43.4%
- 歩きスマホでポケモンGOをしている人:31.5%
- 危険な場所でポケモンGOをしている人:14.1%
- 私有地に入ってポケモンGOをしている人:11.2%
- 睡眠を犠牲にしてポケモンGOをしている人:37.8%
リリース当時はポケモンGOプレイヤーの4分の1以上が運転中にポケモンGOをしていたみたいですね。こりゃ確かに危ないですな。
また、危険な行動をとる人の特徴も見られたらしく、
- 男性の方が運転中や自転車などのながらスマホが多く、危険な場所や私有地に入ってポケモンGOをしている傾向が強い…!
- 24歳以下の人は40歳以上の人よりも、危険な場所等でポケモンGOをする可能性が高い…!
って感じだったらしい。
つまり若い男性が危険な方法でポケモンGOをしていることが多いと。これも想像通りの結果ですな。
潜在的なメリット:身体活動
じゃあ、こんなゲームはやらん方が良いのかってことになっちゃうんですが、研究者は潜在的なメリットもあるよーっと言っておられます。
まず最も有り得そうなメリットは身体活動の増加です。例えば、以前に紹介した2016年のスタンフォード大学の研究によれば、ポケモンGOをプレイするようになって身体活動レベルが大幅に増加した…!としていました。
では実際どうなのか…?ってことで、こちらも研究者たちはフィールドワークによって調べてみたそうです。
具体的には、外でポケモンGOをしている人たちを探して以下の質問をしてみたそうな。
- ポケモンGOを始めてから、週に30分以上の身体活動を何日間行っていますか…?
その後、身体活動ガイドラインがおすすめする週150分以上の基準を満たしているか見比べてみたらしい。
その結果、
- ポケモンGOプレイヤーは週150分以上の基準を満たしている割合が大幅に多かった…!
- ポケモンGOプレイ前に基準を満たしていた人は回答者の31%だった…!
- ポケモンGOプレイ後に基準を満たしていた人は回答者の75%だった…!
とのこと。
リリース当初はやはり皆動き回っていたみたいですね。
最後に研究者たちは、公衆衛生への影響についてもまとめてくれておりました。なんでも公衆衛生の専門家によれば、AR(拡張現実)などの革新的なゲーム技術ってのは人々の健康にいろんな効果をもたらす可能性があるそうです。
メリットとしては、ARゲームにより公園や美術館の利用を促進する絶好の機会になり得るとのこと。また肥満などの対策に役立つ新しいアプローチにもなるんだとか。
一方でデメリットとしては、ながらスマホが増えるんで、ケガのリスクがどうしても増えるとのこと。そのためポケモンGOを運転中に出来なくする仕組みをゲームや車に備える必要があるそうな。
確かにリリース当初はいろんな方がたくさんプレイしていましたんで、そういった対策も必要でしたね~。
ポケモンGOの運動効果は1ヶ月半だった…!
2016年のハーバード公衆衛生大学院の前向きコホート研究によると、ポケモンGOの運動効果ってどうなの…?って疑問を調べてみたそうです。
…どうでもいい話ですが、この論文のタイトルが「ゲットだぜ!ポケモンGOと若者の身体活動:違いの研究」って感じで、ポケモンゲットだぜ!(Pokémon Gotta catch 'em all!)のセリフを上手くタイトルにねじ込んでいるあたりがなんか良いですな(笑)
話しを戻しまして、そもそも位置ゲーに限らず、運動しようぜ…!的なゲームってのは、実際に運動を促進、維持する可能性がある…!って話がございます。例えば2013年のプリマス大学の研究や2014年のアムステルダム自由大学の研究なんかですね。一方でポケモンGOの運動効果は当時ちゃんとしたデータに基づいて調べられていなかったんですよ。そこで研究者たちはこの度、オンライン調査とiPhoneの歩数データを使って調べてみることにしたんだとか。
ということでまず研究者たちは、2016年8月1日~31日までアマゾンメカニカルターク(Amazon Mechanical Turk)っていうオンライン調査を使い参加者を募ったそうな。
するとアメリカに住む18~35歳の2,225名が集まったらしい。またこの方々は、皆iPhone6所持者だったそうな。
次にこの中からポケモンGOをダウンロードしたけどトレーナーレベルが5以上になっていない人(チーム参加やポケモンジムバトルなどできない為。つまりチュートリアルを終えていない人ってことですな)115名を除外したみたい。更に、アンケートに回答しなかった人67名や歩数データのスクリーンショット(スクショ)を送らんかった861名なんかも除外していったんだとか。
結果、最終的なサンプル数は1,182名になったとのこと。
この1,182名には、
- 郵便番号と住んでいる都市名(都市or郊外or田舎)
- 学歴
- 性別
- 年齢(18~24歳or25~35歳)
- 人種(アジア人or白人or黒人orその他)
- 世帯年収(5万ドル(750万円ぐらい)未満or5万ドル以上)
- 婚姻の有無
- 身長と体重からのBMI(25未満or25以上)
- ポケモンGOのインストール日がわかるゲームのスクショ
- 毎日の歩数のスクショ
なんかを聞きだしたそうです。
また住んでいる場所の歩きやすさを、ほぼ車移動、まぁまぁ歩きやすい、歩きやすい、超歩きやすいの4分類に区分けしたそうで、こららのデータを基に統計処理したみたい。因みに歩数データの範囲は、ポケモンGOのインストール前の4週間とインストール後の6週間って感じでした。
結果、560人(47.4%)の方がトレーナーレベル5以上だったそうで、歩数との関係性はこのようになっておりました。
次にグラフの細かい部分をみておきましょう。
- ポケモンGOプレイヤーの開始4週間前の1日の平均歩数は4,256歩だった。
- ポケモンGO非プレイヤーの開始4週間前の1日の平均歩数は4,126歩だった。
- ポケモンGO開始1週間目の1日の平均歩数は5,123歩だった…!
- ポケモンGO開始2週間目の1日の平均歩数は4,994歩だった…!
- ポケモンGO開始3週間目の1日の平均歩数は4,693歩だった…!
- ポケモンGO開始4週間目の1日の平均歩数は4,499歩だった…!
- ポケモンGO開始5週間目の1日の平均歩数は4,108歩だった…!
- ポケモンGO開始6週間目の1日の平均歩数は3,985歩だった…!
んで、結果をまとめてみるとこんな感じ。
- ポケモンGOを始めた最初の1週間は、1日の歩数が955歩も増えていた…!
- しかしその効果は週を重ねるごとに減っていき、6週目にはゲーム開始前より増えてはいるもののわずか130歩で有意差はなくなった…。
- つまりポケモンGOの運動効果は6週間でなくなる…!
- 性別や年齢、人種、体重、地域などは影響がなかった。
確かにポケモンGOの歩数アップ効果はあったけど1ヶ月半で元に戻ってしまうみたいですね。やはりきっかけとしては使えそうですが、継続はまた別問題っぽいですな。
ポケモンGOが楽しかったり友達とやると幸福度はアップする…!現実逃避や寂しさ回避でやるとダウンする…!
2017年のメンフィス大学の研究によると、ポケモンGOをプレイする理由と幸福度への影響について調べてみたそうです。
この研究はポケモンGOをプレイしている男女262名(男性55%、女性45%)に協力をお願いしたもので、平均年齢は30.71歳とのこと。なんでもこのためにポケモンGOをする理由スケールなるものを作成し、それを使って動機と幸福度をチェックしたらしい。
その結果、以下の7つの理由からポケモンGOをプレイしていたんだとか。
- 運動のため
- 楽しいから
- 現実逃避のため
- 寂しさを紛らわすため
- 友達と一緒に遊んでいるため
- 新たな関係性を作るため
- 達成感を感じるため
んで、この中で実際に幸福度にプラスの影響とマイナスの影響を与えていた理由があったそうで、このような感じとなっておりました。
- 「楽しいから」、「友達と一緒に遊んでいるため」の理由でポケモンGOを行っている人と幸福度には正の相関関係があった…!
- 「現実逃避のため」、「寂しさを紛らわすため」の理由でポケモンGOを行っている人と幸福度には負の相関関係があった…!
- 「新たな関係性を作るため」の理由でポケモンGOを行っている人と幸福度には正と負の両方の相関関係があった…!
つまり、ポケモンGOが楽しかったり、友達がやっているから一緒にやっているって人は幸福度がアップし、現実逃避や寂しさ回避でポケモンGOをやっている人は幸福度がダウンすると。さもありなんって感じですな。また、新たな人間関係の形成の場合は、上手くいきゃ~そりゃ幸せになりますし、まずったら不幸せになりますよね。こちらも容易に想像できますな…。
正直今回の結果はポケモンGOに限らずゲーム全般、もっといえばネット依存やSNS問題など様々な部分でも言えるのかな~と思いました。つまり孤独と友達という人間関係のメリット・デメリットが深く関わっているってことですね。また、自分が楽しいからやる…!という部分もまぁ、納得できるかと(難しく言うとACTの価値の明確化とコミットメントですな)
いずれにしてもゲームは自分一人でも他者とでも楽しくやりたいですね~。
現役ポケモンGOプレイヤー・元ポケモンGOプレイヤー・非ポケモンGOプレイヤーで運動効果を調べてみた…!
2017年の香港理工大学の横断研究によると、ポケモンGOを行っている大学生を対象に運動量が増えたか調べてみたそうです。
そもそも他の国同様、香港でも運動不足が問題になっているそうで、なんでも2014年4月に収集された統計では、香港人の20.3%が運動不足だったらしい。以前にご紹介した通り、WHOのガイドラインでは少なくとも週150分は中強度の有酸素運動をしてね…!ってことですが、これをちゃんと守れている香港人は、2014年では37.4%に留まったとのこと。
そこでポケモンGOの登場です。香港のポケモンGOリリースは2016年7月25日だったそうで日本よりも3日遅かったそうなんですが(日本は2016年7月22日リリース)、リリースされると、街中で若者がポケGOを良くしているのを見かけるようになったんだとか。そこで研究者は運動不足にポケモンGOが使えるんじゃないか…?と考えたみたいです。
まず具体的な研究のチェックポイントですが、
- ポケモンGOをプレイする前と後で屋外にいる時間が変わったか、運動量が変わったか…?
- ポケモンGOの現役プレイヤー、元プレイヤーで激しい運動や適度な運動、ウォーキングなどの軽い運動など、身体活動レベルがどのように変わったか…?
- ポケモンGOを今も続けている人・やめてしまった人で違いはあるか…?
の3点にしたとのこと。
ポケモンGOの現役プレイヤーと元プレイヤーで運動量を比べてみるってのは面白い視点ですよね。
続いて実験の流れについても確認しておきましょう。
- 香港の地元大学の学生全員にオンラインアンケート調査依頼メールを送信する。
- 受信拒否の人は除外され、結果、大学生21,935人がメールを受け取る。
- 香港でポケモンGOがリリースされてからの28日後である、2016年8月22日に同意を得ている大学生にオンラインアンケートを依頼する。
- 2016年9月5日にオンラインアンケートを終了する。
アンケートを集計した結果、784人の大学生がオンラインアンケートに回答してくれていたそうです。そのうちデータとして使えるアンケートは644人だったそうで、最後にこれらを統計分析したんだそうな。
ではまずポケモンGOプレイヤーの情報から見ていきますか。
- 現役ポケモンGOプレイヤー(調査時点でポケモンGOをプレイしていた人)は37.7%だった。
- 元ポケモンGOプレイヤー(今はポケモンGOをプレイしていないが以前はしており、少なくとも連続7日間はプレイ経験を持つ人)は27.6%だった。
- 非ポケモンGOプレイヤー(ポケモンGOをプレイしたことがない人)は34.6%だった。
- 男性の割合は48.2%だった(つまり男女の比率は大体同じぐらい)
- 72.5%の人が18~25歳だった。
- 大学生(短大生や大学院生ではない)の割合は70.1%だった。
- 働いていない人の割合は49.1%だった。
ポケモンGOを今もやっている人とやっていない人が同じぐらいだったんですね~。それと意外だったのが男女比が同じぐらいってところでしょうか。
次に現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーを比べた結果を見てみます。
なんでも現役ポケモンGOプレイヤーには過去7日間の行動をメインに質問したそうで、元ポケモンGOプレイヤーにはポケモンGOをやっていたころをメインに質問したそうなんですが、
- 現役ポケモンGOプレイヤーは1週間のうち平均で4.79日プレイしていた…!
- 元ポケモンGOプレイヤーは1週間のうち平均で3.57日プレイしていた…!
- ゲームのプレイ時間には有意差はなかった…!
- 現役ポケモンGOプレイヤーの約60%の人は1日1時間未満しかプレイしていなかった…!
- 元ポケモンGOプレイヤーの約62%の人は1日1時間未満しかプレイしていなかった…!
って感じとのこと。
続くかどうかのポイントは週4日以上やっていたかって感じですね。そしてプレイ時間はあんま変わらないと。また1日1時間未満しかしない人もほぼ同じぐらいでした。ポケモンGOを続けている人とやめてしまった人の違いは週4日以上かどうかってのは過去の習慣化の研究結果とも合致していて面白いですな。
次はメインの話である運動量の違いについての結果です。ここは違いが割と出ておりまして、現役ポケモンGOプレイヤーは元ポケモンGOプレイヤーに比べて、
- ポケモンGOをするとき外に出て、ポケモンがたくさんいる場所(巣とか)やポケストップ、ジムまで歩いたり走ったりしていることが大幅に多かったし、タマゴを孵化させるためにも歩いたり走ったりしていることが大幅に多かった…!
とのこと。
長くポケモンGOを続けている人ってのは、車や自転車など使わず、本来の方法である歩いたり走ったりしている人が多かったんですねー。
ではこの辺を更に細かく見てみましょう。
ではこの辺を更に細かく見てみましょう。
- 現役ポケモンGOプレイヤーがポケモンGOをプレイする時に外にいる時間が51.1%だった…!
- 元ポケモンGOプレイヤーがポケモンGOをプレイする時に外にいる時間が29.2%だった。
- 現役ポケモンGOプレイヤーがポケモンGOをプレイするために外に出たことがないという人は20.6%だった…!
- 元ポケモンGOプレイヤーがポケモンGOをプレイするために外に出たことがないという人は28.7%だった。
- 現役ポケモンGOプレイヤーがポケモンGOをするために外に出て1日少なくとも60分過ごしたという人は53.9%だった…!
- 元ポケモンGOプレイヤーがポケモンGOをするために外に出て1日少なくとも60分過ごしたという人は43.8%だった。
- 現役ポケモンGOプレイヤーでポケモンを捕まえるために特定の場所(巣)やポケストップ、ジムまで歩いたり走ったりしている人は42.8%だった…!
- 元ポケモンGOプレイヤーでポケモンを捕まえるために特定の場所(巣)やポケストップ、ジムまで歩いたり走ったりしている人は26.9%だった。
- 現役ポケモンGOプレイヤーでポケモンを捕まえたり、ポケストップやジムに行くために、1日20分以上歩いたり走ったりしていた人は31.3%だった…!
- 元ポケモンGOプレイヤーでポケモンを捕まえたり、ポケストップやジムに行くために、1日20分以上歩いたり走ったりしていた人は21.3%だった。
- 現役ポケモンGOプレイヤーで卵を孵化させるために時々又はほぼ歩いたり走ったりしている人は30.9%だった…!
- 元ポケモンGOプレイヤーで卵を孵化させるためにほぼ又は全く歩いたり走ったりしていない人は87.1%だった。
ポケモンGOが続いた人は外に出てアクティブに動き回っているみたいですねー。それに対し続かなかった人は当初ゲームをしていた時もあんま動いていなかったみたいですね。
また研究者は現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーがポケモンGOの為にあえて歩いたり走ったりしていた時間も推定してみたそうで、結果は、
- 現役ポケモンGOプレイヤー:ポケモンGOの為に1週間で平均98.43±151.21分余計に動いていた…!
- 元ポケモンGOプレイヤー:ポケモンGOの為に1週間で平均68.23±141.82分余計に動いていた…!
って感じで有意差もあったそうな。
また現役ポケモンGOプレイヤーの中で、以前からウォーキングやジョギングをしていた人とそうでない人のポケモンGO中のウォーキングやジョギング時間を比較してみると、
- 以前からウォーキングやジョギングをしていた人:1週間のうち平均で89.88±145.43分
- 以前はウォーキングやジョギングをしていなかった人:1週間のうち平均で108.19±158.21分
だったそうです。
先行研究でもありましたがやはり、元々運動していなかった人の方が運動時間が多くなっているみたいですねー。
そして身体活動レベルがアップしたのかについては、現役ポケモンGOプレイヤー166人と元ポケモンGOプレイヤー107人、非ポケモンGOプレイヤー147人の合計420人を対象に、過去7日間の身体活動レベルを評価して調べてみたんだとか。
結果は、
- 3グループとも身体活動レベルに有意差はなかった。
そうです。
残念ながら運動レベルがアップするところまではいかなかったみたいですねー。
それと補足的な情報の結果としては、
- 脚の痛みや疲労感は現役ポケモンGOプレイヤーが12.3%、元ポケモンGOプレイヤーが3.9%だった
- ポケモンGOによる健康上の不快感がないと回答した割合は、現役ポケモンGOプレイヤーが67.5%、元ポケモンGOプレイヤーが76.4%だった
- 現役ポケモンGOプレイヤーにいつまでこのゲームを続けるか聞いたら、12.0%が1年以上続ける、47%がいつまで続けるか分からないと回答した
- 非ポケモンGOプレイヤーにポケモンGOをしなかった理由を聞くと、大半は興味がない、時間がなかったと回答した
そうです。まぁ、そうですよねーって結果ばかりですね。
では冒頭にあった研究のチェックポイントと回答をまとめておきましょう。
- ポケモンGOをプレイする前と後で屋外にいる時間が変わったか…?:変わった。外に出る時間が多くなっていた…!
- ポケモンGOをプレイする前と後で運動量が変わったか…?:変わった。特に元々運動していなかった人の方が効果は大きい…!
- ポケモンGOの現役プレイヤー、元プレイヤーで激しい運動や適度な運動、ウォーキングなどの軽い運動など、身体活動レベルがどのように変わったか…?:現役ポケモンGOプレイヤーは元ポケモンGOプレイヤーよりも平均で1週間のうち30分程歩いたり走ったりすることが多くなっていた。但し身体活動レベルに有意差はなかった…!
- ポケモンGOを今も続けている人・やめてしまった人で違いはあるか…?:週に少なくとも4日ポケモンGOをしていた。また、外に出てポケモンの巣やポケストップ、ジムまで行く、タマゴを孵化させることを積極的に行っていた…!
なお、研究者は2000年のサウスカロライナ大学の研究を参考にしてどれぐらいカロリーを消費していたかも計算しておりました。
この研究によると時速4.8kmのペースで歩くと1時間に1kg当たり3.3kcal消費するってことなんで、体重60kgの人だと仮定すると、
- 週98.43分歩くので週325kcalも消費している…!
ってことになります。もちろん体重が60kgより多ければもっとカロリー消費量は増えますね。
また上記に書いた通り、普段運動していない人、つまり座りがちな人程より動くようになっており、その場合は、
- 週108.19分歩くので週357kcalを消費している…!
ってことになりますな。
こう考えるとすごいですね~。
ということでポケモンGOは特に普段運動しない座りっぱなしの人が運動を始めるきっかけとして使えそうな感じ。但し、難しいのはゲームを続けるモチベーションが続くかってところでしてここは研究者も指摘しておられました。
そう考えるとやはりポケモンGOなんかの位置情報ゲームは、運動するきっかけとして使い、その後は習慣化のテクニックを使っていくのが望ましいように感じます。
ポケモンGOがはっきりと原因だと分かる歩行者負傷の交通事故の最初の事例研究
2017年のパドヴァ大学の研究によると、ポケモンGOによる歩きスマホの交通事故の事例について調べてみたそうです。
なんでも研究者によれば、ポケモンGOがはっきりと原因だと分かる歩行者負傷の交通事故の最初の事例研究とのことです。
この研究は、パドヴァ大学の救急医療センターに運ばれてきた25歳の男子大学生を対象にしたもので、なんでもポケモンGO中にトラックにはねられたんだそうな。
んでその当時の状況は以下な感じだったらしい。
- 男子大学生はポケモンGOをしながら住宅街の歩道を一人で早足で歩いていた。
- ポケモンGO中のながらスマホの状態で交差点に差し掛かった。
- 信号は赤だったが、そのまま道路を横断した。
- この時、男子大学生曰く、ポケモンGOに気を取られていて、赤信号に気づかなかったとのこと。
- そこに法定速度を守っている3トントラックがきた。
- 運転手はブレーキをかけたが間に合わず、男子大学生に衝突、トラックのボンネットに乗り上げ、その後地面に落ちた。
この時のことについて男子大学生曰く、
- ポケモンGOに熱中するあまり、信号を見ていなかったし、トラックが来ている事にも気づかず、車の音も聞こえなかった
と話していたそうです。
ポケモンGOと交通事故がはっきり関係あると分かっている最初の事例研究を見てみました。
正直、スマホに熱中していれば誰でも起こり得ることなんで、ポケモンGOに限らないんじゃないかな~と思いますが、当時はスマホに熱中してながらスマホになる原因の最たる例がポケモンGOだったので仕方ないですね。
ポケモンGOの動機を調査した最初の研究の話
2017年のアーヘン工科大学の研究によると、ポケモンGOのような位置情報ゲームを始めるきっかけ、継続する理由、辞める動機などを調べてみたそうです。
具体的には以下の6点をチェックしてみたんだとか。
- ポケモンGOをどのくらいの時間プレイしているか…?
- ポケモンGOを始めたきっかけは何か…?
- ポケモンGOを続けている理由は何か…?
- ポケモンGOを辞めた理由は何か…?
