【まとめ】コーヒー(カフェイン)のすばらしさをできるだけ挙げてみる!
コーヒーは手軽に摂取できて超高い抗酸化物質・抗酸化作用がある…!
2004年のオスロ大学の研究によると、抗酸化物質の総摂取量に対する各食品の抗酸化作用について調べてみたそうです。
この研究は、ノルウェー人の男女61人(男性28人、女性33人)が参加したそうで、年齢幅が30~82歳とかなり広範囲だったらしく、男性の平均年齢は57歳、女性の平均年齢は59歳だったらしい。因みにBMIは18.9~49.5の間ということで、これまた様々な体型の方に協力してもらったそうな。
この研究は、ノルウェー人の男女61人(男性28人、女性33人)が参加したそうで、年齢幅が30~82歳とかなり広範囲だったらしく、男性の平均年齢は57歳、女性の平均年齢は59歳だったらしい。因みにBMIは18.9~49.5の間ということで、これまた様々な体型の方に協力してもらったそうな。
実験の流れは、7日間の体重測定と食事記録をつけつつ、更に採血をしてどの食品から抗酸化物質をとっているか、どれぐらい摂取しているか、どれぐらい体内に影響がでているのかなんかをチェックしたみたい。併せて、2,672人のノルウェー人の成人を対象としたFFQの全国調査データも使ったそうです。
これらのデータを統計処理した結果、1日の抗酸化物質の総摂取量は17.3±9.4mmolだったんですが、ここから摂取量と抗酸化作用の効果をランキングすると、
となりました。圧倒的にコーヒーが抜きんでていますね。
またその他のポイントしては、
って感じ。コーヒーの他には果物や野菜もやはり良さそうですねー。
まとめると、抗酸化物質の総摂取量に最も大きく貢献しつつ、抗酸化作用が高かった、つまり一番抗酸化力のコスパが良いのはコーヒーだった…!ということですね。
上記結果は他の研究でも出ておりまして、例えば2007年のレディング大学の研究では、コーヒーに焦点を絞って、コーヒーから生成されるさまざまな化合物について調べております。
すると、やっぱりコーヒーは非常に高い抗酸化物質ということがわかったんだとか。
そしてこの超高い抗酸化物質のおかげで、LDLコレステロールの酸化をかなり防いでくれるみたい。
様々なコーヒーのメリットは手軽に摂取できて超高い抗酸化物質・抗酸化作用のおかげなんですね~。
コーヒーの抗酸化作用と抗ラジカル作用について
2013年のロシア科学アカデミー ゼリンスキー有機化学研究所のレビュー論文によると、コーヒーの抗酸化作用と抗ラジカル作用についてまとめてみたそうです。
そもそもフリーラジカルが体内にたくさん蓄積すると、老化スピードを早め、多くの病気を引き起こすことが分かっております。そして細胞内のフリーラジカルの増加はDNAや血管、タンパク質、炭水化物、脂質を酸化させるんですよね。
もうちょい流れを具体化すると、
- 体内のフリーラジカルが増える
- DNA分子の結合を破壊したり細胞増殖を調節するDNAにダメージを与える
- 結果、がん細胞が発生したり、LDLが血管の壁にくっついて狭くしてアテローム性動脈硬化や心血管疾患(CVD)、糖尿病を引き起こす…!
- 更に酸化で老化スピードもアップする…!
って感じ。
そんな酸化ですが、抗酸化物質による抗酸化作用で食い止めることが出来ることが分かっております。抗酸化物質は、野菜や果物、ベリー類、植物油、蜂蜜、お茶、コーヒー、ココア、ワインなんかに含まれておりまして、如何に普段の食事から抗酸化物質を摂取できるかがポイントになるんですよ。
そしてコーヒーは毎日気軽にとれる抗酸化物質の代表的な飲み物なんですよね。コーヒーの健康的なメリットは、その高い抗酸化作用(酸化を邪魔する力)が理由と考えられておりまして、特にコーヒーに含まれる
- クロロゲン酸
- フェルラ酸
- コーヒー酸
- クマル酸
なんかがポイントなんだとか。
また焙煎コーヒーだとメラノイジン(コーヒーの茶色い色の色素)やフェニルアラニンっていう超強力な抗酸化物質が含まれていたりするのも大きいそうな。他にもカフェインやトリゴネリンも抗酸化物質であると考えられているんで、まさに抗酸化物質の宝庫となっております。
抗酸化物質が豊富な代表的飲料の比較の話
ではここから、コーヒーの抗酸化作用と抗ラジカル作用をもうちょい詳しく見ていきましょう…!
まずは抗酸化物質が豊富な代表的飲料として下記のものが挙げられます。
- コーヒー:1杯で抗酸化物質が200~550mg入っている…!
- お茶:1杯で抗酸化物質が50~400mg入っている…!
- 赤ワイン:1杯で抗酸化物質が150~400mg入っている…!
これらの飲み物は摂取する抗酸化物質の総量に大きく関係していまして、その中でもコーヒーはめっちゃおすすめとのこと。
まず生のコーヒー豆の時点で、
- クロロゲン酸
- コーヒー酸
- フェルラ酸
- クマリン酸
などのポリフェノール系の抗酸化物質が大量に含まれていて、更にコーヒーを焙煎すると、上記で挙げたような更なる抗酸化物質が生成されるんですよね。
因みに10gの焙煎コーヒー豆を含むたった1杯のコーヒーだけで、およそ15~325mgものクロロゲン酸が含まれているみたいです。んで平均的なコーヒーだとカップ1杯で約200mgのクロロゲン酸が含まれているんですな。
更に上記で挙げたフェルラ酸は、
- 抗炎症作用
- 抗アレルギー作用
- 抗菌作用
- 抗血小板作用
- 抗ウイルス効果
なんかもあってこちらもかなり良い感じです。
そして抗酸化物質の総含有量の視点から代表的な飲み物を比較した結果も見てみると、
- 飲料名:1回で使うグラム数:抗酸化物質の総含有量
- コーヒー:7~10g:150~300mg
- 緑茶:2g:150~300mg
- 紅茶:2g:110~200mg
- ココア:10g:200~250mg
となった様子。
海外では日本のように緑茶を飲む習慣がなく代わりに紅茶なんで、やはりコーヒーの良さが際立ちますね。
抗ラジカル作用の話
続いて軽く抗ラジカル作用についても確認しておきますか。
そもそも抗ラジカル作用と抗酸化作用ってのは似ているけど違うみたいで、
- 抗ラジカル作用:フリーラジカルに反応する成分や作用のこと
- 抗酸化作用:酸化プロセスを阻害する能力のこと
となっているそうな(まぁ、大体同じ物って覚えておいても良いと思います)
んで、生のコーヒーや焙煎コーヒーはフリーラジカルに対してはっきりと抗ラジカル作用を有することが示されているそうです。コーヒーの効果をさらに押し上げているポイントはここみたいですね。
コーヒーの抗酸化作用を最大限発揮させるにはどれぐらい飲めば良いのか…?
最後にコーヒーの抗酸化作用を最大限発揮させる種類や飲む量なんかをチェックしておきます。
この研究では21か所から主要なコーヒーを取り寄せて抗酸化物質の総含有量を調べてみたそうなんですが、コーヒーの種類によって最大1.5倍も違いがあったそうなんですよ。
この研究では21か所から主要なコーヒーを取り寄せて抗酸化物質の総含有量を調べてみたそうなんですが、コーヒーの種類によって最大1.5倍も違いがあったそうなんですよ。
そのランキングは下記となっておりました。
- 1位:マラゴジペ・グアテマラ:32.1mg:1杯当たり224.72mg
- 2位:ブラジル:30.8mg:1杯当たり215.63mg
- 3位:コロンビア:30.5mg:1杯当たり213.54mg
- 4位:イルガチェフェ・エチオピア:28.6mg:1杯当たり200.25mg
- 5位:プエルトリコ:28.6mg:1杯当たり200.26mg
- 6位:カフェインレスコーヒー:27.3mg:1杯当たり191.17mg
- 7位:ケニア:27.0mg:1杯当たり189.08mg
- 8位:キューバ:26.7mg:1杯当たり186.99mg
- 9位:ジャマイカ:26.1mg:1杯当たり182.710mg
- 10位:スマトラ島:24.5mg:1杯当たり171.511mg
- 11位:メキシコ:24.1mg:1杯当たり168.712mg
- 12位:ニカラグア:24.1mg:1杯当たり168.713mg
- 13位:グアテマラ:24.0mg:1杯当たり168.014mg
- 14位:ホンジュラス:23.9mg:1杯当たり167.315mg
- 15位:マラゴジペ・ニカラグア:23.2mg:1杯当たり162.416mg
- 16位:マラゴジペ・メキシコ:23.1mg:1杯当たり161.717mg
- 17位:タンザニア:23.1mg:1杯当たり161.718mg
- 18位:イエメン:22.9mg:1杯当たり160.319mg
- 19位:コスタリカ:22.5mg:1杯当たり157.520mg
- 20位:スカイベリー・オーストラリア:22.3mg:1杯当たり156.121mg
- 21位:ジャワ:21.1mg:1杯当たり147.7mg
但し、原産国や焙煎度、コーヒーの加工方法、コーヒーが栽培された標高、土壌、平均気温、晴天の回数なんかで変わってくるそうなんで、こんなんを気にして買うのは無理ですね(笑)
因みに研究者たちによれば、
- 焙煎済みコーヒーなら1日2~3杯で1日の抗酸化物質の摂取量がゲットできるよ…!
ってことなんで1日2~3杯が目安になりそうです。
でも焙煎コーヒーなんて…インスタントしか飲まんし…って方にも朗報がございまして、
- インスタントコーヒーの種類によっては焙煎コーヒーよりも、より多くの抗酸化物質が含まれている場合がある…!
ってことなんで、インスタントコーヒーでも気にせず飲んでいくと良さげな感じです。
余談ですが、生のコーヒー豆にはクロロゲン酸がめっちゃ多いんですが、焙煎すると大幅に減っちゃうんですよ。しかし一方で、焙煎することによってメラノイジンやその他の化合物が生成されるんですな。つまり焙煎によって抗酸化物質が減って抗酸化物質が増えるみたいな現象が起きており、このクロロゲン酸とメラノイジンはトレードオフの関係となっております。
この研究は、当ブログで何度も登場しているNurses' Health Study(NHS)っていうデータベースを用いたもので、対象者は健康な女性730人と2型糖尿病の女性663人とのこと。年齢は43~70歳の範囲でして皆、心血管疾患(CVD)やガンのない方たちだったそうな。
んで、コーヒーの摂取量については、これまた当ブログで何度も登場している食事摂取頻度調査票(FFQ)っていうアンケートを用いたそうで、対象者は以下の9つの中から頻度を選択してもらったらしい。
- 全く飲まない
- 月1~3杯飲む
- 週1杯飲む
- 週2~4杯飲む
- 週5~6杯飲む
- 1日1杯飲む
- 1日2~3杯飲む
- 1日4~5杯飲む
- 1日6杯以上飲む
併せて、そのコーヒーがカフェイン入りコーヒーかカフェイン抜きコーヒーかもチェックしたそうです。
最後に集まったデータを統計処理した結果がこちら。
- 健康な女性が、カフェイン入りコーヒーを飲んでも炎症マーカーに違いはなかった。
- 2型糖尿病の女性は、カフェイン入りコーヒーの摂取量が多いほど炎症マーカー(CRP:C反応性タンパク)が改善していた…!
- 健康な女性のみ、カフェイン抜きコーヒーの摂取量が多いほど、炎症マーカー(CRP:C反応性タンパク)が改善していた…!
因みに食事や血中コレステロールなどの変数は調整済みとのことで、また、高血圧や高コレステロールの方を除外してもこの効果は残ったそうです。更にカフェインのあるなしに関わらずコーヒーによって炎症に悪影響が出ることはなかったそうで、デメリットはない感じでした。
健康な方も糖尿病の方もコーヒーを飲むと体内炎症を抑えられるみたいですね。
まぁ、カフェインのあるなしで多少の違いはありそうですが、あんま気にせず飲んでいいのかな~と思いました。
やっぱりコーヒーは抗酸化物質が豊富なんで抗炎症作用も期待して良さそうですね…!
記憶力が良くなり、アルツハイマーの予防にもなる…!
caffeineinformerの記事、2009年のサウスフロリダ大学の研究、2009年のDAILY NEWS
の記事によると、コーヒーを飲むことで、記憶力が良くなり、アルツハイマーの予防にもなるそうです。
肝臓がんのリスクを40%も下げる…!1日3杯のコーヒーで更にリスクが50%も減る…!
2013年のアメリカ消化器学会の研究によると、コーヒーを飲むことによって肝臓がんのリスクを40%も下げるそうな。更に1日3杯のコーヒーでリスクが50%も減るとのこと。
糖尿病の予防になる…!パーキンソン病や胆石にもかかりにくくなる…!
脂肪燃焼効果がアップする…!
caffeineinformerの記事、1990年の王立獣医農業大学の研究、2002年のナイメーヘン大学の研究、2006年のデンマークのRCT・二重盲検・クロスオーバー試験によると、コーヒーを飲むことで脂肪燃焼効果がアップするそうな。つまり、ダイエット(痩せる)のに有効ってことですね。
コーヒー1杯を2時間おきに6回飲むと普段よりも10%脂肪燃焼効果が得られる…!
1989年のキングス・カレッジ・ロンドンの研究によると、カフェインの摂取と代謝の関係について調べてみたそうです。この研究は、スリムな体型や肥満体型の方など、様々な体型の方に参加をお願いし、100mgのカフェイン(大体コーヒー1杯分のカフェイン)を摂取してもらったそうです。
すると、
- スリムな体型の方、肥満体型の方の両方で、安静時の代謝が3〜4%アップしていた…!
- しかもこの効果は、150分間も継続していた…!
- 肥満体型の参加者で観察された食事の代謝の低さが改善されていた…!
とのこと。
また、
- 100mgのカフェイン摂取を2時間おきに繰り返すことを12時間にわたって行ってみると、カロリー消費量が8〜11%もアップしていた…!(但し、その後の12時間(夜)のカロリー消費量には影響がなかった)
- まとめると、スリムな体型の方は1日150kcal、肥満体型の方は1日79kcalもカロリー消費量がアップしていた…!
そうです。
特に運動せず、カフェイン(コーヒー)を飲むだけで、代謝・カロリー消費量がアップするのはすごいですね~。上記を基にすると、コーヒー1杯を2時間おきに6回飲むと普段よりも10%脂肪燃焼効果が得られる…!ってのはすごいですよね。
但し、注意点もありそうで、
- 毎日カフェインを600mgも摂取し続けるので、カフェイン耐性が低い場合はきつそう…。
- 長期的な効果がどれほどなのか不明…。
- 代謝やカロリー消費量アップにはかなり個人差がありそう…。
- スリムな人の方が効果が高く、肥満な人の効果はスリムな人に比べ約半分しかない…。
ってところは気になりますねー。
いずれにしてもソフトドリンクを飲むよりはずっと健康的でダイエット効果が高いのは間違いないので、積極的に飲んでいきたいですね。
体型に関係なく代謝がアップ…!特にスリム体型の方の更なるダイエット、体型維持に効果が高そう…!
1995年のローザンヌ大学の研究によると、コーヒーによる代謝アップ効果の影響について調べてみたそうです。
この研究は、別々の日に2回、24時間にわたって実験を行ったそうで、参加者は、スリム体型の女性10人と肥満体型の女性10人だったとのこと。コーヒーは、ある時はカフェイン入りのコーヒーを飲んでもらい、またある時はカフェインレスコーヒーを飲んでもらったそうで、そこで違いが出るのか見たらしい。
結果、
- スリム体型の女性は、代謝が7.6%(±1.3%)アップした…!
- 肥満体型の女性は、代謝が4.9%(±2.0%)アップした…!
そうです。
この当たりは上記同様、スリムな方の方が効果が大きかった様子ですね。
また、夜間のカフェイン代謝アップ効果は、スリム体型の女性のみに見られたそうな。
これらをみると、どうやらカフェインはスリム体型の方の更なるダイエット、体型維持に特に効果が高そうですね。
但し、体型に関係なく代謝アップ効果は出ており、運動せずに脂肪燃焼効果が10%から29%程上がったみたいなんで、皆さん試す価値はあるかと思います。
カフェイン入りコーヒーで運動パフォーマンス+ダイエット効果がアップする…!
ここまでは運動しないでカフェイン摂取のみ行った場合、ダイエット効果はあるのか…?についてみてきました。
では、運動しつつ、カフェインを摂取した場合どうなるのでしょうか…?
1978年の研究によると、長時間の運動と代謝・パフォーマンスに対するカフェイン摂取の影響を調べてみたそうです。
この研究は9人(女性2人・男性7人)に参加してもらったそうで、最大酸素摂取量の80%のパワー(=自分のフルパワーの80%)でエアロバイクを限界まで漕ぎ続けてもらったらしい。合わせてコーヒーやカフェインレスコーヒーを飲んでもらったそうな。
因みに1回目の実験ではカフェインレスコーヒーを摂取してから1時間後に行われ、2回目の実験では運動の1時間前に330mgのカフェインを含むコーヒーを摂取したとのこと。
結果、
- カフェインを含むコーヒーを摂取した場合、平均で90.2分間、エアロバイクを漕ぎ続けることができた…!
- カフェインレスコーヒーを摂取した場合、平均で75.5分間、エアロバイクを漕ぎ続けることができた…!
