ということで今週も見ていきましょう…!



ポケモンGOのプラスの効果は動機・目的で変わりそう…!

2017年のノースカロライナ州立大学パイロット研究によると、ポケモンGOの動機と主観的な効果・身体活動に及ぼす影響について調べてみたそうです。
まず研究者たちは、ノースカロライナ州立大学の大学生8,000人以上に参加者募集のメールを送ってみたそうな。因みにその際、ポケモンGOを行っている人、そうでない人の両方を募集してみたらしい。
続いて、参加OKしてくれた人に普段の運動頻度やスマホ・ゲーム・SNSの使用頻度、ポケモンGOのプレイの有無ややり込み度なんかをオンラインアンケートで聞いてみたんだとか。
運動頻度についてはより詳しく知れるよう、国際標準化身体活動質問票(IPAQ)のショートバージョンを使ったとのこと。
どんなものなんか気になる方は下記をご覧ください。


ポケモンGOについては、1週間当たりのプレイ日数や1日当たりのプレイ時間、プレイ時間の管理方法からポケモンGOのプレイ習慣を出して見たみたい。またデータ収集用アプリと歩数計アプリの2つのアプリを入れてもらったそうな。具体的には、

  • データ収集用アプリ:午後7時、午後10時、午後12時の1日3回、簡単なアンケートを答えるよう通知が来る。アンケート内容は、ポケモンGOをプレイしたかどうか、どこでプレイしたか、誰とプレイしたか、プレイした場所までどうやって移動したか、どのような環境でプレイしたか、歩数はどうか(歩数計アプリの歩数を入力する)
  • 歩数計アプリ:シンプルさとバッテリー消費量の少なさから「Pacer」って歩数計アプリをチョイスしたそう。日本版もあったので気になる方はこちらをクリック又はタップしてご覧ください

って感じ。
実験期間は7日間で、最後に集まったデータを統計処理してみたとのこと。
ということで結果を見る前にサンプルについて軽く見ておきます。

  • 最初、大学生123人がメールに興味を持ってくれた。その後アンケートに答えてくれなかった、中途半端に答えてデータが不十分だったってことで49人が除外された。残った74人のうち、非ポケモンGOプレイヤーが27人だった。ポケモンGOプレイヤーは47人だった。
  • この47人が最終的なサンプル数となった。そのうち男性24人(平均年齢19.8歳)、女性23人(平均年齢19.1歳)だった。また人種は白人が33人、アジア人が10人だった。
  • 参加者は全員実験開始前からポケモンGOをプレイしており、プレイ日数の中央値は122日間だった。

それでは結果を見ていきます。
まずはポケモンGOを開始したきっかけからです。これは大きく以下の3つに分類できたそうな。

  1. ポケモン・ゲームのファングループ(26人・サンプルの55%):ポケモンGOのゲーム内容そのものに惹かれた。
  2. 運動に使えるかもグループ(8人・サンプルの17%):ポケモンGOに運動促進効果が…!みたいな話を聞いて惹かれた。
  3. 興味・社交グループ(13人・サンプルの28%):自分の街を知りたい…!や新しい人に出会いたい…!みたいな気持ち、今までにないゲームジャンル(位置情報ゲーム)への好奇心に惹かれた。

続いて3グループの特徴はこんな感じ。

  • ポケモン・ゲームのファングループは3グループ中1番カロリー消費量が低かった(2,850kcal)。但しポケモン・ゲームのファングループは週4~5日プレイしており1週間当たり120分もプレイしていた。
  • 運動に使えるかもグループは3グループ中1番若い人が多かった。そして最も活発なグループだったが、週3日しかプレイしておらず、1週間当たり59分しかプレイしていなかった。
  • 興味・社交グループはほぼ週6日でプレイしており、1週間当たり120分もプレイしていた。
  • ポケモン・ゲームのファングループ(プレイ日数の中央値=122日)、興味・社交グループ(プレイ日数の中央値=123日)はリリース後すぐにポケモンGOを始めていた。運動に使えるかもグループは結構経ってから始めていた(プレイ日数の中央値=100日)

では、もうちょい詳しく見ていきましょう。

  • ポケモンをゲットしたり、友達と一緒にポケモンGOをすることが最も高い評価を受けていた。但し、ポケモンバトル、新しい場所の発見、新しい人との出会いの評価に違いがあった。興味・社交グループはこれらの評価が非常に高かったが、ポケモン・ゲームのファングループ、運動に使えるかもグループは非常に低かった。
  • ポケモンGOで身体活動がちょっと増えた、気分がちょっと良くなったと答えた人も多かった。但し、運動に使えるかもグループはそう思っていない人が多かった。興味・社交グループは気分の改善に関して運動に使えるかもグループよりも有意に高い評価だった。
  • ポケモンGOによる他者との交流についてはほとんど効果がなかったという人が多かった。興味・社交グループが最も高く評価していた。
  • ポケモンGOによって近所や周辺施設、公共施設を少し意識するようになったと答えた人が多かった。興味・社交グループは特にそう思ったらしく、ポケモン・ゲームのファングループは思う人が少なかった。
  • ポケモンGOをプレイした日はそうでない日に比べ、たくさん歩いたと報告していた。
  • 特に運動に使えるかもグループはプレイした日(9382歩)の方が、プレイしていない日(6962歩)よりも34.76%も多く歩いていた。ポケモン・ゲームのファングループはプレイすることにより、より高いレベルの身体活動を行う傾向があった。
  • 興味・社交グループはプレイした日の方がプレイしていない日よりも歩数が少なかった(但し有意差なし)

つまり、これらから言えることは、

  • それぞれのポケモンGOをやる動機(目的)にあった項目で効果を実感し効果がある可能性が高い…!

ってこと。
身体活動レベルアップや、社交性アップ、気分の改善などは全て、ポケモンGOを行うきっかけに依存しているってことですな。こうなると、思い込みによって行動する、そのモチベが保たれているとも言えそう…。



個人的考察

ということで、ポケモンGOというゲームを純粋に楽しみたい…!ってやると気分が良くなるし、運動効果に期待すると歩数が増えるし、人との交流に使える…!と思うとコミュニケーションが増えるという面白い結果でした。
自分の目的にあった効果を得られるってのは他のゲームでもありそうですが、外に出るきっかけが出来るという観点からすると、ひきこもり、ダイエットに使えそうってのは大きいかと。



参考文献

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29066423/