- ポケモンGOで運動頻度が変わるのか…?
- ポケモンGOをする人はどのような性格なのか…?
因みに研究者曰く、ポケモンGOの動機を調査した最初の研究とのこと。これは気になりますね~。
ということでまず研究者たちは、2016年10月26日~11月20日までの間にFacebookの広告などを使って参加者を募集してみたそうな。続いて全42項目からなるポケモンGOに関するwebアンケートに答えてもらったらしい。
その後、アンケート調査に参加すると言ったけど実際に答えてくれなかった人やアンケートを中途半端で止めちゃった人のデータを除外していったそうで、最終的には199人分のデータが集まったみたい。因みに199人の内訳は、
- Facebook広告→53人
- ポケモンGOフォーラムを通じて→62人
- メールを通じて→12人
- 不明→72人
って感じだったそうです。
次にwebアンケートについてなんですが、まず研究者たちは
- 現役ポケモンGOプレイヤー
- 元ポケモンGOプレイヤー
- 非ポケモンGOプレイヤー
の3グループに分けて比較したかったんで、最初の質問でどれに該当するかを質問してみたそうな。その後、身体活動や動機などを項目ごとに質問していく形式だったみたい。併せて、プレイ期間や到達レベルの詳細も聞いてみたんだとか。
更に質問のポイントをまとめておきますと、
- 身体活動:汗をかくぐらいの運動を最低週30分間行っているかで、主観的な身体活動量をチェックした。また定期的に運動していない人には、月数回や月1回程度、めったにしない、全くしないという項目も用意し聞いてみた。更にポケモンGOで運動への関心が増えたか、ポケモンGOで実際に運動頻度が増えたかも聞いてみた
- モチベーション:ポケモンGOを始めた最初の動機、継続する動機を聞いた。ポケモンGOに不足している機能についても聞いてみた。元ポケモンGOプレイヤーには辞めた動機、欲しい追加機能について聞いてみた
- 性格:ポケモンGOを始める始めないに性格が関係あるのか調べるため、ビッグファイブ(簡易ビッグファイブ・ショートビッグファイブ)を行った
のようになっておりました。
最後にwebアンケートを統計処理してどのような傾向があるのかまとめてみたそうです。
それではまず最初の質問の結果から見ていきましょう。
- 現役ポケモンGOプレイヤー:81人(男性54人、女性27人)、平均年齢34.9歳
- 元ポケモンGOプレイヤー:56人(男性34人、女性22人)、平均年齢25.6歳
- 非ポケモンGOプレイヤー:62人(男性32人、女性30人)、平均年齢38.8歳
これをみると、やっぱり男性の方がやっている、やっていた人が多く、また年齢も比較的若い世代が多いみたいですね。
続いて、身体活動(運動)についてです。
- 現役ポケモンGOプレイヤーは、元ポケモンGOプレイヤーや非ポケモンGOプレイヤーに比べて、全体的に身体活動が少ないと述べていた…!
- 具体的には、現役ポケモンGOプレイヤーは週に数回から全く運動しないと幅広く答えていたのに対し、元ポケモンGOプレイヤーや非ポケモンGOプレイヤーは週に数回運動していると答えていた…!
- 上記結果には3グループ間の有意差があった…!
- 身体活動への関心度については、現役ポケモンGOプレイヤーは高まったと答えていた…!
- それに対して、元ポケモンGOプレイヤーは身体活動への関心度が高まったと思っていなかった…!
- 上記結果には有意差があった…!
- ポケモンGOで運動頻度が増えたかどうかについては、現役ポケモンGOプレイヤーの58%が多くなったと答えていたのに対し、元ポケモンGOプレイヤーが多くなったと答えたのは10%未満だった…!
- 上記結果には有意差があった…!
つまり、ポケモンGOをしている人は運動する頻度がバラバラで、全体的にみたら少ない傾向にあると主観的に思っているんだけど、一方でポケモンGOによって運動への興味関心が増え、ポケモンGOを行うことによって実際に運動することが多くなったと答えていたみたいですね。
先行研究であった、今まで運動していなかった人ほどポケモンGOの身体活動効果は大きい…!ってのと合致していますな。
お次はポケモンGOを始めた動機、続けている動機、辞めた動機というモチベーションについて見ていきます。
まずはポケモンGOを始めた動機と続けている動機から。
- ポケモンGOを始めたきっかけの最も多かった理由は、興味があったから…!
- また、ポケモンが好きだから…!メディアで見たから…!友達から誘われたから…!という理由も大きな理由だった…!
- 現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーで唯一大きな違いが見られたのはARに興味があったから…!の項目だった。
- 元ポケモンGOプレイヤーは、現役ポケモンGOプレイヤーよりも、ARに興味があったから…!の項目に多く該当すると答えていた…!
- ポケモンGOを継続するのに最も必要だった動機は、次のレベルに到達したことだった…!
- その他では、ポケモン図鑑を完成させる…!やポケモンGOが楽しいから…!、より興味関心が高まったから…!を挙げていた…!
- 現役ポケモンGOプレイヤーは全体的に多くの理由をあげる傾向にあった…!
まとめると、現役ポケモンGOプレイヤーは、全てのポケモンをゲットしてより高いレベルを目指すなど、ポケモンに直接かかわる機能がメインの動機みたいっすな。対して、元ポケモンGOプレイヤーはより優れたARや多くの機能など、一般的なゲームの質の重要性がメインの動機みたいです。こうやってみると面白いですね~。
因みに研究者は人との交流でモチベーションが変わるのかもチェックしたそうなんですが、現役ポケモンGOプレイヤーの90%と元ポケモンGOプレイヤーの95%が、友達のグループは変わらないと言っていたらしい。知らん人との交流は増えないってことですね。
但し、友だちや家族での会話でポケモンGOの話題がどれぐらい出るかについては大きな違いがあったそうで、
- 元ポケモンGOプレイヤー:50%が全く話さない、39%がほとんど話さない、11%がよく話すと答えた
- 現役ポケモンGOプレイヤー:11%が全く話さない、56%がほとんど話さない、20%がよく話す、5%がほぼ話す、9%が必ず話すと答えた
とのこと。
まぁ、実際やっている人は周囲もやっていることが多いんで自然と話のネタとして多くなりますわな。
更に面白かったのが、元ポケモンGOプレイヤーに再開するにはどのようなことが必要かも尋ねてみたんだとか。これはソシャゲを作っていて長く運営している企業全般が気になる情報ですね(笑)
んで、元ポケモンGOプレイヤーが何と答えたかといいますと、
- ゲームの機能が多くなる事(21%)…!
- 他ユーザーとコミュニケーションをとる機能の追加(32%)…!
- サーバーの安定性とバッテリー消費量の減少(13%)…!
- 新イベントやより戦略的なゲーム要素の導入(11%)…!
とのこと。
確かにリリース当初は機能が少なく、コミュニケーションをとることも全然できませんでしたらね~。また鯖落ち(サーバーが落ちて通信がしづらい、できなくなる)なんかはネットゲームの死活問題ですからな。
それとバッテリー消費問題は初期のポケモンGOの代名詞みたいなもんでして、これでモバイルバッテリーが一気に普及した感も否めませんからね。
イベントも最初は全然なくて(ハロウィンとクリスマスぐらい)、巣や地形で湧くポケモンに偏りがあったから、つまらんみたいになったのも分かります。ジム置きなんてCP順で同じポケモンが置けたから個体値の良いカイリューばっかだったし…。つか、懐かしいな(笑)
…っと話がちょいそれちゃいましたんで戻ります。
今度は辞めた動機ってのをバーッと見ていきましょう。
- 退屈だから(57%)…!
- 失望したから(23%)…!
- より高いレベルに到達するのが難しいから(29%)…!
- 技術的な問題(サーバーの安定性やバッテリー消費問題)があるから(18%)…!
- 実装ポケモンが少ないから(18%)…!
- ポケストップが少ないから(9%)…!
- ジムが少ないから(5%)…!
- 一緒にやる人がいないから(7%)…!
- 興味関心が薄れたから(11%)…!
- ポケモンGOをする時間がなくなったから(9%)…!
やっぱ上記にあった、元ポケモンGOプレイヤーはゲームの質が重要ってのに沿う形ですね。
最後はビッグファイブ(性格)と現役ポケモンGOプレイヤー・元ポケモンGOプレイヤー・非ポケモンGOプレイヤーに違いがあるのかですが、これは結論から言っちゃうと関係なかったみたいです。
一応どんな感じだったかデータを載せておきますね~。
- 性格特性:現役:元:非
- 外向性:3.2:3.5:3.4
- 協調性:2.9:3.0:3.1
- 誠実性:3.4:3.4:3.7
- 神経症傾向:2.8:3.0:2.7
- 開放性:3.5:3.5:3.5
オマケとして個人的に気になったアンケート項目について書いておきます。
このwebアンケート調査の中で、現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーにポケモンGOで不足している機能についての質問があるんですよね。そんでこの回答が現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーにポケモンGOで傾向が違ったんですよ。
どんな感じだったかといいますと、
- 現役ポケモンGOプレイヤー:ポケストップとジムが足りん…!
- 元ポケモンGOプレイヤー:ポケモン交換機能やAR機能をもっと良くして…!
って感じだったんすよね。
これらは今もポケモンGOを続けている人はご存知の通り、
って感じで後にアップデートで改善されたんですな。
また現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーの両方からの要望としては、近場でより多くのポケモンが湧いてほしい、ポケモンを交換しやすくしてほしいってのもあったみたいで、これらも改善がある程度されております。
こう考えると、ポケモンGOに限らずこの研究結果はスマホゲー(ソシャゲ)を作っている方や長く運営するヒントがあると言えますね。
ポケモンGOで1日2,000歩増える…!1日1万歩以上歩くことが12.2%も増える…!特に30歳以上で普段運動しない太った人がポケモンGOにのめり込むと歩きまくる…!
2017年のデューク大学医療センターの研究によると、ポケモンGOで運動するようになるのか調べてみたそうです。
まず研究者たちは、デューク大学のキャンパス周辺にあるポケストップに参加者募集のチラシを置いてみたんだとか。因みにこのチラシにはリンクとQRコードがありまして、それを開くと実験参加に応募できるという仕組みでございます。同様に他の地域の人々にも参加してほしかったため、FacebookやTwitter(X)、Reddit、WeChatからも参加者を募ったそうです。
すると、北米や南米、ヨーロッパ、オーストラリア、アジアから合計167人の参加者を集めることに成功したみたい。この方々は18歳以上であり、尚且つiPhoneユーザーとなっております。また、ポケモンGOのリリース(2016年7月6日)の3週間前(2016年6月15日)~3週間後(2016年7月31日)までの以下のデータを提供してもらったそうな。
- ポケモンGOのトレーナープロフィール画面
- iPhoneの標準ヘルスケアアプリに自動的に記録された毎日の歩数
併せて年齢や性別、BMI、自己申告による運動頻度などのアンケートにも答えてもらったらしい。
その結果、
- 年齢の中央値は25歳(年齢範囲21~29歳)だった
- BMIの中央値は23.4(BMI範囲20.5〜25.6)だった
- 167人中80人(約半数)が女性だった
- 84.4%というほとんど人が2016年7月6日のリリースから1週間以内にポケモンGOをダウンロードしていた
- プレイ時間の中央値は1日2時間だった
- 移動中の乗り物の中で常にポケモンGOをしていると答えた人は4.2%しかいなかった
- 但し、90%を超える人が車内でポケモンGOを行ったことがあると答えていた
- んがしかし、85%以上の人がポケモンGOをするようになって運動頻度が増えたと言っていた
ということがまず分かったそうです。
では気になるポケモンGOと歩数の関係を見ていきましょう…!
まずは1日の平均歩数についてです。
- ポケモンGO開始前:1日の平均歩数は5,678歩…!
- ポケモンGO開始後:1日の平均歩数は7,654歩…!
つまり、1日平均2,000歩程も増えたことになります。これはすごいですね~。
続いて、1日の歩数が10,000歩を超えた日の割合について見てみます。
- ポケモンGO開始前:15.3%…!
- ポケモンGO開始後:27.5%…!
ということで、1日1万歩以上歩くことが12.2%もアップしたみたいです。
こちらもなかなかですな。
更にこの研究では、1日に増えたポケモンGOトレーナーの経験値(XP)もチェックしておりまして、そこから歩数の関係もみているんですよ。これは面白い視点ですよね。
んで早速結果を見てみますと、
- 1日平均10,293ポイントの経験値を獲得していた
- ポケモンを1匹ゲットすると100の経験値が基本もらえるので100匹ぐらいゲットしていたものと思われる(経験値はタマゴの孵化やジムバトルの勝利、ボーナスポイントでも受け取れるけど)
- ポケモンGOの経験値とポケモンGO開始後の1日の歩数の変化をグラフにしてみると、ポケモンGOの経験値10,000に対して1日の歩数が2,134歩だった…!
とのこと。
つまりポケモンGOで1万経験値を得ると2,000歩歩いた…!ってことになるんですね。まぁ、これは当時の計算なんで今のポケモンGOには当てはまりませんが…。
最後にその他の情報も挙げておきます。
- 1日1時間未満しかプレイしない参加者、20歳未満の参加者、元々運動している頻度が高い参加者を除いて、ポケモンGO開始後の運動頻度をチェックしてみたが、一貫して身体活動レベルが高くなる傾向があった…!
- 30歳以上の参加者が最も歩数がアップしていた(1日3,320歩も増えていた)…!
- 元々運動していなかった人の方が歩数がアップしていた(1日2,899歩も増えていた)…!
- 肥満な人ほど歩数がアップしていた(1日3,031歩も増えていた)…!
- 1日2~2.5時間ポケモンGOをプレイした人(1日2,861歩も増えていた)は、1日2.5時間未満の人(1日2,238歩も増えていた)よりも平均歩数が多かった…!
- 休日やテスト前などの例外の日を除外すると、1日2,141歩も増えていた…!
- 普段スマホを持ち歩かない人のデータを除外すると、1日2,094歩も増えていた…!
まとめると、30歳以上で普段運動しない太った人がポケモンGOにのめり込むと歩きまくる…!って感じでしょうか。この結果も先行研究と大体同じ感じですね。
研究者もおっしゃっておりましたが、普段から走ったりしている人はポケモンGOの運動メリットを受けにくいと考えられます。しかし、ゲーマーは座っていることが多いんで、そういった人にはポケモンGOは良いんじゃないかと。
また肥満体型な人(BMIが25以上の人)も、ポケモンGOで1日3,031歩も増えており、これは痩せ体型の人(1日1,512歩増えた)と比べて、約2倍もアップしていますんで、やはり良さげな感じです。
運動のきっかけにはやはり位置情報ゲームは使えるんじゃないでしょうか…?
ポケモンGOで歩行時間が増え座り時間が減った…!
この研究は、2016年9月にポケモンGOをインストールした大学生358人(男性171人、女性187人、年齢19.8±2.1歳)を対象にしたもので、スマホを使って毎週の歩行時間と座り時間のアンケートに答えてもらったと言うもの。更に参加者全員に一度、聞き取り調査もしておりまして、以下の3つの時点で歩行時間と座り時間がどうだったかチェックしてみたんだとか。
- ポケモンGOの開始前
- ポケモンGOの開始後の最初の週
- ポケモンGOの調査終了の週
最後に集まったデータを見比べてみた結果、
- 歩行時間と座り時間には有意な関係があった…!
とのこと。
やっぱりポケモンGOには運動効果がありそうな感じですねー。
では続いて歩行時間と座り時間について詳しく見ていきます。
まずは歩行時間から。
- ポケモンGOの開始前:108.5±110.8分
- ポケモンGOの開始後の最初の週:218.6±156.3分
- ポケモンGOの調査終了の週:182.7±172.1分
次に座り時間です。
- ポケモンGOの開始前:346.6±201.3分
- ポケモンGOの開始後の最初の週:261.7±172.4分
- ポケモンGOの調査終了の週:284.3±175.4分
つまり、歩行時間が増え座り時間が減ったってことですね。但し、やはり時間が経つにつれ徐々に歩行時間が減り座り時間が増えていますな。この辺も先行研究と同じ結果ですね~。
因みに今回の研究で性別の違いは関係なかったそうです。
ポケモンGOを長く続けている人は協調性・忍耐力・計画性が高い…!
2017年のジュネーブ大学の縦断研究によると、半年間継続してポケモンGOをプレイしている人の性格特性と1日の歩行距離による健康への影響について調べてみたそうです。
そもそも今までのポケモンGOの研究ってのはどれも短期間について調べたものが多く、長期に於いてどのような影響があるのか分かっていなかったんですよね。そこで研究者たちはそこん所を調べてみたんだとか。
具体的には、ポケモンGOを行っている10の国々の人々に、SNSを通じてオンラインアンケートに回答してもらったとのこと。このアンケートは全部で2回行われたみたいで、それぞれの概要は以下な感じだったらしい。
- 1回目のアンケート:2016年8月に行い402人が回答した。主に性格特性をチェックする感じで、例えば衝動性や認知、曖昧さへの柔軟性、競争力、自己効力感なんかを調べた。
- 2回目のアンケート:2016年12月に行い151人が回答した。今もポケモンGOをプレイしているかを調べた。
最後に集まったデータを見比べてみたところ、以下のような傾向があったそうです。
- 1日の歩行距離を予測する性格特性はなかった。
- 2回目のアンケートの時、まだポケモンGOをプレイしていた人は、協調性・忍耐力・計画性が高いという3つの共通した性格特性があった…!
- 1日の歩行距離は、1回目のアンケートよりも2回目のアンケートの方が大幅に短かった。但し、それでも始める前よりは歩行距離が長かった…!
つまり、ポケモンGOを長く続けている人の特徴は、他人との付き合い方が上手く、我慢強く、計画通りに物事を進めるのが上手い人…!ってことですね。つか、この特徴って別にポケモンGOに限らず…というかゲームに限らず物事を続けていく際に共通する重要ポイントなような気が…。
また上記結果から研究者は、
- 協調性・忍耐力・計画性が高い人はポケモンGOを長く続ける
- 長期的に歩行距離が増えるなど身体活動がアップする
- 健康的になる…!
って可能性があるとおっしゃっておりました。
確かに有り得る話ですね。
上記を見て個人的には、ゲームだろうとなんだろうとある程度何かを続けるにはセルフコントロールが大事だよな~と思いました。
ポケモンGOはソーシャルキャピタルのアップに役立つかも…!
2017年の香港大学の研究によると、ポケモンGO(位置情報ゲーム)がソーシャルキャピタルのアップに使えるのか調べてみたそうです。
そもそもソーシャルキャピタルとは、社会や地域につながっている…!と感じられることを言いまして、他者との信頼やつながりみたいな意味合いを持っております。社会的欲求が満たされているかどうかに似ている感じですな。
んで、このソーシャルキャピタルアップにポケモンGOみたいな位置情報ゲームが役立つんじゃないか…?ってことでこの度初めて調べてみることにしたんだとか。具体的には、ポケモンGOを行っている者同士が実際に会って交流する頻度が促進されるんじゃないかと研究者は考えたみたいです。
実験は、アメリカ人の男女349名を対象に行っておりまして、そのうちの57%が男性、平均年齢が32.40歳、年齢の範囲は19~66歳の間だったとのこと。この参加者たちをポケモンGOプレイヤーと非ポケモンGOプレイヤーに分けつつ、位置情報ゲームがソーシャルキャピタルアップに役立つのかチェックしたみたい。
その結果、
- ポケモンGOはソーシャルキャピタルのアップに役立つ…!
- ポケモンGOプレイヤー同士でコミュニケーションと自己開示をより多くすることによって、ソーシャルキャピタルがアップしやすくなる…!
- やっぱりソーシャルキャピタルアップには対面での交流がポイントであり、ポケモンGOはそれを促進するツールとして使えそう…!
とのこと。
確かに共通の話題があると他者との会話は弾みますし、そうなれば自然と社会や人とつながっている感はより多く感じられるでしょうな。
この研究はオンラインアンケートを用いて行われたもので、アンケートの数は全部で47件だったそうな。ここから、
- ポケモンGOの現在の状況
- ポケモンGOを始める前の身体活動
- ポケモンGOの楽しさや社交的な動機
- ポケモンGOを始めた後の身体活動
- ポケモンGOと近隣の環境
っていう5つの項目をチェックしてみたらしい。
最後にデータを統計処理した結果、
- 参加者のうち、64%の人がポケモンGOのおかげで以前よりも運動する量が増えたと感じていた…!
- 1週間のうち、約3回・3時間・9km分余計に歩いていた…!
- 上記結果に性別や体重は関係なかった…!
- 但し、参加者のうち、78.7%の人がすでにポケモンGOを辞めていたり、プレイ時間を減らし始めていた…!
- 近所でポケモンGOを行っている人は、より安全にプレイできていたり、歩行スコアが良かったりした…!一方で、家の近くのポケストップの数とマイナスの相関があることも分かった…!
とのこと。
やはりこのパイロット研究でもポケモンGOで運動するようになったみたいですが、継続が課題みたいですねー。
ポケモンGOは日本の社会人のストレス解消になる(但し小さい効果)…!
2017年の東京大学などの後ろ向きコホート研究によると、ポケモンGOで成人労働者のメンタルや体の不調の改善、仕事のパフォーマンスアップに役立つのか調べてみたそうです。
そもそもポケモンGOがメンタルにどのような影響を及ぼすのかは意外とわかっていなかったりします。実はポケモンGOとメンタルの関係って症例の報告や事例ばっかなんですよね。つまり科学的証拠が当時はまだなかったんですよ。
そこで研究者たちは、日本の成人の働く人を対象にポケモンGOと心理的苦痛の改善などとの関係性についてこの度チェックすることにしたんだとか。因みに研究者曰く、
- これはポケモンGOと精神的健康との関係性を調べた初めての科学研究であり、位置情報ゲームが公衆衛生に及ぼす影響を理解するのに役立つだろう
としています。
また研究者の見立てでは、
- ポケモンGOをすると心理的苦痛が減るんじゃないか…?