- カフェイン+運動を行うと、脂肪燃焼効果が高まっていた…!
そうです。
つまり、カフェイン入りコーヒーを飲むと運動のパフォーマンスがアップし、更にダイエット効果もアップする…!ってことですね。これはいいですなー。
カフェインはアドレナリンの分泌を促進させ、パフォーマンスをアップさせるみたいです。そのため、是非セットで試していきたいですね。
やっぱりカフェインで運動パフォーマンス+ダイエット効果がアップする…!更にアフターバーン(EPOC:イーポック)の効果もアップするみたい…!
1989年のクイーンズランド大学のRCT・クロスオーバーデザイン・二重盲検によると、カフェインが運動パフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかについて調べてみたそうです。
実験は普段運動をしていない女性5人(平均年齢21歳)を対象に行われたそうで、運動の60分前に以下の飲み物のうち、一つをランダムに飲んでもらったそうな。
- カフェイン入りオレンジジュース:体重1kg当たり5mgのカフェイン+オレンジジュース200ml
- オレンジジュース:オレンジジュース200mlのみ(コントロール群)
次にVO2maxの55%(全力の55%のパワー)でトレッドミルを90分、歩いてもらったとのこと。データについては運動開始前のベースラインの測定と、運動後、椅子に座ってもらっての1時間をそれぞれ収集したらしい。
更にこれを2週間以内に前回と違う飲み物に変えて再度行ったそうです。
結果、カフェイン入りオレンジジュースを飲んだ方が、
- カフェイン摂取の1時間後、パフォーマンスと脂肪燃焼効果が大幅にアップしていた…!
- 運動中と運動1時間後もカフェインを摂取した方が、パフォーマンスと脂肪燃焼効果がアップしていた…!
みたいです。
やっぱりカフェイン摂取と運動を同時に行うとパフォーマンスとダイエット効果がともにアップするみたいですね。更にアフターバーン(EPOC:イーポック)の効果もアップさせるみたい。良いですね~。
これらをみるとダイエットをする際、カフェインだけでも効果はありますが運動と組み合わせるとかなり良さそうな感じです。
カフェイン+有酸素運動が良さそう…!
では、カフェインと組み合わせするといいおすすめの運動法は何なのか…?を見ていきたいと思います。
1995年のゲルフ大学の研究によると、カフェインと運動のパフォーマンスの関係について調べてみたそうです。この研究は運動前に体重(kg)×カフェイン3~9mgを飲んでもらいつつ、実験室で運動をしてもらったそうな。これでパフォーマンスがどう変わるのか見たってことですね。
結果、
- 長時間の有酸素運動(マラソンなど)のパフォーマンスが向上した…!
- 5分程の激しい運動(HIITなど)のパフォーマンスが向上した…!
- 上記のパフォーマンス向上効果は、アスリートから普段運動をしている人まで見られた…!
- 脂肪の燃焼も約30%アップした…!
とのこと。
カフェインで、パフォーマンス+ダイエット効果がアップするのは嬉しいですが、どうやら、長時間の有酸素運動やHIITと相性が良さそうですね。
カフェイン+HIITだと更に良さそう…!
1998年のルートン大学のRCT・二重盲検・クロスオーバー試験によると、カフェインと短時間の有酸素運動の関係について調べてみたそうです。
実験は普段から運動をたくさんしている男性9人を対象にしておりまして、まずは全員のVO2max(最大酸素摂取量:心肺機能の指標になる)をチェックしたそうな。
次に運動の1時間前にどちらかを摂取してもらったらしい。
気になる結果は、
- カフェインを摂取した人はプラセボと比較して、疲労を感じるまでの時間が大幅に延びた…!
- 具体的には疲労感が出るまでの時間が約14%も延びた…!
とのこと。すごいですね~。
この結果に研究者も、カフェインの摂取は効果的なエルゴジェニックエイド(スポーツパフォーマンスアップにおすすめの食品)だ、としています。
カフェインで代謝がアップ・脂肪が分解される!しかしそのまま使われないと66%~76%がまた脂肪に戻ってしまう!
2004年のネスレリサーチセンターの研究によると、カフェインの摂取により、脂肪分解効果とカロリー消費量の両方がアップすると言われているけど、実際どうなのか…?調べてみたそうです。
この研究は、健康な若い男性8名を対象にしたそうで、
- 体重(kg)×カフェイン10mgを 飲んでもらう
- プラセボを飲んでもらう
のどちらかを行ってもらい、摂取後の90分と240分の間に変化が出るのか調べてみたとのこと。
結果、
そうです。
- カフェイン摂取から180~240分後のチェックでは、脂肪分解効果は2倍にアップしていた…!
- カフェイン摂取により、カロリー消費量は13%もアップしていた…!
- 但し、運動等で分解された脂肪を使わないと66%~76%が元に戻ってしまった…!
そうです。
つまり、カフェインで確かに代謝がアップし、脂肪が分解され脂肪酸になるんだけど、運動等で使われないと66%~76%がまた脂肪に戻ってしまうんだと…。
これはもったいない…!
これはもったいない…!
運動前にはぜひ、コーヒー(カフェイン)を飲んで効果を最大限受けておきたいですねー。
カフェイン+おすすめの運動法まとめ
以前から書いている通り、長時間の有酸素運動は、デメリットも見つかっておりますので、個人的にはおすすめできず…。
そのため、1時間前ぐらいに体重(kg)×カフェイン5~9mgを摂取しHIITを行うと、パフォーマンスアップ、疲労感の減少、ダイエット効果アップが得られて良いのではないかと思います。
下半身の筋トレ効果がアップする…!
上記の通り、カフェインのおすすめ運動法は有酸素運動ですが、
実は下半身の筋トレ効果もアップするそうです。
因みにコツとしては、
- 体重1kgにつき6mgとると良い
- コーヒーカップ1杯が約100mg
- 飲んで30分以内にスクワットすると良い
なんだそうな。
この研究は普段カフェインを少し摂取するぐらいの男子大学生16人を対象にしておりまして、以下のどちらかを摂取してもらったそうな。
- 体重(kg)×カフェイン10mg
- プラセボ
続きまして摂取してから1時間後に全員に、中程度の強度(peak VO2(自分の最大パワー)の60%)でエアロバイクを30分間漕いでもらったらしい。
また、エアロバイクを漕いでいる最中の脚の筋肉痛の度合いや運動量、心拍数、酸素摂取量(VO2)なんかもチェックしたそうな。
結果、
- カフェインを摂取すると、脚の筋肉痛が中程度和らいだ…!
とのこと。
ではなぜこういったことが起こるのかと言いますと、研究者によれば、カフェインの痛みに鈍くなる効果が筋肉痛の痛みの感覚の減少や運動パフォーマンスアップに繋がっているのかも…?ということです。
また2009年のイリノイ大学の研究でも似たようなことを調べておりまして、こちらの結果でもカフェイン(コーヒー)を飲むことによって筋肉痛を和らいだとのこと。
筋肉痛は気にせず運動してOKという話を前にしましたが、とはいえ痛みがあるとやっぱりモチベーションは下がりますし、追い込みもかけづらいんで、そこにカフェインが使える…!ってのは嬉しい話ですねー。
運動初心者や久しぶりに運動する方は筋肉痛対策としてコーヒーを飲んでみてもよろしいかもしれません。
コーヒーを飲むとアディポネクチンレベルがアップする…!
2012年の名古屋大学の横断研究によると、コーヒーの消費量とアディポネクチン、レプチン、炎症マーカー、糖代謝などの関係性について調査したそうです。実験は、男性2,554人と女性763人の日本人を対象に行われたそうで、1日に飲むコーヒーの量のアンケートを取ったとのこと。
その後、アンケートの結果を基に以下の8つのカテゴリーに分けたそうな。
- 1日に飲むコーヒーの量は、0カップ
- 1日に飲むコーヒーの量は、0.05カップ
- 1日に飲むコーヒーの量は、0.1カップ
- 1日に飲むコーヒーの量は、0.4カップ
- 1日に飲むコーヒーの量は、0.7カップ
- 1日に飲むコーヒーの量は、1カップ
- 1日に飲むコーヒーの量は、2.5カップ
- 1日に飲むコーヒーの量は、4カップ
それらを血液サンプルと比べつつ、統計分析をしたところ、コーヒーの飲む量が多い人ほど、
- アディポネクチンレベルがアップした…!
- 炎症性サイトカイン(C反応性タンパク、IL-6、TNF-α)レベルが下がった…!
とのこと。
やっぱ、コーヒーは良さそうですねー。
もちろん運動とコーヒーを両方試すと尚よろしいかと思います。
カフェインで代謝が6%もアップした…!
2009年のコペンハーゲン大学の研究によると、チロシン、緑茶、カフェインが安静時の代謝やカロリー摂取量、食欲などにどう影響するのか調べてみたそうです。
実験は健康な平均体重の男性(平均年齢23.7歳)12人を対象にしたそうでRCTのクロスオーバーデザイン、プラセボ対照、二重盲検で行ったとのこと。
実験は
- 緑茶サプリ500mg
- チロシンサプリ400mg
- カフェインサプリ50mg
- プラセボ
を飲んでもらったそうな。因みにウォッシュアウト期間は3日以上とったそうです。
んで、結果が、
- カフェインはプラセボと比較してスタート時より6%も代謝がアップした…!
とのこと。
やっぱカフェインは代謝アップに役立ちそうですねー。
この研究は白人男性8人が参加したそうで、まず全員に一般的な朝食を取ってもらいつつ、その後は自由に昼食、夕食、次の人の朝食を取ってもらったらしい。また、軽食なんかも自由にとったそうな。その際にグループ分けが細かくされておりまして、分岐点がいくつかございます。
どんな感じだったかと申しますと、
- 昼食と夕食の前に3gの赤唐辛子を含む前菜を食べるグループ
- 赤唐辛子を含まない前菜を食べるグループ
- 夕食後の軽食時以外の全ての食事と軽食でカフェイン200mgを摂取したグループ
- 夕食後の軽食時以外の全ての食事と軽食でカフェインレスコーヒーを飲んでもらったグループ
って感じですね。
また実験当日の昼食時には赤唐辛子を8.6g、夕食時には赤唐辛子を7.2gを追加で取ってもらったとのことです。
では結果を見てみましょう…!
- カフェイン+赤唐辛子でカロリー摂取量が大幅に減少、カロリー消費量がアップした…!
食事スタイルを変えずにカフェインと赤唐辛子を摂取するだけでダイエットになる…!ってのは手軽で良いですねー。
また、カフェインは使えば使うほど慣れてしまい効果が薄れてきますんで時々お休みする日を作るのも大事です。
是非ご参考にどうぞ。
約12万8000人を18~24年程調べた結果分かったコーヒーと死亡率の関係
2008年のハーバード大学の研究によると、コーヒーと死亡率の関係を調べてみたそうです。この研究は実験スタート時、心血管疾患(CVD)や癌の病歴のない男性41,736人と女性86,214人を対象に行われたそうで、コーヒーの消費量は男性は1986年、女性は1980年から調査を開始し、その後2004年まで2〜4年ごとにチェックし続けたんだそうな。
つまり、約12万8000人を18~24年程調べたってことですね。なかなか大規模でよろしいのではないでしょうか。
んで、期間中に亡くなった方は以下の通り。
- 男性:6,888人が死亡(うち心血管疾患が2,049人、がんが2,491人)
- 女性:11,095人が死亡(うち心血管疾患が2,368人、がんが5,011人)
集められたデータは、年齢や喫煙などを調整したとのこと。
では、気になるコーヒーと死亡原因の関係を見ていきましょうか…。
まず男性に於けるコーヒーの消費量と全ての死亡リスクとの関係はこんな感じ。
- 1ヶ月に1カップ飲む:1.0
- 1ヶ月に4カップ飲む(週1回飲む):1.07
- 1ヶ月に5~7カップ飲む(週1,2回飲む):1.02
- 1日に2〜3カップ飲む:0.97
- 1日に4〜5カップ飲む:0.93
- 1日に6カップ以上飲む:0.80
次に女性に於けるコーヒーの消費量と全ての死亡リスクとの関係はこんな感じ。
- 1ヶ月に1カップ飲む:1.0
- 1ヶ月に4カップ飲む(週1回飲む):0.98
- 1ヶ月に5~7カップ飲む(週1,2回飲む):0.93
- 1日に2〜3カップ飲む:0.82
- 1日に4〜5カップ飲む:0.74
- 1日に6カップ以上飲む:0.83
つまり、コーヒーの摂取量と死亡率は逆相関(コーヒーを飲む人ほど死亡率が下がる)となっております。また、もうちょいまとめてみると、
- 1日に2〜3カップ飲む:癌・心血管疾患など全ての死亡率が3%~18%下がる…!
- 1日に4〜5カップ飲む:癌・心血管疾患など全ての死亡率が7%~26%下がる…!
- 1日に6カップ以上飲む:癌・心血管疾患など全ての死亡率が17%~20%下がる…!
ってことにもなりますね。
因みに他にも分かったことがいくつかあったそうで、
- 心血管疾患による死亡率リスクが中程度低下したこととカフェインの摂取は無関係だった。
- コーヒーの消費量は、遺伝等の問題を調整した後の癌による死亡リスクと統計的な有意差はなかった。
- カフェイン抜きコーヒー(カフェインレスコーヒー)の消費量と全ての死亡原因、心血管疾患による死亡率は、わずかな減少と関係していた。
とのこと。
因みに研究者曰く、コーヒーの消費量は自己申告から予想したのである程度の誤差はありそうかも、ということです。
更に研究者曰く、定期的なコーヒーを飲むことは、男性でも女性でも死亡率の上昇とは関係がなかった。全ての死亡率の原因と心血管疾患による死亡率に対して、適度にコーヒーを飲むメリットは、引き続き調べる必要がある、としています。
少なくとも、コーヒーで死亡率がアップすることはなさそうですし、逆に死亡リスクを下げてくれる可能性もありそうですね。また面白いのは、コーヒーに含まれるカフェインではなく、コーヒーに含まれる他の成分が効いている感じということです。
上記を具体的に実践するとなると、
- コーヒーは1日2~6カップ飲むと良い…!
ってことになりそうですね。
因みに余談ですが、コーヒー1カップは大体240mlでカフェイン量は約100mgなんで、カフェインは200~600mgが限度と覚えておくと良さそうですね。
コーヒーの効果を最大限に引き出すには…。
1979年の三菱化成生命科学研究所の研究と2009年のシェフィールド大学の研究によると「朝の目覚めの一杯」のコーヒーには意味がないそうです。起床と同時にストレスホルモン(目を覚ます効果がある)が体内に増え始め、20〜30分で通常より50%も多くなります。そのため「朝の目覚めの一杯」のコーヒーは意味がなく、それどころかカフェイン耐性がついてしまって、その日1日のコーヒーの効果が薄れてしまうのです。それとストレスホルモンの量が再び上がる午後の2回の時間帯も注意。そして、皆さんもご存じの通り、就寝前に飲むと睡眠の質が下がるためこちらも注意が必要です。
つまり、まとめると、
- 起床時は飲まない
- 9:30〜11:30の間に飲む
- 12:00~13:00と17:30〜18:30は飲まない
- 就寝時の6時間前は飲まない
のルールを守ると良いみたいです。
まず、人間のパフォーマンスが最も高いレベルにするには、丁度良い覚醒の度合いにするのが大事なんだとか。なんでも、覚醒の度合いは逆U字であり、覚醒が少なすぎるとボーっとして仕事に集中できず、かといって、覚醒が多すぎるとギラギラしてしまって集中力の維持が出来ないとのこと。つまり、ベストは低覚醒と高覚醒の曲線の真ん中(逆U字のてっぺん)にあるそうです。これは、まぁ、わかりますね。
そして、覚醒レベルはコーヒー(カフェイン)を飲むとアップできます。しかし、コーヒーは、短期記憶を必要とするより複雑な作業の妨げにもなってしまうみたいです。これは、カフェインの効果で刺激され、興奮してしまい、推論には向かないということだそうです。
研究者は更にこの効果は性格にも影響するのではないか…?と思い、調べてみたそうな。
まず、ボランティアを集めて、外向型と内向型の2グループに分けたそうです。
次に、朝にプラセボまたはカフェインのサプリメントのいずれかを飲んでもらい、文章の校正や学校の試験など、様々な作業に取り組んでもらったそうな。
すると、内向型の人たちは、朝の時点ですでに覚醒レベルが高かったため、明らかにパフォーマンスが下がっていたそうです。それに対して、外向型の人たちは、朝のカフェインの摂取でパフォーマンスが上がっていたとのこと。同様の実験を夕方にも実施したそうなんですが、今度は内向型のパフォーマンスがアップし、外向型のパフォーマンスが低下したみたい。
すると、内向型の人たちは、朝の時点ですでに覚醒レベルが高かったため、明らかにパフォーマンスが下がっていたそうです。それに対して、外向型の人たちは、朝のカフェインの摂取でパフォーマンスが上がっていたとのこと。同様の実験を夕方にも実施したそうなんですが、今度は内向型のパフォーマンスがアップし、外向型のパフォーマンスが低下したみたい。
つまり、この結果を踏まえると、
- 内向型:朝の覚醒レベルが高く、夕方に向かって徐々に下がっていく。そのため、夕方にコーヒーやお茶なんかを飲むと再びパフォーマンスが復活するのでおすすめ…!
