認知行動療法の基礎と展開「第1回目 オリエンテーション」
はじめに
前回ちょろっと書いた通り、今回の社内研修から認知行動療法について学んでいきます。
というのも実際どうして障がい福祉の研修では詳しく認知行動療法について学んだり、実践として使えるようなことを教えてくれる研修がなかなかないんですよね~。だから、名前だけ聞いたことある…!くらいの方も多いのではないでしょうか(私含め)
これは医療と福祉の問題でもあると思うんですが、なかなか連携が取れていないのが実情だったりするのも理由の一つなのかな~と思ったりもしています。
でも、就労支援含め、障がい福祉の方で認知行動療法について知っておくとかなり役立つんですよね~(脱フュージョンとか)
ということで、認知行動療法の研修がないなら社内研修でやればいいじゃないか…!という思いつきからスタートしました(笑)
また、時を同じくして、偶然かなり良い認知行動療法の動画を見つけてしまったんですよね~。
ということでこれはやらにゃいかん…!と更になったわけです。
動画の前にプロフィールのご紹介
読書の著者のときと同様に動画にでてくる人物がどんな人なのか知っておくのは超重要です。人となりが分かると会話が頭に入ってきやすい、記憶に残りやすいため、まずはプロフィールのご紹介からしていきます。
今回の研修で使った動画には早稲田大学の熊野先生が登場します。
- 東京大学博士(医学)取得
- 早稲田大学人間科学学術院教授
- 早稲田大学応用脳科学研究所所長
- 日本認知・行動療法学会元理事長
- 日本不安障害学会副理事長
- 日本マインドフルネス学会副理事長
- 日本心身医学会評議員 など
というすばらしい経歴の持ち主。
あとホームページには書いていませんでしたが、NHKなんかにもでてましたよね~。
認知行動療法の基礎と展開
今回はこの熊野先生がYouTubeにアップしている動画「認知行動療法の基礎と展開」を使って認知行動療法について学んでいきます。全12回あるので予定では月1回の社内研修で1つの動画を観ていき、1年間を通して学習しようかと思います(違う内容を途中で挟むかもしれませんが)
予定での研修と開催月、動画内容をまとめておくと、
- 第8回月1社内研修(5月)…オリエンテーション
- 第9回月1社内研修(6月)…認知行動療法の多様性
- 第10回月1社内研修(7月)…レスポンデント学習と行動療法
- 第11回月1社内研修(8月)…オペラント学習と行動療法
- 第12回月1社内研修(9月)…情報処理理論と認知療法
- 第13回月1社内研修(10月)…新世代の認知行動療法
- 第14回月1社内研修(11月)…マインドフルネス認知療法
- 第15回月1社内研修(12月)…メタ認知療法
- 第16回月1社内研修(1月)…神経行動療法への展開
- 第17回月1社内研修(2月)…臨床行動分析と行動活性化療法
- 第18回月1社内研修(3月)…言語行動と関係フレーム理論
- 第19回月1社内研修(4月)…アクセプタンス&コミットメント・セラピー
となります。
この中で特に個人的なオススメが
となっています。
気になる方や予習をしたい方は上記をクリックまたはタップしてご覧ください。
気になる方や予習をしたい方は上記をクリックまたはタップしてご覧ください。
認知行動療法の基礎と展開 第1回目「オリエンテーション」
前置きが長くなりましたが、今回は第1回目「オリエンテーション」を皆で視聴しました。
下記動画ですね。
いかがでしたでしょうか…?
因みに今回の講義のスライドは無料でダウンロードできるという手厚さ。ありがたい…!