って仮説を立てたみたい。
それでは実験の具体的なデザインを見ていきましょう…!
まず研究者たちは調査に協力をしてくれる人を日本のアンケート調査の最大手であるマクロミルに依頼したそうな(そういや昔登録してアンケートに答えていたな~懐かしい)。因みにマクロミルは47都道府県に200万人を超える登録者を抱えておりまして、今回その中からランダムに選ばれた人にオンラインアンケートを実施したみたい。期間はスタート時である2015年11月26日~2016年2月18日とフォローアップ時である2016年12月1日~4日でしてスタート時のサンプル数は3,915人だったそうです。
アンケートの最初に性別(男性or女性)と年齢(18~29歳or30~39歳or40~49歳or50歳以上)をチェックしてグループ分けしたそうで、また、以下の参加者基準を満たしているかどうかも見てみたそうな。
- 日本在住の労働者か…?
- 民間企業や公務員、フリーランスで働いているか…?
- フルタイムで働いているか…?
つまり、日本でフルタイムで働いている人に的を絞った感じでして、働いていない方やパートの方は除かれております。
それとポケモンGOプレイヤーとするかどうかの判断基準は、
- 過去1年間にポケモンGOを1ヶ月以上プレイし続けたか…?
にしたんだとか。
続いて健康のチェック方法について見ていきましょう。
主にメンタルの不調と体の不調を調べた感じでして、職業性ストレス簡易調査票(BJSQ:Brief Job Stress Questionnaire)を使って測定したそうです。これは日本ではかなり有名なストレスチェック法ですよね(うちの事業所でもスタッフは毎年行っている)
仕事のパフォーマンスについては、WHOの健康と作業パフォーマンス質問票(WHO-HPQ)
ってのを日本語短縮版としてアレンジした「世界保健機関 健康と労働パフォーマンスに関する質問紙(短縮版)日本語版(WHO Health and Work Performance Questionnaire (short form) Japanese edition)」を使って測定したみたい。
スタート時のアンケートに回答してくれた3,915人のうち、フォローアップ時のアンケートにも協力してれたのは2,599人でして、更にここから失業した方69人を除いたんで、最終的なサンプル数は2,530人となりました。
因みに2,530人中、ポケモンGOを1ヶ月以上プレイし続けた方は246人でして9.7%の方が該当していたらしい。およそ10人に1人がポケモンGOにハマっていたってことですな。
またポケモンGOプレイヤーの特徴としては、
- 若い人が多い(ポケモンGOプレイヤーの平均年齢37.09±10.85歳、非ポケモンGOプレイヤーの平均年齢42.66±10.65歳)
- フルタイムで日勤者が多い(フルタイム84.9%、日勤者87.5%)
って感じ。
最後に性別や年齢、喫煙や飲酒習慣といった変数を調整したとのこと。
それでは、気になるポケモンGOのメンタルと仕事のパフォーマンスへの影響を見てみましょう…!
- チェック項目:ポケモンGOプレイヤーのスタート時:ポケモンGOプレイヤーのフォローアップ時:非ポケモンGOプレイヤーのスタート時:非ポケモンGOプレイヤーのフォローアップ時
- メンタルの不調:42.00:39.86:40.38:40.40
- 体の不調:20.85:20.32:20.29:20.26
- 仕事のパフォーマンス:59.70:57.87:58.11:57.76
う~ん。ちょっと見づらいですね~。
ということで以下に表にして挙げておきます。
つまり、ここから言えることは、
- ポケモンGOはメンタルの不調に効く…!
- 体の不調には効かない…!
- 仕事のパフォーマンスはアップしない…!
って感じですね。
研究者の読み通り、ポケモンGOをすると心理的苦痛が改善されておりますな。但し、効果量は-0.20ってことで小さい効果しかないんで、劇的な改善は望めないところ。まぁ、こんなもんでしょう。
ということで研究者曰く、
- ポケモンGOをしても目に見えるような心理的苦痛の改善はないかもしれない。しかし絶大な人気から公衆衛生に重大な影響を及ぼし人口全体に影響を与える可能性がある
としています。塵も積もればって感じですね。
それとなぜポケモンGOが社会人のストレス解消になるかですが研究者によれば、
- 運動するようになるから
- 人と接する機会が増えるから
が理由なんじゃないのかな~ってことでした。
ということで、長期的な効果は不明なものの、ポケモンGOで仕事のストレスが解消できるって話は嬉しいですな。
東大の先生がポケモンGOによる交通死亡事故発生率を日本で調べてみた…!
2017年の東京大学の準実験によると、日本の全国交通事故データベースを使ってポケモンGOと交通死亡事故との関係性について調べてみたそうです。
そもそもポケモンGOはリリースとともに世界中で人気になり、日本でも2016年7月22日にリリースされ瞬く間にユーザーが増えていきました。んでその際、テレビやネットのニュースで良く取り上げられていたのが、ポケモンGOと交通事故の関係です。但しこれらのニュースは科学的データに基づいたものではなかったんで、正直、本当のところはよく分からなかったんですよね。
そこで今回研究者たちはこの辺をちゃんと調べてみようとしたんだとか。
ということでまず研究者たちは、日本の交通事故総合分析センター(イタルダ)の統計データをチェックしてみたそうな。期間は2016年6月1日~8月31日までで、その間、日本で起きた交通死亡事故を検索してみたらしい。
すると、日本の人口(1億2千万人)分の886件の交通死亡事故があったみたい。
次に日本でポケモンGOがリリースされる前とリリースされた後で統計的に交通死亡事故が増えていたか照らし合わせてみたんだとか。
その結果、
- ポケモンGOのリリース前とリリース後の交通死亡事故の発生率に有意な変化はなかった…!
とのこと。
つまりポケモンGOで事故が増える…!みたいな放送は完全にメディアの偏った報道であって、実は全然関係なかったと…。やっぱ冤罪だったんか…。
ということで東大の先生も、
- ポケモンGOが交通死亡事故に与える影響はごくわずかしかなさそうだ
とおっしゃっておりました。
なんか、今思えばそうだろうなって感じですよね。
ということで、ポケモンGOでの交通死亡事故は特に増えないってことでした。しかし、死亡事故以外はどうなのか…?って話など、まだまだネガティブな側面が全て払拭されたわけではないので油断できません。しかし、一つでも冤罪が晴れて良かったな~と思う次第です。
ポケモンGOのプラスの効果は動機・目的で変わりそう…!
2017年のノースカロライナ州立大学のパイロット研究によると、ポケモンGOの動機と主観的な効果・身体活動に及ぼす影響について調べてみたそうです。
まず研究者たちは、ノースカロライナ州立大学の大学生8,000人以上に参加者募集のメールを送ってみたそうな。因みにその際、ポケモンGOを行っている人、そうでない人の両方を募集してみたらしい。
続いて、参加OKしてくれた人に普段の運動頻度やスマホ・ゲーム・SNSの使用頻度、ポケモンGOのプレイの有無ややり込み度なんかをオンラインアンケートで聞いてみたんだとか。
運動頻度についてはより詳しく知れるよう、国際標準化身体活動質問票(IPAQ)のショートバージョンを使ったとのこと。
どんなものなんか気になる方は下記をご覧ください。
このIPAQの結果を基に1MET=1kcal/kg/hとしてカロリー消費量を計算してみたそうです。
ポケモンGOについては、1週間当たりのプレイ日数や1日当たりのプレイ時間、プレイ時間の管理方法からポケモンGOのプレイ習慣を出して見たみたい。またデータ収集用アプリと歩数計アプリの2つのアプリを入れてもらったそうな。具体的には、
- データ収集用アプリ:午後7時、午後10時、午後12時の1日3回、簡単なアンケートを答えるよう通知が来る。アンケート内容は、ポケモンGOをプレイしたかどうか、どこでプレイしたか、誰とプレイしたか、プレイした場所までどうやって移動したか、どのような環境でプレイしたか、歩数はどうか(歩数計アプリの歩数を入力する)
- 歩数計アプリ:シンプルさとバッテリー消費量の少なさから「Pacer」って歩数計アプリをチョイスしたそう。日本版もあったので気になる方はこちらをクリック又はタップしてご覧ください
って感じ。
実験期間は7日間で、最後に集まったデータを統計処理してみたとのこと。
ということで結果を見る前にサンプルについて軽く見ておきます。
- 最初、大学生123人がメールに興味を持ってくれた。その後アンケートに答えてくれなかった、中途半端に答えてデータが不十分だったってことで49人が除外された。残った74人のうち、非ポケモンGOプレイヤーが27人だった。ポケモンGOプレイヤーは47人だった。
- この47人が最終的なサンプル数となった。そのうち男性24人(平均年齢19.8歳)、女性23人(平均年齢19.1歳)だった。また人種は白人が33人、アジア人が10人だった。
- 参加者は全員実験開始前からポケモンGOをプレイしており、プレイ日数の中央値は122日間だった。
それでは結果を見ていきます。
まずはポケモンGOを開始したきっかけからです。これは大きく以下の3つに分類できたそうな。
- ポケモン・ゲームのファングループ(26人・サンプルの55%):ポケモンGOのゲーム内容そのものに惹かれた。
- 運動に使えるかもグループ(8人・サンプルの17%):ポケモンGOに運動促進効果が…!みたいな話を聞いて惹かれた。
- 興味・社交グループ(13人・サンプルの28%):自分の街を知りたい…!や新しい人に出会いたい…!みたいな気持ち、今までにないゲームジャンル(位置情報ゲーム)への好奇心に惹かれた。
続いて3グループの特徴はこんな感じ。
- ポケモン・ゲームのファングループは3グループ中1番カロリー消費量が低かった(2,850kcal)。但しポケモン・ゲームのファングループは週4~5日プレイしており1週間当たり120分もプレイしていた。
- 運動に使えるかもグループは3グループ中1番若い人が多かった。そして最も活発なグループだったが、週3日しかプレイしておらず、1週間当たり59分しかプレイしていなかった。
- 興味・社交グループはほぼ週6日でプレイしており、1週間当たり120分もプレイしていた。
- ポケモン・ゲームのファングループ(プレイ日数の中央値=122日)、興味・社交グループ(プレイ日数の中央値=123日)はリリース後すぐにポケモンGOを始めていた。運動に使えるかもグループは結構経ってから始めていた(プレイ日数の中央値=100日)
では、もうちょい詳しく見ていきましょう。
- ポケモンをゲットしたり、友達と一緒にポケモンGOをすることが最も高い評価を受けていた。但し、ポケモンバトル、新しい場所の発見、新しい人との出会いの評価に違いがあった。興味・社交グループはこれらの評価が非常に高かったが、ポケモン・ゲームのファングループ、運動に使えるかもグループは非常に低かった。
- ポケモンGOで身体活動がちょっと増えた、気分がちょっと良くなったと答えた人も多かった。但し、運動に使えるかもグループはそう思っていない人が多かった。興味・社交グループは気分の改善に関して運動に使えるかもグループよりも有意に高い評価だった。
- ポケモンGOによる他者との交流についてはほとんど効果がなかったという人が多かった。興味・社交グループが最も高く評価していた。
- ポケモンGOによって近所や周辺施設、公共施設を少し意識するようになったと答えた人が多かった。興味・社交グループは特にそう思ったらしく、ポケモン・ゲームのファングループは思う人が少なかった。
- ポケモンGOをプレイした日はそうでない日に比べ、たくさん歩いたと報告していた。
- 特に運動に使えるかもグループはプレイした日(9382歩)の方が、プレイしていない日(6962歩)よりも34.76%も多く歩いていた。ポケモン・ゲームのファングループはプレイすることにより、より高いレベルの身体活動を行う傾向があった。
- 興味・社交グループはプレイした日の方がプレイしていない日よりも歩数が少なかった(但し有意差なし)
つまり、これらから言えることは、
- それぞれのポケモンGOをやる動機(目的)にあった項目で効果を実感し効果がある可能性が高い…!
ってこと。
身体活動レベルアップや、社交性アップ、気分の改善などは全て、ポケモンGOを行うきっかけに依存しているってことですな。こうなると、思い込みによって行動する、そのモチベが保たれているとも言えそう…。
ということで、ポケモンGOというゲームを純粋に楽しみたい…!ってやると気分が良くなるし、運動効果に期待すると歩数が増えるし、人との交流に使える…!と思うとコミュニケーションが増えるという面白い結果でした。
自分の目的にあった効果を得られるってのは他のゲームでもありそうですが、外に出るきっかけが出来るという観点からすると、ひきこもり、ダイエットに使えそうってのは大きいかと。
それほどもうポケモンGOに興味はないんだけど、なんとなく惰性で続けている人が歩きスマホでポケモンGOをしやすい…!
2017年のテキサス大学オースティン校の研究によると、ポケモンGOの歩きスマホはなぜ起こるのかを計画的行動理論に当てはめて調べてみたそうです。
そもそも計画的行動理論(TPB)ってのは、行動を起こすための意思のことを言いまして、
以下の3つの中心的な要素から実際の行動に移ると考えられております。
そもそも計画的行動理論(TPB)ってのは、行動を起こすための意思のことを言いまして、
以下の3つの中心的な要素から実際の行動に移ると考えられております。
- 態度:その行動を行うメリットとデメリットのこと。当然メリットがないと行動しない。
- 主観的規範:周囲の期待に応えようとする気持ちのこと。期待があるとそれを裏切らないよう行動する。
- 知覚された行動の統制可能性:自分にも出来そうか否かのこと。自分でも出来そうだと思うと行動する。
つまり人間は、ある事をしようかしないかって時、メリットがある、周囲もしてほしいと思っている、自分にも出来そうってなると実際に行動するし、どれかが引っかかると行動しなくなるってことですね。まぁ、言われてみりゃそうですな。
んで、この研究では歩きスマホで怪我をする人が急増しているけど、それはなぜか…?ってのを計画的行動理論に基づいて調べてみたらしい。そして歩きスマホの代名詞ともなったのがポケモンGOだったんで、ポケモンGOプレイヤーを対象に調べてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、計画的行動理論の三本柱である「態度」「主観的規範」「知覚された行動の統制可能性」の要素に「自動性」「没入性」「楽しさ」という新たな要素を加えてみたそうな。
因みに新しい3つの要素は、
- 自動性:無意識に行うこと。気づいたらポケモンGOをしていたみたいな
- 没入性:のめり込んでいるかのこと。ポケモンGOに熱中しているからやったみたいな
- 楽しさ:そのまま楽しいかのこと。ポケモンGOのゲームが楽しいからやるみたいな
という感じだそうです。
続いて参加者を募ったそうなんですが、以下の2つの方法を行ったんだとか。
- 実験1:アメリカ南部の大学から262名(年齢幅18~34歳、平均年齢20.32歳、女性が多い(63.7%、167/262))が参加。募集期間は2016年11月~2017年4月まででオンラインで募集した。
- 実験2:アマゾンメカニカルタークから179名(年齢幅18~65歳、平均年齢30.61歳、男性が多い(56.9%、102/179))が参加。募集期間は2017年3月で、アメリカの労働者のみが参加した。
この参加者たちに歩きスマホでポケモンGOを行う理由について、上記の6つの要素を含めたwebアンケートに答えてもらったらしい。
因みにアンケートの中身はこんな感じ。
- 態度:あなたにとって、歩きスマホでポケモンGOをするのは、どのような理由からですか…?(良い事か悪い事かみたいな選択肢の中から答えた)
- 主観的規範:あなたの大切な人はあなたが歩きスマホでポケモンGOをしてほしいと思っていると思いますか…?(反対か賛成かみたいな選択肢の中から答えた)
- 知覚された行動の統制可能性:あたなは歩きスマホでポケモンGOをすることについて、どの程度安全に注意して行えると思いますか…?(できるかできないかみたいな選択肢の中から答えた)
- 自動性:あなたはポケモンGOを無意識にすることがありますか…?
- 没入性:あなたはポケモンGOをするとき、熱中しますか…?
- 楽しさ:あなたはポケモンGOをするのは楽しいですか…?(楽しいか楽しくないかみたいな選択肢の中から答えた)
最後に年齢や性別、人種、スマホ依存度などの変数を調整してみたそうです。
それでは実験1の結果から見ていきましょう…!
- 高齢者ほど歩きスマホでポケモンGOをすることが少なかった。
- 態度:歩きスマホでポケモンGOをするメリットが大きいと感じている人ほど行っていた…!
- 主観的規範:周囲の期待が強いと思っている人ほど歩きスマホでポケモンGOをする可能性が高かった…!
- 知覚された行動の統制可能性:自分は歩きスマホでポケモンGOが出来なさそう…と思っている人ほど、歩きスマホでポケモンGOをしていた…!
- 自動性:無意識にポケモンGOをやることが多い人ほど歩きスマホでポケモンGOをする可能性が高かった…!
- 没入性:ポケモンGOに熱中していない人ほど、歩きスマホでポケモンGOをしていた…!
- 楽しさ:ポケモンGOが楽しいと思っている人ほど歩きスマホでポケモンGOをする可能性が高かった…!
まぁ基本的には、だよね~って結果ですね。但し意外だったのが「知覚された行動の統制可能性」と「没入性」です。
歩きスマホが難しいと思っている人やポケモンGOにそれほどハマっていない人ほど、歩きスマホでポケモンGOをしがち…!ってのは面白い結果ですな。
では続いて実験2の結果を見てみましょう…!
- 女性の方が歩きスマホでポケモンGOをすることが少なかった。
- 態度:歩きスマホでポケモンGOをするメリットが大きいと感じている人ほど行っていた…!
- 主観的規範:周囲の期待が強いと思っている人ほど歩きスマホでポケモンGOをする可能性が高かった…!
- 知覚された行動の統制可能性:自分は歩きスマホでポケモンGOが出来なさそう…と思っている人ほど、歩きスマホでポケモンGOをしていた…!
- 自動性:無意識にポケモンGOをやることが多い人ほど歩きスマホでポケモンGOをする可能性が高かった…!
- 没入性:ポケモンGOに熱中している人ほど、歩きスマホでポケモンGOをしていた…!
- 楽しさ:ポケモンGOが楽しいと思っている人ほど歩きスマホでポケモンGOをする可能性が高かった…!
…ってことで、実験1とほぼ同じ結果ですね。違うのは「没入性」でした。
ということで、歩きスマホでポケモンGOをする人は、
- ポケモンGOをすることが習慣になっていて、無意識にすぐやってしまう、それほどハマっていない若者…!
って感じになりましょう。
これをみると、それほどもうポケモンGOに興味はないんだけど、なんとなく惰性で続けている若者が歩きスマホでポケモンGOをしやすいみたいですね。若者かどうかはさておき、惰性で続けている人ってのはなんかしっくりきますな。
ポケモンGOの運動効果を加速度計・歩数計・心電図で調べてみた…!
2018年のミネソタ大学ダルース校の研究によると、1時間ポケモンGOをするとどれぐらいの運動効果があるのか3つのデバイスを用いて調べてみたそうです。この研究は、健康で活発な大学生27人(男性8人、女性19人)が参加したもので、平均年齢21.5±1.6歳、平均身長169.9±9.6cm、平均体重70.5±12.6kg、平均BMI24.3±2.9の方々だったそうな。
まず最初に参加者全員の身体測定を行い、次に以下の3つのデバイスが装着してもらったとのこと。
- 加速度計:ActiGraph GT3X+っていうデバイスを腰につけて座っている、軽・中・激しい強度の運動している時間をチェックした。
- 歩数計:オムロンHJ-303っていうデバイスを腰につけて歩数を計測した。
- 心電図:Timex Personal Heart Rate Monitorっていうデバイスを胸と左手首につけて平均心拍数とピーク心拍数を測定した。
全ての装着が完了したら、参加者全員にポケモンGOがインストールされたiPhone6を渡してチュートリアルを完了してもらったらしい。その後、安全面から大学のキャンパス周辺で60分間ポケモンGOをしてもらったそうです。因みにプレイ中、常時研究チームのメンバーが同行していたんだとか。
最後に参加者のデータを回収し統計処理した結果、ポケモンGOを1時間プレイすると、
- 平均心拍数が100.3±11.3bpm…!
- ピーク心拍数が133.8±17.7bpm…!
- 歩数が6006.2±569.4歩…!
- 1分間の平均歩数が100.1±9.5歩…!
だったとのこと。
これだけだとよく分からんので、もうちょい分かりやすくして見ると、
- 心拍数からみると、ポケモンGOは軽度から中程度の強度の運動となる…!
- 歩数計からみると、ポケモンGOは中程度の強度の運動となる…!
- 加速度計からみると、ポケモンGOを60分間したうちの82%が中程度から激しい強度の運動となる…!
って感じ。
各デバイスによって差はあるものの、なかなか良い感じの運動になりそうですな。
この結果に研究者曰く、
- ポケモンGOを1時間プレイすることは、毎日又は毎週の身体活動推奨レベルを達成する有効な手段となり得るだろう
としています。
やっぱり位置情報ゲーは運動のお供に良さそうですね。
ポケモンGOによるケガのリスクは他の軽度から中程度の外での身体活動でみられるリスクと同程度…!
2018年のカイザーパーマネンテメディカルグループの研究によると、ポケモンGOによる健康上のメリットとデメリットについて調べてみたそうです。
この研究は、2016年7月5日~2016年11月5日までに北カリフォルニアのカイザーパーマネンテで開催されたもので、参加者はポケモンGOプレイヤー222人とのこと。
この方々にポケモンGOのプレイ後、健康リスクがどうだったか聞いてみたそうな。
次に聞いた健康リスクを、
- ケガなんかがなかったか…?