- 外向型:朝の覚醒レベルが低く、夕方に向かって徐々に上がっていく。そのため、朝にコーヒーやお茶なんかを飲むとスタートから高いパフォーマンスを出せるのでおすすめ…!
ということになりますね。
この研究には両向型についての記載がない為、その場合はどうなのか不明ですが、とりあえず、どちらかというとこっちかな…?って方を選ぶか、両方試してみて、良かった方を採用すると良いのかもしれませんね~。
カフェイン耐性が低い場合の注意点
2010年のリスボン大学の研究によると、1日にコーヒー2杯分のカフェインを摂取しただけでも脳を疲れさせる原因になるってことが分かったんだとか。なんでもカフェインを摂取しすぎると脳が疲労物質に弱くなっていくらしい。更にそのまま行くところまで行くと、最後はうつ症状っぽい感じにまでなるそうなんで、1日2杯以上飲んでいって、もし、気分の沈みを感じる場合は可能性があるので注意が必要です。といっても、そこまで恐れる必要はなくて、というのも、カフェイン耐性は個人差がかなりあるそうなんですよね。そのため、1日コーヒー2杯以上は危険…!ってことにはならないので、勘違いしないようお願いします。
あくまで、コーヒーを飲んだ後、疲労を感じやすい方は、カフェイン抜きで体調に変化があるか確認してみると良いよ~って話です。
コーヒー(カフェイン)の摂取30分後を調べたら、インスリン濃度が高かった…。
カフェインがインスリン抵抗性を高める…!って話は本当なのかについて、いくつか研究をご紹介します。
2003年のサリー大学の研究によると、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が、ヒトのブドウ糖(グルコース)摂取と消化管ホルモン、インスリン分泌にどのような影響をもたらすのか調べてみたそうです。
今回の実験はRCTのクロスオーバーデザインを用いておりまして、参加者は健康なボランティアの方々9名となっております。まず、始めに参加者には断食をしてもらい、次に以下の3グループに分かれてもらったそうな。
- 400mlのコーヒー(カフェイン)を飲んでもらいつつ、グルコースを25g摂取してもらった
- 400mlのカフェインレスコーヒーを飲んでもらいつつ、グルコースを25g摂取してもらった
- 400mlの水を飲んでもらいつつ、グルコースを25g摂取してもらった(コントロール群)
また実験期間中、3時間ごとに血液を採取したとのこと。
結果、
- グルコースとインスリンの濃度は、カフェイン入りコーヒーの摂取後の最初の30分間で、カフェインレスコーヒーと水の摂取後よりも高くなった…。
そうです。
この結果に研究者も、カフェインのクロロゲン酸がグルコースやインスリンの働きを阻害する可能性がある、としています。
つまり、カフェインがインスリンの働きを邪魔して糖代謝に悪影響を与えてしまうかも…!ってことですね。嫌ですね~。
コーヒーを摂取すると、スリム・肥満・2型糖尿病に関係なく、インスリン抵抗性が上がる…!定期的な運動も無駄…!
2005年のクイーンズ大学の研究によると、カフェイン摂取とインスリン感受性(≒インスリンの効きの良さ)の関係を調べてみたそうです。また合わせて定期的な運動がカフェインとインスリン感受性に与える影響も調べたそうな。
今回実験に参加したのは、
- 普段座りがちだがスリムな男性8名
- 肥満体型な男性7名
- 2型糖尿病ではない男性8名
とのことで、有酸素運動を行ってもらいつつ、運動前後にカフェイン(体重(kg)×カフェイン5mg)又はプラセボを飲んでもらったらしい。
期間は3ヶ月間で実験はRCTの二重盲検で行われたみたい。
結果は、
- スタート時、カフェイン摂取はプラセボと比較して、スリムな男性が33%、肥満体型な男性が33%、2型糖尿病ではない男性が37%、インスリン感受性が低下していた(=インスリン抵抗性が高くなっていた)…。
- 有酸素運動後、カフェイン摂取はプラセボと比較して、スリムな男性が23%、肥満体型な男性が26%、2型糖尿病ではない男性が36%、インスリン感受性が低下していた…。
- 有酸素運動は、カフェインでもプラセボでも、インスリン感受性の改善と関連していなかった…。
そうです。
つまり、コーヒー(カフェイン)を摂取すると、スリムだろうが肥満だろうが2型糖尿病でなかろうが関係なく、インスリン抵抗性が上がり、ブドウ糖(グルコース)摂取量の大幅な減少をもたらす…!しかも、定期的な運動も無駄…!ってことですね…。ヒョエー…!
ここまでの話をまとめると、コーヒー(カフェイン)はインスリン抵抗性を高める…!結果、糖代謝に悪影響を与えてしまう…!ということに…。健康に良いと評判のコーヒーにこんなデメリットが…!って感じですよね。
糖尿病患者を対象にカフェインとインスリンの関係を調べてみたら…。
上記の研究では、健康に良いと言われたコーヒーにとって暗雲立ち込める内容となっておりました。
では、実際に糖代謝に異常がある方、つまり糖尿病の方とそうでない方がカフェイン(コーヒー)を飲んだ場合のインスリン感受性はどうなのか…?を次に見ていきたいと思います。
ということで、まず糖尿病の患者さんとカフェインの関係の研究から見ていきましょうか…。
2004年のデューク大学医療センターの研究によると、1967年の研究では、若年発症成人型糖尿病(MODY)の男性がインスタントコーヒーをたった2杯飲んだだけで耐糖能異常(空腹時の血糖値が正常と異常の境界にある状態)が著しく悪化したみたいだけど、実際、どうなのか…?調べてみたそうです。
この研究は、RCT・二重盲検・プラセボ対照・クロスオーバーデザインを採用したそうで、実験の参加者は2型糖尿病歴が少なくとも半年以上ある方であり、且つ、日ごろからコーヒーを飲む方14名(男性11人、女性3人、平均年齢61±9歳)を対象に行われたとのこと(自己申告によれば1日当たりのカフェイン摂取量は平均526±144mgだったそうな)
因みに参加者のうちの3名は食事や運動で糖尿病を管理しており、残りの方は服薬もしていたとのこと。またたばこは吸わず、糖代謝に影響を与える向精神薬も使っていない方たちだったらしい。
実験に入る前にまず参加者にはカフェイン入り飲料の消費量や時刻を7日間記録してもらったみたい。更に実験の前日の夕食を断食してもらい、同時にカフェイン断ちもして、2週間の中のうち異なる2つの朝にチェックしたそうです。もちろん糖尿病の方なので通常の糖尿病薬を服薬してもらったとのこと。
当日は、まず30分間リラックスしてもらい、普段の空腹時の血液を採取、その後、
- カフェイン125mgが入ったサプリを2個飲む(カフェイン250mgを摂取する)
- プラセボを飲む
を行ったそうです。
カフェインの吸収の為に60分待機後、2回目の採血をし、更に参加者に追加で
- カフェイン125mgが入ったサプリを飲む
- プラセボを飲む
をしてもらったそうな。
つまり、カフェインの総摂取量が375mgになるよう調整したってことですね。その後の参加者たちは、座ってテレビを見たりしながらリラックスして過ごしてもらったらしい。また、食事の1時間後と2時間後に採血も追加で行ったとのこと。
結果、カフェインはプラセボと比較して、
- 空腹時の血糖値、ブドウ糖、インスリンには影響を与えなかった…!
- しかし、カフェインとブドウ糖(グルコース)をとった2時間後には、血糖値が21%も上がっていた…。
- 更に、カフェインとブドウ糖(グルコース)をとった2時間後には、インスリンも48%も上がっていた…。
そうです。
この結果に研究者曰く、カフェインの大量摂取は、糖尿病患者の糖代謝に悪影響を及ぼした、としています。因みにこの研究ではカフェインのみの効果を調べている為、コーヒーやお茶の場合違いが出るのかはよく分からないとのことでした。
う~ん。糖尿病患者を対象とした研究でもやっぱりカフェインはインスリンに悪影響っぽいですねー。
糖尿病患者でない方を対象にカフェインとインスリンの関係を調べてみてもやっぱり結果は同じだった…。
続いて糖尿病ではない方を対象としたコーヒーとインスリンの関係の研究を見てみましょう…。
2002年のラドバウド大学の研究によると、カフェインはカテコールアミンの分泌を増加させアデノシン(疲労物質)をブロックした副産物としてインスリン感受性を下げるんじゃないかと仮説を立て検証してみたそうです。
実験は、RCT・二重盲検・クロスオーバーデザインを用いたそうで、一つ目の実験では、健康な12人のボランティアを対象にカフェインまたはプラセボを摂取してもらい調べたとのこと。
二つ目の実験では、健康な10人のボランティアを対象に上記と同じ方法でカフェインを摂取してもらいつつ、更にアデノシンの効果を高める薬(ジピリダモール:アデノシン再取り込み阻害薬)を使ってテストしたそうです。
結果は、
- カフェインはプラセボよりも、インスリン感受性を15%低下させた…!
- 血中のエピネフリン(アドレナリン)が5倍近く増加した…!
- 血中のノルエピネフリン(ノルアドレナリン)と血圧はちょっとだけ増加した…!
- ジピリダモールは、インスリン感受性を変化させず、血中のノルエピネフリンを増加させた…!
とのこと。
つまり、糖尿病のない健康な方でもカフェインは血中のエピネフリンレベルを上昇させ、その副産物として、インスリン抵抗性を上げる可能性がある…!ってことですね。更にジピリダモールにより、アデノシンは関係ないっぽいってのも分かった感じとなっております。
因みにこの研究では、体重(kg)×カフェイン3mgでインスリン感受性を15%低下させたそうです。
他にも2001年のゲルフ大学の研究や2001年のオハイオ大学の研究なんかでは、糖尿病でない若い成人がカフェインを摂取したらインスリン感受性が急激に低下した…!みたいな報告もあり、いよいよビビっちゃうわけなんですよね…。
ここまでの話をまとめると、糖尿病だろうがそうでなかろうが関係なく、カフェインを飲んだ場合、インスリン感受性は低下してしまう…!ということに…。
では、コーヒー(カフェイン)は健康の為に飲まない方が良いんですかね~?
約12万6000人を12~18年追跡してみた大規模且つ長期的な研究では真逆の結果だった…!
ここまでのカフェイン・インスリン問題の内容を軽くまとめておくと、
- コーヒー(カフェイン)はインスリン抵抗性を高めてしまう…!結果、糖代謝に悪影響を与えてしまう…!
- 糖尿病だろうがそうでなかろうが関係なく、カフェインを飲んだ場合、インスリン感受性は低下してしまう…!
という感じで、コーヒー(カフェイン)好きにとって、かなりまずい空気な流れとなっておりました。健康に良いと評判のコーヒーにデメリットが出てきて、このままだと、コーヒー(カフェイン)は健康の為に飲まない方が良いんじゃないか…?と思ってしまいますよねー。
では、コーヒーは飲まない方が良いのか見ていきましょう。
2004年のハーバード大学の前向きコホート研究によると、小規模且つ短期間の研究結果では、カフェインでインスリン感受性が低下し、糖代謝が悪化すると出ているけど、長期的にはどうなのか…?について調べてみたそうです。
研究チームは、実験開始時に糖尿病や癌、心血管疾患(CVD)のない参加者を集めて、追跡調査をしたみたい。詳しい参加者(サンプル数)と追跡期間は以下のようになっております。
- 男性41,934人を1986年~1998年までの12年間追跡調査した
- 女性84,276人を1980年~1998年までの18年間追跡調査した
約12万6000人を12~18年追跡してみたってのは大規模且つ長期的で良い感じですね~。因みにコーヒーの消費量(カフェイン摂取量)は、2〜4年ごとに質問票を使ってチェックしたとのこと。これでコーヒーやカフェイン飲料と2型糖尿病の関係性が見えてきそうですね~。
では結果を見てみましょう…!
- 追跡期間中、男性は1,333件、女性は4,085件の2型糖尿病を発症してしまった…。
- コーヒー(カフェイン)の摂取量と2型糖尿病の発症との間に逆相関関係があった…!(つまりコーヒーを飲めば飲むほど糖尿病予防になった…!)
- 年齢やBMI、その他の危険因子を調整しても結果は変わらなかった…!
なんと、小規模且つ短期間の研究結果とは真逆の結果が出ております…!
更に男女別の1日に飲むコーヒーの量と糖尿病リスクの関係を見ていきましょう…!
男性の場合の1日に飲むコーヒーの量と糖尿病リスクの関係
- 1日に0カップ飲む:糖尿病リスク=1.00
- 1日に1カップ未満飲む:糖尿病リスク=0.98
- 1日に1~3カップ飲む:糖尿病リスク=0.93
- 1日に4~5カップ飲む:糖尿病リスク=0.71
- 1日に6カップ以上飲む:糖尿病リスク=0.46
女性の場合の1日に飲むコーヒーの量と糖尿病リスクの関係
- 1日に0カップ飲む:糖尿病リスク=1.00
- 1日に1カップ未満飲む:糖尿病リスク=1.16
- 1日に1~3カップ飲む:糖尿病リスク=0.99
- 1日に4~5カップ飲む:糖尿病リスク=0.70
- 1日に6カップ以上飲む:糖尿病リスク=0.71
1日に4~6カップ、特に6カップ以上飲んだ場合の糖尿病リスクの低下はすさまじいですね~。
またその他の情報としては、
- カフェインレスコーヒーを1日4杯以上飲んだ人とそうでない人を比べてみると、糖尿病リスクは男性で0.74、女性で0.85と低下していた…!
- カフェイン総摂取量と糖尿病リスクの関係を比べてみると、男女ともに統計的に有意に低かった…!
とのこと。
長期間のコーヒー(カフェイン)の摂取だけでなく、カフェインレスコーヒーでも2型糖尿病のリスクを下げるみたいですね~。この理由について研究者曰く、コーヒーに含まれるカフェインだけでなく、クロロゲン酸やマグネシウムなども糖代謝のコントロールに影響を与えている可能性がある、としています。
約1万4600人を平均12年間追いかけてもやっぱり結果は同じだった…!
2004年のフィンランド国立公衆衛生研究所の前向きコホート研究によると、世界でもコーヒーの消費量が多いフィンランド人を対象にして、コーヒーの消費量と2型糖尿病の発症率の関係を調べてみたそうです。
この研究は1982年と1987年、1992年に調査を開始したそうで、実験開始時、脳卒中や冠状動脈性心疾患(CHD)、糖尿病(DM)の病歴がない35〜64歳のフィンランド人の男性6,974人と女性7,655人を対象としたとのこと。
平均追跡期間は12年間だったそうで、集められたデータは年齢や追跡年数、体重、血圧、教育、職業、通勤時間、休日の運動頻度、飲酒の有無、お茶の消費量、喫煙の有無を調整したそうな。
結果、毎日のコーヒー消費量と糖尿病の関係は以下のようになったとのこと。
男性の場合の1日に飲むコーヒーの量と糖尿病リスクの関係
- 1日に0~2カップ飲む:糖尿病リスク=1.00
- 1日に3~4カップ飲む:糖尿病リスク=0.73
- 1日に5~6カップ飲む:糖尿病リスク=0.70
- 1日に7~9カップ飲む:糖尿病リスク=0.67
- 1日に10カップ以上飲む:糖尿病リスク=0.45
女性の場合の1日に飲むコーヒーの量と糖尿病リスクの関係
- 1日に0~2カップ飲む:糖尿病リスク=1.00
- 1日に3~4カップ飲む:糖尿病リスク=0.71
- 1日に5~6カップ飲む:糖尿病リスク=0.39
- 1日に7~9カップ飲む:糖尿病リスク=0.39
- 1日に10カップ以上飲む:糖尿病リスク=0.21
つまり、結果は上記で紹介したハーバード大学の研究の時と同様、コーヒーは飲めば飲むほど糖尿病のリスクが低下していたみたい。因みに男女を合わせた場合も、コーヒーの消費量と糖尿病リスクの逆相関関係は有意なままだったそうなんで、やっぱりコーヒーを飲むと健康に良さそうな感じですね。
但し研究者曰く、コーヒーで糖尿病のリスクが低くなる理由については不明なままだ、とのこと。
やっぱコーヒーに含まれる成分が色々作用してこのような結果が起こっているんですかね…?
カフェイン・インスリン問題まとめ
インスリンのツンデレっぷり(二律背反っぷり)もさることながら、まさかのコーヒーさんもツンデレとはこれ如何に…。
ということで、以上をまとめてみますと、
ということになりましょう。
また、インスリンは脂肪の分解を抑え脂肪を蓄えますが食欲抑制効果もあるホルモンの為、ダイエットの観点から見ても気にする必要はないと思います。
つまり、やっぱりコーヒーは積極的に飲んでいきたい飲み物…!ってことですね。
- 確かにコーヒー(カフェイン)はインスリン抵抗性を高めるし、糖代謝に悪影響を与えてしまう…。
- そして、糖尿病だろうがそうでなかろうが関係なく、インスリン感受性は低下してしまう…。
- んが、しかし、それは短期的な話で、長期的には真逆の結果となる…!
- 更に、コーヒーは飲めば飲むほど糖尿病のリスクが低下していく…!