第2回目以降のスライドに関してはこちらで確認できますので予習したい方はどうぞ。
まぁ、オリエンテーションなんで、ざっくり全体像の説明と把握って感じの内容ですね~。当ブログでご紹介している内容が要所要所でキーワードのようにでているので気になる方は検索をかけて読んでみると面白いかもしれません。
あと、25:05ぐらいのところでメラトニンの説明がありますが、少し付け加えておくと、日本では一般的にホルモン系のサプリメントは認可されないので製造や販売はされていません(トリプトファンなどは売っています)そのため、当然国内で販売はされていないのですが、買えない訳ではないんですよね。先生がおっしゃる通り、海外では普通に売っています。そして、実は海外で買って国内に持ち込むこともできますし、国内にいて個人輸入すれば普通に買えます。例えば、
- NOW社のとか
- NATROLとか
- SOURCE NATURALSとか
なんか結構良いみたい。特にサプリメントでNOW社は非常に有名ですよね~。
まぁサプリメントは基本的に当ブログではとりあげていないので(今後プロテインだけは取り上げるかもしれませんが…)興味があって知りたい方が多ければ色々ご紹介するかも…。
しせつちょうのメモ帳
それはさておき、今回の講義内容を私なりに下記にまとめておきます。まさに「しせつちょうのメモ帳」って感じ(笑)もちろん、人によってポイントとなる場所は違ったりもしますんであくまでご参考程度に…。
- 臨床心理学の介入法の一つが認知行動療法
- 精神疾患と精神病では精神疾患の方がずっと重い場合を言う。精神病は精神疾患の中で幻覚・妄想が伴う場合(例:統合失調症)
- 認知行動療法は現実志向的治療法(ストレスマネジメント・生活面へのアプローチ)と一部の認知リハビリテーションが含まれる
- ストレスマネジメントの代表例が認知行動療法
- 認知行動療法が有効な理由はストレスに効くから
- ストレスは気分障害(うつ病とか)、不安障がい、心身症、生活習慣病、行動異常・心因性疾患の原因になる
- 機能的障がいの代表例は原因不明な頭痛や腹痛のこと。つまり原因不明な慢性頭痛や腹痛、腰痛なんかはストレスが原因の可能性もある。そして、認知行動療法が有効
- 内省的治療法はパーソナリティ障がい(子どものまま大人になってしまった状態)に使う。治療はかなり大変で上手くいっても2,3年はかかる。認知行動療法はそこまで踏み込まない
- 生活習慣が乱れている人は+20歳分年老いた状態(但し不可逆的でない)と同じ(これは以前に紹介した医学博士が同じ事を言っていたな~)
- うつ病の人は生活習慣が乱れ、生活習慣の乱れがうつ病を悪化させる(これも同じようなことを医学博士は言っていたな~)
- うつ病は生体リズムが狂う病気。但し、原因結果の関係が双方向にある(卵が先の可能性もあるし鶏が先の可能性もある)例は季節性のうつ病(冬季うつとか)
- 生体リズム(体内時計)は25時間周期と言われている。1日は24時間の為、元々狂うように人間はできている(補足:体内時計の1日の周期の平均は24時間11分。但し日本人は4人のうち3人が24時間を超える体内時計を持っている)更に詳しく見ると1周期12時間(昼食後眠くなるのはそのため)但しうつ病の人は乱れた生体リズムにより昼食後眠くなる度合いが強くなる
- 生体リズムのリセット方法は光。対策は午前6時~10時に起きて陽の光を浴びる(補足:カフェインより覚醒効果あり)こと(補足:太陽光の効果はすさまじく、セロトニンが増え(気分が上昇し集中力が高まる)、ドーパミンが増えるのでモチベーションも上がり、下がった脳機能を上げて、夜中にメラトニンが出やすくなり(睡眠の質が上がる)、程よく浴びれば癌の予防、心疾患(心臓病や高血圧)の予防、高血圧は改善に役立ち、糖尿病やメタボの改善、虫歯予防などが期待できる。また、太陽は日中に浴びるほど睡眠には良い)理由はメラトニンが減るから
- どうしても夜眠れない人はメラトニンのサプリを飲むと良い。摂取時間は午後6時~10時の間
- 他のリセット方法は食事。決まった時間に3食摂るのが良い。摂食障がいの場合も同じで、拒食より過食の方がなる人が多い(補足:いわゆるストレスによる「やけ食い」)
- リラクゼーション(リラックス法・ストレス対策)も重要。腹式呼吸(補足:リラックスの他に体の疲れが取れやすくなったり、レジリエンスがついたり、認知機能がアップする可能性やダイエット、自己コントロール力のアップにもつながる可能性がある)やヨガ、ジョギングなど
- 現在のストレスには慢性ストレスが多いしまずい。慢性ストレスはダメ
- リラクゼーションは毎日する必要がある
- ストレスが溜まるようにリラックスも貯められる(ストレスの対義語がリラックス)
- ストレスを溜まりづらくし、リラックスを貯めるためにも習慣化は重要
- 睡眠、食事、ストレス対策は何にでも効くが、認知行動療法は特定の考え(思考)や行動パターンの治療に特に有効