- 自分的に健康メリットがあったか…?
- 間接的に健康上のメリットとデメリットがあったか…?
みたいな感じで分類していったらしい。
その後統計処理した結果、以下のような傾向があったそうです。
- ポケモンGOのプレイでメリットを報告した人は、222人中147人(66.2%)だった。
- ポケモンGOのプレイでデメリットを報告した人は、222人中75人(33.8%)だった。
- 222人のうち、114人(54.0%)が肥満体型だった。
- 222人のうち、62人(27.9%)が糖尿病又は糖尿病予備軍だった。
- ポケモンGOのプレイでメリットを報告した参加者の方が、デメリットを報告した参加者よりも内分泌系の疾患を抱えていることが多かった…!
- デメリットを報告した参加者(70,378ドル)よりもメリットを報告した参加者(83,846ドル)の方が世帯収入の中央値が高かった…!
- デメリットを報告した75人のうち8人(10.7%)が骨折や頭部外傷などの重傷を負い、4人(5.3%)が入院していた…!
- デメリットを報告したほとんどの参加者(51人、68.0%)は、筋肉痛や擦り傷切り傷だった…!
ポケモンGOでメリットを感じた人は元々内分泌系の疾患を持っている方が多かったみたいですね。また世帯収入も13,000ドル(200万円弱ぐらい)も違うと。
一方でデメリットを報告した人の大半は筋肉痛や擦り傷切り傷みたいで、稀に大きなケガの報告もあったと。
この結果に研究者曰く、
- ポケモンGOによるケガのリスクは他の軽度から中程度の外での身体活動でみられるリスクと同程度だ。北カリフォルニアカイザーパーマネンテの会員数が385万人であることを考えると、報告された重傷者数は少ない。つまりこれは、ポケモンGOが安全にプレイできることを示している
としています。
屋外でのウォーキングやランニング、サイクリングなどとケガのリスクは一緒ということで、メディアが取り上げているほど、ポケモンGOによるケガのリスクは高くないよーってことでした。
アジア地域で天候や環境を踏まえたポケモンGOと身体活動の関係を調べてみた…!
2018年の香港中文大学の研究によると、ポケモンGOと身体活動の関係について調べてみたそうです。
…っとこう書くと、これまでも似たような研究をたくさん見てきたじゃん…!ってつい思っちゃうかもしれませんが、これまで考慮されなかった2つの問題を今回踏まえているとのこと。
一つ目の問題は、ポケモンGOを行う天候や環境を踏まえていないという問題です。
例えば、2016年の南オーストラリア大学の研究や2007年のウェスタンオンタリオ大学の系統的レビュー、2017年のイースト・アングリア大学の研究によると、雨や雪などの悪天候や台風やハリケーンなどの異常気象は運動をする妨げになる可能性があるって分かっていたりするんですよね。また環境に関しても、2002年のテキサス大学オースティン校の研究や2015年のジェームズクック大学の研究、2009年のワシントン大学の研究を見ると、どうやら住んでいる町の環境で運動を行う頻度が変わるみたいなんですな。ポケモンGO(位置情報ゲーム)はGPSとARを使って現実に外に出てゲームを行うのが基本なんで、この2つを考慮しないと身体活動の関係が見えてこないって感じです。
二つ目の問題は、ほとんどの研究が西洋で行われているものばっかりで、アジアでのポケモンGOと身体活動の関係性を調べた研究が少ないという問題です。
以前から書いている通り、ポケモンGOは世界中で人気を博し、ユーザーがおります。
そして2011年の国際連合の世界人口調査によれば、アジアには世界人口の約60%の人が住んでいるってことなんですよね。ともなれば、当然ポケモンGOプレイヤーも数多くいるでしょう。にもかかわらずアジアの地域の人々と運動の関係を調べた研究は全然ないから実際どうなのか分からないよねって感じです。
この2つの問題を踏まえて調べてみたんだとか。
この研究は香港でポケモンGOがリリースされた前後1ヶ月間ぐらいで行われたもので、参加者は210人(うち女性は71人(33.8%))のポケモンGOプレイヤーとなっております。年齢は13歳~65歳までの方々で、もちろん香港居住の方です。
まず研究者たちは、参加者全員に性別や年齢、年収、学歴、BMIといったものに答えるアンケートを実施したそうな。続いて、ポケモンGOを実際に行ってもらったらしい。
その後、ポケモンGOのインストール前14日間とインストール後21日間の運動データをスクショで送ってもらったとのこと。因みに運動データはヘルスアプリを使ったそうで、毎日のウォーキングとランニングの距離を記録してもらったんだとか(今回の参加者は全員iPhone5s又はiPhone6を使用)
最後に集まったデータから、
- アンケートに回答しなかった人
- iPhone5s又はiPhone6じゃない人
- 運動データを送ってくれなかった人
- ポケモンGOのレベルが不十分だった人(レベル5に到達しなかった人)
を除外したそうです。
これでポケモンGOとそれに伴う運動データがそろった感じですな。
次に天候や環境のデータについてです。
天候については、研究者が香港の天文台から実験期間中の降水量や日照時間、平均気温、平均風速などのデータを収集したそうな。
環境については、研究者が香港にある典型的な5つの環境カテゴリーを作り、それに当てはめたそうです。その5つの環境カテゴリーがこちら。
- オフィスエリア:行政機関(市役所とか)や会社が入るビルが並ぶオフィス街。
- 複合エリア:色々混ざっている場所。
- 緑地エリア:ちょっとした遊び場や休憩エリア、公園や運動場がある場所。
- 住宅エリア:住宅街。
- 商業エリア:スーパーやレンタルショップなどお店がたくさんある場所。
それでは、アジア地域で天候や環境を踏まえたポケモンGOと身体活動の関係の結果を見てみましょう。
まずはインストール前14日間~インストール後21日間までの1日の平均移動距離をグラフで見てみます。
縦軸が1日の平均移動距離で、横軸が日にちですね。因みに上記グラフの5~8日目までの移動距離が少ない理由は悪天候とのこと。なんでもこの時香港に台風が来ていたんだとか。
ポケモンGOを始める前は1日平均5.30km移動しているのに対し、ポケモンGOを始めた後は1日平均6.26km移動していますね。つまり、ポケモンGOにより約1km(0.96km)、歩数にすると約1,200歩増えたみたい。18.1%の増加は大きいですな~。
ポケモンGOを始める前は1日平均5.30km移動しているのに対し、ポケモンGOを始めた後は1日平均6.26km移動していますね。つまり、ポケモンGOにより約1km(0.96km)、歩数にすると約1,200歩増えたみたい。18.1%の増加は大きいですな~。
但し注意点もありまして、ご覧の通り、日数が経つにつれだんだん移動距離が減っていっているんですよ。その結果、24日間プレイした後にはすっかり元通りになってしまっております。やはり先行研究同様、ポケモンGOのような位置情報ゲームは運動するきっかけには使えますが、継続はまた別問題みたいですね。
次に天候(降水量や日照時間、平均気温、平均風速など)と移動距離(運動)の関係ですが、結果、有意に関係していたそうです。具体的には、
- 日照時間が長い(明るい時間が長い)と運動時間が増える…!
- 降水量が高いと運動時間が減る…!
- 平均気温が低いと運動時間が減る…!
- 平均風速が高いと運動時間が減る…!
って感じ。
どうやら明るい時間が長く天気が良くて過ごしやすい気温、風がないとポケモンGOをして運動をするようになるみたいですな。言われてみれば当たり前ですが、これをちゃんと研究して証明してくれるのはありがたいですね~。
因みに歩行距離に関してはBMIに問題ない人の方が長くなる傾向があったらしい。以前の研究で普段動かない人ほどポケモンGOの運動効果は高い…!ってのが出ていましたけど、実際よく動くようになる人は普通体型の人なんですね。これも言われてみればそうですよね。
最後に環境と運動の関係についても見ておきましょう。
これは、
- 緑地エリア(ちょっとした遊び場や休憩エリア、公園や運動場がある場所)でポケモンGOをプレイすると、1日の移動距離がアップした…!
ってことなんで、街中や住宅街でやるよりもやっぱり公園とかでやる方が良いみたいです。
余談ですがこの論文の著者は冒頭で以下のようなことを述べております。
- 私は、ポケモンGOプレイヤーとして5大陸(アジア、アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ)を制覇し、合計1,526kmも歩いた。これにより、私の身体活動は大幅に増加した。
…。
いや~論文の冒頭で自分の自慢から入るってのが、なんとも斬新な書き出しだな~と思いました(笑)。それにしてもめっちゃポケモンGOにハマってんじゃん…。
また個人的に気になったのが、こういった研究の参加者へのお礼ってほとんどがお金や大学の単位なのに、
- 参加者には、実験終了した感謝の印としてポケモングッズをプレゼントした
って書かれているんですよ(笑)
一体何がもらえたんだろう…。
ポケモンGOで身体活動が増えるのか調べたけど先行研究と矛盾する結果になったぞ…!
2018年のワライラック大学の観察研究によると、ポケモンGOで身体活動が増えるのかタイの大学生を対象に調べてみたそうです。
そもそも世界的にも運動不足ってのは問題になっていますが、それはタイでも同じ感じみたいでして、特に若者の運動不足が深刻化してきているんだとか。なんでも2016年のワライラック大学の研究によれば、タイの医大生(平均年齢20.93±1.82歳)のうちの半数以上(50.5%)があんまり運動していなかったらしいんですよね。
そこでこの問題にポケモンGOが使えるのか調べてみることにしたそうです。また3ヶ月にわたってポケモンGOの効果の持続性についても見てみたそうな。ポケモンGOと運動の関係を調べた長期の研究は貴重なんでありがたいですな。
この研究は、2015年にタイの南部にあるワライラック大学の医学部に所属していた大学生を対象にしておりまして、3つのキャンパス(ナコーンシータマラート、トラン、プーケット)で実施したとのこと。
参加者は1年生と4年生を除いた2,3,5,6年生でして(1~3年生はナコーンシータマラートキャンパスで、4~6年生はトラン又はプーケットキャンパスに通うため、それぞれのキャンパスの1年目は除かれた)、まず全員(189人)に協力を依頼してみたそうな。
次に協力をOKしてくれた人の中から、ポケモンGOを最低1ヶ月以上プレイしている人をピックアップしていったらしい。
その結果、健康な医大生26人がサンプルとして選ばれたそうです。因みにこのうちの19人が男性で7人が女性ということでした。また平均年齢は22.04±1.70歳で、14人(約半数、53.8%)の方が健康的な体重だったとのこと。
この参加者たちに、
- プロフィール(学歴、性別、生年月日、身長、体重、お小遣い、住所、基礎疾患の有無)
- ポケモンGOのプレイ状況(総プレイ時間、プレイ中の移動方法、プレイする理由、プレイ中のケガ)
- 身体活動状況(Global Physical Activity Questionnaire(GPAQ)のタイ版でチェック)
といったアンケートに答えてもらったらしい。
因みにGlobal Physical Activity Questionnaire(GPAQ)ってのは、日本語に訳すと「世界標準化身体活動質問票」と言いまして、以前に紹介した国際標準化身体活動質問票(IPAQ)と並ぶ、世界的に有名な身体活動量の評価方法(普段の運動量の評価方法)なんですな。
どんなものなんか気になる方は下記をご覧ください。
どんなものなんか気になる方は下記をご覧ください。
これらのアンケートを、実験開始時、ポケモンGOをダウンロードしてプレイしてから1ヶ月後(2016年9月)、3ヶ月後に収集したそうで、最後に集まったデータを統計処理したみたい。
その結果がこちら。
- スタート時と1ヶ月後、1ヶ月後と3ヶ月後の間にカロリー消費量の有意な違いはなかった。
- スタート時の座り時間の中央値は週480分だったが、1ヶ月後は週270分と大幅に減少していた…!
- 3ヶ月後には座り時間の中央値が週300分になっていたが、これは1ヶ月後の結果と有意さはなかった。
- スタート時、1ヶ月後、3ヶ月後の座り時間の減少は有意さがあった…!
- 参加者26人中24人(92.3%)が週に少なくとも3~5日ポケモンGOをしていた。
- 1週間の平均プレイ時間は360分だった。
- ポケモンGOをする主な理由は、楽しいから(22人・84.6%)、暇つぶしになるから(21人・80.9%)、ストレス解消になるから(20人・76.9%)だった。
- ポケモンGOの仕方は、歩いて(23人・88.5%)、車で(18人・61.5%)、バイクで(13人・50%)、走って(6人・23.1%)、自転車で(3人・11.5%)だった。
- ケガをした人は1ヶ月後にはいなかった。
- 3ヶ月後、ポケモンGOを続けている人は26人中11人だけだった。
- 11人中7人(63.6%)が週1~2日プレイ、11人中4人(36.4%)が週3~5日プレイしていた。
- 1週間の平均プレイ時間は60分だった。
- ポケモンGOをする主な理由は、暇つぶしになるから(9人・81.8%)、ストレス解消になるから(9人・81.8%)だった。
- ポケモンGOの仕方は、歩いて(5人・45.4%)、車で(5人・45.4%)、バイクで(2人・18.2%)、走って(1人・9.1%)だった。
- ケガをした人は3ヶ月後にはいなかった。
んで、ここからカロリー消費量・座り時間・ポケモンGOのプレイ時間の関係を見てみると、
- 1ヶ月後と3ヶ月後の両方で、カロリー消費量とポケモンGOのプレイ時間の間に有意な関係はなかった
- 1ヶ月後と3ヶ月後の両方で、座り時間とポケモンGOのプレイ時間の間に有意な関係はなかった
って感じ。
つまり、
- 3ヶ月見てみたけど、ポケモンGOで運動を増やしたり、ダイエットは出来ないのでは…?
- まぁ、ポケモンGOに関係なく、何故か座り時間はめっちゃ減ったけど…。
という、先行研究と矛盾する結果となりました。
あれま…!な感じですね~。
この理由について研究者曰く、
- 先行研究は4~6週間で調べていたけど、今回、3ヶ月で調べたからではないか…?
- ポケモンGOをする主な理由が運動ではなかったから(運動目的の人は1ヶ月後は7人、3ヶ月後は2人しかいなかった)ではないか…?
とのこと。
従来の研究の倍の期間で調べたことにより、ポケモンGOプレイヤーが大幅に減少していたんですよね。そんで残った人を見ても頻度も時間もモチベも全部下がっていたと。
確かに、これまでみてきたように先行研究では時間の経過とともに身体活動が減ってきていましたし、目的によってその効果を得られる…!って研究もあったんで納得ですね。
因みにこの結果を受けて研究者は、
- ポケモンGOとモチベーションアップ法や社会的サポート(友達とする、集団で行うなど)をプラスすると、上手くいくんじゃないか…?
とアドバイスをしておられました。
確かに習慣化するにはポケモンGOだけではきついかもしれんですな。
もちろんこの研究にも弱点があって、例えば、観察研究であったり、サンプル数がわずか26人であったり、自己申告アンケートに基づいていたりしております。
但し個人的には、この結果は納得でして、やはりポケモンGO(位置情報ゲーム)は運動のきっかけとして使い、効果は1ヶ月ぐらいできれる、それまでに習慣化のテクニックを使って習慣化するか、モチベーションアップ法を使い、モチベを維持向上していくのが良いのかな~と思っております。
3ヶ月調べてみたら激しい運動の頻度は少なく、座り時間も多くなりがちだけど、中程度の運動やウォーキングなどは良くするようになっていた…!
2018年のシェフィールド・ハラム大学の研究によると、ポケモンGOで身体活動や座り時間が変わるのか調べてみたそうです。
この研究は、イギリスに住む461人(男性193人、女性265人、トランスジェンダー3人)を対象にしたもので、国際標準化身体活動質問票(IPAQ)のショートバージョンを用いてポケモンGOと身体活動の関係についてアンケートに答えてもらったと言うもの。
アンケートは、実験スタート時、実験開始4週間後、実験終了の3ヶ月後にそれぞれ答えてもらったそうで、最後までアンケートに答え続けてくれた方は127人だったらしい。タイの研究と実験期間が同じだけど、サンプル数はこちらの方がずっと多くて参考になりそうですな。
それでは結果です。
- ポケモンGOプレイヤーは非ポケモンGOプレイヤーに比べて、激しい運動を行う日が少なかった…。
- しかしポケモンGOプレイヤーは非ポケモンGOプレイヤーに比べて、中程度の運動やウォーキングを行う日が多かった…!
- 上記結果にBMIや平日の身体活動時間、歩行や座り時間は関係なかった。
- 但し平日の座り時間は増えていた…。
- んがしかし、それでも中程度の運動やウォーキングといった活発な行動は維持されていた…!
つまり、ポケモンGOプレイヤーは、激しい運動を行う頻度が少なく、座り時間も多くなりがちだったけど、中程度の運動やウォーキングなどは良くするようになっていた…!ってことですね。こちらの研究では3ヶ月でも運動効果が見られたみたいですな。
この結果から研究者曰く、
- 平日は座り時間が増加しているため、座ることを防ぐための別の介入が必要だろう
としていました。
ポケモンGOで動き回っている分、普段は座りがちになっちゃうってのはもったいないんで、何か良い対策を考えていきたいですね~。
ポケモンGOにハマっている人ほど歩行距離が増えたままだった…!
2018年の香港大学のパイロット研究によると、大学生を対象にポケモンGOと身体活動の関係を調べてみたそうです。
因みに似たような研究はたくさんあるんですが、この研究のポイントはゲームの強度に焦点を当てているところです。では早速見ていきますかー。
この研究は香港大学の医学部生65人を対象にしたもので、参加者全員がiPhone所持者となっております。んで、そのiPhoneで、
- ポケモンGOアプリをインストールして遊んでいるかどうかチェックする
- 内蔵されている加速度計を使ったヘルスケアアプリを使ってもらい1日の歩いた距離データを提供してもらう
ってことをしてもらったみたい。
因みに65人中24人(36.9%)がポケモンGOプレイヤーだったとのこと。
最後に集まったデータとポケモンGOのリリース前後の1日の歩いた距離をチェックし、どう変化したのか比べてみたんだとか。
その結果、
- ポケモンGOプレイヤーは非ポケモンGOプレイヤーに比べて、1日の歩いた距離が多くなる傾向にあった…!
とのこと。まぁ、ここは先行研究同様の結果ですな。
ではポケモンGOプレイヤーは非ポケモンGOプレイヤーよりもどれぐらいの歩数距離が多くなっていたのかですが、ゲーム開始から
- 3日目→1.5km多く歩いていた…!
- 4日目→1.2km多く歩いていた…!
- 5日目→0.9km多く歩いていた…!
- 6日目→0.6km多く歩いていた…!
って感じ。
う~ん。1週間のうちにみるみる歩行距離の差が縮まってきていますな。因みにスタートから1週間を超えるともう違いはなくなったとのこと。1週間しか効果がないってのは先行研究よりも短い効果期間ですね~。
但し、ここでゲームの強度を調整してみると様相が変わってきまして、
- ゲームの強度が高いほど、リリースから50日後にも歩行距離が増加したままだった…!
そうです。
つまり、ポケモンGOにハマっている人ほど歩行距離が増えたままだった…!ってことですね。
ポケモンGOをしながら歩くと、ちょこちょこ立ち止まったり、ゆっくり歩くことが多い…!
2018年のメリービル大学の研究によると、自然の中を歩くのとポケモンGOをしながら歩くのでは効果に違いが出るのか調べてみたそうです。
この研究は100人の方々が協力したもので、まず全員にオムロンの歩数計とActiGraphの加速度計を付けてもらったそうな。続いて、参加者全員に自然の中(公園内など)を歩いてもらったとのこと。
因みに100人のうち、
- ポケモンGOプレイヤー:13人
- 非ポケモンGOプレイヤー:87人
だったみたい。
最後に集まったデータから、身体活動量に違いがあるのか比較してみたらしい。
結果、
- 歩行時間:42±18分と差はなかった。
- 歩数:ポケモンGOプレイヤー(2361±1663歩)は非ポケモンGOプレイヤー(4144±2591歩)よりも少なかった…。
- 歩行距離:ポケモンGOプレイヤー(1.38±0.68マイル)は非ポケモンGOプレイヤー(1.98±1.05マイル)よりも少なかった…。
- カロリー消費量:ポケモンGOプレイヤー(119±79kcal)は非ポケモンGOプレイヤー(202±158kcal)よりも少なかった…。
- 座り時間:ポケモンGOプレイヤー(16±12%)は非ポケモンGOプレイヤー(2±7%)よりも多かった…。
そうです。
う~ん。ポケモンGOをしながら自然の中を歩くと、マインドフルに歩かないせいか身体活動量を少なくなってしまうみたいですね~。
またこの研究では各運動強度のパーセンテージもチェックしておりまして、
- 軽度:ポケモンGOプレイヤー(29±24%)は非ポケモンGOプレイヤー(15±21%)よりも費やす時間が長かった…!