ということになりましょう。
また、インスリンは脂肪の分解を抑え脂肪を蓄えますが食欲抑制効果もあるホルモンの為、ダイエットの観点から見ても気にする必要はないと思います。
つまり、やっぱりコーヒーは積極的に飲んでいきたい飲み物…!ってことですね。
コーヒーの効果は摂取30分後から!でも90分後には切れてしまう!効果を持続させるには…。
2013年のスウォンジー大学の研究によると、カフェインの量とグルコースレベルやメンタル、認知への影響を調べてみたそうです。
実験は、一般的な朝食の摂取90分後に、以下のどれかを飲んでもらったそうな。
- カフェイン80mgを含むヨーグルトベースの飲み物
- カフェイン80mgを含まないヨーグルトベースの飲み物
- カフェイン80mgを含む砂糖ベースの飲み物
- カフェイン80mgを含まない砂糖ベースの飲み物
- カフェイン80mgを含む水ベースの飲み物
- カフェイン80mgを含まない水ベースの飲み物
んで結果が、
- カフェインを含んだ全ての飲み物を飲んだ場合で、インスリンの上昇が確認された…。
- カフェイン+水(ブラックコーヒー)を摂取してから30分後にチェックしたところ、エネルギッシュになっていた…!
- しかし、カフェイン+水(ブラックコーヒー)を摂取してから90分後と150分後にチェックしてみると、疲労感がアップしていた…。
- カフェイン+ヨーグルトベースの飲み物だと、エネルギッシュさ、アグレッシブさ、頭のすっきり感がアップし持続した…!
- カフェイン+砂糖ベースの飲み物を飲んでも、気分に変化はなかった…。
- カフェインを含んだ全ての飲み物を飲んだ場合で、記録力アップ、反応速度アップ、注意力アップしていた…!
とのこと。
インスリンの上昇は過去の研究から気にしなくてOKですね。ポイントは、コーヒーの効果は摂取30分後ぐらいから出てきて90分後ぐらいには切れてしまうってところでしょうか。しかし、ミルクを入れるとその効果が持続するみたいですね。しかし砂糖ではダメと…。
また、カフェインさえ含まれていれば他の物が入っていても認知機能アップの効果は受けられるみたいですね。
また、カフェインさえ含まれていれば他の物が入っていても認知機能アップの効果は受けられるみたいですね。
ということで、コーヒーの効果の持続時間をアップしたい場合はミルクを入れてみても良いかもしれません。
カフェインとモダフィニル(覚醒を促す薬)は、睡眠不足時のパフォーマンスと覚醒度に同程度の効果がある…!
2002年のウォルター・リード陸軍研究所のRCTの二重盲検によると、睡眠不足時のパフォーマンス低下を防ぐのにモダフィニル(覚醒を促す薬)とカフェインの効果を比べてみたそうです。
この研究は健康な若者50名が参加したもので、実験開始である1日目の午前6時30分から3日目の午後1時までの54.5時間起きっぱなしで過ごしてもらったとのこと。また、1日目の午前8時から午後10時までの2時間ごとにパフォーマンスと覚醒度をチェックしたみたい。
続いて2日目の午後11時55分に(41.5時間起きっぱなしの状態で)、参加者全員を以下の5グループ(各グループ10名ずつ)にランダムに振り分けたそうです。
- プラセボを飲む。
- モダフィニル100mgを飲む。
- モダフィニル200mgを飲む。
- モダフィニル400mgを飲む。
- カフェイン600mgを飲む。
その後、3日目の午前0時から午後12時までの1時間ごとにパフォーマンスと覚醒度をチェックしたということでした。
気になる結果は、
- モダフィニル200mg、モダフィニル400mgを飲んだ時は、プラセボよりもパフォーマンスと覚醒度が大幅に改善された…!この効果はカフェイン600mgと同等だった…!
- パフォーマンスアップ効果は、午前6時から午前10時までの間に特にはっきりと出ていた…!
- 主観的な副作用(吐き気、動悸)の報告はほとんどなかった…!
そうです。
つまり、カフェインとモダフィニル(覚醒を促す薬)は、睡眠不足時のパフォーマンスと覚醒度に同程度の効果がある…!ということですね。しかも特に眠気に襲われそうな午前中の効果がすさまじいと…。これは素晴らしい…!
では上記効果を得るためのカフェイン600mgってどれぐらいだ…?って感じになりますが、ここで参考になるのが2005年の研究になります。
この研究でも覚醒度アップにカフェインやモダフィニルなどが良いよ~って話が書いてあるんですが、この中に人気のある食品のカフェイン含有量一覧表ってのがあるんですよ。
こいつが結構良い感じでして、参考にするとカフェイン600mgを目指しやすくなります。
ということで、下記が人気のある食品のカフェイン含有量一覧表です(クリック又はタップで拡大できます)
上記を参考にしてカフェイン600mgを目指そうとすると、
って感じ。
緑茶80杯とかヤバいんで、やはり現実的にはコーヒーでしょうな。又はコーヒー+ダークチョコレートですね。まぁ、手早く済ますなら徹夜明けの朝にスタバに駆け込んでコーヒーグランデを頼むことでしょうな。
因みにモダフィニルはFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認薬なんですが、睡眠不足での使用で承認されてはいないということで、やはり簡単に安く手に入るコーヒーがベストだと思いますね~。
1日3〜4杯のコーヒーで糖尿病リスクが約25%も減る…!
2009年のシドニー大学の研究によると、コーヒー、カフェイン抜きコーヒー、お茶(緑茶・紅茶)の摂取量と2型糖尿病リスクの関係をメタ分析・系統的レビューで調べてみたそうです。
そもそも先行研究でコーヒーの摂取量と2型糖尿病リスクは逆相関している…!と結果が出ていたり、カフェイン抜きコーヒーやお茶も良いぞ…!って結果が出ているんですが、それらの研究をまとめて評価したものがなかったので今回やってみたんだとか。
まず研究者たちは、1966年から2009年7月までに発表されたコーヒー、カフェイン抜きコーヒー、お茶と糖尿病の発症リスクの関係を調べた研究をCINAHLやEmbase、PubMed、コクランライブラリーを使って検索してみたそうな。結果2,435件の研究が見つかったとのこと。
続いてこの中から重複している物や質の低い研究を除いていったそうで、最終的に基準を満たしていた研究は20件のコホート研究だったそうです(因みに2件は日本の研究)。20件の研究のサンプルサイズは910人から88,259人の範囲でして、合計サンプル数は517,325人だったとのこと。またこのうち新規糖尿病発症者は21,897件だったそうで、研究スタート時の年齢は20~98歳の範囲、追跡期間の中央値は2~20年の範囲だったみたい。
そもそも先行研究でコーヒーの摂取量と2型糖尿病リスクは逆相関している…!と結果が出ていたり、カフェイン抜きコーヒーやお茶も良いぞ…!って結果が出ているんですが、それらの研究をまとめて評価したものがなかったので今回やってみたんだとか。
まず研究者たちは、1966年から2009年7月までに発表されたコーヒー、カフェイン抜きコーヒー、お茶と糖尿病の発症リスクの関係を調べた研究をCINAHLやEmbase、PubMed、コクランライブラリーを使って検索してみたそうな。結果2,435件の研究が見つかったとのこと。
続いてこの中から重複している物や質の低い研究を除いていったそうで、最終的に基準を満たしていた研究は20件のコホート研究だったそうです(因みに2件は日本の研究)。20件の研究のサンプルサイズは910人から88,259人の範囲でして、合計サンプル数は517,325人だったとのこと。またこのうち新規糖尿病発症者は21,897件だったそうで、研究スタート時の年齢は20~98歳の範囲、追跡期間の中央値は2~20年の範囲だったみたい。
では結果を見てみましょう…!
- コーヒーの摂取量と糖尿病との関係を調べた18件(総サンプル数457,922人)をまとめてみると、1日1杯のコーヒーで糖尿病リスクが7%(0.93)も低かった…!
- 更に1日3〜4杯のコーヒーを飲む人は、コーヒーを飲まない・1日2杯以下の人よりも糖尿病リスクが約25%(0.76)も低かった…!
- カフェイン抜きコーヒーの摂取量と糖尿病との関係を調べた6件(総サンプル数225,516人)をまとめてみると、1日3〜4杯以上のカフェイン抜きコーヒーを飲む人は、カフェイン抜きコーヒーを飲まない人よりも糖尿病リスクが約3分の1(0.64)も低かった…!
- お茶の摂取量と糖尿病との関係を調べた7件(総サンプル数286,701人)をまとめてみると、1日3〜4杯以上のお茶を飲む人は、お茶を飲まない人よりも糖尿病リスクが約5分の1(0.82)も低かった…!
やっぱコーヒーは毎日飲んだ方が良さげですねー。しかも1日3,4杯飲んでも効果は増えるみたいですし、カフェイン抜きコーヒー(カフェインレスコーヒー・デカフェコーヒー)でも効果があるのは嬉しいですな。
コーヒー・カフェインで最大5分の1にまでパーキンソン病リスクを抑えられる…!
2000年のアメリカ合衆国退役軍人省の研究によると、コーヒーやカフェインでパーキンソン病を予防できるのか…?調べてみたそうです。
この研究は1965年に開始したホノルル心臓調査というデータセットを使ったもので、45~68歳の日系アメリカ人男性8,004人を対象に追跡調査しているもの。その30年間のデータを用いてコーヒー・カフェインの摂取量とパーキンソン病との関係を比較してみたそうな。
結果、
- パーキンソン病の発症率は、コーヒー摂取量が増加すると減少していた…!
- 具体的にはコーヒーを全く飲まなかった男性の10,000人分のデータ当たり10.4のリスクだったのに対し、毎日飲む人は1.9のリスクだった。つまり5分の1にまで減少した…!
- 同じようにカフェイン摂取量も増加するとパーキンソン病の発症率が減少していた…!
- タバコを吸わない、過去現在吸っている人の場合でもコーヒーの摂取量が増えると、パーキンソン病リスクは低下していた…!
- コーヒーに牛乳と砂糖を入れても効果は変わらなかった…!
みたいです。
タバコの有無や牛乳・砂糖の有無に関係なく、コーヒー・カフェインで最大5分の1にまでパーキンソン病リスクを抑えられるのは素晴らしいですな。
男性でも女性でもコーヒーやカフェインでパーキンソン予防が出来そう…!
2001年のハーバード公衆衛生大学院の前向きコホート研究によると、男性と女性を対象にコーヒー・カフェインの摂取量とパーキンソン病リスクの関係について調べてみたそうです。
この研究は、当ブログおなじみのNurses' Health Study(NHS)とHealth Professionals Follow-Up Study(HPFS)を用いたものでして、サンプル数は男性47,351人、女性88,565人とのこと。この方々のライフスタイルと食事についてアンケートを行い、2~4年ごとにそれらがどう変わったのかを追跡調査していった感じです。
追跡調査は男性10年、女性16年だったそうで、その間288件のパーキンソン病の発症例があったそうな。最後にデータを照らし合わせていった結果、以下のことが分かったそうです。
- 男性の場合、年齢や喫煙といった変数を調整した後にパーキンソン病リスクを見てみると、カフェイン摂取量の最も多い男性は、もっとも少なかった男性と比較して、0.42もパーキンソン病リスクが低かった…!
- コーヒーやコーヒー以外のカフェイン、お茶を飲んでもパーキンソン病リスクは下がっていたが、カフェイン抜きコーヒーは下がっていなかった。
- 女性の場合、カフェイン・コーヒーの摂取量とパーキンソン病リスクとの関係はU字型だった…!
- 具体的には、コーヒーを1日1杯から3杯飲む女性が最もパーキンソン病リスクが低かった…!
どうやら男性でも女性でもコーヒーやカフェインでパーキンソン予防が出来そうですねー。
メタ分析でもカフェインでパーキンソン病リスクが低下した…!
2012年のアメリカ国立環境健康科学研究所の研究によると、男女におけるカフェインの摂取量とパーキンソン病リスクの関係についてメタ分析を行ってみたそうです。
この研究は、以前に紹介したNIH-AARPって食事と健康調査データを用いたものでして、サンプル数は318,260人(男性187,499人、女性130,761人)となっております。んで研究者は、参加者を追跡調査し、男性でも女性でもカフェインがパーキンソン病リスクの低下と関係しているのかチェックしたとのこと。併せて、2011年5月までのコーヒー・カフェインとパーキンソン病に関する前向きコホート研究をMEDLINEで検索し、メタ分析も行ってみたらしい。
では、バーッとポイントを見ていきましょう。
まず、NIH-AARPを用いた結果ですがこのようになっておりました。
- 1995~1996年にチェックしたカフェインの摂取量とパーキンソン病リスクの低下は男女ともに関係していた…!
- 年齢や人種、運動頻度といった変数を調整し、カフェインを最も摂取した人と最も摂取していない人を比べてみると、パーキンソン病リスクが男性は0.75、女性は0.60も低かった…!
変数を調整しても、やはり男女ともカフェインでパーキンソン病を予防できるみたいですね。
では次に前向きコホート研究のメタ分析の結果を見てみましょう。
カフェイン摂取量の増加とパーキンソン病リスクの関係は、
- 男性:0.61…!
- 女性:0.71…!
- 全体:0.67…!
とのこと。
メタ分析でも結果は同じだったみたいですね。
性差に関係なく、カフェインでパーキンソン病リスクが低下するのは嬉しいですな。
パーキンソン病予防には1日300mgのカフェイン摂取が良さそう…!
2010年のリスボン大学の研究によると、カフェインの摂取とパーキンソン病リスクの関係を調べてみたそうです。
そもそも先行研究でコーヒーやカフェインがパーキンソン病の発症リスクと逆相関関係がある…!って結果が出ておりますが、それらについて本当か観察研究の系統的レビュー・メタ分析を行ってみよう…!と今回なったんだとか。
ということでまず研究者たちは、2009年9月までに発表されているコーヒー・カフェインとパーキンソン病リスクの研究をMEDLINE、LILACS、Scopus、Web of Scienceで検索してみたそうな。更にヒットした研究の参考文献もチェックしていったらしい。
その結果26件の研究が選ばれたそうです。因みに26件の研究の内訳は、
- ケース・コントロール研究:18件
- 縦断研究:7件
- 横断研究:1件
って感じ。
これらのデータをメタ分析にかけた結果、
- 全体の研究では、カフェインの摂取量とパーキンソン病リスクの関係は0.75だった…!
- 縦断研究のみでは、カフェインの摂取量とパーキンソン病リスクの関係は0.80だった…!
- 女性のみでは、カフェインの摂取量とパーキンソン病リスクの関係は0.86だった…!
とのこと。
多少の違いはありますが、概ね先行研究同様、やはりカフェインはパーキンソン病予防になりそうですな。
んで気になるベストな摂取量についてですが、この研究によれば、
- 1日300mgのカフェイン摂取でパーキンソン病リスクが0.76だった…!
ってことなんで、コーヒー2,3杯が良さそうな感じです。
カフェインの摂取で認知症リスクが低下する…!
2010年のポルト大学の研究によると、カフェインの摂取と認知症の関係について系統的レビュー・メタ分析で調べてみたそうです。
そもそも2004年1月までに発表された4件の先行研究のメタ分析によると、コーヒーの摂取量が多いとアルツハイマー病リスクが減る…!と出ていたんですが、それなら認知症はどうなのか…?ってことで、今回チェックしてみたそうな。
まず研究者たちは、2009年9月までに発表されたカフェインと認知機能低下・認知症に関する研究をデータベースで検索してみたらしい。因みに使ったデータベースはMEDLINE、LILACS、Scopus、Web of Scienceとのこと。また検索でヒットした各研究の参考文献もチェックしていったみたい。
気になる結果は、
- 4件の研究でアルツハイマー病リスクが低下…!
- 2件の研究で認知症リスクが低下…!
- 3件の研究で認知機能低下リスクが低下…!
- カフェインの摂取量と認知障害・認知機能低下のリスク比は0.84だった…!
とのこと。
つまりカフェインの摂取量が多い程、認知症リスクは減っていた…!ってことですね。やっぱコーヒーは脳機能に良さそうですね~。
つまりカフェインの摂取量が多い程、認知症リスクは減っていた…!ってことですね。やっぱコーヒーは脳機能に良さそうですね~。
具体的には、精神障がいのある方とそうでない方を対象としたカフェイン摂取の研究を見直してみたんだとか。それではポイントを見てきましょう…!
- カフェインを摂取すると、注意力アップ、集中力アップ、認知機能アップ(特に長時間の作業や難しい作業の時に発揮されやすい)、気分の高まりが起こると思われる。
- 1日6杯未満のカフェインを摂取すると、うつ症状の軽減や認知障害の軽減、自殺リスクが低下する…!
- 但し、うつ病やADHDに対する研究はまだまだ十分とは言えない。
- 大量のカフェインを摂取すると稀に精神病症状や躁状態、不安感が起きることがある。
- パニック障害と社交不安障害(社交不安症とも言う。人前に出ると日々の生活や社会に支障を来すレベルで不安感や恐怖、緊張感に襲われる)の方は、カフェインの不安誘発効果に特に敏感っぽい。一方で強迫性障害(OCD)の方はカフェインが効く可能性がある。
どうやら脳の健康を維持するのにカフェインはメリットが多そうですねー。また、精神障がい全般に効くのかはまだまだ分かりませんが、良い効果が出ている物もあるみたいです。
それと大量に飲まず1日6杯未満のカフェインの摂取が良さそう…!ってのも一つの基準として覚えておきたいですね。
1日1杯のコーヒーで自殺リスクが低下する…!飲めば飲むほど低下する…!