- 認知行動療法には広義の意味での認知行動療法(認知・行動療法や認知/行動療法と表記することが多い)と狭義の意味での認知行動療法がある
- 広義の認知行動療法の中には狭義の認知行動療法、行動療法、認知療法、臨床行動分析がある
- 東洋的治療法には森田療法(あるがまま。ACTに近い考え)やマインドフルネス(今この時に集中する)などがある
- 認知的リハビリテーションは認知機能(注意力・集中力・ワーキングメモリ・実行機能(意思決定、セルフコントロール力))を鍛えること
- うつ病の人は1点集中(シングルタスク)が苦手で集中力が分散(マルチタスク)しやすい。切り替えも苦手。結果、新聞が読めなくなる。反芻思考(ネガティブループ)が起きる
- 認知機能を高めるのにマインドフルネスが有効かも
- 心配は不安障がい、反芻思考は気分障がい(うつ病)に関係しているが注意力を高めることで改善する
- リラックス法で漸進的筋弛緩法(補足:全身に思い切り力を込めた後に体をゆるめる。この方法をひたすらくり返す。睡眠の質の向上に効果あり)が有効(補足:ボディスキャン瞑想に近い(忍耐力アップ、リラックス状態になれる)また、アメリカ軍の戦場での睡眠法で似たものがある)
- 精神分析やユング心理学は人生の節目の時期に使われる
- 節目の時期(大きな変化・選択の時期)は約20年1度ぐらいの間隔でくる
- 1度目…分離個体化の時期(1歳半~3歳の時。一人でできることが多くなる時期)
- 2度目…成人への過渡期(20歳前後。学生から社会人への変化時期)
- 3度目…人生半ばの過渡期(40歳ぐらい)
- ラボ内での実験では因果律が成り立つ。これを基にした治療法が認知行動療法
- しかし節目の時期では因果律が成り立たない。理由は外的要因が大きいから
- 節目の時期は拘束条件(枠組み)と初期条件(最初の一歩の方向)という選択で説明ができる
補足説明
この動画はギリギリ1時間以内に収まるのですが、講義の中には1時間を超えるものもあるんですよね(月1社内研修は1時間という決まりがある)そのため、今後の動画視聴では再生速度を徐々に上げていくつもりです(今回は途中から1.25倍にした)これは先に挙げたように単に時間が足りないからやるという理由だけではなく…。
あ、ここから続きを書くとさらに長くなりますのでここまでにしておきます(笑)
結論だけ書いておくと時間短縮以外にも良い事があるんです…!
気になる方は明日のブログをご覧ください。
個人的考察
全12回に分けてオリエンテーションがスタートってのが大学の2単位講義を思い出すので懐かしいし楽しい…!
あと、49分45秒ぐらいからの先生のたとえが分かりやすいし面白い…!
今回のポイントをまとめつつ、足りない部分を加筆したものが下記になります。合わせてご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=bln3tSP4ZCM
http://hikumano.umin.ac.jp/hosei/CBT1.pdf
http://hikumano.umin.ac.jp/cbt_kougi.html
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7706557/
http://hikumano.umin.ac.jp/hosei/CBT1.pdf
http://hikumano.umin.ac.jp/cbt_kougi.html
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7706557/
https://journals.plos.org/plosone/article/file?id=10.1371/journal.pone.0076707&type=printable
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673602117375
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3819153/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1687151
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3819153/
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673602117375
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3819153/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1687151
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3819153/