- 中程度:ポケモンGOプレイヤー(52±30%)は非ポケモンGOプレイヤー(71±29%)よりも費やす時間が短かった…。
- 中~高強度(MVPA):ポケモンGOプレイヤー(55±29%)は非ポケモンGOプレイヤー(82±23%)よりも費やす時間が短かった…。
って感じ。
う~ん。どうやらポケモンGOをしながらだと軽度の運動が多くなりがちみたいですねー。
更に1分間の平均歩数もチェックしたらしいんですが、
- ポケモンGOプレイヤー:67±24歩
- 非ポケモンGOプレイヤー:103±23歩
とのことで、やはりポケモンGOプレイヤーは少なかったみたい。
因みに年齢は、歩行時間や歩数、歩行距離、強度の特徴(軽度多いが中程度・中~高強度は少ない)と有意な正の相関関係があったそうです。
つまり自然の中をただウォーキングするよりもポケモンGOをしながらだと、ちょこちょこ立ち止まったり、ゆっくり歩くことが多いってことですな。まぁ、ゲームしているんで当たり前っちゃ当たり前ですね(笑)
コスタリカでポケモンGOについて調べようとしたけどそもそもユーザーが少なかったという悲しい結果のお話
2018年のコスタリカ大学の研究によると、ポケモンGOを利用した身体活動について大人はどう思っているのか調べてみたそうです。ちょっと今までにない視点の研究で面白そうですな。
この研究は、コスタリカに住む18歳以上の成人を対象に行ったもので参加者は1,059人というもの。実験は対面での聞き取り調査だったそうで、年齢やテレビゲーム(ビデオゲーム)をしたことがあるか、どう思っているかなんかを聞いてみたらしい。
ではまず、ゲームをしたことがある人の割合を見ていきましょうか。
- 85.2%(866人)の方が、テレビゲームをしたことがあると答えていた。
- 18~29歳の若者のうち、96.3%の方がテレビゲームをしたことがあると答えていた。
- 大学に行った事がある人のうち、94.8%の方がテレビゲームをしたことがあると答えていた。
やっぱ大多数の方はゲームをしたことがあるみたいですねー。特に若者や大学に行ったことがある方が多いと。これは日本もそうなんじゃないですかね。
続いてゲームの肯定的な意見と否定的な意見を見てみましょう。
【肯定的な意見】
- 刺激を与えてくれる:59.6%
- リラックスできる:55.2%
- 家族のコミュニケーションツールになる:49.4%
【否定的な意見】
- 中毒性がある:89.6%
- 暴力的になる:75.5%
- 不健康になる:51.3%
昔からよく言われるゲームのメリット・デメリットが改めて確認できたって感じですな。
それとゲームをする人のイメージについては、
- 28.4%の人が責任感のない人がゲームをプレイしがちだと思っていた
とのこと。
これまたゲームに対するよく分からん偏見イメージですねー。まぁ、しょうがないのかもしれんですが…。因みにこのイメージは年齢や性別、学歴なんかによって違ったみたいです。
では本題のポケモンGOについて見ていきましょう。
- ポケモンGOをプレイしていたのは、知っている又は聞いたことがあると答えた人の3.9%だった…!
- ポケモンGOプレイヤーは週に6.7時間ゲームを行っていた…!
- 1週間のうち、平均24.7km歩いていた…!
- 1週間のうち、その他の交通手段で平均70.4km移動していた…!
そもそもコスタリカでは、ポケモンGOをプレイしている人は少なかったみたいですね。
この結果について研究者曰く、
- 調査した年齢層には、ポケモンGOが興味を持たれていなかった可能性を示している
としています。
そもそもポケモンGOを行っている人がレアだったんで、ポケモンGOを利用した身体活動についてどう思っているか調査するのが難しかったみたいですな。残念。
…ってことで、この研究は、ゲーム全般の肯定意見と否定意見を調査した感じになってしまったみたいです。但し、否定派の「不健康になる」にポケモンGOは刺さるゲームなんで、この辺の考えがどうなのか気になりますな。
ポケモンGOを親子で行うことにより家族で過ごす時間も運動量も増えていた…!
2018年のオハイオ州立大学の研究によると、家族の健康という視点でポケモンGOの効果を調べてみたそうです。
まず研究者たちは、2017年1月から2月にかけての8週間、実験に参加してくれる親子を募集してみたそうな。この時、ちょうどポケモンGOに第二世代が実装されるというタイミングでして、これに合わせて口コミやSNS、電子メールなどで呼びかけてみたらしい。また、地元の公園や図書館、コーヒーショップでチラシも配布したんだとか。
続いて参加OKの親子には、Webアンケートに回答してもらったそうです。
親への主なアンケートは以下の3つだったみたい。
- ポケモンGOのプレイ状況:1日の中で定期的にポケモンGOを起動していますか…?あなたのお子さんは自分のスマホでポケモンGOをプレイしていますか…?それとも親などのスマホを借りてプレイしていますか…?などの質問を行い答えてもらった。
- 健康への考え方:私(親)は子どもが健康的な生活を送れるようサポートできると思う、私(親)は自分で掲げた健康への目標を達成できると思う、みたいな質問を1(全く思わない)から5(非常に思う)の5段階で答えてもらった。
- 運動状況:ポケモンGOを始める前と後で、週何日運動したか、1日何分運動したか、運動強度はどれぐらいだったかなどの質問に答えてもらった。
子どもへの主なアンケートは以下の2つだったみたい。
- ポケモンGOのプレイ状況:いつも誰とポケモンGOをしていますか…?ポケモンGOのイベントに参加しましたか…?などの質問に、はいorいいえで答えてもらった。またアンケートの最後に、ポケモンGOをする理由について他に言っておきたいことはありますか…?と自由形式で質問もしてみた。
- 運動状況:子どもの身体活動に対する親の影響度を調べてみた。
これらのwebアンケートにちゃんと答えてくれた方は、
- 親:160人
- 子ども:31人
だったそうです。
最後に集まったデータを統計処理した結果、以下のことが分かったそうな。
- 親が子どもとポケモンGOをする一番の目的は楽しむこと(114/160、71.3%)で、二番目は子どもとより多くの時間を過ごす又は充実した時間を過ごすこと(113/160、70.6%)、三番目は運動量を増やすこと(74/160、46.3%)だった…!
- 69.0%の親は、ポケモンGOをプレイすることにより、上記の目的の2つ以上を達成するのに役立ったと言っていた…!
- 33%の親は、ポケモンGOをプレイすることにより、上記の目的の3つ以上を達成するのに役立ったと言っていた…!
- 親(122/160、76.3%)も子ども(24/31、77%)もポケモンGOをプレイする理由を複数挙げているが、最も多く挙げられた理由は家族と一緒に過ごす時間になるからだった…!
- 親の半数以上(107/160、66.8%)は、子どもがその場にいないときでも、子どもの為にポケモンGOをプレイしていた…!
- ポケモンGOを始める前(79.59分)と後(102.95分)で1週間当たりの軽度の運動時間が大幅(23.36分)に増加していた…!
- ポケモンGOを始める前(60.45分)と後(82.21分)で1週間当たりの中程度の運動時間が大幅(21.76分)に増加していた…!
ポケモンGOを親子で行うことにより家族で過ごす時間も運動量も増えていた…!ってことですね。
まぁ、ポケモンGOに限らず親子で楽しめるゲームがあれば、そりゃ、一緒に過ごす時間も増えるでしょうな。但し、ポケモンGOのような位置情報ゲームの場合、運動にもなるというメリットがあるのは大きいかと。
また個人的にはハードを買わなくても良い事(スマホゲーなんで)、操作が簡単な事も家族(親だけでなく祖父母なんかも)で楽しめる要因ではないかと思っております。
ポケモンGOの運動促進効果を10ヶ月間見てみたけど間違いなくあった…!特に寒くて外に出るのが億劫なときに効果を発揮する…!
2019年の東京大学の研究によると、ポケモンGOと身体活動の関係について調べてみたそうです。
これまでいくつもの先行研究でポケモンGOと身体活動の関係をチェックしてきましたが、
- 先行研究では数週間しか調べておらず、長期的な効果を調べたものが少ない
- 先行研究のほとんどの参加者が若年層だった
って弱点があったんですよね。
そこで今回研究者たちは、
- 期間を長く設定(ポケモンGOリリース前後の10か月間とした)
- 中高年をターゲットにした
そうです。これはちょっと気になりますな。
しかも今回は日本の研究でもちろん参加者も日本人が対象なんで、より身近な研究結果となりましょう。
ということでまず研究者たちは、2014年11月に開始された「よこはまウォーキングポイント事業」に注目してみたんだとか。これは横浜市民がウォーキングを通じて楽しみながら健康づくりをするのが目的の事業でして、参加すると無料で歩数計(オムロンのHJ-326F)がもらえたり、歩数に応じてポイントが付与され、そのポイントに応じて抽選で商品券等が当たったりするんですよね。
んで、研究者たちは2017年3月31日までに登録した231,606人の参加者から集められた歩数計データを使うことにしたそうな。併せて、登録データから性別や生年月日(年齢)もゲットしたとのこと。
次に2017年5月に横浜市が行ったアンケートデータについてです。このアンケートは登録後80%以上の日数で歩数データを送信した99,462人の中からランダムに選ばれた2,580人を対象に行われたもので、選ばれた参加者のうち2,055人の方々が回答してくれたんだとか(回答率79.65%)
アンケートでは、参加者のウォーキング頻度や健康意識の変化、位置情報ゲームの利用状況について聞いてみたらしい。そして位置情報ゲームを「よく利用する」と答えた人とそれ以外の選択肢を答えた人でグループ分けし、ポケモンGOプレイヤーと非ポケモンGOプレイヤーの情報をチェックしたそうです。
その他、現在の職業欄ではパートを含む労働者と非労働者に分類、健康状態は良いから悪いまでの4段階に分類し答えてもらったそうです。
その後研究者たちは、データが集まると記録日数が少ない物や記録に異常がある物、歩数データが少ない物なんかを除外していったそうな。その結果914人分のデータが集まったということで、そのうちの46人(5.0%)がポケモンGOプレイヤーだったらしい。そこでポケモンGOプレイヤーと非ポケモンGOプレイヤーの比率が1:4になるようにデータをランダムに抽出し、非ポケモンGOプレイヤーのサンプル数を184人としたとのこと。そのため、総サンプル数は230人となりました。
因みに調べた歩数の期間についてですが、まず日本では2016年7月22日にポケモンGOがリリースされました。そこで2016年6月の歩数(ポケモンGO開始前の平均歩数)と、2016年8月~2017年3月までの各月の歩数を比べてみたそうです。つまり10ヶ月間調べたってことでこちらもポケモンGOの運動効果を調べた研究としては、かなり長くてよろしいのではないでしょうか。
では230人のデータを統計処理した結果をグラフで見てみましょう…!
では次に結果のポイントを見ていきますか。
- ポケモンGOプレイヤーの平均年齢は56.5歳だった。
- 非ポケモンGOプレイヤーの平均年齢は57.3歳だった。
- ポケモンGOリリース前の平均歩数について、ポケモンGOプレイヤーは7,641.8歩だった。
- ポケモンGOリリース前の平均歩数について、非ポケモンGOプレイヤーは7,903.3歩だった。
- つまりポケモンGOリリース前では、非ポケモンGOプレイヤーはポケモンGOプレイヤーよりも1日平均261歩多く歩いていた…!
- 但しリリースされた後である8月から10月にかけてグループ間の歩数の差は小さくなっていた…!
- その後はポケモンGOプレイヤーの方が非ポケモンGOプレイヤーよりも多く歩いていた…!
- 冬になると非ポケモンGOプレイヤーの歩数は減少していた。しかしポケモンGOプレイヤーは依然として歩数をキープしていた…!
- ポケモンGOプレイヤーと非ポケモンGOプレイヤーの歩数の差が最も大きかったのは12月で1日平均583歩も違った…!
つまり、ポケモンGOのような位置情報ゲームを10ヶ月間見てみたけど運動促進効果は間違いなくあったし、特に寒くて外に出るのが億劫なときに効果を発揮する…!って感じですな。
先行研究との違いとしてはポケモンGOプレイヤーと非ポケモンGOプレイヤーの歩数差が
最大でも583歩しかなかったこと。ちょっと少ない感じがしますが、研究者の予想では、
- 中高年を対象に調べたからではないか…?
としています。若者ほどゲームに熱中し飽きやすいってことで、それらがこれまでの短期の研究では見えてこなかったのではないかと。確かにブームに乗って行い、すぐやめるってのは有り得る話ですな。
またこの実験では他にも分かったことがございまして、
- リリース前後の歩数について、男性は3か月間有意だったが女性は1か月間のみだった
- リリース前後の歩数について、55~64歳の方々は8か月中7か月で有意だった
- 12月のポケモンGOプレイヤーと非ポケモンGOプレイヤーの差が1日平均1,891歩もあったが、55~64歳の方々を見てみると差は1日平均320歩だった
- 労働者は2か月間、非労働者は1か月間、有意だった
- 身体活動レベルは、元々アクティブな人たちは4か月間有意だったが、非アクティブな人たちは1か月間のみ有意だった
- 主観的な健康状態は、健康状態が良好な参加者は2か月間、その他の参加者は1か月間有意だった
って感じ。
中高年の男性労働者が、通勤中や職場の休憩時間、帰宅中に行っていることが多いってことですな。研究者もおっしゃっていましたが、ポケモンGOの為にポケストップやジムに寄り道したりしているのでしょう。
因みにこちらの先行研究との違いは、元々アクティブじゃない人程ポケモンGOの運動効果を得られる…!ってのと逆の結果だったこと。これについて研究者は、サンプルの特性(若者ではなく中高年を対象にした)や実験期間を長くしたからじゃないかな~?って想像しているみたいでした。確かに元々活動的でない人はポケモンGOで一瞬活動的になっても長期でみたら元に戻ったってのはありそうですね。
ということで、研究者たちは若者向け対策に以下のようなことを述べておりました。
- このような試みは、すぐに飽きてしまう若者向けに、ポケモンGOに続く新たな位置情報ゲームをリリースすると良いと思われる。
なるほど。これがモンハンNOWだったのか…。
ポケモンGOの運動効果を系統的レビュー・メタ分析してみた…!
2019年のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究によると、ポケモンGOが身体活動に及ぼす影響について調べてみたそうです。
これまでご紹介してきたとおり、この手の研究はいくつもあったんですが、今回の研究のポイントはポケモンGOと運動の関係を系統的レビュー・メタ分析してみたところです。つまり個々の研究結果を統合して大きな結論を出した感じでして、研究の質が高い物となっております。それでは早速見てみましょうか。
まず研究者たちは、2016年7月~2018年10月までに発表された該当する先行研究をPubMed、Web of Science、Scopus、EBSCO、SPORTDiscus、PsycINFO、ScienceDirect、Cochrane Libraryで検索してみたそうな。次にその中から質の高い研究をピックアップしていったとのこと。最終的に基準を満たした研究は17件だったそうで、そのほとんどが観察研究によるものだったみたい。総サンプル数は33,108人とのことで、これらのデータを使いメタ分析にかけてみたそうです。
結果、
とのこと。
因みにポケモンGOによる1日の歩数増加は緩やかな増加ではあるものの統計的に有意だったそうです。やっぱりポケモンGOは身体活動をアップさせる効果があったんですねー。素晴らしい…。
但し研究者もおっしゃっておりましたが、ポケモンGOを使った身体活動アップの課題として、目新しさが薄れた後も維持できるかが大事だよねーってことでした。何度も書いている通り、運動するきっかけには使えそうですが、習慣化できるよう工夫が必要そうですね。
ポケモンGOで自傷行為が減るのか調べた初の研究
2020年の香港大学の準実験によると、ポケモンGOで自傷行為が減るのか調べてみたそうです。
先行研究により、ポケモンGOで身体活動や心理的・社会的幸福度がアップする可能性があると出ておりますが、それなら自傷行為の発生率も減らせるのかも…?と研究者は考えたみたいですね。
先行研究により、ポケモンGOで身体活動や心理的・社会的幸福度がアップする可能性があると出ておりますが、それなら自傷行為の発生率も減らせるのかも…?と研究者は考えたみたいですね。
この研究は、香港病院局の事故緊急情報システムのデータを使ったというもの。香港病院局は香港の公立病院を管理している公的機関なんだそうで、香港圏内のほとんどの事故や救急サービスを24時間体制で監視しているんだそうな。
んでデータを集めた期間については、
- 2012年1月1日~2018年7月31日(ポケモンGOリリース前後のデータ)
- 2002年1月1日~2008年7月31日(ポケモンGOが関係ない期間のデータ)
って感じ。
因みに香港では2016年7月25日にポケモンGOがリリースされております。
次に集まったデータの中から、自傷行為又は軽度の非自傷行為として病院を受診した12歳以上の患者さんのデータをピックアップしていったらしい。最後に集まったデータを統計処理して自傷行為の発生率の変化をチェックしてみたんだとか。
その結果、まず分かったことが、
- 2012年1月1日~2018年7月31日までの期間に記録されていた自傷行為の病院受診者は13,463人だった
- 女性の割合は、13,463人中7,521人(55.9%)だった
- 男性の割合は、13,463人中5,942人(44.1%)だった
- 40歳以上の方が、13,463人中6,898人(51.2%)だった
- 自傷行為以外の故意の傷害は、85,957人発生していた
- 軽傷以外の傷害関係の事故は、1,972,805人発生していた
とのこと。
どうやら自傷行為を行う方は女性の方が若干多く、また40歳以上の方が半分以上を占めていたみたいですね。
続いて、本題のポケモンGOと自傷行為の関係を見ていきましょう。
- ポケモンGOのリリース後の期間に、自傷行為の発生率が34%も減っていた…!
- 自傷行為以外の故意の傷害や軽傷以外の傷害関係の事故なんかはポケモンGOのリリース後も減っていなかった…!
- ポケモンGOが関係ない期間のデータを見てみると、自傷行為の発生率は増加傾向にあった…。
つまり、明らかにポケモンGOのリリース後の期間に自傷行為が減っていて、それ以外の傷害や事故のケースは変わらなかったと…。これはすごいですねー。
またこの研究では18歳以上の方のみをピックアップし、ポケモンGOリリース直後(2016年7月25日)から実験終了(2018年7月31日)までの約2年間の自傷行為の減少傾向もチェックしてみたそうです。
結果、
- 18歳~24歳:自傷行為が22%も減っていた…!
- 25歳~39歳:自傷行為が25%も減っていた…!
- 40歳以上:自傷行為が43%も減っていた…!
とのこと。
若者や一番多かった40歳以上の方の自傷行為が明らかに減っていたのは、これまたすごいですね。
この結果から研究者曰く、
- 特に18歳以上の成人における自傷行為の発生率は、ポケモンGOのリリース後の期間に大幅な減少を示していた。ポケモンGOなどの位置情報ゲームは心理的・社会的幸福をアップさせ、精神的健康を改善するツールとして大きな期待が持てるだろう
としています。
ポケモンGOで幸福度がアップし、結果、メンタルが改善して自傷行為が減るという流れを研究者は想像しているみたいですね。
もちろんこの研究にも限界はあって、
- 準実験であること(あまり質の高い研究形式ではないこと)
- 「ポケモンGOのリリース後の期間に自傷行為が減っていた」だけなので、実際ポケモンGOで自傷行為が減るのか直接調べたわけではないこと(因果関係が不明、傍証ぐらいな感じであること)
などがありますので、そこはご注意くださいませ。
まぁ、こういう視点で研究する事もあるんだな~とか、自傷行為の対策・支援ってなかなか難しいから、そういう助けの一助にもなれば良いな~ぐらいの感覚で見てもらえるとよろしいかと思います。
ポケモンGOにハマるとメンタルをやられるぞ…!という研究のお話
2020年のプラバラ医科大学の研究によると、ポケモンGOを過剰にプレイした場合のメンタルへの影響について調べてみたそうです。
そもそも子どもの頃にポケモン世代だった人が、ポケモンGOを行うと夢中になり過ぎてしまう傾向がありそうなんだとか。そしてそれが義務感となり、中毒やストレス、不安、うつ症状の悪循環に変わる可能性があるとのこと。では本当にそうなのか…?ってことで今回調べてみることにしたんだとか。
この研究は、医大生に協力をお願いしたもので、以下の2グループに分かれてもらったと言うもの。
- ポケモンGOを2週間以上、定期的にプレイしている医大生:50名
- テレビゲーム(ビデオゲーム)を全くプレイしない医大生:50名
次に参加者全員のうつ症状や不安、ストレスなんかをチェックしてみたらしい。
最後に集まったデータを統計処理したそうな。
その結果、
- ポケモンGOを始めたきっかけは、ゲームのコンセプトが気に入ったから(39名)、仲間からのプレッシャーがあったから(8名)、無料だったから(3名)だった
- ポケモンGOの為に夜まで一人で外をうろうろしたことがあるポケモンGOプレイヤーは27名もいた
- また27名のうち6名はレアポケモンをゲットする為に道の真ん中で突っ立ったままでいたことがあると言っていた
- 28名のポケモンGOプレイヤーは、ポケモンGOが自分の行動に悪影響を及ぼしていたと思っていた
- 20名のポケモンGOプレイヤーは、最初に想像していたよりもずっと長時間プレイしていると言っていた
- 22名のポケモンGOプレイヤーは、ゲームに夢中になって時間を忘れてしまう時があったと言っていた
- ポケモンGOプレイヤーは、非ポケモンGOプレイヤーに比べて、多くのストレスや不安、うつ症状にさらされていた
とのこと。
この結果から研究者曰く、
- ポケモンGOを定期的にプレイすると、危険な状況になったり、ストレスや不安、うつ症状などの悪影響を受けるだろう
としています。
この研究を見た時の私の第一感想は、
- ポケモンGO関係なくね…?
ってこと。
正直、ゲームにハマり、ストレスになるって現象はゲーム好きなら誰にでもありましょう(例えばボスが倒せない、レベリング、ベストスコアが出ないなど)。
そしてもっといえば、どんなことも長く続ければ辛いときが必ずあるよね…?ってこと。典型的な例としてはプロスポーツ選手ですね。野球選手でもサッカー選手でもそれぞれ辛い時期がありますが、やっぱり好きという気持ちがあってそれで続けていますよね。
もっともっといえば、学校でも仕事でもそうでしょう。
また、上記で紹介した2017年の東京大学の研究では逆に日本の社会人のストレス解消になっているぞ…!って結果も出ています。
以上を踏まえると、ポケモンGOに限らずなんでもハマればあるよね~って思うのですが皆さんはどう思いますか…?
位置情報ゲームはコロナ禍での身体的・精神的健康にどのような影響をもたらしたのか…?