1993年のカイザー・パーマネンテの研究によると、コーヒーや紅茶と様々な死亡リスクの関係について前向きコホート研究を行ってみたそうです。この研究は、128,934名とその後死亡した4,501名について、コーヒー・紅茶と死亡原因の関係を統計処理して調べてみたものでして、早速ポイントを並べますとこんな感じ。
- コーヒーを1日4杯以上飲む人は、急性心筋梗塞リスクがわずかに高かった。
- 1日1杯のコーヒーや1日1杯の紅茶では、全ての死亡リスクや主要原因による死亡リスクに違いはなかった。
- 1日1杯のコーヒーで肝硬変の死亡リスクが低下(0.77)していた…!
- コーヒーと紅茶の飲む人は自殺リスクが低下していた…!
- 1日1杯のコーヒーで自殺リスクは0.87も低下しており、飲めば飲むほど自殺リスクは低下していた…!
コーヒーや紅茶で自殺リスクが低下する…!ってのは面白い結果ですねー。特にコーヒーの効果は良い感じでたくさん飲むと効果がアップするご様子。
1日2~3杯のコーヒーで自殺リスクが低下する…!1日4杯以上でもっと低下する…!
1996年のハーバード大学の前向きコホート研究によると、女性におけるコーヒーの摂取と自殺リスクの関係について調べてみたそうです。
カフェインには気分の改善効果がある…!ってのは先行研究で分かっておりましたが、これが自殺リスクの低下とも関係あるのかチェックしたのが今回の研究のポイントになります。
実験は、冠状動脈性心疾患(CHD)や脳卒中、ガンといった診断を受けていない方を対象にしたそうで、参加者は実験開始時34~59歳のアメリカ人女性86,626人とのこと。この方々を10年間追跡調査し、コーヒーとカフェイン摂取量と自殺リスクの関係を見て行ったらしい。
結果、
- 10年間で56件の自殺が発生していた。
- 1日2~3杯のコーヒーを飲む女性はコーヒーを飲まない女性と比べ、自殺リスクが0.34と低かった…!
- 1日4杯以上コーヒーを飲む女性はコーヒーを飲まない女性と比べ、自殺リスクが0.42と低かった…!
とのこと。
因みに上記結果は、喫煙の有無やお酒を飲む頻度、服薬の有無、高血圧や高コレステロール、糖尿病、配偶者の有無、自己申告でのストレス度など、かな~り広い変数を調整しても効果は残ったらしく、コーヒー・カフェインの摂取量と自殺リスクは強い逆相関関係があったみたい。コーヒーやカフェインの気分改善効果は自殺リスク低下にまで及ぶんですね~。
コーヒーと自殺リスクの関係はJ字型…!飲みまくれば逆に自殺リスクが高くなってしまう…!
2000年の東フィンランド大学の前向きコホート研究によると、コーヒーをたくさん飲みまくったら自殺リスクが減るのか…?調べてみたそうです。
上記の研究などによってコーヒーを飲む人の自殺リスクは減る…!って可能性があるのは分かっていたんですが、これが本当かどうかより長い期間で追試をしてみつつ、更にコーヒーが効くなら飲みまくったらどうなるの…?ってのも併せてチェックしてみたそうな。
今回、実験に参加したのは43,166人の方々でして、平均追跡期間は14.6年間とのこと。この間、自殺により亡くなった方は213人だったそうで、集まったデータを基にコーヒーと自殺リスクの関係を見てみたそうです。
その結果、
- 毎日コーヒーを飲む人の自殺リスクはグラフにするとJ字型になっていた…!
- 1日8杯以上コーヒーを飲む人は、中程度のコーヒーを飲む人に比べ、自殺リスクが58%も高かった…!
とのこと。
確かにコーヒーを飲めば自殺リスクが低下するけど、飲みまくっていた人は逆にかなり高かったみたいですね。やっぱ、何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しですな。
カフェインや紅茶はダメだったがコーヒーはうつ病リスクを低下させる…!
2010年の東フィンランド大学の研究によると、コーヒーや紅茶、カフェインの摂取量と重度のうつ病リスクの関係について調べてみたそうです。
この研究はフィンランドの東部に住む中年男性2,232人を対象にしたものとのこと。実験は1984年から1989年の間に募集され2006年末まで追跡調査したそうで、それらのデータを基にコーヒー、紅茶、カフェインの摂取量とうつ病リスクの関係性を見てみたらしい。
因みに摂取量について以下の4つに分けたそうです。
- 飲まない:82人
- 1日平均375ml未満飲む:517人
- 1日平均375~813ml飲む:1,243人
- 1日平均813mlより多く飲む:390人
結果はこのようになっておりました。
どうやらこの前向きコホート研究の結果では、コーヒーだけがうつ病リスクを低下させる効果があったみたいですね~。
但しコーヒーを1日813ml以上飲むってのは結構きついんじゃないのかな~と思います(カップ1杯150mlとすると5.5杯以上飲まなければいけないので)
カフェイン抜きコーヒーはダメだったがカフェイン入りコーヒーでうつ病リスクが低下した…!
2011年のハーバード公衆衛生大学院の前向きコホート研究によると、コーヒー・カフェインと女性のうつ病リスクの関係について調べてみたそうです。
この研究は当ブログおなじみであるNHSを使ったものでして、1996年の実験開始時、うつ病でなかったアメリカ人女性50,739人(平均年齢63歳)を対象としております。実験は2006年6月1日まで行われたとのことで、カフェインの摂取量についてはアンケートから測定したんだとか。またうつ病については医師の診断や自己申告によるうつ病、抗うつ薬の使用としたとのこと。
この10年間のデータを統計処理してコーヒー・カフェインと女性のうつ病リスクについて見てみたそうです。
結果、10年間で2,607件のうつ病の発症報告があったそうなんですが、週1杯以下しかカフェイン入りコーヒーを飲まない女性と比べ、
- 1日2~3杯カフェイン入りコーヒーを飲む女性はうつ病リスクが0.85だった…!
- 1日4杯以上カフェイン入りコーヒーを飲む女性はうつ病リスクが0.80だった…!
とのこと。
またコーヒーを飲む人同士を比べてみると、
- 1日550mg以上のカフェイン入りコーヒーを飲む女性は、1日100mg未満のカフェイン入りコーヒーを飲む女性に比べて0.80もうつ病リスクが低かった…!
そうです。
つまりカフェイン入りコーヒーを飲めば飲むほどうつ病リスクが減っていたんですね~。
更にこの研究ではカフェイン入りだけではなくカフェイン抜き(=デカフェ・ノンカフェイン・カフェインレス)もチェックしているんですが結果は、
- カフェイン抜きのコーヒーはうつ病リスクと関係なかった…!
みたい。
どうやらポイントはコーヒーに含まれているカフェインっぽいですね~。
コーヒーが効いているのか、カフェインが効いているのかについては、上記でご紹介した研究と矛盾した結果になったんで分かりませんね。しかし、カフェイン入りコーヒーを飲んでおけばどちらにしても要件を満たしますんでぜひ、メンタル安定のためにも積極的に摂取していきたいですな。
総死亡率についても1日2,3杯のコーヒーがベスト…!
2012年のアメリカ国立がん研究所の前向きコホート研究によると、コーヒーと総死亡率・原因別死亡率の関係について調べてみたそうです。
この研究はNIH-AARPっていう食事と健康を調査したデータセット(総サンプル数617,119名)を使ったものでして、まず始めにガンや心臓病、脳卒中といった病気の参加者などを除外していったそうな。結果、実験開始時の年齢が50~71歳の男性229,119名と女性173,141名が対象になったとのこと。この対象者のコーヒーの摂取量と総死亡率・原因別死亡率を比べてみたらしい。因みに追跡期間は1995or1996年から2008年までとのこと。それではどうなったか見てみましょう。
まずざっくり見た感じでは、コーヒーを飲む人の死亡リスクは高かったそうな。というのもコーヒーが好きな人って喫煙率が非常に高い傾向にあったんですよね。なんで、その辺の変数を調整すると、想像通り、コーヒーの摂取量と死亡率には有意な逆相関があったそうです。
次にコーヒーの摂取量と男女別の総死亡率を詳しく見てみます。
コーヒーを飲まない男性に比べて、
- 1日1杯未満のコーヒーを飲む男性は0.99…!
- 1日1杯のコーヒーを飲む男性は0.94…!
- 1日2~3杯のコーヒーを飲む男性は0.90…!
- 1日4~5杯のコーヒーを飲む男性は0.88…!
- 1日6杯以上のコーヒーを飲む男性は0.90…!
って感じでした。
続いてコーヒーを飲まない女性に比べて、
- 1日1杯未満のコーヒーを飲む女性は1.01…!
- 1日1杯のコーヒーを飲む女性は0.95…!
- 1日2~3杯のコーヒーを飲む女性は0.87…!
- 1日4~5杯のコーヒーを飲む女性は0.84…!
- 1日6杯以上のコーヒーを飲む女性は0.85…!
って感じでした。
他のコーヒーの研究同様、どうやら総死亡率についても1日2,3杯のコーヒーがベストっぽいですねー。因みに心臓病や呼吸器疾患、脳卒中、怪我や事故、糖尿病、感染症による死亡とコーヒーの摂取量は逆相関の関係にあったみたいですが、ガンの死亡率については相関関係が見当たらなかったとのこと。
因果関係は不明ながらやはりコーヒーは健康に良い飲み物と言えそうですね。
コーヒーは結腸がん・直腸がん(大腸がん)予防になりそう…!
2012年のアメリカ国立がん研究所の前向きコホート研究によると、コーヒー・紅茶と結腸がん・直腸がん(大腸がん)リスクの関係について調べてみたそうです。
そもそもコーヒーには、
- ジテルペン
- カフェストール
- カーウェオール
- ポリフェノール
- クロロゲン酸
- コーヒー酸
といった、ガンリスクの低下に役立つ可能性のある成分がたくさん入っております。
ならば、コーヒーが結腸がん・直腸がんのリスク低下に役立つのか…?カフェインのあるなしで変わるのか…?紅茶はどうなのか…?ってのをチェックしてみたらしい。
実験は、以前にも登場したNIH-AARPっていうアンケートのデータセットを用いておりまして、今回のサンプル数は男女489,706名となっておりました。また追跡期間の中央値は10.5年でして、その間、
- 近位結腸がん(胃に近い結腸がん)の発症件数が2,863件
- 遠位結腸がん(肛門に近い結腸がん)の発症件数が1,993件
- 直腸がんの発症件数が1,874件
あったとのこと。これらのデータを統計処理してみたんだとか。
ということでコーヒーの結果からじっくり見ていきます。
まずは全体像の把握ということで結腸がん・直腸がん(大腸がん)リスクについてです。
- 頻度:全コーヒーのリスク:カフェイン入りコーヒーのリスク:カフェイン抜きコーヒーのリスク
- 飲まない:1.00:1.00:1.00
- 週1杯未満:0.97:0.97:0.96
- 1日1杯:1.00:0.99:1.01
- 1日2,3杯:0.98:1.01:0.93
- 1日4,5杯:0.87:0.90:0.79
- 1日6杯以上:0.80:0.83:0.74
次は結腸がんのリスクを見てみます。
- 頻度:全コーヒーのリスク:カフェイン入りコーヒーのリスク:カフェイン抜きコーヒーのリスク
- 飲まない:1.00:1.00:1.00
- 週1杯未満:0.94:0.89:0.99
- 1日1杯:0.97:0.95:1.02
- 1日2,3杯:0.95:0.96:0.93
- 1日4,5杯:0.85:0.86:0.81
- 1日6杯以上:0.74:0.74:0.73
更に細かくと言うことで、近位結腸(胃に近い結腸)を見てみます。
- 頻度:全コーヒーのリスク:カフェイン入りコーヒーのリスク:カフェイン抜きコーヒーのリスク
- 飲まない:1.00:1.00:1.00
- 週1杯未満:0.94:0.86:1.02
- 1日1杯:0.94:0.92:0.98
- 1日2,3杯:0.90:0.91:0.86
- 1日4,5杯:0.80:0.79:0.83
- 1日6杯以上:0.62:0.59:0.68
次は遠位結腸(肛門に近い結腸)です。
- 頻度:全コーヒーのリスク:カフェイン入りコーヒーのリスク:カフェイン抜きコーヒーのリスク
- 飲まない:1.00:1.00:1.00
- 週1杯未満:0.93:0.96:0.92
- 1日1杯:1.02:1.00:1.10
- 1日2,3杯:1.05:1.06:1.02
- 1日4,5杯:0.92:1.01:0.68
- 1日6杯以上:0.86:0.90:0.77
最後は直腸がん(大腸がん)のリスクを見てみます。
- 頻度:全コーヒーのリスク:カフェイン入りコーヒーのリスク:カフェイン抜きコーヒーのリスク
- 飲まない:1.00:1.00:1.00
- 週1杯未満:1.06:1.22:0.88
- 1日1杯:1.08:1.12:0.98
- 1日2,3杯:1.08:1.14:0.94
- 1日4,5杯:0.94:1.00:0.71
- 1日6杯以上:1.01:1.11:0.77
上記を軽くまとめてみると、
- 1日4杯以上飲む人のリスク低下は良い感じ
- 1日2,3杯でもリスク低下の効果は受けられそう
- 意外とたまにコーヒーを飲む人(週1杯未満)にも効果がありそう
- カフェインあるなしで多少の違いはあるがそんなに気にしないで良さそう
ってところでしょうか。
いずれにしても結腸がん・直腸がんリスク予防にコーヒーを飲んでおいて損はなさそうな感じです。因みに紅茶については関係性は見当たらなかったとのことで、やはりコーヒーが良いみたいですね~。
コーヒーは子宮体がん予防になりそう…!
2012年のアルベルト・アインシュタイン医学校の研究によると、コーヒーと子宮体がんリスクの関係について調べてみたそうです。
そもそも先行研究でコーヒーを飲むと子宮体がんリスクが低下するのでは…?って話がありまして、例えば、2008年のマリオネグリ薬理学研究所の研究では9件の先行研究をまとめてメタ分析を行ったのですが、コーヒーの摂取量と子宮体がんリスクには統計的に有意な逆相関があったそうです。んがしかし、このメタ分析で使われた研究はバイアスリスクが高そうな感じで微妙なんだとか。
ってことで今回研究者たちは、大規模な前向きコホート研究を行いちゃんと調べてみよう…!となったみたいです。因みにこの研究では単にコーヒーと子宮体がんリスクの関係を調べるだけでなく、カフェインありなしも併せてチェックしてくれているところが嬉しいですね。
実験はおなじみNIH-AARPを使った感じでして、今回のサンプル数は226,732人となっております。また参加した女性の方々の年齢範囲は50~71歳でして、平均追跡期間は9.3年とのことでした。この間、子宮体がんを発症してしまったケースは1,486件あったそうで、このデータを基に統計処理してコーヒーとの関係性を見てみたそうです。
では結果を見てみましょう。
- コーヒーの種類:飲まない:1日1杯未満:1日1杯:1日2,3杯:1日3杯以上
- 全コーヒー:1.00:0.87:0.82:0.83:0.64
- カフェインありコーヒー:1.00:0.75:0.68:0.74:0.46
- カフェインなしコーヒー:1.00:0.88:0.81:0.66:0.81
上記の結果は年齢や喫煙、BMI、運動頻度などの変数は調整済みとなっております。これらをみると、カフェインの有り無しに関わらず、コーヒーを飲むと子宮体がんの予防になりそうですね…!
コーヒーで認知機能低下や認知症リスクを減らすことはできなかった…。但しアルツハイマー病リスクは低下していた…!
2015年の南京医科大学の研究によると、コーヒーの摂取と認知症・認知機能低下の関係を調べてみたそうです。
まず研究者たちは、1966年~2014年12月までに発表されたコーヒーと認知症・認知機能低下の先行研究をデータベースで検索してみたそうな。因みにPubMedとEmbaseを使ったとのこと。次にヒットした先行研究の中から質の高い物をピックアップしていったそうで、最終的に11件の研究が要件を満たしていたみたい。
この11件の研究の総サンプル数は29,155名でして、これらのデータを基に前向きコホート研究の系統的レビュー・メタ分析を行ってみたそうです。
結果、
- コーヒーをたくさん飲んでも認知機能低下や認知症のリスクを減らすことはできなかった…。
- 但しコーヒーをたくさん飲んでいる方のアルツハイマー病リスクは低下していた…!
とのこと。
アレ…。上記で紹介した先行研究では認知症や認知機能低下リスクが減る…!って話だったのに今回は効果なしだったみたいですね。こういった以前と同じ結果が出ない、真逆の結果が出るってのは研究でよくあることですがいったいどっちが正しいんでしょうね~。
ただ、アルツハイマー病リスクに関しては上記の研究同様、コーヒーの摂取量と逆相関の関係だったみたいなんでここは共通していますな。
この観察研究のメタ分析ではカフェインと認知障害リスクは関係なかった…!
