今回は、統合失調症と寿命についての系統的レビューとメタ分析を見てみます。



統合失調症における損失生存可能年数と平均余命

2017年のコペンハーゲン大学の研究によると、統合失調症と寿命について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
具体的には、損失生存可能年数(本来生きられたであろう年数)と平均余命(あと何年生きるか予想される年数)をチェックしてみたとのこと。
まず研究者たちはMEDLINE、PsycINFO、Embase、Cinahl、Web of Scienceで該当研究を検索してみたそうな。次に基準に従って各研究を精査していったみたい。
最終的にピックアップできた研究は13件でして、南米を除いた全ての大陸をチェックできたそうな。因みに内訳は、

  • アフリカ:1件
  • アジア:1件
  • オーストラリア:1件
  • ヨーロッパ:7件
  • 北米:3件

でして、最大で247,603人の方を対象にしていたそう。
では結果を見てみましょう。

  • 統合失調症における損失生存可能年数(本来生きられたであろう年数)は14.5年だった。
  • 男性の統合失調症における損失生存可能年数は15.9年だった。
  • 女性の統合失調症における損失生存可能年数は13.6年だった。
  • 損失生存可能年数はアジアの研究で最も少なく、アフリカの研究で最も大きかった。
  • 統合失調症における平均余命(あと何年生きるか予想される年数)は64.7歳だった。
  • 男性の統合失調症における平均余命は59.9歳だった。
  • 女性の統合失調症における平均余命は67.6歳だった。
  • 平均余命が最も短かったのはアジアとアフリカだった。

どうやら統合失調症は寿命を短くする傾向があるらしく、この影響は男性の方が大きいみたいですね。



個人的考察

来週も引き続き見ていきます。



参考文献