2020年のマッコーリー大学の研究によると、コロナのパンデミック中における位置情報ゲームプレイヤーの運動頻度とメンタル面の健康について調べてみたそうです。
今まで見てきたようにポケモンGOなどの位置情報ゲームを行うと身体活動量や社会的なつながりが増えるなど、身体的にも精神的にもプラスの影響があるということが分かっております。
一方で2019年12月31日に中国の武漢で初めて見つかり、その後2020年4月までに世界中のほとんどの国が、新型コロナウイルス感染症の対策の為に様々な制限をかけました。これを受けてNiantic(ナイアンティック:ポケモンGOなどを運営している会社)も、外出や移動、接触制限のある中でも楽しく遊べるようにゲームシステムを変更しました。なんで外出をメインとしたゲームではあったのですが、自宅や隔離環境でもプレイしやすくなった感じです。
んがしかし、身体活動や社会活動を促すシステムがなくなったり変更したため、位置情報ゲームがプレイヤーの身体的・精神的健康面にプラスの影響をもたらすのかは謎になってしまいました。
そこでコロナのパンデミック中における、位置情報ゲームの利用状況と運動頻度、メンタル面について調べてみることにしたそうです。
この研究は、多くの国々でコロナ制限中だった2020年5月15日~2020年5月29日まで行ったもので、ウェブによるアンケート調査を実施したと言うもの。
ポケモンGOやハリー・ポッター:魔法同盟(2022年1月31日にサービス終了)を最低1週間はプレイしたことのある人を集めて、40項目の質問からなるウェブアンケートに答えてもらったそうな。因みにアンケートの回答には平均15~20分ほどかかるものだったみたい。
アンケートの主な質問内容は、年齢、性別、国などの基本情報、位置情報ゲームのプレイ頻度、運動頻度、精神面の健康度と位置情報ゲームを行う動機や精神面への影響とのこと。
例えば参加者のゲーマー度をチェックし、以下の3グループに分けたんだとか。
- ハードゲーマー:余暇の時間のほとんどをゲームに費やす人。またゲームの知識やスキルをたくさん持っている人。
- ゲーマー:ハードゲーマーとライトユーザーの中間の人。定期的にゲームはするけどガッツリはしない人。
- ライトユーザー:ちょこっと短い時間だけゲームをする人。又は稀にゲームをプレイする程度の人。
その上でコロナのパンデミック前、ロックダウン中における、
- ゲームのプレイ頻度:1日何時間ゲームをするか、週何日ゲームをするか
- 身体活動頻度:1日何時間運動するか、週何日運動するか
- メンタル面のチェック:「WHO-5 精神的健康状態表」を使った。これは過去2週間の気分や活力について6段階で答える物で、合計数が低いほどメンタルや幸福度が落ちているとなる
を聞いてみたそうです。
併せて、コロナのロックダウン中にポケモンGOなどの位置情報ゲームをプレイした動機は何か聞いたり、その時ゲームをすることでメンタルへどのような影響があったか聞いてみたんだとか。
それでは結果をバーッと見ていきましょう。
- 今回の合計サンプル数は2,004人で、そのほとんどは男性(1153/1960、58.8%)であり、且つ、25~34歳(985/1998、49.3%、平均年齢30.5歳、年齢範囲18~99歳)だった。
- 66か国の人々が参加してくれたが約半分はアメリカ(987/1987、49.7%)だった。
- 自分をハードゲーマーだと思っていた人は20.2%(392/1943)だった。
- 自分をゲーマーだと思っていた人は33.2%(646/1943)だった。
- 自分をライトユーザーだと思っていた人は46.6%(905/1943)だった。
- ハードゲーマーは女性(61/385、16.0%)よりも男性(324/385、84.2%)の方がかなり多かった。
- コロナ前の1週間における運動時間は、平均7.5時間だった。
- コロナ前の1週間におけるハードゲーマーの運動時間は、平均9.07時間だった。
- コロナ前の1週間におけるライトユーザーの運動時間は、平均7.19時間だった。
- コロナ前の1週間における男性の運動時間は、平均8.31時間だった。
- コロナ前の1週間における女性の運動時間は、平均6.35時間だった。
- ロックダウン中の1週間における運動時間は、平均6.5時間だった。つまり有意に身体活動が減少(1週間当たり1時間減少)していた…!
- ハードゲーマーはライトユーザーよりも、コロナのロックダウンにより、身体活動が大幅に減少していた…!
- ロックダウン中にアンケートに答えてもらったが、半分以上の人がメンタルが不調と答えていた(925/1766、52.4%)
- 女性、若者、運動量の減少がメンタルが不調と答えた人の共通点だった。
- 参加者の4分の3(1261/1675、75.3%)がコロナのロックダウン中にビデオゲームを少し~かなりたくさんプレイしていたと答えていた。
- 1,675人の参加者のうち、20%(335人)がゲームの頻度に変化なしと答えていた。
- 1,675人の参加者のうち、4.7%(79人)がゲームの頻度が少し減った~かなり減ったと答えていた。
- コロナ前の1週間におけるゲーム時間は、平均16.38時間だった。
- コロナ前の1週間におけるハードゲーマーのゲーム時間は、平均20.24時間だった。
- コロナ前の1週間におけるライトユーザーのゲーム時間は、平均13.97時間だった。
- コロナ前の1週間における男性のゲーム時間は、平均17.90時間だった。
- コロナ前の1週間における女性のゲーム時間は、平均14.26時間だった。
- ロックダウン中の1週間におけるゲーム時間は、平均20.82時間だった。つまり有意にゲーム時間が増加(1週間当たり4時間半弱増加)していた…!
- ロックダウンでライトユーザーのゲーム時間はコロナ前のハードゲーマーと同じレベルにまで増えていた(1週間当たり平均20時間)…!
- ロックダウン時のハードゲーマーのゲーム時間は1週間当たり平均21.84時間だった。つまりハードゲーマーはコロナでゲーム時間が1時間半ほどしか増えていなく、またロックダウンによりライトユーザーとあんまり変わらない時間にもなっていた…!
- ロックダウン時の女性のゲーム時間は1週間当たり平均20.91時間だった。
- ロックダウン時の男性のゲーム時間は1週間当たり平均20.82時間だった。
- つまりロックダウンにより、男女におけるゲーム時間の差はなくなった…!
- ほぼ全ての参加者(1962/1975、99.3%)はロックダウン中でも位置情報ゲームをプレイし続けていた…!
つまりコロナ禍に入ったことで、運動時間が減少、ゲーム時間は増加したってことですね。またコロナ禍に入ると、ゲームのプレイ時間は皆ハードゲーマーレベルになり、そこに男女差なんかもなくなってしまうと…。
そしてそんな中でもポケモンGOをやり続けている人がほとんどだったってのは面白いですな。ではどこからそんなモチベが湧いてくるのか…?ってことで次はその辺の結果を見ていきますかー。
- エンターテインメント制:位置情報ゲームを続ける一つ目の共通点が楽しいから、面白いからとのこと。ロックダウン中は家に閉じこもっており、やることがなかったので、ゲームが暇つぶしにちょうど良かったみたい。なお、ロックダウンがきっかけで、位置情報ゲームを再開しなつかしんだ人もいたらしい。
- 課題と成果:ログインボーナスや日課のタスクなどがありそれを行うことで達成感が得られたからとのこと。ロックダウンにより、仕事や学校に支障が出ている中、ゲームは達成すべきタスクやチャレンジが明確にあり、また時間的余裕もあったことから、進捗が分かり達成感も味わえたそう。
- ゲームシステムの変更:コロナ禍に対応する為、ゲームシステムが変更になったのも続けられたポイントとのこと。ロックダウン中でも自宅でプレイしやすくなったり、リワードやイベントが増えたりしたことで、夢中になれたんだとか。因みにポケモンGOではこの時、リモパス(リモートパス)やGOバトルリーグ(PVP)を実装している。
- エクササイズ:位置情報ゲームによりコロナ禍でも運動するきっかけになったのが大きかったと答えた人もいたとのこと。コロナ禍ではどうしても運動頻度が減り、また人と合わずに外出して運動しなければいけなかったので、そのモチベーションを維持するのにお供として位置情報ゲームは有効だったみたい。アンケートに答えた人の中には、外を散歩する唯一のきっかけが位置情報ゲームだったと答えた人もいたそう。
まとめると、コロナ禍でも位置情報ゲームのモチベが続いた理由は、楽しい、達成感、状況に合わせての変更、運動するきっかけってことですね。正直、ゲームに限らずモチベーションの維持、向上に使えそうな項目ばかりですな。
最後に精神面への影響結果もチェックしておきましょう。
- 参加者の4分の3以上(1102/1427、77.2%)がコロナのロックダウン中にビデオゲームをすることが精神的健康につながると思っていた…!
- 参加者の20.7%(1427/295人)がコロナのロックダウン中にビデオゲームをすることが精神的健康につながるかはどちらとも言えないと思っていた。
- 参加者の2.1%(1427/30人)がコロナのロックダウン中にビデオゲームをすることが精神的健康にマイナスの影響があると思っていた。
大体の人はコロナ禍のゲームはメンタルに良さそうと思っていたみたいですね。
では具体的な理由を見てみましょう。
- 気晴らし:コロナで現実逃避したい状況でゲームは素晴らしい気晴らしになるとのこと。連日コロナの報道ばかりで憂鬱な気分になっているから気を紛らわせるのに有効だったそうな。
- アクティビティ・エンターテイメント:コロナのロックダウン中にゲームは何かすることを与え、忙しく過ごすことに役立ち、楽しみを提供し続けてくれたとのこと。コロナ禍で24時間365日家にいる間、ゲームは集中して楽しいものとして、また退屈を紛らわせるのに役立つものとして良かったんだとか。
- 感情のコントロール:コロナ禍でもゲームは楽しい時間を提供してくれたのも大きいとのこと。それによりメンタルが安定し、ネガティブにのまれることなく、状況を冷静にポジティブに捉えることが出来たんだとか。またアンケートに答えた人の中にはゲームでストレス解消、リラックスできた、ポジティブな気分になったと答えた人もいたらしい。更にはコロナ禍で正気を保っていられる唯一のものと答えた人もいたみたい。
- 社会的なつながり:コロナ禍でもゲームにより社会的なつながりを感じられたとのこと。ゲームを家族や子ども、パートナーと一緒に行い、絆を深めるきっかけになったと答えていたそうな。また友人と連絡を取り合いゲームでパーティープレイするというきっかけにもつながったらしい。これによりコミュニティ感を感じやすくし、孤立感を感じ辛くする効果があったみたい。
確かに、先の見えないコロナ禍で気分転換ややる事、楽しみを与え、人とのつながりを感じさせてくれたのは大きかったのかもしれませんな。
ポケモンGOなんかの位置情報ゲームは、コロナ禍での身体的・精神的健康を促す効果があったというお話でした。
まぁ、運動の項目以外は別に他のゲームでも同じ効果があったような気がしますし、その運動の効果についても犬なんかのペットを飼っていて散歩のきっかけになったとすれば代替方法はあったと思います。
けれどそれらを同時に、気軽にできるとなるとコロナ禍の状況を踏まえれば位置情報ゲームは有用だったと言えるのではないでしょうか…?
位置情報ゲームの運動へのモチベアップ効果はパンデミックを上回る可能性がある…!
2020年のトゥルク大学の研究によると、コロナ禍による位置情報ゲームの影響について調べてみたそうです。
そもそも位置情報ゲームは屋外を歩きながらプレイすることを基本にしております。んがしかし、コロナによって不要不急の外出は控えるようにって当時なったんですな。そんなコロナ禍による位置情報ゲームへの影響について今回調べてみたらしい。
具体的には、2020年4月8日から14日の間にフィンランドでオンラインアンケートを実施したみたい。また参加者の情報は以下な感じだったそうな。
- サンプル数:855人(女性605人、男性234人、他16人)
- 年齢:25歳未満が158人、26〜40歳が454人、41〜60歳が221人、60歳以上が22人
- ポケモンGOのレベルマックスの人:470人(55.9%)
それではアンケートの結果を見ていきましょうか。
- コロナのパンデミックの為の政府の対応、ゲーム内のシステム変更は、ソーシャルプレイを減らすことと有意な正の相関関係があった。
- 健康要因から見てみると、パンデミックの深刻さの認識は、ソーシャルプレイを減らすことと有意な正の相関関係があった。
- 感受性の認識はソーシャルプレイを減らすことと関係なかった。
- 男性よりも女性の方が、パンデミック中にソーシャルプレイを減らす可能性が高まっていた。
- ソーシャルプレイを減らすことに影響を与えるのは遊びの強度だった。
- つまり、チャンスを逃すことへの恐怖やセルフコントロールの欠如により、遊びの強度が高まり、それがソーシャルプレイを減らすことと負の相関関係があった。
う~ん。イマイチよく分からん感じですね~。
もうちょい分かりやすくすると、
- コロナ禍という世界的危機的状況であっても、位置情報ゲームは人間の行動に影響を与える可能性がある…!
- コロナの感染や深刻度が増す、自宅でプレイしやすくなると屋外でのプレイが減る…!
- コロナ禍では女性の方が屋外でのプレイが減る…!
- 但し屋外でのプレイが減らない場合もあって、そのポイントは遊びの強度(ポケモンGOのハマり度)だった…!
- ポケモンGOにハマっている人は、チャンスを逃したくない、誘惑に負けてしまうことにより、屋外でプレイしがちだった…!
って感じです。まぁ、言われればそうでしょうなって結果ですよね。
因みに当時、外出禁止令や不要不急の外出の禁止を掲げている一部の国や地域もありましたが、アンケートを行ったフィンランドでは、一人での屋外運動は禁止されておらず、また推奨もされていなかったそうです。つまり一人で外で運動したいならしてもOKな状況だったみたいですね。
これらの結果や状況から研究者曰く、
- ポケモンGOは、感染症が流行していても、人々の運動意欲を高めるなどのプラスの影響を与える可能性がある
としています。
位置情報ゲームの運動へのモチベアップ効果はパンデミックを上回る可能性があるってのは非常に興味深いですね。
位置情報ゲームの運動へのモチベアップ効果はパンデミックを上回る可能性があるってのは非常に興味深いですね。
このような研究を見てみると、コロナ禍で位置情報ゲームがすたれてなくならなかったのも納得かと。ここまで人を運動させたいという気持ちにさせるゲームってのはやっぱすごいな…。
ポケモンGOにより、仕事や学校の日、そうでない日に限らず、移動手段や移動ルートが変わっていた…!
2021年の同済大学の研究によると、ポケモンGOが移動手段や移動ルートに与える影響について調べてみたそうです。
そもそもポケモンGOはゲームとして開発されましたが、ポケストップやポケモンジムといった場所を見かけると、移動ルートを変更したり、それらを求め、頻繁に別の場所に移動したりする可能性があるんだとか。また、移動手段に関しても、徒歩や自転車の活用が多くなる可能性があるらしい。
しかし、これまでの研究は、安全面や健康面への影響について調べたものばかりだったので今回調べてみることにしたそうです。
この研究は、2016年9月7日から2016年12月12日までに行ったもので、匿名のオンラインアンケートに答えてもらったと言うもの。参加者は、18歳以上のアメリカ在住の方々で、41の州から集められた1,017人だったそうな。
この1,017人のうち、493人は現役のポケモンGOプレイヤーだったそうで、残りの524人は非ポケモンGOプレイヤーだったみたい。
因みにアンケートでは、
- ポケモンGOをプレイするために、通勤や通学時の移動手段を変更したか…?
- ポケモンGOをプレイするために、通勤や通学以外の移動手段を変更したか…?
みたいな質問をしたとのこと。
その結果、
- 10.1%(493人中50人)の人が通勤や通学時の移動手段・ルートを変えていた…!
- 18.7%(493人中92人)の人が通勤や通学以外の移動手段・ルートを変えていた…!
- 移動手段の変更で一番多かったのは、自動車から徒歩への変更だった…!
- 変更理由は、タマゴを早く孵化させる為(通勤通学80%、通勤通学以外81.6%)が最も多く、次いで、より多くのポケモンをゲットする為(通勤通学76%、通勤通学以外81.6%)だった…!
そうです。
つまり、ポケモンGOにより、仕事や学校の日、そうでない日に限らず、移動手段や移動ルートが変わっていた…!ってことですね。そしてそれにより毎日の歩数が増えていると。
またこういったことが起きる原因として、研究者は、ポケモンGOにおける、ゲーミフィケーションとソーシャル要素が重要なんじゃないのかな~?とおっしゃっておりました。
ゲーミフィケーションの例としては、
- 各プレイヤーは、個人的な目標(全てのポケモンをゲットして図鑑を完成させるなど)を設定し、進み具合を確認(図鑑で確認やメダルで確認など)、目標を達成したときに報酬をもらう(ゴールドやプラチナメダルがもらえるなど)ことを目指せるようになっている
- アプリ開発者が設定したさまざまな目標(毎日のログインボーナスやタスク、7日間ログインしたボーナスなど)を達成するため、それぞれのプレイヤーが挑戦したくなる、目標を達成することを意識させるようになっている
って感じ。
ソーシャル要素の例としては、
- 他のプレイヤーと競い合えるようになっている
- 一人が運転し、もう一人が同乗して一緒にポケモンGOをプレイしたりする
- ポケモンGOを一緒に行ったり、話したりして他のプレイヤーと仲良くなる
- SNSなどで成果を共有する、サポートを得ることによって交流できる
って感じ。
これらにより、ドロップアウト率を下げるみたい。
ということで、ポケモンGOの移動手段や移動ルートに焦点を当てた研究でした。
これらによって、今まで紹介した身体活動の時間が増えたりしていたんですね。
ポケモンGOの安全性と健康への影響を見てみたら従来から言われてきたメリットデメリットの通りだった…!
2021年の同済大学の研究によると、ポケモンGOの安全性と健康への影響について調べてみたそうです。
なんでも研究者によれば、ポケモンGOの安全性と健康への影響を知ることにより、アプリ開発者やアプリの使用行動、アプリの保持率、市場シェアに影響を与える可能性があるとのこと。
この研究は、オンラインによる匿名アンケートを行ったもので、80項目からなる質問に答えてもらい、ポケモンGOの影響をチェックしたと言うもの。
最初に基本情報として、性別や年齢、住んでいる地域なんかを聞きつつ、次に以下のようなポケモンGOの安全面と健康面への認識の質問をしていったらしい。
- ポケモンGOの使用に関するリスクの認識について
- ポケモンGOを自動車の運転中や自転車に乗っているときにやるのは禁止ということについて
- ポケモンGOをしながら脇見運転や自転車に乗る頻度について
- ポケモンGOが原因の潜在的に危険運転行動の頻度について
- ポケモンGOを始める前と後での平均歩数について
- ポケモンGOによる身体的・精神的な健康上のメリットの認識について
最後に集まったデータを統計処理して、ポケモンGOの認識や態度、行動に与える影響がどうなのか見てみたそう。
結果、ポケモンGOのような位置情報ゲームは、
- もっと歩くよう促す効果や社会的交流を促す効果により、身体活動を促進する可能性があった…!
- 自動車や自転車のわき見運転、ながら運転、危険運転行動を増やす可能性があった…。
とのこと。
う~ん。従来から言われてきた、メリットデメリットが改めて証明された感じですな。
ポケモンGOの歩き方と効果について調べてみた…!
2021年のメリービル大学の研究によると、ポケモンGOの歩き方と効果について調べてみたそうです(余談ですが上記で紹介した研究と同じ研究者が行ったものになります)
なんでも研究者によれば、ポケモンGOプレイヤーは大きく以下の2パターンの歩き方をしながらゲームをしているんだとか。
なんでも研究者によれば、ポケモンGOプレイヤーは大きく以下の2パターンの歩き方をしながらゲームをしているんだとか。
- 断続的パターン:歩いて止まり歩いて止まりを繰り返しながらポケモンGOをするスタイル
- 連続的パターン:歩きながら止まらずポケモンGOをするスタイル
今回、この2パターンが従来のウォーキングと比較してどのような影響をもたらすのかチェックしたみたい。
ということでまず研究者たちは、ポケモンGOプレイヤー20人に実験参加のお願いをしたそうな。次にポケモンGOをしながら歩く事と従来のウォーキングをランダムな順番で30分間行ってもらったらしい。因みに30分間で1.77km歩いていたそうなんで、平均時速が3.54kmになります。かなりゆったり歩いていたことになりますね。
んで、その歩いているときに合わせて、歩数計や加速度計、心拍数モニター、GPSなんかを使って、歩数やカロリー消費量、運動強度、心拍数、移動距離なんかを測定したらしい。また、研究者が様子を直接見て何回止まったか、上記の2パターンのどちらに当てはまるかなんかもチェックしたんだとか。
最後に集まったデータを見た結果、以下のことが分かったそうです。
- ポケモンGOプレイヤーの60%が断続的パターンだった…!
- 従来のウォーキングは、ポケモンGOをしながら歩くよりも、身体活動が有意に高かった…!
まぁ、歩くことに集中した方が運動量が多くなるのは当たり前ですよね。
続いて、連続的パターンと断続的パターンの身体活動量の違いを見てみましょう。
- 項目:連続的パターン:断続的パターン
- 総歩数:3394.3±255.8歩:2779.1±317.5歩
- 有酸素運動の歩数:3314.3±318.9歩:2387.5±771.8歩
- 消費カロリー:146.00kcal:110.0kcal
- 移動距離:2.4km:2.0km
- 中等度の運動強度時間:29.7分:25.8分
- 座り時間:0.2分:2.7分
- 立ち止まる回数:0回:4.5回
連続的パターンの圧勝…!って感じですね。まぁ、そうでしょうな。
この結果に研究者曰く、
- 連続的パターンでポケモンGOを行うと従来のウォーキングと同様の身体活動効果を生み出し、断続的パターンでポケモンGOを行うと身体活動効果が減ってしまった。但し、それでもポケモンGOで身体活動の参加を促す戦略は有効だろう
とのこと。
どんな歩き方でもポケモンGOによる運動効果は期待して良いっぽいですね。
ポケモンGOにより、身体活動(特に軽度の身体活動)と歩数の増加、気分と社会的交流の改善、記憶力・注意力・集中力などの認知能力の向上があった…!