2015年の韓国国立がんセンターの研究によると、コーヒー・紅茶によるカフェイン摂取が認知障害リスクと関係あるのか調べてみたそうです。
そもそもコーヒー・カフェインと認知障害を調べた先行研究はいくつもありまして、例えば、
という感じで系統的レビューやメタ分析もいくつもございます。しかし観察研究の結果は一貫していなくてバラバラなんですよ。ってことで今回研究者たちは既存の研究結果をまとめてみよう…!となったみたいです。
具体的には、2014年9月までに発表された先行研究をPubMed&Embaseというデータベースで検索した感じでして、参考文献なんかも手動でチェックしていった結果、293件もの研究があったそうな。続きまして、この中から重複している研究や質の低い研究なんかを除外していったそうで、最終的には20件の研究が選ばれたとのこと。
因みにこの20件の研究の内訳は、
って感じ。
20件の研究のまとめとしては、
- 総サンプル数:31,479名
- 平均年齢:71.9歳(年齢範囲:45~108歳)
- 女性の割合:51.8%
- 平均追跡期間:平均8.4年
となっておりました。
また20件の研究ですが、中国、フィンランド、ポルトガル、アメリカ、オーストラリア、カナダ、フランス、ノルウェー、台湾、イギリス、日本、ヨルダンと割といろんな国・地域からピックアップされております。日本からも2件選ばれていたのが嬉しいですな。因みに2件の研究は2006年の東北大学の研究と2014年の金沢大学の研究なので気になる方はリンク先をご覧ください。
ではこれらをメタ分析した結果を見てみましょう…!
まず大枠ですが、
- カフェイン摂取と認知症やアルツハイマー病、認知障害、認知機能低下リスクに有意さはなかった…。
とのこと。う~む…。またしても残念な結果ですね…。
次にサブグループの内訳もチェックしておきます。カフェイン摂取量の効果サイズは、
- 認知症=0.72
- アルツハイマー病=0.78
- 認知機能低下=0.99
となっておりました。認知症とアルツハイマー病に関しては希望が持てそうな様子ですね。
更にコーヒー摂取量の場合はどうか…?ってことで関係を見てみると0.83だったそう。但し、認知障害に対するコーヒー摂取量については、横断研究=0.70、症例対照研究=0.82、縦断研究=0.90って感じ。
このメタ分析ではコーヒーや紅茶から摂取するカフェインと認知障害リスクは関係ないという、おやまぁな結果だったってことですね。残念ですな…。
但し、この研究は観察研究のみを対象としておりますんでまだまだ確定とはいかないところ…。
コーヒー・紅茶・カフェインと加齢による認知機能低下・認知症予防の関係について系統的レビューを行ってみた…!
2015年のバーリ大学の研究によると、コーヒー・紅茶・カフェインと加齢による認知機能低下・認知症予防の関係について系統的レビューを行ってみたそうです。それではポイントを見ていきましょうか。
- コーヒーは世界中で愛飲されており、カフェインを多く含むため、注意力アップや覚醒度アップ、認知機能アップという効果がある。
- 上記は短期的な効果だが、いくつかのケース・コントロール研究や横断研究、縦断研究では、脳機能に対する長期的な影響をチェックしている。結果はコーヒー・紅茶・カフェインの摂取により脳機能を保護する可能性があった。つまり、認知障害・認知機能低下・認知症リスクを予防できそう。
- 特に、いくつか横断研究や縦断研究では加齢による認知障害・認知機能低下に対して、コーヒーや紅茶、カフェインが効果的な可能性があると出ていた。但し、全ての認知機能に効果的という訳ではなかった。
- これらの結果は相関関係があり、男性よりも女性の方が強い影響があった。
- コーヒー・紅茶・カフェインの摂取量と、軽度認知障害の発症や認知症への進行との関係性についてはよく分からなかった。
- 認知症とアルツハイマー病の予防については、ある研究では関係性がなさそうだとしているが、一方で他のケース・コントロール研究や長期のコホート研究ではコーヒー、紅茶、カフェインの摂取でプラスの効果があったと出ていた。
上記を見ていると、コーヒーは短期的にも長期的にも脳には良さそうだし、予防にも使えそうですね。但し、発症や進行に効くかはまだまだよく分からんと。
そもそもコーヒー摂取と認知障害の発症リスクを調べた先行研究の結果は一貫性がなかったため今回チェックしてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2016年2月までに発表されたコーヒー摂取と認知障害の発症リスクを調べた先行研究をPubMedとEmbaseで検索してみたそうな。続いてヒットしたコホート研究の中から質の高い研究をピックアップしていったそうで、最終的には9件の前向きコホート研究が基準を満たしていたらしい。この9件の前向きコホート研究の総サンプル数は34,282名だったそうで、追跡期間の範囲は1.3年~28年の間だったとのこと。
これらをメタ分析にかけてみたそうです。
結果は、
- 1日1~2杯のコーヒーを飲む人は1日1杯未満しかコーヒーを飲まない人と比較して、アルツハイマー病や認知機能低下、認知症といった認知障害の発症と逆相関(リスク比0.82)していた…!
- 1日3杯以上コーヒーを飲む人と1日1杯未満しかコーヒーを飲まない人を比較してみても、認知障害の発症について有意な関係性が見当たらなかった…!
- コーヒーの摂取量と認知障害の発症リスクの関係はJ字型だった…!
とのこと。
つまりこれまでの先行研究で矛盾が出た原因の可能性として、効果がJ字型だったから…!という可能性が出てきたってことですね。確かにこれなら納得できますな。
今回の研究によれば、1日1~2杯のコーヒーが認知障害発症リスクにはベスト…!って感じですね。
1日100~400mgという適度な量のカフェインをコーヒーか緑茶で摂るのが理想的…!
2020年のアムステルダム自由大学医療センターの研究によると、コーヒーなどのカフェインの摂取と認知機能低下・認知症の関係について系統的レビューで調べてみたそうです。
今まで見てきた通り、そもそも先行研究では、カフェインと認知症・認知機能低下リスクの関係の結果がまちまちで本当のところどうなのか分かっていなかったんですよね。
そこで今回研究者たちは、
- カフェインと認知症・認知機能低下リスクは関係あるのか…?
- すでに認知障害のある人、つまり軽度認知障害や認知症患者の認知能力とカフェインに関係があるのか…?
- カフェイン源や量、年齢や性別によって結果に違いが出るのか…?
の3点をチェックしていくことにしたんだそうな。
まず2020年6月2日までに発表されているカフェインと認知機能低下・認知症リスクの先行研究をPubMedとWeb of Scienceという2つのデータベースを用いて検索してみたそうです。次に英文のヒトを対象とした研究であるか、査読済みであるか、質が低い研究でないか、重複した研究でないかなどをチェックしつつ精査していったらしい。
因みに多くの研究で、軽度認知障害と認知症患者がごちゃ混ぜになっていたので、認知障害のある人としてまとめたそう。
またカフェインの摂取量については、
- 低カフェイン摂取:1日100mg未満
- 中カフェイン摂取:1日100~400mg
- 高カフェイン摂取:1日400mgより多い
の3段階に分けたとのこと。
更にこれだけだとよく分からんので、飲料を例に見てみると、
- コーヒー:150mlで71~220mgのカフェイン
- 紅茶:150mlで32~42mgのカフェイン
って感じみたい。
つまり、
- 低カフェイン摂取:コーヒー1日1杯未満・紅茶1日3杯未満
- 中カフェイン摂取:コーヒー1日1~4杯・紅茶1日3~10杯
- 高カフェイン摂取:コーヒー1日4杯より多い・紅茶1日10杯より多い
が目安となります。
話しを戻しまして、研究を検索した結果、最初629件がヒットしたそうで、最終的に基準を満たしていた研究は61件だったそうです。
この61件の内訳は、
- コホート研究:48件
- ケース・コントロール研究:9件
- ランダム化比較試験:3件
- パイロット研究:1件
って感じとなっておりました。
また61件の研究は1990年~2020年の間に発表されておりまして24か国で実施されていたんだとか。この内訳も一応記載しておきますと、
- アメリカ:10件
- 日本:9件
- 中国:8件
- イギリス:4件
- フィンランド:2件
- オランダ:3件
- 台湾:3件
- カナダ:2件
- フランス:2件
- ポルトガル:2件
- シンガポール:2件
- イタリア:1件
- オーストラリア:1件
- ブラジル:1件
- ドイツ:1件
- イラン:1件
- アイルランド:1件
- ヨルダン:1件
- ノルウェー:1件
- スコットランド:1件
- 韓国:1件
- スペイン:1件
- スウェーデン:1件
- スイス1件
- フィンランド・イタリア・オランダの共同研究:1件
って感じです。
世界中の国や地域から選ばれているのも良い感じですし、日本の研究が9件も選ばれているのも嬉しいですな。因みに総サンプル数は153,359人(対照群を除く)とのことでこちらもなかなかよろしいのではないでしょうか。
では結果を見てみましょう…!
まずは、カフェインと認知症・認知機能低下リスクは関係あるのか…?についての結果です。
まずは、カフェインと認知症・認知機能低下リスクは関係あるのか…?についての結果です。
- 該当する研究は61件中57件だった(総サンプル数153,070人)
- 153,070人のうち40,707人(27%)が、カフェインと認知症・認知機能低下リスクには正の相関関係があるとの結果だった…!
- 153,070人のうち71,219人(47%)が、カフェイン摂取量やカフェインを含む食品の種類、性別、年齢、カフェインの摂取期間(短期or長期)などによっては効果があるとの結果が出ていた…!
- 153,070人のうち41,144人(27%)が、カフェインと認知症・認知機能低下リスクには関係がないとの結果だった…!
これを見るに効果があるなしは同じ割合なんですねー。そして条件によって効果がある場合の割合が一番大きいと…。
続きまして、すでに認知障害のある人、つまり軽度認知障害や認知症患者の認知能力とカフェインに関係があるのか…?についての結果です。
- 該当する研究は4件の研究(総サンプル数289人)だった。
- すでに認知障害のある人(軽度認知障害や認知症患者)289人のうち272人(94%)で、カフェインと認知能力にプラスの効果があった…!
すでに認知機能に問題がある方にもカフェインが効果的…!ってのは嬉しい結果ですな。
最後は、カフェイン源や量、年齢や性別によって結果に違いが出るのか…?についての結果です。
まずはカフェイン源ですが、研究の内訳を見てみますと、
- コーヒーベース:29件(総サンプル数103,321人)
- お茶ベース:30件(総サンプル数59,309人)
- 複数のカフェイン源:15件(総サンプル数25,928人)
- 純粋なカフェイン:2件(総サンプル数70人)
って感じで更にお茶ベースを細かくすると、
- 緑茶:13件(総サンプル数32,295人)
- 紅茶・ウーロン茶:7件(総サンプル数19,635人)
- その他のお茶又は指定がないお茶:19件(総サンプル数37,648人)
って感じ。
まずコーヒーベースを使った場合はこんな結果でした。
- 103,321人のうち29,515人(29%)で、コーヒーによるカフェイン摂取により認知症・認知機能低下リスクと正の相関関係があるとの結果だった…!
- 103,321人のうち31,681人(31%)がコーヒーの摂取量(適量が効果的)、性別(女性の方が効果的)、年齢(65~74歳の高齢者の方が効果的)、期間(長期よりも短期の方が効果的)との結果だった…!
- 103,321人のうち42,125人(41%)は、コーヒーによるカフェイン摂取により認知症・認知機能低下リスクには関係がないとの結果だった…!
- 2件のコーヒーの研究では、長期的な場合や習慣的な摂取はマイナスの効果だったが、短期的な場合と適度なカフェイン摂取頻度や濃度の場合はプラスの効果だった…!
続いてお茶ベースを使った場合はこんな結果でした。
- 59,309人のうち25,381人(43%)で、お茶ベースによるカフェイン摂取により認知症・認知機能低下リスクには効果的だった…!
- 59,309人のうち9,372人(16%)で、お茶ベースによるカフェイン摂取により認知症・認知機能低下リスクには関係がないとの結果だった…!
- 紅茶・ウーロン茶(29%)に比べて緑茶(39%)やその他のお茶又は指定がないお茶(37%)は効果的だという研究が多かった…!
- 19,634人のうち14,603人(74%)というほとんどの研究で、紅茶・ウーロン茶は認知症・認知機能低下リスクには関係がないとの結果だった…!
お茶は全体的にみたら効果アリだけど、これは緑茶のおかげみたいですね。んで紅茶やウーロン茶は意味がないと。
お次はカフェイン量をチェックしておきましょう。
- 低カフェイン摂取(1日100mg未満)の研究は29件で総サンプル数は68,470人だった。
- 中カフェイン摂取(1日100~400mg)の研究は35件で総サンプル数は111,776人だった。
- 高カフェイン摂取(1日400mgより多い)の研究は14件で総サンプル数は69,039人だった。
- 低カフェイン摂取(29件中11件)と高カフェイン摂取(14件中5件)の研究では、認知症や認知機能低下リスクに関する関係は見当たらなかった…!
- 中カフェイン摂取(35件中27件)の研究では、認知機能とのプラスの関係性が見つかった…!
- 中カフェイン摂取は、特に緑茶で摂取すると、認知症・認知機能低下リスクを低下させる可能性があった…!
つまり、1日100~400mgという適度な量のカフェインをコーヒーか緑茶で摂るのが理想的…!ってことですね。この辺もコーヒーの摂取量と認知障害の発症リスクの関係はJ字型だったっていう話と通じますな。
また研究者によれば、データからはカフェイン摂取が認知機能に及ぼす悪影響の証拠は限定的だったそう。基本は気にしなくてOKみたいですね。
最後は年齢と性別をチェックします。
- 65~74歳と35~64歳を比べた研究、70歳以上と70歳未満を比べた研究、90歳と70歳を比べた研究では、高齢者の方がカフェインの効果をより受けやすかった…!
- しかし60歳以上と70歳以上を比べた研究と特に70歳未満で効果が見られることが示された研究というのもあった…!
- 男性に比べて女性の方がカフェインの効果をより受けやすかった…!
年齢の方は高齢者が有利そうなものの確定って感じではないですね。
また男性よりも女性の方が効果が出た理由ですが、研究者たちは2011年のニューヨーク州立大学バッファロー校の研究結果から、テストステロンやエストロゲンなどのホルモンレベルが関係しているんじゃないかな~?って思っているみたいです。
1日100~400mgのカフェインの摂取をコーヒーや緑茶で摂ると、認知症や認知機能低下を予防したり、すでに認知障害のある人の認知機能低下を防ぐ可能性がありそうですね。またこの効果は女性の方が受けやすそうだと。
更に研究者はカフェイン量は少なすぎても多すぎても良くないと強調しておりまして、特に過剰なカフェイン摂取は不安などのデメリットが出てしまい、メリットを上回る可能性があるから注意した方が良いよ…!とおっしゃっておりました。
それとカフェイン耐性による個人差にも触れておりまして、同じ量を摂取しても人によって効果に違いがあるかもしれないよ~ってことでした。
以上を踏まえつつも、やはりコーヒー(カフェイン)は積極的に飲んでいきたいですな。
コーヒーは1日2,3杯、お茶は飲めば飲むほど認知障害・認知症・認知機能低下に良さそう…!
そもそも今まで見てきたように、コーヒーと認知機能の関係の研究って結果がまちまちで一致していないという問題がありました。そこで研究者たちはメタ分析して調べてみよう…!となってみたい。
ということでまず2020年6月4日までに発表された当てはまる先行研究を4つのデータベース(MEDLINE(PubMedで検索)、Web of Science、Embase、Cochrane)を用いて検索しまくったそうです。
続いて、重複している研究や無関係な研究、認知症や軽度認知障害の詳細が不明な研究なんかを除外していったらしい。最終的に基準を満たした研究は29件でして、これらの前向きコホート研究をメタ分析にかけてみたんだとか。
因みに29件の研究の内訳ですが、
- アルコールのみ調べた研究:14件
- コーヒーのみ調べた研究:9件
- お茶のみ調べた研究:3件
- アルコールとコーヒーを調べた研究:2件
- コーヒーとお茶を調べた研究:1件
となっております。
それでは結果を見てみます。
- 1日11g未満のアルコールを摂取する人は、お酒を飲まない人に比べて、認知障害や認知症リスクが低下していた…!
- 1日11gを超えるアルコールを摂取する人は、お酒を飲まない人に比べて、認知障害や認知症リスクが増加していた…!
- 1日2.8杯未満のコーヒーを摂取する人は、コーヒーを飲まない人に比べて、認知障害リスクが低下していた…!
- 1日2.3杯未満のコーヒーを摂取する人は、コーヒーを飲まない人に比べて、軽度認知障害を除いた認知症リスクが低下していた…!
- 1日1杯のお茶を飲むと認知障害リスクが6%も低下しており、1日2杯飲むと11%も低下していた…!
- お茶は飲めば飲むほど認知障害リスクが低下していた…!
ということで、コーヒーは1日2,3杯、お茶は飲めば飲むほど認知障害・認知症・認知機能低下に良さそうですね。
コーヒーや緑茶、ウーロン茶、カフェイン摂取は心血管疾患予防になる…!
2009年の京都大学の前向きコホート研究によると、コーヒーや緑茶、紅茶、ウーロン茶の摂取量と心血管疾患(CVD)の関係について調べてみたそうです。…っとこう書くと、似たような研究はたくさんあるんですが、今回注目したいのが、対象者が日本人男女ということ。コーヒーの効果って兎角アメリカ人を対象にしたものが多いんで日本人にも同様の効果があるのか大変参考になるんですよね。ありがたや…。
これらの飲料の摂取とCVDによる死亡リスクとの関係を調べるため、この研究は脳卒中や冠状動脈性心疾患(CHD)、がんになったことがない健康な日本人男女76,979人を対象にしておりまして、年齢は40~79歳の範囲だったとのこと。
この方々に毎日の飲料摂取量をアンケート調査してコーヒーや緑茶、紅茶、ウーロン茶と心血管疾患の死亡リスクと照らし合わせてみたらしい。その結果、1年間に換算すると1,010,787人分のデータが集まったそうで、そのうちの1,362人が脳卒中でお亡くなりに、冠状動脈性心疾患で650人の方が亡くなってしまったそうです。
そして飲み物との関連性は以下のようだったそうな。
- 週に1~6杯コーヒーを飲む男性は飲まない男性に比べて、脳卒中の死亡リスクが0.78と低かった…!
