前回まで緑茶のヘム鉄や非ヘム鉄の吸収阻害効果は基本的に気にしなくて良いよーって話を書きました。しかし、元々体内鉄分量が少ない方や気になる方がいるのも事実です。
ということで今回はその対策について書こうかと。



ビタミンCを補給しておけば、緑茶の鉄分吸収阻害効果を相殺・軽減できる…!

2011年のペンシルベニア州立大学生体外実験によると、ビタミンC(アスコルビン酸)で緑茶ポリフェノールの鉄分吸収阻害効果を軽減できるのか調べてみたそうです。
この研究は、ヒトの細胞を培養し、それにEGCG(エピガロカテキンガレート)やGSE(ブドウ種子抽出物)、GT(緑茶抽出物)を入れて、鉄分の吸収ブロック機能を調べたと言うもの。因みにそれぞれ0.46mg/L、4.6mg/L、46mg/Lと量を変えて加えてみて、鉄分吸収ブロック機能が大きくなるのかもチェックしたみたい。
また併せて、それらにビタミンCを入れてみて鉄分吸収ブロック機能が落ちるのかも見てみたそうな。
その結果、

  • EGCG(エピガロカテキンガレート)とGSE(ブドウ種子抽出物)は鉄分の吸収を阻害していた…!
  • 1時間後よりも3時間後の方が鉄分吸収阻害効果は大きかった…!
  • ビタミンC(アスコルビン酸)は鉄分吸収阻害効果を相殺又は軽減していた…!
  • 500μmol/LのビタミンCを加えると、0.46mg/LのEGCGの鉄分吸収阻害効果は完全に逆転した…!
  • 500μmol/LのビタミンCを加えると、4.6mg/LのEGCGの鉄分吸収が91%減少した…!
  • しかし3時間後に更に500μmol/LのビタミンCを加えると、4.6mg/LのEGCGの鉄分吸収が13%減少した…!
  • 500μmol/LのビタミンCを加えると、46mg/LのEGCGの鉄分吸収が93%減少した…!
  • しかし3時間後に更に500μmol/LのビタミンCを加えると、46mg/LのEGCGの鉄分吸収が83%減少した…!
  • 500μmol/LのビタミンCを加えると、0.46mg/L、4.6mg/LのGSEの鉄分吸収阻害効果はほぼ相殺できた…!
  • 3時間後に更に500μmol/LのビタミンCを加えると、0.46mg/L、4.6mg/LのGSEの鉄分吸収阻害効果は完全に逆転した(0.46mg/Lが2.9倍、4.6mg/Lが2.2倍アップした)…!
  • 46mg/LのGSEの場合、500μmol/LのビタミンCを加えても、3時間後に更に500μmol/LのビタミンCを加えても、鉄分吸収阻害効果は依然として高いままだった…!

つまり、ビタミンCを補給しておけば、緑茶の鉄分吸収阻害効果を相殺・軽減できる…!ってことですね。



唾液でEGCGの阻害効果を約2~6倍弱めることが出来る…!

2011年のカラチ大学の研究によると、EGCGの阻害効果を唾液中のプロリンリッチタンパク質で弱めることが出来るのか調べてみたそうです。
早速結果を見てみると、

  • 唾液中のプロリンリッチタンパク質がEGCGの阻害効果を調節していた…!
  • 唾液でEGCGの阻害効果を約2~6倍弱めることが出来た…!

とのこと。
上記研究のような生体外実験だと今回のような唾液の効果など他の要素がからんでこないので分からなかったですが、これをみると、ビタミンCがなくてもある程度EGCGのデメリットを抑え込めそうですね。



個人的考察

まぁ、どんな食品でも必ずデメリットはありますんで、緑茶にデメリットがあっても仕方のないところ。しかも緑茶はデメリットよりもメリットが大きく上回っているので、やはり積極的に飲んでいきたいですな。
最後に緑茶と合わせて食べておきたいものを下記に挙げておきますねー。




参考文献