2021年のミネソタ大学ダルース校の研究によると、ポケモンGOが身体活動や心理的・社会的な側面にどのような影響を与えるのか系統的レビューで調べてみたそうです。
そもそもこれまでポケモンGOによる健康への影響を調べた系統的レビューはいくつかありましたが、
- 2021年のノルウェー科学技術大学の系統的レビュー:含まれる研究の質については評価していなかった
- 2020年のトゥルク大学の系統的レビューや2019年のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の系統的レビュー・メタ分析(上記で紹介した研究):身体活動への影響のみしか調べていなかった
って感じで、それぞれ弱点があったんですよ。
特に身体活動以外の心理的・社会的な側面の効果について、レビューが不足気味なんで、今回、ポケモンGOの身体活動・心理的・社会的な側面の影響について先行研究の結果をまとめてみることにしたらしい。
ということでまず研究者たちは、2016年7月~2021年4月にかけて、該当する査読済みの先行研究をPubMedやSPORTDiscus、PsycINFO、Web of Science、Science Direct、Scopusで検索してみたそうな。すると最初の検索で合計959件の研究がヒットしたらしい。
因みに内訳は、
- PubMed:87件
- SPORTDiscus:154件
- PsycINFO:93件
- Web of Science:220件
- Science Direct:74件
- Scopus:310件
- その他:21件
とのこと。
続いてこの中から、重複しているものや質の低い研究を除外していったそうで、最終的に基準を満たしている研究は36件だったそうです。
この36件の研究の質は、
- 質が高い研究:2件
- 質が中程度の研究:11件
- 質が低い研究:23件
だったみたい。あんまり質の高い研究はなかったみたいですが、この手の研究分野では仕方ないでしょう。因みにこのようなこともありメタ分析は出来なかったそうです。
また36件の研究のうちのほとんどが観察研究(36件中33件)だったらしく、ランダム化比較試験(RCT)はなかったそうな。
研究した国も様々でして、
- アメリカ:21件
- 香港:3件
- 日本:2件
- タイ:1件
- 台湾:1件
- スペイン:2件
- イギリス:2件
- セルビア:1件
- ポーランド:1件
- コスタリカ:1件
って感じ。
因みに日本の研究は、
- 2019年の東京大学の研究(上記で紹介した研究)
- 2017年の東京大学などの研究(上記で紹介した研究)
の2つなんで、どちらも紹介済みのものでした。
最後に36件の研究の概要についても押さえておきましょう。
- 発表年:2016年~2020年(2018年が12件、2019年が10件発表されており、この研究分野がまだ初期段階にあり、拡大していることを意味していた)
- サンプル範囲:20人~27,126人(7件が50人未満、11件が50人~300人、18件が300人以上、14件が301人~999人、1件が10,000人以上)
- 総サンプル数:38,724人
- 年齢範囲:子ども(5歳)~高齢者(60歳以上)までと様々(3件の研究が子供と青少年(平均年齢13歳)で、他の研究は18歳以上の成人のみが対象だった)
- 女性の割合:25%~78%の範囲
- 実験期間:60分~9か月(中央値は1か月)
概要を掴んだところで、結果を見てみましょう。
まずはポケモンGOが身体活動に与える影響についてです。
- 27件中19件の研究で、ポケモンGOが身体活動にプラスの影響を与えていた…!
- 12件中7件の研究で、ポケモンGOプレイヤーは非ポケモンGOプレイヤーに比べて、1日の歩数、中程度の身体活動とウォーキングをした週の日数、1日の歩行距離が有意に高かった…!
- 14件中11件の研究で、ポケモンGOの始める前と後では、1日の歩行時間、1日のその他の身体活動時間(ウォーキングやランニング、サイクリング、スケートなど)、週の軽度~中程度の身体活動時間、1日の中~高強度の身体活動時間、毎日のウォーキング・ランニング距離、毎日の歩数、運動頻度、1日1万歩以上歩いた日の割合が有意に高かった…!
- 但し、効果の持続性についてはあやしかった。1週間~4週間で減ってきたり、1週間を過ぎると有意ではなくなったり、6週間でスタート時と同じレベルまで戻ったりしていた。一方で7か月後も効果が持続した研究もあった。
次にポケモンGOが心理的・社会的な側面に与える影響についてです。
- 身体活動への影響の研究に比べ、心理的・社会的な側面に与える影響の研究は少なかった(36件中13件の研究)
- 13件中11件の研究で、ポケモンGOが感情や気分の改善にプラスの影響を与えていた…!
- 具体的には、約1時間のプレイ後にネガティブな感情が減少、3か月のプレイ後に神経症的傾向が減少していた…!
- ポケモンGOにより、ストレス低下、生活満足度の向上、幸福度の向上、活力の向上や若者の言語性ワーキングメモリ、注意の持続、創造力、集中力も向上していた…!
- 複数の研究で社会的幸福度が改善していたと報告もあった…!
- 親密度の増加、社会的交流の増加、社交性 、帰属意識とつながりの感覚にもプラスの効果があった…!
いや~身体活動、心理的・社会的面ともに良い効果が出ていますねー。
この結果をまとめますと、
- ポケモンGOにより、身体活動(特に軽度の身体活動)と歩数の増加、気分と社会的交流の改善、記憶力・注意力・集中力などの認知能力の向上があった…!
ってことになりますな。
すばらしい…。
系統的レビューで、身体活動・心理面・社会面にプラスの効果があったと分かったのは大きいですね。あとはこの効果が長期間続くのかがはっきりするとよろしいですが、きっかけとしてでも使えそうなのは大変よろしいかと。
ポケモンGOは従来のゲームと違い、能動的で、座ってゲームするイメージを変え、身体的・精神的健康を改善し、社会的交流を増やす可能性がある…!
2021年の台湾の国立体育大学の研究によると、位置情報ゲームは心身の健康に役立つのか調べてみたそうです。
この研究は、ポケモンGOを1年以上プレイしている成人ユーザーを対象にしたもので、参加者は台湾に住む34名の方々。
この34名のうち、
- 男性が61.8%、女性が38.2%
- 参加者のほとんどが20~25歳(32.3%)か、26~30歳(29.4%)
- 参加者の約3分の1の方が社会人(35.5%)か、学生(32.3%)
- 参加者のほとんどが1日60分未満(38.2%)か、121~180分(38.2%)ポケモンGOをプレイしていた
とのこと。
実験は参加者全員に対面又はオンラインで1対1のインタビューを行ったと言うもので、大体30~40分行われたそうな。
んで質問内容は以下の3つプラスアルファだったらしい。
- ポケモンGOが好きで続ける理由はなんですか…?
- その理由はあなたにとってどのような結果をもたらしますか…?
- その結果、あなたは、どのようなメリットを得ましたか…?
- 上記の各質問を更に掘り下げる質問をした。
最後にインタビューの結果をまとめてその共通点を見つけてみたそうです。
では、どんな感じだったか見てみましょう…!
- ポケモンGOをプレイする理由:普及率・ゲームデザイン・AR・子ども時代の思い出・目新しさ・好奇心が関係していた。つまり、ポケモンGOのAR技術やゲームデザイン、ポケモンの懐かしさがプレイする動機だった…!
- ポケモンGOのメリット:気分が良くなる・空想・子ども時代を懐かしめる・友人や家族との関係の維持・新しい友人を作る・スキルの開発・屋外に出る・身体活動・環境への再認識・競争が関係していた。つまり、ポケモンGOを行うと様々なメリットがあると感じていた…!
- ポケモンGOとソーシャルネットワーク:社会的関係・人と場所の関係・個人の健康・達成感・自己実現が関係していた。つまり、ポケモンGOは家族や親戚、古い友人、新しい友人、そしてプレイヤー自身の間のつながりを構築又は再構築するのに役立っていた…!
- 以上から位置情報ゲームは、従来のビデオゲームやオンラインゲームで言われた肯定的な社会的行動や結果を制限するのではなく、生み出す可能性を秘めていた…!
ポケモンGOは従来のゲームと違い、能動的で、座ってゲームするイメージを変え、身体的・精神的健康を改善し、社会的交流を増やす可能性がある…!ってことですな。
因みに研究者は、ポケモンGOが一般的な身体活動(スポーツ)に取って代わることはできないとおっしゃっておりました。この辺は以前に書いてきたとおり、運動を行うきっかけとして使うのがよろしいようです。
せっかくなので、論文中に出てきた個人的に気になった研究をさっとご紹介しておきます。
2018年のハエン大学の研究ではポケモンGOが青少年の認知能力とEQ(感情的知性)に与える影響を調べているんですが、ポケモンGOを8週間プレイしたグループはそうでないグループに比べ、社交性が大幅にアップしたそうです。また、2017年のミシガン大学ディアボーン校の研究によると、ポケモンGOはオンラインでの社会的交流に留まらず、オフラインでの社会的交流も増やす効果があったみたい。
そのため、引きこもりや社会的交流が苦手な人に使えるかも…?と書かれておりました。
引きこもり問題はなかなか突破口が見つからないんで、もし位置情報ゲームが役立つなら嬉しいですねー。
ポケモンGOの健康効果は純粋な娯楽を超えた目的を果たすのか系統的レビューで調べてみた…!
2021年のノルウェー科学技術大学の系統的レビューによると、ポケモンGOによる健康効果の先行研究結果をまとめてみたそうです。
因みに研究者曰く、
- 本研究の目的は、ポケモンGOなどのARゲームがプレイヤーの生活のいくつかを大幅に改善し、純粋な娯楽を超えた目的を果たすことができるのかを調査した
とのこと。
んで具体的には以下の4つの疑問について見てみたらしい。
- ポケモンGOによる身体的健康への影響:ポケモンGOは身体活動レベルにどのような影響を与えるのか、また短期的と長期的で効果が変わるのか…?
- ポケモンGOによる精神的健康への影響:ポケモンGOはメンタル面にどのような影響を与えるのか…?
- ポケモンGOによる社会的健康への影響:ポケモンGOは社会生活や人間関係にどのような影響を与えるのか、またゲームの社会的要素はなんなのか…?
- ポケモンGOとモチベーションと動機の関係:プレイヤーのモチベーションと動機がポケモンGOにどのような影響を与えるのか…?
では系統的レビューの流れを見ていきましょう。
まず研究者たちは、2018年9月7日~28日、2019年5月29日~6月19日の2回に分けて該当する研究がないか検索してみたそうです。この時使われたデータベースは、
- Google Scholar
- Science Direct
- Wiley InterScience
- Web of Science
- Scopus
の5つだったそうで、これらを順番に検索、その後、ヒットした研究の参考文献なんかもチェックしたとのこと。すると全部で1,534件(ほとんどがGoogle Scholar)も見つかったそうな。
続いてこの中から該当基準を満たしているか、除外基準に該当するかを見て行ったそうで、最終的には59件の研究が選ばれたみたい。因みにこの59件の研究は上記の4つの疑問の1つ以上を調べたものとなっております。
では系統的レビューの結果を見てみましょう…!
- ポケモンGOによる身体的健康への影響:ポケモンGOは、歩数の増加、移動距離の増加、運動時間の増加で、身体的健康に明らかなプラスの効果があった…!但し、この効果は時間の経過とともに減少してしまい、ポケモンGOをやめるとなくなってしまうことも分かった…。
- ポケモンGOによる精神的健康への影響:ポケモンGOは、運動への意欲、認知能力、幸福感、不安の減少、社会不安の減少、開放性(知的好奇心)のアップなど、メンタル面に有意なプラスの効果があった…!この効果はプレイ時間に関係しているが長期的な影響を調べた研究はなかった。ありえそうな悪影響は、長期間プレイによる依存症や運動の意欲低下が挙げられた。
- ポケモンGOによる社会的健康への影響:ポケモンGOは、家族や友達との関係性を強め、社会的交流を増やし、社会不安を軽減し、新しい友達を作るという点で、プラスの効果があった…!
- ポケモンGOとモチベーションと動機の関係:ポケモンGOを始めて続ける理由は、楽しくてのめり込める感じだから、運動になるから、社会的な理由(家族・友達との交流や新たな友達を作る)から、懐かしさやポケモンが好きだからとのこと。また6ヶ月以上続けていた人は協調性やセルフコントロール(忍耐力・計画性)があるという特徴もあった…!ポケモンGOをやる頻度が減る、辞める理由は、進行が遅いこと(やることがなくなること)、時間と労力がかかりすぎること(特に途中からレベル上げが一気にきつくなる)、技術的な問題などがあった。
やはりこれまで見てきた先行研究の内容は大枠として正しそうですね~。
ということで、ポケモンGOの研究をまとめてみると、身体的健康・精神的健康・社会的健康に良さそうな感じです。
ポケモンGOとゲーム依存症リスクの関係
2022年のシレジア医科大学の研究によると、ポケモンGOとゲーム依存症リスクの関係について調べてみたそうです。この研究は、2021年3月~6月にかけてポーランドに住む1,134人のポケモンGOプレイヤーを対象にしたというもの。実験は参加者全員にアンケートを行った感じでして、その後、しっかり答えてくれたアンケートを選んでいったみたい。
その結果、正しく記入されていたアンケートは990人だったそうな。この990人のうち男性が545人(65.1%)で女性が445人(34.9%)だったそうです。また回答者の71.4%は18~30歳(21±2歳)の方だったらしく、残りの28.6%の方は30歳以上(34±1歳)だったらしい。
んで、アンケートでは主に以下の2点について聞いてみたんだとか。
- ポケモンGOに関する感情と感覚に関すること。
- ポケモンGOへの依存に関すること。
最後に集まったデータを統計処理して傾向をチェックしたみたい。
ということで、まずはどれぐらいポケモンGOをやっているかの結果から見ていきましょう。
- ポケモンGOを毎日行っている人は84.7%だった。2〜3日おきに行っている人は11.2%だった。それ以下の人はわずか4.1%だった。
- 70.4%の人は2016年7月のポケモンGOリリース以降ずっとプレイしていた。14.6%の人は約2年間プレイしていた。10.0%の人は約1年間プレイしていた。
- 1日のプレイ時間が2時間未満の人が52.6%だった。2〜3時間の人が約26.3%だった。3時間以上の人が14.7%だった。
- 90.0%以上の人が課金していた。平均すると71.3%の人が1か月に50ズウォティ(約2,000円)以上課金していた。28.7%の人が1か月に50ズウォティ(約2,000円)未満課金していた。
アンケートに答えた人の7割はリリースからずっとやり続けているみたいですね。しかも毎日やっている人がほとんどで1日の時間は2時間未満が多いみたい。細く長くって感じですな。それと課金している人が7割ってのは多いのか少ないのかちょっと気になりました。
では次に、身体活動の結果を見てみましょう。
- 64.3%の人はポケモンGOで身体活動が改善したと感じていた…!
- 33.7%の人はポケモンGOで身体活動は変わらなかったと感じていた。
- 2%の人はポケモンGOで身体活動が悪化したと感じていた。
- 上記の主観的な身体活動の評価は実際の身体活動の状態に反映されていた…!
- ポケモンGOを始める前の身体活動(ウォーキングやランニング、サイクリングなど)については、1日30~60分が60.1%、60分以上が29.6%だった。
- ポケモンGOを始めた後の身体活動(ウォーキングやランニング、サイクリングなど)については、1日30~60分が22.3%、60分以上が74.5%だった…!
- つまり、ポケモンGOによりより長く(60分以上)運動する人が増えていた…!
- これは、ポケモンGOが運動する重要な動機であったことを示している…!
以前から何度も見られてきたとおり、今回もポケモンGOで身体活動がアップしていたみたいですねー。やっぱ位置情報ゲームは運動を促す効果があるみたい。
今度はメンタル面を見てみましょう。
- 55.3%の人はポケモンGOでメンタルに変化がなかったと感じていた。
- 23.7%の人はポケモンGOでメンタルが改善したと感じていた。
- 21.0%の人はポケモンGOでメンタルが悪化したと感じていた。
- 約62.2%の人はポケモンGOで対人関係に変化がなかったと感じていた。
- 36.7%の人はポケモンGOで対人関係が改善したと感じていた。
- 1.1%の人はポケモンGOで対人関係が悪化したと感じていた。
メンタル面は変化なしって感じですね。
最後にポケモンGOのメリット・デメリットからみるゲーム依存症リスクについてです。
【ポケモンGOのメリット】
- 楽しい・ストレス解消になる:64.6%
- 運動のきっかけになる:23.2%
- 共通の仲間が出来る:12.2%
【ポケモンGOのデメリット】
- 自由な時間がなくなる(依存症):42.3%
- 競い合うことの不満:29.6%
- 対人トラブル:28.1%
【ゲーム依存症リスク】
- 72.3%の人はポケモンGOで何らかの依存症リスクを抱えていた…!
- 上記に該当する人の傾向は、男性、年齢が18~30歳、独身、中卒以上、人口10万人以上の大都市に住んでいる、だった…!
メリット・デメリットも先行研究で聞いたことがある感じの物でしたね。
またポケモンGOも他のゲーム同様、依存リスクがある…!って結果だったみたいです。
…っとこんなのを聞くとビビっちゃいますが、
- インターネットでのアンケートなんでエビデンスは低い
- そもそもポケモンGOプレイヤーを対象にしているから、それに時間を費やして他のことをする暇がない、依存っぽい傾向の結果が出るのは当たり前
- コントロールグループを用意せず比較もしていない
って感じでして、これだけをみてポケモンGOでゲーム依存症になるとはならないかと。
むしろ、否定的な感じの研究でも運動効果が認められたり、メンタル面も可もなく不可もなくって結果が出ているんで、こちらの方が注目してしまいましたな(笑)
精神障害を持つ人がポケモンGOを行うと社会的機能と生活満足度がどう変化するのか調べた最初の研究の話
2022年のマッケンジー長老派大学の研究によると、精神障害を持つ人がポケモンGOを行うと社会的機能と生活満足度がどう変化するのか調べてみたそうです。
なんでも研究者曰く、
- 私たちの知る限り、現在までに精神障害を持つ人々がポケモンGOをプレイすることによって得られる潜在的なメリットを調べた研究は発表されていない
とのこと。これは是非チェックしておきたいですな。
ということでまず研究者たちは、2019年4月から8月にかけて様々なSNS(Facebook、WhatsApp、Discord、Telegram、redditなど)を使い実験参加を呼び掛けてみたそうな。
すると、503名の方が名乗りを上げたらしい。続いてこの方々にオンラインアンケートに答えてもらったみたい。その後、18歳未満の方のアンケート、生年月日を記載していない又は未来の日付を入力したアンケートを除外したそうです。その結果、サンプル数は434名になったそうな。
因みに参加者の概要はこんな感じ。
- 平均年齢:31歳
- 年齢範囲:18歳~69歳
- 性別:男性285名、女性144名、その他5名
- アンケート回答時点でのポケモンGOプレイの有無:全員ポケモンGOをプレイしていた
- ポケモンGOのプレイ期間:ほとんどの参加者は数年間ポケモンGOをプレイしており、日々、積極的にプレイしていた
- ポケモンGOを始める前の趣味:322名はインドア派の趣味、18名はアウトドア派の趣味、42名は両タイプの趣味を持っていた
- 精神障害の有無:90名が精神障害の正式な診断を受けていた(自己申告)
更に精神障害の診断名についても見てみると、うつ病、不安症、ADHD(注意欠陥(欠如)多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、強迫性障害(OCD)、双極性障害、境界性パーソナリティ障害、パニック障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、全般性不安障害、社交不安障害(社交不安症・社交恐怖症)、トラウマ、解離性障害、バーンアウト、不眠症、ディスレクシア(失読症)、言語障害、過食症となかなか広範囲にわたっていらっしゃった様子。
んで、参加者が答えたオンラインアンケートなんですが、Googleフォームを利用したとのこと。また質問内容は、基本情報、社会的経済的地位、ポケモンGOのプレイ習慣、ポケモンGOを始める前と後でのライフスタイル・社会的機能・生活満足度の変化や影響についてに関することだったみたい。
最後に集まったアンケートを統計処理し、心理的・社会的影響についてチェックしたそうです。
ではまず、全体的な結果から見てみましょう。
- ポケモンGOを始める前よりも始めた後の方が生活満足度、社会的能力、社会性がアップしたと答えていた…!
- また、ポケモンGOを始める前の生活満足度、社会的能力、社会性が普通又はネガティブな評価の人もポケモンGOをプレイすることにより、ポジティブな評価へと変わっていた…!
- 社会的能力がアップすると社会性・生活満足度もアップし、社会性・生活満足度がアップすると対面でのプレイヤー交流もアップしていた…!
- また、ポケモンGOにより社会的能力がアップしたと自覚する人ほど、社会的交流のポジティブな評価と量がアップ、結果として生活満足度もアップしているようだった…!
- 更に、対面でのプレーヤーの遭遇数が多い程、生活満足度への影響が大きくなっていた…!
- 仲間とプレイ派とソロプレイ派、どちらでも生活満足度、社会的能力、社会性がポケモンGOによりアップしていた…!
- 仲間とプレイしたいけど、主にソロプレイするという参加者の生活満足度、社会的能力、社会性が最もアップしていた…!
