前回はビタミンB12、ビタミンB6、葉酸がうつ病に効果的なのか見てみましたが、結果は、もしかしたら効果があるかも…?ぐらいな感じでちょっと期待薄な感じでした。
今回は、引き続きこの当たりを見ていきます。



男性は葉酸が重要…!女性はビタミンB12が重要…!

2009年のラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学の研究によると、葉酸・ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量とうつ病の関係性について調べてみたそうです。
そもそも血中の葉酸やビタミンB6、ビタミンB12の濃度の低下と抑うつ症状には関係がある…!って研究がいくつも報告されておりますが、じゃあ、葉酸やビタミンB6、ビタミンB12の摂取量とうつ病の発症率は関係あるのかと言いますと、これがよく分からなかったんですよね。そこで今回チェックしてみることにしたんだとか。
まず研究者たちはSUNコホート研究というデータセットを用いて、9,670人分の食事アンケートをチェックしてみたそうな。次にそこから葉酸やビタミンB6ビタミンB12の摂取量を計算し、うつ病の発症率と関係あるのか照らし合わせて行ったらしい。
因みに年齢やBMI、運動頻度、婚姻の有無、喫煙の有無、失業の有無、アルコールの頻度などの変数は調整済みとのことでした。
その結果、

  • 男性4,211人を調べてみた結果、ビタミンBの摂取量とうつ病発症率に関係はなかった…。
  • 但し、葉酸の摂取量とうつ病発症率とは有意ではないが逆相関の関係があった…!
  • 現在喫煙している男性、不安レベルが低い男性の場合、葉酸の摂取量の少なさとうつ病の発症率に有意な正の相関関係があった…!
  • 女性5,459人を調べてみた結果、ビタミンB12の摂取量とうつ病発症率の間に有意な逆相関の関係があった…!
  • 競争力レベルが低い女性、不安レベルが低い女性の場合、ビタミンB12の摂取量とうつ病発症率の間に有意な逆相関の関係があった…!
  • 中程度の身体活動レベル(1週間に最大17MET-h)を報告した女性でビタミンB12をある程度摂取していた人は、うつ病リスクが60~70%低かった…!
  • 女性の場合、葉酸摂取量とうつ病リスクは関係なかった…。
  • 男女ともビタミンB6とうつ病リスクは関係なかった…。

そうです。
男性は葉酸がポイントで、女性はビタミンB12がポイントみたいですね。そしてビタミンB6は関係ないと。



個人的考察

これらを見ると、やはり葉酸やビタミンB群もメンタル不安定の予防的な役割として使えそうですな。



参考文献