先週「改めて自己開示の大事さを学んでみる!」という記事をご紹介しました。人間関係や信頼関係の構築にはやっぱり自己開示が大事だよね~ってお話です。
でも自己開示が大事なのは分かったけど、その方法は関係あるのか…?っていう疑問が残っております。もうちょい具体的に言うと、オフラインとオンラインでの自己開示のどっちが良いのか…?ってことです。
実はここは議論の分かれるところでして、例えば2011年のシドニー大学の系統的レビューを見てみても、よく分からん…!って感じなんですな。
そんな折、若者を対象に調べてみたよ…!って研究が発表されていたんで、早速チェックしてみましょう。



オフラインの自己開示vsオンラインの自己開示、良いのはどっちだ…?

2022年のケンブリッジ大学系統的レビューによると、オフラインとオンラインでの自己開示のどちらが良いのか調べてみたそうです。
そもそも10〜24歳の若者たちは仲間との社会的交流をより求めている傾向がございます。そして皆さんもご存知の通り、ここ最近は対面での社会的交流だけでなく、スマホやSNSなどを使ったオンラインでの社会的交流も増えてきているんですよね。一方で自己開示は人間関係・信頼関係を築く上で重要なポイントとなっております。
そうなると、

  • 若者でも自己開示は人間関係構築に大事なのか…?
  • オンライン(ネット上)とオフライン(対面)で違いはあるのか…?

って疑問が出てくるんですな。
確かにオンラインでの自己開示って対面とは大きく違うんで気になりますね…。そこで今回調べてみることにしたみたい。
まず研究者たちは、2010年~2021年にかけて発表された該当研究をSCOPUSで検索してみたそうな。すると218件の研究がヒットしたとのこと。次に各研究から質の高い物を選んで行ったらしい。
最終的に選ばれた研究は19件でして、

  • 5件(26%)はアメリカ
  • 8件(42%)はヨーロッパ(オランダ、ベルギー、ドイツ、スウェーデン、トルコ)
  • 6件(32%)はアジア(台湾、マレーシア、中国、シンガポール)

って感じ。
因みにアメリカの研究のうちの1件は日本人とアメリカ人の交流をチェックしたものでした(2010年の北海道大学の研究
それでは結果を見てみましょう。
まずは「若者でも自己開示は人間関係構築に大事なのか…?」からです。

  • 若者における自己開示は仲間との信頼関係を気付き、友情を深めるなど、人間関係の質をアップさせていた…!
  • また若者における自己開示と心理的幸福との間には正の相関関係があった…!
  • 特に若い男性の幸福にプラスの影響を与える可能性があった…!
  • 心理的幸福度が高い人ほど自己開示が多い可能性もあった…!

やはり若者でも自己開示は大事らしく、良好な人間関係を築いたり、幸せを感じやすくする効果があるみたい。
お次は「オンライン(ネット上)とオフライン(対面)で違いはあるのか…?」です。

  • 19件中9件(48%)はオンラインの自己開示を調べていた。
  • 19件中5件(26%)はオフラインの自己開示を調べていた。
  • 19件中5件(26%) はオンラインの自己開示とオフラインの自己開示の両方を調べていた。
  • オンラインとオフラインの両方での自己開示の頻度は、より良い人間関係に関連していた…!
  • 但し、若者はオフライン(対面)での自己開示を好む傾向にあった…!
  • また、オンラインの自己開示は、オフラインの自己開示よりも満足度が低く、より良い人間関係の構築にも役立ちそうになかった…!
  • 一方でオンラインの自己開示は、オフラインの自己開示の練習に役立ちそうだった…!
  • 特に不安感の強い若者にオンラインの自己開示(オフラインの自己開示練習)は効果的だった…!

基本的に自己開示は対面の方が良さそうですね。またネット上の自己開示は練習として使えると。特に若者は傷つきやすいからネット上での自己開示は練習として良さそう…!って感じでした。



個人的考察

ということで、人間関係構築・信頼関係構築には、やっぱり自己開示は大事そうでした。
そして自己開示は基本、対面(オフライン)で行う、不安ならネット(オンライン)で練習すると良さげってことです。



参考文献