- 1日1~2杯コーヒーを飲む男性は飲まない男性に比べて、脳卒中の死亡リスクが0.67と低かった…!
- 1日3杯以上コーヒーを飲む男性は飲まない男性に比べて、脳卒中の死亡リスクが0.45と低かった…!
- 週に1~6杯緑茶を飲む女性は飲まない女性に比べて、冠状動脈性心疾患の死亡リスクが0.34と低かった…!
- 1日1~2杯緑茶を飲む女性は飲まない女性に比べて、冠状動脈性心疾患の死亡リスクが0.28と低かった…!
- 1日3~5杯緑茶を飲む女性は飲まない女性に比べて、冠状動脈性心疾患の死亡リスクが0.39と低かった…!
- 1日6杯以上緑茶を飲む女性は飲まない女性に比べて、冠状動脈性心疾患の死亡リスクが0.42と低かった…!
- 1日1杯以上ウーロン茶を飲む男性は飲まない男性に比べて、心血管疾患の死亡リスクが0.39と低かった…!
どうやらコーヒーや緑茶、ウーロン茶は脳や血管、心臓の死亡リスクを低下してくれるみたいですね。
また、カフェインの摂取量と心血管疾患の関係については、
- 上から2番目に高いカフェイン摂取量のグループが一番効果が高く、男性で38%、女性で22%も死亡リスクが低下していた…!
ってことなんで、カフェインもやはりポイントみたいです。
ということでコーヒーや緑茶、ウーロン茶を積極的に飲みつつ、カフェインも摂り過ぎない程度に摂ることによって心血管疾患予防になるみたいです。
カフェインのアデノシンブロック機能は様々な影響を与える…!
カフェインの特徴の一つに、アデノシンのブロック機能というものがございます。
アデノシンは俗に疲労物質と呼ばれておりまして、頭を使う作業なんかをすると脳内に分泌され疲労を感じるようになっております。また疲れると眠くなるのもアデノシンの効果の一つとなっております(1997年のハーバード大学の研究や2002年のヘルシンキ大学の研究より)。そのため眠気覚ましや集中力アップにカフェインが効果的なんですよね。
それでは早速カフェインによってアデノシンがブロックされるとどのような影響が起こるのか見ていきましょう。
まず2006年のアメリカ国立衛生研究所の研究からです。この研究はアデノシンの研究をレビューしたものなんですが、カフェインによりアデノシン受容体をブロックすることにより、
- 代謝
- 心血管系
- 呼吸器系
- 体内炎症
- 神経調節
- 神経保護
に影響が出るんだとか。
特に脳内神経への影響は注目したい感じでして、例えば2011年のコインブラ大学の研究なんかを見てみると、虚血やてんかん、ハンチントン病にパーキンソン病、アルツハイマー病、うつ病や双極性障害、統合失調症に不安障害(恐怖症やパニック障害、全般性不安障害)とも関連がありそうな感じなんですよ。すごいですね~。
あと個人的に注目しているのはカフェインによるアデノシンブロックでのアミロイドβ(脳内のごみ・老廃物のこと)からの神経保護機能です。
2006年のコインブラ大学の研究では、マウスを対象にカフェインがアミロイドβによる認知障害を予防するか調べているんですが、一度にカフェインを大量摂取(30mg/kg)するか、毎日摂取(0.5mg/kg)すると効果があったんですよね。
更に2009年のサウスフロリダ大学の研究によると、ワーキングメモリに障害のある高齢マウスを対象に水又は水+カフェインを飲ませてみたそうです。すると実験開始から4~5週間後に、水+カフェインを与えられた高齢マウスは非常に優れたワーキングメモリを持っていたんだとか。また海馬(40%減少)と嗅内野(46%減少)のアミロイドβ沈着が大幅に減り、脳内アミロイドβレベルまで減っていたそうな。
つまり、カフェインのアデノシンブロック効果で脳内のアミロイドβレベルが低下し、それによってアルツハイマー病などの認知症・認知機能低下が防がれていたみたいです。
もう一つ個人的に注目しているのがメンタルへの影響でして、これにもカフェインのアデノシンブロック効果が関係しているみたいなんですよ。
というのも2015年のコインブラ大学の研究によると、カフェインのアデノシンブロックによって慢性ストレスからの気分障害(うつ病など)や記憶機能障害を防いでくれるというんですな。
んでその仕組みは2016年のコインブラ大学の研究によれば、どうやらアデノシンの特定の受容体にカフェインが効いて、異常なシナプスの可塑性とシナプスの毒性を制御しているっぽいんですよ。なんだかすごいですよね。
因みに2018年のジャウメ1世大学の研究によると、カフェインを摂取すると、胃や腸から血流を介して全身に行きわたるんだとか。そしてカフェインによるアデノシン受容体への効果は中枢神経系から末梢神経系と全体に広く分布しているんで、体の様々なところで効果を発揮するそうです。こんなところからもカフェインは大うつ病の治療に使えるかも…?って話になっているみたいです。
ということで今まで挙げてきたカフェイン効果は実はアデノシンブロック機能が働いているのが深く関わっていそうだよ…!というお話でした。
やっぱカフェインって面白い物質だと改めて思いますよね…!
この研究は、NSW毒物情報センター(NSWPIC:NSW Poisons Information Centre)っていうオーストラリアの国内最大の毒物コールセンターのデータを解析したものとのこと。なんでも、ここには年間約110,000件の電話があるそうで、オーストラリア国内の毒物関連の電話のおよそ50%に相当するんだとか。
このデータを解析しカフェイン入りエナジードリンクの問題を見てみたってことですね。因みに期間は2004年1月~2010年12月までの7年間とのことで、データベースでヒットした情報が該当するかどうか手動でチェックしたそうな。
では気になる結果を見てみましょう。
まず、この7年間にエナジードリンク問題で電話をかけてきた件数は全部で297件だったそうなんですが、
- 2004年は12件だったのに2010年には65件と年々増加していた…!
とのこと。
次にエナジードリンクを飲んで問題が起こった場面については、
- 1位:遊んでいる最中(217件)
- 2位:子供が誤って飲む(62件)
- 3位:意図的な過剰摂取(16件)
- 4位:その他(アレルギー反応1件、授乳中1件)
って感じ。
圧倒的に遊んでいる最中が多いみたいですな。
ではこの遊んでいる最中をもう少し詳しく見てみましょう…!
- 年齢の中央値は17歳だった。
- 男性の割合は57%だった。
- 一度に飲んだ本数は大きく異なっていた(中央値は5本だが範囲は1~80本とかなり広い)
- 46%の人(100人)が同時にアルコール(50人)やその他のカフェインを含む製品(44人)を摂取していた。
どうやら若い方がエナジードリンクと他の物を一緒に摂取する傾向があるみたいですね。
んで、ここからがメインの話でして、遊んでいる最中にエナジードリンク問題を経験した人は87%もいたそうな。
そしてエナジードリンク問題の具体的な症状としては、
- 胃や腸の不調
- 動悸や興奮、震えなど交感神経の不調
だったそうな。
更にひどい場合は、
- 幻覚
- 発作
- 不整脈
- 虚血性心疾患
などもあったらしい。そりゃ一気に大量のカフェインを摂取すればなりますわな。
因みに救急外来を受けた128人のうちアルコールなど別の物も同時に摂取していた人は57人だったそうなんで、約半数はエナジードリンクの他にアルコールやカフェインを摂取していたことになりますね。
それと2位にランクインにしていた子供が誤って飲むってのも軽くチェックしておきましょう。こちらは、平均年齢が38か月で範囲は7~120か月とのこと。
んで、おそらく14人がエナジードリンクの摂取が関係ありそうな症状だったそうで、最も多かったのは多動性だったそうな。因みにうち9人は病院での検査が必要だったらしい。まぁ、1,2歳の子どもにこれだけのカフェインは普通にヤバいですよね。
エナジードリンク1缶の中には300mgのカフェインが入っていることもありますんで、一本を一気に飲んでもヤバい感じ。また研究者によれば、成分表示よりもカフェインが多く入っている場合もあるとのことなんで、より気を付けた方が良さそうです。
それとカフェイン耐性が低い場合、たった50mgのカフェインでも心拍数の増加(頻脈)や興奮を引き起こす可能性があるそうなんで、個人差も十分留意する必要がありそうですね。
カフェインで骨密度が減少するのか…?
2001年のワシントン州立大学の研究によると、カフェインは高齢者の骨密度減少の原因なのか調べてみたそうです。
なんでも食事中のカフェイン摂取はカルシウムの減少を増加させるとのことで、若者の場合はカルシウムの吸収を高めることができるから問題ないけど、高齢者の場合、問題になるかもしれないんだとか。
ここについては矛盾した結果が出ているそうで、例えば、
- 112人の閉経後の女性を対象とした2年間の研究ではカフェインと骨密度の減少に関係がなかった。
- 2000年の研究でもカフェインとカルシウム摂取との関係性は見られなかった。
- 一方で、1994年の研究ではカフェイン摂取によりカルシウムの減少による骨密度減少があった。
って感じで、どうにも分からん感じ。
一応、閉経後の女性は、カルシウム摂取量が低くなりがちで1日440~744mgになるのに対し、逆にカフェイン摂取量は1日450~1,120mgと多くなりがちみたいなんで、この辺も関係していそうなんですよね。
そして、この辺を更に深掘りして調べたのが2001年のクレイトン大学の研究になります。
この研究は二重盲検のランダム化臨床試験でして、参加者は66~77歳の健康な女性489人(ほとんどが白人)の方々。
んで、実験は以下の3つを行ったそうな。
結果は以下のようになったそうです。
- 横断研究では、特に目立った結果はなかった。
- 縦断研究では、カフェインの摂取量が多い女性(-1.90±0.97%)はカフェインの摂取量が少ない女性(1.19±1.08%)よりも、脊椎の骨密度が有意に低かった…!
どうやらカフェインをたくさん摂取していると骨粗しょう症リスクがアップしてしまうみたいですね~。
更にビタミンD受容体(VDR)の遺伝子型とカフェイン摂取量を調べてみた結果、1日300mgを超えるカフェインを摂取していた場合、
- tt遺伝子型の女性(-1.98±1.22%)はTT遺伝子型(-0.34±1.42%)の女性よりも、脊椎の骨密度が有意に低かった…!
- tt遺伝子型の女性(-0.40±1.56%)はTT遺伝子型(0.79±1.49%)の女性よりも、大腿骨頸部の骨密度が有意に低かった…!
そうです。
対して、1日300mg未満のカフェインを摂取していた場合では、tt遺伝子型とTT遺伝子型に有意差はなかったそうな。
カフェイン量が少ない場合は個人差は関係なさそうだけど、多くなると遺伝子的に骨粗しょう症リスクが高まるタイプがいるっぽいですね。
ということで若者は気にしなくてOKですが高齢女性でカフェインをとりまくる人は注意した方が良いかも。特に骨粗しょう症リスクが高いと言われたことがある方は要注意っすな。
因みに骨密度を踏まえた適度なカフェイン摂取量は1日300mgまでってことになるんですが、目安としては、
- 淹れたてのコーヒーだと473mlまで
- 淹れたての紅茶だと946mlまで
ってことなんで、コーヒーだと大体2,3杯までということになります。
やっぱここでも1日2,3杯がベストなんですね~。
高ストレス状態の人が500mgのカフェインを摂取すると幻聴が聞こえやすくなる…!
2011年のラトローブ大学の研究によると、幻聴とカフェイン・ストレスの関係について調べてみたそうです。
この研究は男性35人、女性57人の計92人が参加したもので、参加者の中に聴覚障がいの方や精神疾患の方、向精神薬を使っている方、過去それらの病歴がある方はいなかったそうな。
まず参加者全員に現在自分が高ストレス状態か低ストレス状態かを聴きつつ、高カフェイングループと低カフェイングループに割り当てていったらしい。つまり全部で以下の4グループがあったわけですな。
- 低ストレス・低カフェイングループ
- 低ストレス・高カフェイングループ
- 高ストレス・低カフェイングループ
- 高ストレス・高カフェイングループ
続いて参加者全員にホワイトノイズ(昔のテレビの砂嵐音みたいな音)を聞いてもらったそうで、その際、ホワイトノイズ中にホワイトクリスマスの歌が聞こえたら報告するように求められたんだとか。んがしかし、実際そんな曲は一度も流れておりません。これで幻聴が聞こえたかどうかを判断したってことですね。
この結果がどうだったかといいますと、
- ストレスとカフェインのダブルの効果によって幻聴(ホワイトクリスマス)を聞く頻度が多くなっていた…!
- 高ストレス・高カフェイングループは、より多くの幻聴を引き起こすことが明らかになった…!
とのこと。
日々の生活でストレスフルな状態が続いている人(慢性ストレスを持っている人)が、カフェインをたくさん摂取するとヤバそうですね~。
因みにこの研究の高カフェインは、一度に500mgのカフェインを摂取したらしいんで、コーヒーをがぶがぶ飲みまくったり、エナジードリンクを一気飲みしたら到達してしまいますな。
ということで高ストレス者はカフェインをたくさん飲まない方が良さげな感じです。
カフェインと精神障害(不安障害・睡眠障害・摂食障害・統合失調症)の関係性
2005年のウォーリック大学の研究によると、カフェインがもたらすメンタルへの影響について既存の研究をレビューしてみたそうです。
なんでもカフェインの摂取量は、平均よりも精神病患者さんの方が多い可能性があるそうで、また、カフェインの使用は不安障害や睡眠障害、摂食障害、統合失調症といった精神障害との関係もありそうな感じとのこと。
ではそれぞれの関係性についてもうちょい詳しく見ていきましょう。
カフェインと不安障害
カフェインを過剰摂取すると不安障害に似た症状が起こるそうで、どちらも交感神経が過剰に活動するのが原因なんじゃないかとのこと。またカフェイン中毒の症状は不安障害の症状と区別できない感じらしい。んで、カフェイン中毒ってのは1日1000~1500mgのカフェインの摂取と関係があるとのことで、カフェインの不安感増加に関しては先行研究で何度も確認されているんだとか。
またカフェインは不安障害の発症や悪化、継続とも関係していそうで、特にパニック障害と社交不安障害(社交不安症・社交恐怖症)の人は注意した方が良さそうな感じ。というのもカフェインでパニック発作になる可能性があるんですよ。一方でカフェイン断ちを行うことによって不安症状が改善したって話もあるらしい。
カフェインと睡眠障害
これはもはや、言わずもがなでしょう。カフェインが睡眠の邪魔をするのは有名な話ですし、ここで詳しく説明は要らないかと思います。まぁ、ポイントとしては、夕方以降に高カフェインを摂取すると、入眠潜時(眠りにつくまでの時間)が長くなる傾向にあるんで、そこを注意しておくのが良い感じっすね。それとこの入眠潜時が長くなる問題は特に高齢者の場合が出やすいんでより注意しておきたいところですね。
カフェインと摂食障害
摂食障害には、過食症(食べるのが止まらない)と拒食症(食べられない・食べても吐いてしまう)というものがありますが、カフェインはそのどちらとも関係がありそうとのこと。というのも、
- 過食症:カフェインは代謝をアップし、食欲を抑制するから大量に食べていいとなり食べ過ぎにつながる
- 拒食症:カフェインは代謝をアップし、食欲を抑制するからもっと痩せられるという思い込みにつながる
から。
その結果、カフェイン飲料を大量に飲むことがよくあるんだとか。
また摂食障害の方を対象に1日のカフェイン摂取量を調べた研究によると、
- 1日750mg以上のカフェインを摂取している人は14.6%だった…!
- 1日250~750mgのカフェインを摂取している人は39.2%だった…!
- 1日250mg未満のカフェインを摂取している人は46.3%だった…!
って感じで、明らかに多く、しかも1日750mg以上・1日250~750mgの人は1日250mg未満の人と比較して、過食の頻度がより多かったそうです。更に1日750mg以上の人は下剤やダイエット薬を誤って服薬する可能性が高く、不安レベルも高かったんだとか。
カフェインと統合失調症
カフェインと統合失調症の関係はまだよく分からないところが多いものの、あやしい感じはあるんですよね。
そもそもアデノシンはドーパミンを動かす物質を邪魔する働きがあるんですが、一方でカフェインはアデノシンをブロックする機能がございます。つまりカフェインでアデノシンをブロックするとドーパミンは活性化しやすくなり、これが精神病の症状を悪化させる可能性があるんですよ。
そして統合失調症の方は平均よりもカフェインの摂取量が多いって話もいくつかありまして、例えば統合失調症の入院患者さんのカフェイン摂取量を調べた研究によれば、
- 統合失調症の入院患者さんの71%が1日に500mg以上のカフェインを摂取していた…!
とのこと。
また別の研究では、
- 統合失調症の入院患者さん26人の1日の平均カフェイン摂取量は503mgだった…!
- そのうちの38%の方が555mg以上摂取していた…!