ということで、全体的にはポケモンGOにより社会的機能も生活満足度もアップした…!って感じでした。
では続いて、精神障害を持つ人がポケモンGOを行うと社会的機能と生活満足度がどうなったか結果を見てみましょう。
- 精神障害と正式な診断を受けている参加者は、診断を受けていない参加者よりも、生活満足度・社会的能力・社会性の評価が低かった…。
- また、精神障害を持つ参加者のポケモンGOを始める前の生活満足度・社会的能力・社会性の評価はスケールの中央値よりも下回っていた…。
- しかし、精神障害を持つ参加者のポケモンGOを始めた後の生活満足度・社会的能力・社会性の評価は、スケールの中央値を上回っていた…!
- 精神障害と正式な診断を受けている参加者は、診断を受けていない参加者よりも、生活満足度と社会性が有意にアップしていた…!
- また、うつ病レベルと不安レベルが高い参加者程、社会性がよりアップしていた…!
つまり、精神障害を持つ人がポケモンGOを行うと社会的機能と生活満足度がアップし、更にポジティブな状態になっていたってことですね。すごい…!
どうやらポケモンGOは、精神障害を持つ人の心理的・社会的側面にプラスの影響をもたらすみたいですね。
そうなると上記で紹介した研究で書かれていた、引きこもりに使えるかも…?ってのも期待できるのかもしれませんね。
ポケモンGOで身体の痛みや目の問題が起きるのか…?
2022年のアダム・ミツキェヴィチ大学の研究によると、ポケモンGOで身体の痛みや目の問題が起きるのか調べてみたそうです。
これまで見てきたようにポケモンGOは身体的健康や精神的健康、社会的健康にプラスの効果がありそうという結果が出ております。んがしかし、悪影響については、ちゃんと調べられていなかったりするんですよね。
一方で、ゲームにハマると、姿勢が悪くなったりしてストレートネック(スマホ首)になったり、首や肩などに痛みが出たりする可能性がございます。また、ドライアイや、視力低下の可能性もあったりします。
じゃあ、この辺はどうなのか…?ってことで今回調べてみることにしたんだとか。
この研究は、ポケモンGOプレイヤー455人(うち43.9%が女性)が参加したもので、年齢は18~53歳(平均年齢26.45歳)の方々だったそうな。んで参加者の1週間の平均電子機器利用時間は47.56時間で、そのうちの約4分の1(平均11.79時間)をポケモンGOに費やしていたらしい。
この参加者全員にオンラインによるアンケートに回答してもらったとのこと。
アンケートによる質問内容は大きく7つに分かれまして、
- ポケモンGOの依存度:ゲーム依存度やインターネット依存度の尺度を使ってチェックした
- スマホの依存度:スマホ依存度の尺度を使ってチェックした
- ファビング度:普段のファビング度をチェックした
- 目の問題:近視やぼやけ、かすみ、ピントを合わせる時間、ドライアイ、疲れ、頭痛、明るい光への敏感さなどをチェックした
- 身体の痛み:指、手(手首)、肘、背中、首、肩、足首、足、太もも、膝などに不快感や痛みがないかチェックした
- ポケモンGOのプレイ状況:1週間で何日プレイしているか、1日何時間プレイしているかチェックした
- 電子機器利用時間:1週間でテレビ、パソコン、ゲーム機、タブレット、スマートフォンなどを何日使用したか、1日何時間使用したかチェックした
って感じでした。
最後に集まったデータを統計処理した結果、
- ポケモンGOの依存度が高いプレイヤーは、そうでないプレイヤーに比べて、目の問題(ピントが合いづらい、ドライアイ)と身体の痛み(背中、脚、腕)を訴えるケースが多かった…!
とのこと。
まぁ、いくらポケモンGOが歩くゲームだからと言っても、ずーっとスマホ画面を見つつ、下を向いていれば、当然目や体の不調は出ますわな。
1回のアンケート結果を基にしているんで、エビデンスレベルは低めですが、それでもあり得るだろうな~と思います。但し、これはポケモンGOに限った話ではないのでゲーム全般、もっといえば電子機器全般に言えるかと。その点ポケモンGOは歩いている分まだマシな気がしますね。一方で健康に良いと言われるポケモンGOでも従来のゲーム同様のデメリットもあるよーっていうのが分かったのも大きいですね。
いずれにしても、メリットデメリットを踏まえて楽しくゲームはしたいですな。
ポケモンGOの運動効果を親子で調べた結果、母親だけ中~高強度の運動時間が増えていた…!
2022年の南カリフォルニア大学の研究によると、ポケモンGOが母親と子どもの身体活動と座位行動に与える影響について調べてみたそうです。
そもそも2019年の香港中文大学の研究なんかを見てみると、親子の身体活動レベルってのは正の相関関係があるらしく、親子そろって運動の機会を増やすことは効果的な可能性があるんだとか。では、ポケモンGOも親子そろってやったらいいのか…?ってことで今回チェックしてみることにしたらしい。
この研究は親子156組が参加したもので、ポケモンGOのアンケートに答えてもらったと言うもの。質問は最初にポケモンGOを今もプレイしているか聞きつつ、していると答えた母親と子どもの両方に、
- 過去1週間の毎日のプレイ時間
- おこうを使う頻度
- ルアーがあるポケストップまで歩いていく可能性
- トレーナーレベル
- ポケモンGO開始日
- ポケモンGOをプレイしながら歩いた総距離
- 一緒にプレイした人
なんかを聞いてみたそうな。
併せて、親子の年齢や性別、人種、世帯年収、母親が働いているかなんかもチェックしたらしい。また、実験開始6ヶ月後と12ヶ月後に、身長、体重、BMIもチェックしたんだとか。
んで、結果の前に残念な話がございまして、
- 156組の親子のうち、母親6人(3.9%)と子ども21人(13.5%)しかポケモンGOをやっていなかった
- 6ヶ月後、152組の親子が残り、そのうち、母親5人(3.3%)、子ども19人(12.5%)しかポケモンGOを続けていなかった
- 12ヶ月後、150組の親子が残り、そのうち、母親4人(4.0%)、子ども11人(7.3%)しかポケモンGOを続けていなかった
って感じでして、サンプル数がちょっと少ないんですよね。
それとスタート時の親子の情報を見ておくと、
- 子どもの平均年齢:11.13歳
- 子どもの年齢範囲:9~13歳
- 母親の平均年齢:42.34歳
- 母親の年齢範囲:27~56歳
- 子どもの性別:56.5%が男の子
- 子どもの過体重・肥満の割合:40.39%
- 母親の過体重・肥満の割合:69.52%
- その他:母親の84.42%はフルタイム又はパートで働いていた
のようになっておりました。
ではデータを統計処理した結果を見てみましょう。
- 母親のMVPA時間(中~高強度運動時間)は、1日平均21.12分だった。
- 子どものMVPA時間(中~高強度運動時間)は、1日平均29.35分だった。
- ポケモンGOをプレイしている子どもとそうでない子どものMVPAに有意差はなかった…。
- ポケモンGOをプレイしている母親はそうでない母親に比べて、MVPAが多く、その差は6ヶ月後、12ヶ月後ともに有意だった…!
- ポケモンGOをプレイしている母親は12ヶ月後、MVPA時間が1日平均46.84分だった…!
- ポケモンGOをプレイしていない母親は12ヶ月後、MVPA時間が1日平均21.40分だった…!
- つまり、12ヶ月後、2倍以上差があった…!
つまり、母親だけポケモンGOによって中~高強度の運動時間が増えていた…!ってことですね。全然親子関係ない結果(笑)
ということで、親子でポケモンGOをやると更に運動量が増える…!とはなりませんでした。
まぁサンプル数が少なくアンケートによる結果なんで、エビデンスレベルは低いですが、こんなもんなのかもしれませんね。
ポケモンGOって結局、健康に良いのか悪いのか1年かけてディスカッションをしてもらった…!
2023年の香港都会大学の研究によると、ポケモンGOって結局、健康に良いのか悪いのか調べてみたそうです。
そもそもポケモンGOのような位置情報ゲームには、健康に良い…!って話と悪い…!って話がありまして、
【健康に良い考え方】
- 身体運動が増える、座り時間が減る、結果、2型糖尿病や肥満リスクを軽減できる
- うつ病、社会不安、その他の精神障害、痛みに対してプラスの影響がある
【健康に悪い考え方】
- 熱意が依存症に変わる可能性がある、結果、ゲーム依存症リスクが高くなる
- ゲーム依存症により過度な時間を費やすことで、身体的健康や精神的健康に悪影響を及ぼす可能性がある
って感じなんですよね。
そこで今回研究者たちは、ポケモンGOが公衆衛生に与える影響について調査してみることにしたんだとか。
具体的には、
- 成人の若者がポケモンGOを続ける主な原動力は何なのか…?
- 成人の若者がポケモンGOを継続することによる、社会的健康、心理的健康、身体的健康などはどうなのか…?
についてチェックしたみたい。
この研究はポケモンGOを行っている男女60人が参加したというもの。年齢は18歳から25歳、平均年齢20.9歳の方々でして、75%が男性だったそうな。
んで、まず参加者全員の基本情報(年齢や性別、ポケモンGOのプレイ情報など)を収集したそうです。
次に2017年7月から2018年7月の1年間にかけて参加者全員に合計10回のディスカッションをしてもらったらしい。1回のディスカッションは約45~60分間行ったそうで、1グループ5~7人だったとのこと。因みにディスカッションのガイド作成の為、研究チームは事前にオンラインゲームと位置情報ゲームの研究を見直ししていたんだとか。
最後に集まったデータを分析してみたそうです。
ではまずポケモンGOのプレイ情報について見ておきましょう。
- トレーナーレベル:16~20が2人、21~25が4人、26~30が9人、31~35が9人、36~40が25人、41以上が11人だった。つまりほとんどの人がやり込んでいた。
- 課金:無課金が9人、1〜12ドルが3人、13〜64ドルが9人、65〜130ドルが27人、130ドル以上が12人だった。つまり課金している人が大半で、今までに1万円以上課金している人が3分の2ぐらいだった。
- 1日の平均プレイ時間:4.9時間
- 平均プレイ期間:5.3か月
平均プレイ期間は半年を切っているんで、そんなに長期間続けている感じは受けないですねー。まぁ、香港のポケモンGOリリースは2016年7月25日で、調査は2017年7月からなんで、最高でも1年なんですが。それに比べて注目したいのが1日のプレイ時間が5時間近くとまぁまぁ長く、また課金が多いってのが特徴ですな。
では続いてディスカッションの各テーマの結果を見てみましょう。
【テーマ1:ながらスマホ・自制心】
- ゲーム依存症や路上での事故、社会的混乱が起きそうだと皆が思っていた。
- 多くの参加者は、ポケモンGOに集中していたときに起きた事故の記憶があった。
- 公共の場でポケモンGOに熱中して他人に迷惑をかける可能性があると思っていた。
- ポケモンGOによる自制心の欠如に関しては、両方の意見があった。例えば、身体活動や社交性が向上したと意見があった一方で、たくさん課金をしてしまったという話があった。
- 参加者は、睡眠などを犠牲にし、過度に時間を費やす、課金をしまくるのが、依存症の始まりだという認識を持っていた。
- 参加者の中には、仕事のパフォーマンスに悪影響が出ている人もいた。
【テーマ2:ポケモンGOを始めたきっかけ】
- ポケモンのテレビアニメや映画を子ども時代観た。ポケモンGOはスマホで現実世界を歩いてゲットしに行く。懐かしさも相まって、楽しく、魅力的で刺激的だった。参加者の半数は、この理由でポケモンGOをプレイし始めた。
- AR機能により、ポケモンが現実世界に実際にいるように感じていた。
- またそれらを捕まえることにより、より現実感が増していた。
- 上記により、二次的要素として、ポケモンGOに時間と労力を費やすきっかけとなっていた。
【テーマ3:ポケモンGOのシステム】
- ポケモンGOをプレイすると現実世界と仮想世界がつながっているように感じていた。
- 近所でポケモンは出るが、伝説ポケモンや地域限定ポケモンもいたりする。結果、行ったことのない場所や他の国に行くことも必要になる。
- また、健康キャンペーンや健康活動にも注目し、健康問題に対する意識が高まった。
- ポケモンGOは地域の地理や文化を深く理解する上で役立つと話していた。
【テーマ4:運動効果】
- 参加者全員から、ポケモンGOにより、歩く習慣を変え、運動量が増えたと話があった。
- 参加者の大多数は、引きこもりの人々が、ポケモンGOで殻から抜け出す可能性があると考えていた。
- 参加者の一人からは、母親と自閉症の子どもがポケモンGOをしていて、その子どもが新しいポケモンをゲットして喜んでいるところを目撃したと話していた。
- 参加者の中には、特定の場所まで歩いたり、1つ前の駅で降りて歩くなどしている人もいた。
- 参加者の親など、普段あまり運動していない年齢層にも運動が促進されていた。
【テーマ5:他者との交流・社会的交流】
- 世代間のつながり、家族や友達との交流の増加、共通の人々の集まり、社会的交流の増加があると話していた。
- 同じゲームをしている人が近くにたくさんいると、レアポケモンを探さないで済むことがあると話していた。
- 参加者のほとんどがポケモンGOにより、他人と話したり、会ったりするきっかけになっていると話していた。また、ポケモンGOによって社交スキルが向上し、コミュニケーション能力がアップしたと感じていた。
- ポケモンGOは、老若男女に関係なくプレイされており、共通の目標が、異なる世代間のコミュニケーションと交流を生み出していた。
これまで見てきたポケモンGOのメリットデメリットがディスカッションでも出てきた感じですねー。
ということでまとめますと、
- ポケモンGOのような位置情報ゲームにはメリットとデメリットの両方がある…!
- プレイヤーは他のプレイヤーや家族等とポジティブな関係を築けるようになる…!
- 多く歩くようにもなる…!
- 一方で、自制心の欠如や依存症、ながらスマホによるケガや事故に遭う可能性もある…!
って感じ。
いずれにしても、メリットデメリットを踏まえて楽しくゲームはしたいですな。
最後に、この研究の中で、廃課金者の一言が印象に残ったので下記に記しておきます。
- 他のゲームに比べて、ポケモンGOは課金額が多かった。当時は、バケツから水を注ぐように、あっという間に3,000ドル(当時だと36万円ぐらい)が消えていった。一回で大量の水が出てしまったのだ。また、外で過ごす時間も長かったので、他のことに費やすエネルギーが残っていなかった。疲れ果てて、家に帰るとすぐに寝てしまった(23歳男性参加者より)
ここまで行くと、ゲーム依存症なのか買物依存症なのか分かりませんが、何がしかの依存症を疑っても良いのかもしれないですね。やっぱり優先順位がおかしくなってしまったり、学業や仕事など現実に影響が出たら注意した方が良いと思いました(ポケモンGOに限らず)
ポケモンGOの歩き方で身体活動や体組成への影響が変わるのか青少年を対象に調べてみた…!
2023年のカトリカサンアントニオデムルシア大学の研究によると、ポケモンGOの歩き方で身体活動や体組成への影響が変わるのか調べてみたそうです。
そもそもポケモンGOでの歩き方は、
- 断続的パターン:歩いて止まり歩いて止まりを繰り返しながらポケモンGOをするスタイル
- 連続的パターン:歩きながら止まらずポケモンGOをするスタイル
っていう2パターンがございまして、これらによって効果が変わるかもしれないんですな。
そして青少年を対象にした研究が今までなかったそうで、今回調査してみることにしたらしい。
この研究は平均年齢13.66歳の男女94人(男性50人、女性44人)が参加したもので、参加者の平均BMIは20.82だったそうな(つまり標準体型ってことですね)。最初に参加者全員の身体活動レベルと体組成を測定し、続いて以下の3グループに分かれてもらったらしい。
- 断続的パターングループ:放課後ポケモンGOを断続的パターンで行ってもらう(30人)
- 連続的パターングループ:放課後ポケモンGOを連続的パターンで行ってもらう(31人)
- コントロールグループ:放課後何もしない(33人)
上記の状況で10週間過ごしてもらい、最後に再度、身体活動レベルと体組成を測定したそうです。
その結果、
- 普段の身体活動レベルが低い連続的パターングループは、身体活動量が増えていた…!
- 但し、普段の身体活動レベルが高い連続的パターングループは、身体活動量が変わらなかった。
- コントロールグループは、普段の身体活動レベルが低い連続的パターングループよりも、体重とBMIが増えていた…!
- 但し、普段の身体活動レベルが高い連続的パターングループは特に関係なかった。
- 普段の身体活動レベルに関係なく、断続的パターングループと連続的パターングループは、コントロールグループよりも、体脂肪と皮下脂肪が減っていた…!
とのこと。
前にみた研究同様、連続的パターンでポケモンGOを行うと運動量と運動効果がより得られるみたいですね。但し、断続的パターンでも体脂肪や皮下脂肪が減っていますんで、どちらのプレイスタイルでも健康効果は得られそうな感じです。
研究者たちは、ポケモンGOをするとコミュニティへの帰属意識を高めるのでは…?って思ったみたいですね。
この研究は、449名の方が参加したもので、アンケートに答えてもらったと言うもの。なんでもポケモンGOのイベントやSNSを利用して匿名で答えてもらったらしい。この点はちょっと質の低い研究になってしまっていますな。
んでアンケートでは、
- 個人の基本情報
- ポケモンGOのプレイ状況
- ポケモンGOをプレイするコミュニティへの帰属意識
- ポケモンGOを通じて誰かに会ったか…?
- ポケモンGOを通じて新しい場所に行ったことがあるか…?
- ポケモンGOを通じて新しいビジネスを利用したか…?
なんかを聞いてみたんだとか。
最後に集まったデータをまとめてみた結果、
- ポケモンGOを通じて誰かに会ったと88%の人が答えていた…!
- ポケモンGOを通じて新しい場所に行ったと78%の人が答えていた…!
- ポケモンGOを通じて新しいビジネスを利用したと35%の人が答えていた…!
とのこと。
つまりポケモンGOにより、人と積極的に会うようになったり、行ったことがない場所に行ったり、公共交通機関や食事、宿泊などを利用していたってことですね。アクティブになって人とのつながりが増えていますな。
ということで、ポケモンGOで社会とのつながりやコミュニティがアップしたみたいです。
これは従来のゲームではなかった部分が多く、位置情報ゲームの大きな利点なのかもしれませんな。
ポケモンGOが子どもや青少年の身体活動と心理的社会的幸福に影響を与えるのかの初の系統的レビュー…!
2023年の広州体育学院の研究によると、ポケモンGOが子どもや青少年の身体活動と心理的社会的幸福に影響を与えるのか系統的レビューを行ってみたそうです。
これまでにも同じような研究はあったんですが、それらは主に成人を対象にしていたんですよね。んで、子どもや青少年を対象にした系統的レビューがなかったので、今回初めて行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2023年3月20日までに発表された該当する研究をPubMed、CINAHL、Web of Science、Scopusといった4つのデータベースで検索してみたそうな。すると、
- PubMed:96件
- CINAHL:156件
- Web of Science:221件
- Scopus:258件
の合計731件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で被っている物を除外、その後、質の低い物かどうかチェックしていったらしい。最終的に基準を満たした研究は10件だったそうで、これらを用いて系統的レビューを行ってみたそうです。
因みに10件の研究の特徴は以下な感じ。
- 発表された年:2018年に4件、2019年に3件、2022年に3件だった。
- 発表した国:スウェーデン1件、香港1件、アメリカ2件、スペイン2件、台湾2件、ペルー1件、インドネシア1件だった(日本の研究はなし)
- 介入期間:6週間から10週間の間だった。
- サンプル幅:13人から944人の間だった。
- 対象者:5〜12歳の子どもを対象にしたものから、13〜18歳の青少年を対象にしたものもあった。2つの研究では、子供・青年と成人の両方が含まれていた。
- 男女比:女性の割合は23%から56.2%の間だった。
それでは、ポケモンGOが子どもや青少年の身体活動に与える影響の結果から見てみましょう。
- 身体活動との関係を報告した6件の研究を見てみると、概ねプラスの効果があることが分かった…!
- 協力やポケモン探しなどのゲーム要素がプレイヤーの身体活動レベルと正の相関関係にあった…!
- 毎日の歩行距離やランニング距離、余暇時間の身体活動、体力測定と正の相関関係があった…!
- 場合によっては親のポケモンGOへの関与と子供の身体活動レベルに正の相関関係があった。
- 身体活動の増加の継続時間は研究によってバラバラだった。
- ほとんどの研究では、1週間~2か月間の身体活動の増加を示していた…!
- 7週間や8週間継続したものもあれば、1ヶ月後、半年後、1年後の3つの時点全てで、軽~中度の身体活動が有意な増加をしていた研究もあった。
ざっくりまとめると、ポケモンGOが子どもや青少年の身体活動に与える影響は大人の場合と変わらなそう…!ってことですね。運動量が増えるのは間違いないんだけど、長期的な効果は不明って感じです。
続いて、ポケモンGOが子どもや青少年の心理的社会的幸福に与える影響の結果を見てみましょう。
- 心理的社会的幸福との関係を報告した4件の研究を見てみると、結果は研究によってバラバラだった。
- 一方で2件の研究では、ポケモンGOと社交性スコアの間に正の相関関係があった…!
- ポケモンGOをプレイする動機については、インターネット依存症やゲーム依存症、幸福度と正の相関関係にあり、より複雑な関係を示していた。
- 1件の研究では、ポケモンGOとゲーム依存症の間に正の相関関係があった。
こちらもざっくりまとめると、社交性がアップするっぽいけど、幸福度については複雑でよく分からん…!って感じですね。
ということで、未成年の方を対象にした場合でも、ポケモンGOで短期的には運動量が増える、長期的にはよく分からん…!って感じで、心理的社会的幸福については、社交性はアップするけど、幸福度はよく分からん…!となっておりました。
上記を見ていると、年齢や性別にかかわらず、ポケモンGOのメリット・デメリットの効果は同じように受けられるのではないかな~と思います。
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