当ブログでは知的障がいの方を対象とした研究をご紹介するときに「軽度」とか「中度」とかって言葉を使うときがございます。また、障害福祉サービスに携わる方は現場で聞く事が多いかと。
これはどういった意味なのか…?IQだとどのぐらいなのか…?精神年齢だと何歳ぐらいに相当するのか…?ってことを今回軽くまとめておきます。



そもそも知的障がいってなに…?

まずはそもそも知的障がいってなに…?ってお話から。
知的障がい(知的障害・知的能力障害・知的発達症:intellectual disability:ID)とは、知的発達の障がいのことを言いまして、知的障がいをお持ちの方のことを知的障がい者などと呼んだり致します。その昔、精神遅滞(mental retardation:MR)と呼ばれておりましたが、今この呼び方を使う人はかなり減りましたね。なんで知的障がい=精神遅滞と覚えておくとよろしいかと。
ちょっと横道にそれますが、この辺の分野って結構呼び方が変わることが多くて、例えば、以前までアスペルガー症候群と呼んでいましたが、今は自閉スぺスクラム症とか自閉症スペクトラム障害みたいに呼ぶようになっていますし、他にも双極性障害(躁うつ病)、大うつ病(うつ病)、境界性パーソナリティ障害(境界例)みたいな感じで結構、混乱する要素満載です。
話しを戻しまして、知的障がいかどうかをチェックする一般的な方法は知能指数(IQ)検査となっております。その結果に基づいて、知的障がいの重症度が分類される感じですな。
んがしかし、このIQのみで知的障がいかどうかをチェックするのはWHOのICD(国際統計分類・国際疾病分類)をベースにした時のお話だったりします。
ここがちょっと難しくて、実はもう一つ知的障がいかどうかをチェックする方法があるんですよ。
それがアメリカ精神医学会(APA)の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)です。DSM-5DSM-5-TRという書籍によれば、知的障がいの重症度の分類は単にIQの結果だけでなく、概念的領域や社会的領域、実用的領域における知的機能や適応機能に基づいて判断するみたいなんですな。ざっくりいうとDSM-5DSM-5-TRの方が様々な視点、より広く大きな視点で知的障がいの程度を見てみるって感じです。
まとめると、知的障がいの重症度の分類の仕方は大きく2つあり、WHOのICDとAPAのDSMって感じとなっております。



知的障がいの重症度の分類(障がいの程度)・IQ・精神年齢について

それでは本題である、知的障がいの重症度の分類(障がいの程度)・IQ・精神年齢について分かりやすくまとめていきたいと思います。
日本政府はWHOのICD-10を採用しているみたいなんで、こちらを基に下記にまとめておきますね。

  • 重症度:IQ:成人期の大体の精神年齢
  • 軽度:IQ50~69:9~12歳相当(小学4~6年生ぐらい)
  • 中度:IQ35~49:6~9歳相当(小学1~3年生ぐらい)
  • 重度:IQ20~34:3~6歳相当(幼稚園の年少さんから年長さんぐらい)
  • 最重度:IQ20未満:3歳相当(乳児から幼児になりかけたぐらい)

上記を覚えておくと、支援の際にどうやって説明するかなど役立つのでおすすめです。



個人的考察

因みにICDの最新はICD-11だったりします。詳しくは、WHOのICD-11のページ2021年の研究なんかをご覧いただきたいのですが、日本は未だにICD-10が基準なんですよねー。
因みに因みにこれを機に、もっと詳しく知りたい…!って方は、ICD-11の知的障がいのページをご覧いただくとよろしいかと思います(リンクをクリック又はタップすると見れます)



参考文献