って感じで、どうやら1日500mg以上摂ることが多いみたい。余談ですが、前回ご紹介した研究では、高ストレス+500mgのカフェインで幻聴が聞こえやすくなったんで、統合失調症の幻聴っていう症状はカフェインの大量摂取も関係しているのかもしれんですな。
ではなぜこんなに統合失調症の方がカフェインを大量に摂取したくなるかですが、原因の一つにタバコ(喫煙)が関係していそうです。というのも研究によれば、統合失調症の患者さんの約80%が喫煙するって結果だったらしい。
つまりヘビースモーカーが入院してタバコを吸えなくなるとその代りにより多くのカフェインを使用する可能性があるそうな。まぁ、有り得る話ですね。
上記を見ると、カフェイン怖い…!ってついビビりがちになっちゃうんですが、基本的に精神障がいをお持ちの方で1日にカフェインを大量に飲んだらヤバい…!って話です。一つの基準としては1日500mg以上がヤバそうな感じなんで、ここは抑えておきたいポイントっすな。
そんで500mgって飲料だとどんぐらいなんだ…?ってなるんですが、イギリス食品基準庁によれば、平均的なカフェインは
- 淹れたてのコーヒー1杯:100mg
- インスタントコーヒー1杯:75mg
- 紅茶1杯:50mg
ってことなんで、コーヒー5杯又はインスタントコーヒー7杯弱までって感じです。
因みに米国農務省と全米コーヒー協会(NCA)によれば、淹れたてのコーヒー1杯(172g・6オンス)のカフェイン含有量は約103mgってことなんで、コーヒーは1杯100mgのカフェインが含まれていると覚えておくとよろしいかと思います。
カフェインも適度な量がベストということで、やっぱり何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しだと改めて思った次第です。
コーヒーの健康効果についてアンブレラレビューを行い調べてみた…!
2017年のサウサンプトン大学の研究によると、コーヒーの健康効果についてアンブレラレビューを行い調べてみたそうです。
そもそもコーヒーが健康に良いのか悪いのかって問題を調べるために、全体の死亡リスクや癌、心血管系、代謝系、神経系、筋骨格系、胃腸系、肝臓系、妊娠などなど、様々な角度から調査しております。そして研究方法は、横断研究や症例対照研究が多く、そこから系統的レビューやメタ分析をすることも良くあります。んがしかし、結果はマチマチでよく分からんところがあるんですよね。
そもそもコーヒーが健康に良いのか悪いのかって問題を調べるために、全体の死亡リスクや癌、心血管系、代謝系、神経系、筋骨格系、胃腸系、肝臓系、妊娠などなど、様々な角度から調査しております。そして研究方法は、横断研究や症例対照研究が多く、そこから系統的レビューやメタ分析をすることも良くあります。んがしかし、結果はマチマチでよく分からんところがあるんですよね。
そのため、今回、既存のメタ分析を用いてアンブレラレビューを行うことにしてみたんだとか。
ということでまず研究者たちは、2017年7月までに発表された該当する先行研究を検索する為、PubMed、Embase、CINAHL、コクランを使ってみたそうな。またその際、メタ分析を行わない系統的レビューは除外したとのこと。
その結果、
- PubMed→471件がヒット…!
- Embase→872件がヒット…!
- CINAHL→440件がヒット…!
- コクラン→31件がヒット…!
ってことで全部で1,814件もの研究が見つかったみたい。
続いてこの中から研究がダブっているものや質の低い研究を除外していったそうで、最終的には、
これらを用いてコーヒーのメリット・デメリットを導き出したそうです。
では、じっくり見ていきますか~。
まずは全死亡リスクから。
- 1日3杯のコーヒーを飲んだ人は飲まない人に比べて、全死亡リスクが17%(0.83、0.83~0.88)も低かった…!
- この結果に性差の違いは関係なかった…!
- 1日1杯のコーヒーで全死亡リスクが4%(0.96、0.94~0.97)低くなっていた…!
- コーヒーと全死亡率との関係は全てのメタ分析で一貫していた…!
- 1日3杯のカフェインレスコーヒーを飲むと、全死亡リスクが11%(0.89、0.85~0.93)低くなっていた…!
つまり、男女に関係なく、カフェインありなしに関わらず、コーヒーを飲むとあらゆる死亡率が低くなる…!ってことですね。そしてベストは1日3杯だと…。
続いて心血管系(循環器系)の結果を見ていきます。
まずは死亡リスクから。
- コーヒーの摂取で心血管疾患(CVD)リスク、冠状動脈性心疾患(CHD)リスク、脳卒中の死亡リスクが一貫して低下していた…!
- この効果を最も受けるためには1日3杯がベストみたいだった…!
- 心血管疾患(CVD)による死亡リスクは19%(0.81、0.72~0.90)も低かった…!
- 冠状動脈性心疾患(CHD)による死亡リスクは16%(0.84、0.71~0.99)も低かった…!
- 脳卒中による死亡リスクは30%(0.70、0.57~0.86)も低かった…!
- 1日3杯以上でもデメリットはなかったけどメリットも有意なレベルに達しなかった。
- 女性は男性よりもたくさん飲むと、心血管疾患や冠状動脈性心疾患による死亡リスクを下げられそうだったが、脳卒中は変わらなそうだった。
- 1日1杯のコーヒーで心血管系の死亡リスクが2%(0.98、0.95~1.00)低くなっていた…!
- 心筋梗塞後のコーヒー摂取量が多い場合と少ない場合で、死亡リスクが減る可能性があった。
発症リスクはこんな感じ。
- 1日3~5杯のコーヒーを飲むと心血管疾患の発症リスクが15%(0.85、0.80~0.90)も低くなっていた…!
- 1日3~5杯のコーヒーを飲むと冠状動脈性心疾患の発症リスクが10%(0.90、0.84~0.97)も低くなっていた…!
- 1日3~5杯のコーヒーを飲むと脳卒中の発症リスクが20%(0.80、0.75~0.86)も低くなっていた…!
- この結果に性差の違いは関係なかった…!
- 1日4杯のコーヒーを飲むと心不全の発症リスクが11%(0.89、0.81~0.99)も低くなっていた…!但し1日10杯以上で心不全の発症リスクがわずかに高くなっていた。
どうやら心疾患にも間違いなくコーヒーは良さげですね~。そしてこちらも1日3杯が良さそうだと。
因みに血圧に関しては良さそうな雰囲気があったものの有意とまではいかなかったみたい。ただ、期待が持てそうな感じでした。
次はガン(癌)リスクをチェックしておきますか。
- コーヒーの摂取量がたくさん飲む場合とちょっと飲む場合で、ガンリスクは18%(0.82、0.74~0.89)も低かった…!
- コーヒーを飲んでいる人は飲んでいない人に比べて、ガンリスクが13%(0.87、0.82~0.92)も低かった…!
- 1日1杯のコーヒーでガンリスクが3%(0.97、0.96~0.98)低かった…!
- 非喫煙者の場合、1日1杯のコーヒーでガンによる死亡リスクが2%(0.98、0.96~1.00)低かった…!
- 喫煙者の場合、コーヒーでガンによる死亡リスクは上がっていた…。特に1日4杯を超えるとヤバかった…!
- コーヒーの摂取量がたくさん飲む場合とちょっと飲む場合では、前立腺がん、子宮内膜がん、メラノーマ(皮膚がん)、口腔がん、白血病、メラノーマ以外の皮膚がん、肝臓がんのリスクが低下していた…!
- コーヒーを飲むと肺がんリスクはアップしていた(オッズ比1.56)。但し、喫煙の有無を調整するとタバコを吸わない人は関係なかった…!
- あるメタ分析では、タバコを吸わない人は吸う人に比べて、肺がんリスクが8%(0.92、0.75~1.10)も低かった…!
- カフェインレスコーヒーをたくさん飲む場合とちょっと飲む場合で、肺がんリスクが低くなっていた…!
- あるメタ分析では、コーヒーを飲む人はそうでない人に比べて、尿路がんリスク(オッズ比1.18)が高かった。但し、膀胱がんと腎臓がんを別々にしたコホート研究のメタ分析では、有意な関係はなかった…!
- コーヒーと胃がん、結腸直腸がん、卵巣がん、甲状腺がん、乳がん、膵臓がん、食道がん、喉頭がん、リンパ腫、または神経膠腫(脳腫瘍)のリスクは関係なかった。
コーヒーがあらゆるがん対策になるわけではないものの、ある程度のガンリスクを下げる力はありそうですねー。そして特にガンリスクを上げるものもなさそうな感じ。デメリットがないってのも素晴らしいですな。但し、タバコ+コーヒーの肺ガンリスクだけはかなりヤバそうなんで、ここは注意が必要っすね。
次は肝臓と胃腸の健康リスクを見てみましょう。
- 上記の通りコーヒーは肝臓がんリスクを下げる働きがあった…!
- コーヒーは、非アルコール性脂肪性肝疾患リスクを29%(0.71、0.60~0.85)も下げていた…!
- コーヒーは、肝臓の線維化リスクを27%(0.73、0.56~0.94)も下げていた…!
- コーヒーは、肝硬変リスクを11%(0.89、0.73~1.08)も下げていた…!
- コーヒーをたくさん飲む場合とちょっと飲む場合で、肝硬変リスクが31%(0.69、0.44~1.07)低くなっていた…!
- 1日1杯のコーヒーで肝硬変リスクが23%(0.77、0.64~0.87)低くなっていた…!
- 1日1杯のコーヒーで肝硬変による死亡リスクが26%(0.74、0.59~0.86)低くなっていた…!
- コーヒーは、胆石症リスクの大幅な低下と一貫して関係していた…!
- 1日2~6杯のコーヒーで胆石症リスクは低下していた…!
- 逆流性食道炎のリスクはわずかに高かったが有意ではなかった。
コーヒーは肝臓にも良さそうですね~。
今度は代謝性疾患についての結果です。
- コーヒーをたくさん飲む場合とちょっと飲む場合、2型糖尿病リスクが30%(0.70、0.65 ~ 0.75)低くなっていた…!
- 1日1杯のコーヒーで2型糖尿病リスクが6%(0.94、0.93~0.95)低くなっていた…!
- 1日1~6杯の間で、コーヒーの摂取量が増えるごとに2型糖尿病リスクが低くなったという研究もあった…!
- カフェインレスコーヒーでも、同じぐらい2型糖尿病リスクが下がっていた…!
- メタボリックシンドロームの場合、コーヒーをたくさん飲む場合とちょっと飲む場合、2型糖尿病リスクが9%(0.91、0.86~0.95)低くなっていた…!
- コーヒーをたくさん飲む場合とちょっと飲む場合、腎結石や痛風リスクが有意に低下していた…!
糖尿病にもコーヒーは良い感じですな。
次は腎臓ですねー。
- コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて、尿失禁や慢性腎臓病(CKD)リスクが低下していた…!但し、どちらも有意性はなかった。
どうやら腎臓はあんま関係なさそうですね。
次は筋骨格系の結果を確認しますか。
- コーヒーと筋骨格系の結果は矛盾していた。
- 女性は骨折リスクが増加(1.14、1.05~1.24)していた…!
- 男性は骨折リスクが減少(0.76、0.62~0.94)していた…!
よく分からん感じなものの、もしかしたら女性はちょっとデメリットがあるかもしれないですな。
今度は神経系ですね。
- コーヒーは喫煙による変数を調整した後でも、パーキンソン病リスクが低下していた…!
- カフェインレスコーヒーもパーキンソン病リスクの低下と関係があった…!但し、有意差はなかった。
- コーヒーを飲むと、うつ病、認知障害、アルツハイマー病リスクが27%(0.73、0.55 ~ 0.97)も低下していた…!
コーヒーは脳機能やメンタルに関わる部分にも良さそうですね~。
最後は女性に関係する項目の結果です。
- コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて、子宮内膜症リスクが高かった…!しかし有意差はなかった。
- コーヒーと妊娠に関連するデメリットはどうやらありそうな感じだった。
- コーヒーをたくさん飲む人とちょっと飲む人は、低出生体重児のリスクが31%(1.31、1.03~1.67)高かった…。
- コーヒーをたくさん飲む人とちょっと飲む人は、流産リスクが46%(1.46、1.06~1.99)高かった…。
- コーヒーをたくさん飲む人とちょっと飲む人は、早産リスクが第1学期22%(1.22、1.00~1.49)、第2学期12%(1.12、1.02〜1.22)高かった…。
- 但し、コーヒーと、第3学期の早産、神経管閉鎖不全、口唇口蓋裂、心血管系の先天異常に有意な関係性は見当たらなかった。
- またコクランのRCT・メタ分析によれば、コーヒー・カフェインと出生体重、早産に有意な関係性はなかった。
- 妊娠中にコーヒーをたくさん飲んだ人とちょっと飲んだ人は小児白血病リスクが57%(1.57、1.16~2.11)も高かった…。
- 妊娠中にコーヒーを飲んだ人は飲まなかった人に比べて、小児白血病リスクが44%(1.44、1.07~1.92)も高かった…。
ということで、妊娠している女性に関しては、コーヒーの摂取は控えた方が良さそうな感じでした。
ということでコーヒーの健康関係のメリットデメリットをまとめますと、コーヒーを飲むことによるメリットは、
- 全死亡リスク
- 心血管死亡リスク
- 全てのがん死亡リスク
- 前立腺がん、子宮内膜がん、メラノーマ(皮膚がん)、口腔がん、白血病、メラノーマ以外の皮膚がん、肝臓がんなどの特定のガンリスク
- 2型糖尿病リスク
- メタボリスク
- 胆石リスク
- 痛風リスク
- 腎結石リスク
- 肝臓の線維化リスク
- 肝硬変リスク
- 肝硬変死亡リスク
- パーキンソン病リスク
- うつ病リスク
- 認知障害リスク
- アルツハイマー病リスク
の低下となります。
一方で、コーヒーを飲むことによるデメリットは、
- 妊娠している女性の場合、胎児への健康リスク
- 女性の骨折リスク
がありそうな感じです。
これだけの健康メリットが多い理由は、やはりコーヒーに含まれる抗酸化物質のおかげみたいでして、抗酸化物質の毎日の摂取量の大部分を補えるからなんだとか。そしてその抗酸化物質による高い抗酸化作用・抗炎症作用がこれほどの健康メリットを引き出しているんだと。
確かにコーヒーにはカフェインやクロロゲン酸、ジテルペン、カフェストール、カーウェオールなどがたんまり入っておりますし、抗酸化物質もお茶、果物、野菜よりも多く含まれておりますもんね。
それと今回の研究では、カフェインレスコーヒーに目立った健康上のデメリットが見当たらなかったそうなんで、カフェインのあるなしでデメリットが変わることはなさそうな感じです。
最後にコーヒーをどれぐらい飲めばベストなのかですが、研究者曰く、
- おそらく1日3〜4杯がベストだろう
ってことなんで、やっぱり1日3杯が良さげな感じでした。
但し、繰り返しになりますが、妊娠中又は妊娠の可能性がある女性、骨折リスクが高い女性は、注意した方が良さそうです。
コーヒーとカフェインの健康リスクについてアンブレラレビューを行ってみた…!
2017年のカターニア大学の研究によると、コーヒーとカフェインの健康リスクについてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
まず研究者たちは、2016年8月までに発表された該当する観察研究のメタ分析とRCTのメタ分析をMEDLINEとEmbaseで検索してみたそうな。すると244件の研究がヒットしたとのこと。次に各研究の質をチェックし、精査していったみたい。
最終的に選ばれた研究は127件でして内訳は以下な感じ。
- 観察研究のメタ分析:121件。そのうちコーヒーが112件、カフェインが20件。
- RCTのメタ分析:7件。そのうちコーヒーが4件、カフェインが5件。
それでは早速結果を見てみましょうか。
- 観察研究のメタ分析をまとめた結果、コーヒーは、乳がん、大腸がん、結腸がん、子宮体がん、前立腺がん、心血管疾患(CVD)と死亡リスク、パーキンソン病、2型糖尿病のリスク低下と関係していた…!
- 観察研究のメタ分析をまとめた結果、カフェインは、パーキンソン病、2型糖尿病のリスク低下と関係していた…!流産リスクが増加していた。
- RCTのメタ分析をまとめた結果、コーヒーは、血清脂質の増加と関係していた。但し各研究結果のばらつきが大きかったせいだった。
- RCTのメタ分析をまとめた結果、カフェインは、血圧の増加と関係していた。
やっぱコーヒーは概ね健康に良さそうですね。
個人的考察
以上の研究を全て踏まえた上でのベストなコーヒーの摂取量は、
- 1日2~3杯のコーヒーがベスト…!
だと私は思いました。
もちろんカフェイン耐性は個々によってかなり差があるそうなので自分の耐性度合をセルフチェックして知っておき飲むのがよろしいかと思います。また定期的なカフェイン断ちも有効と思います。とにかく、頭が良くなり、集中もできて、ダイエット・筋トレ効果、果てはメンタルへの影響もあるのでオススメです。
それぞれのカフェイン含有量を知りたい方は下記からご覧ください。
参考文献
https://www.caffeineinformer.com/bad-memory-drink-more-caffeine
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2009-07/uosf-crm070109.php
https://www.nydailynews.com/life-style/health/coffee-treat-memory-loss-major-symptom-alzheimer-disease-study-article-1.426480
https://www.verywellfit.com/how-to-make-low-caloriecoffee-drinks-3495233
https://www.caffeineinformer.com/caffeine-great-for-athletes
https://www.caffeineinformer.com/caffeine-great-for-athletes