【まとめ】慢性痛・慢性頭痛・慢性腰痛etc.謎の慢性的な痛みの原因「慢性疼痛」入門
慢性疼痛ってなに…?
慢性疼痛(まんせいとうつう)とは原因不明の慢性的な体の痛みのことを言います。例えば、原因が分からない慢性的な頭痛(慢性頭痛)や慢性的な首の痛み、慢性的な腰痛(慢性腰痛)などの慢性痛は全てこちらに該当する可能性があり、実はこれがかなり悪化すると、機能的障がいにもなったりする怖い症状。因みに線維筋痛症(体中を常に剣山で刺されるような痛みがある病気)も慢性疼痛の一種だと考えられております。
そして巷では、腰痛や首の痛みなどの原因として下記のものが挙げられますが、いずれも否定されています。
バーッと研究を挙げていきますのでご覧ください。
左右の足の長さのアンバランスさと腰痛は関係がない…!
1984年のウェールズ大学の研究によると、足の長さと腰痛の関係について調べてみたそうです。左右の足の長さがアンバランスだと姿勢が悪くなるのでそれで片方に重心がよって腰に負担が行き、腰痛になってしまう…!みたいなのが本当かどうか調べたってことですね。これはなんかもっともらしい感じがしますし聞いたことがありますなー。
実験は質問票を回答してもらいつつ、足の長さの違いを調べてみたとのこと。
結果、
- 慢性腰痛と足の長さのアンバランスさの関係性は低かった…!
そうな。
んー、ちょっと意外な結果ですねー。
腰痛の症状の度合いと身体的特徴を比べてみた…!
1985年の研究によると、18歳から55歳の男性321人を集めて、腰痛と症状の度合いと体の特徴の関係について調べてみたそうです。
集められた参加者は、腰痛の状態ごとに3つに分類したみたいでこんな感じ。
そして、腰痛の症状の度合いと身体的特徴などの関係を調べてみると、
- 過去又は現在に腰痛がない人は106人(33.0%)だった
- 過去又は現在に中度の腰痛がある人は144人(44.9%)だった
- 過去又は現在に重度の腰痛がある人は71人(22.1%)だった
そして、腰痛の症状の度合いと身体的特徴などの関係を調べてみると、
- 腰痛と身長や体重、背筋・腰の姿勢、足の長さのアンバランスさなどとの関係性は見られなかった…!
とのこと。
上記と同じく、やはり足の長さは関係なかったみたいで、更に身長や体重、背筋・腰の姿勢まで関係なかったらしい…。
腰が悪い人は姿勢が悪いから…!みたいな話は何だったのか…。
左右の肩・腰のバランスを25年間調べ続けても腰痛や首の痛みと関係がなかった…!
1985年の研究によると、姿勢と腰痛や首の痛みの発生との関係を調べてみたそうです。
サンプルはアメリカ東部の女子大学の女性で、1957年、1958年、1959年の卒業生だったとのこと。姿勢の評価については、大学1年生の初めに撮影された写真+体育教員の主観的評価を基にしたらしい。そしてその後25年間、腰痛と首の痛みの発症を郵便アンケートで追い続けたそうな。
最後に集められたデータを集計した結果、
- 左右の肩の高さのバランス、左右の腰の高さのバランスなどを調べたが、当時の評価と25年間の腰痛や首の痛みの報告とは関係がなかった…!
とのこと。
片方の肩が上がっているのは首に負担がかかる…!とか腰が片方に歪んでいるのは痛みの元…!な~んて話を聞いたことがあるけど、25年間も調べ続けても関係ないって誰が言い出したのやら…。
腰から足にかけての各パーツの姿勢やバランスは関係ない…!筋肉が大事…!
2002年のイランの社会福祉リハビリテーション科学大学の研究によると、よく挙げられる17の腰痛の原因と実際の腰痛の発生との関係性を調べてみたそうです。この研究は600人が参加したそうで、以下の4グループに参加者を分類したそうな。
- 腰痛と無縁な男性150人、平均年齢43歳
- 腰痛と無縁な女性150人、平均年齢43歳
- 腰痛に悩む男性150人、平均年齢43歳
- 腰痛に悩む女性150人、平均年齢43歳
次に各グループの17の身体的特徴を計測し、腰痛との関係性をチェックしたそうです。
結果は、
- 背中の筋肉量や筋持続力と腰痛は関係していた…!
- 腰の姿勢の悪さや骨盤の歪み、足の長さの違い、腹部、太もも、腸腰筋の長さなどは腰痛と関係していなかった…!
とのこと。
腰から足にかけての各パーツの姿勢やバランスは関係ないってのも残念ですが、筋肉が大事というのはポイントになりそうですね。
首の痛みと頸部の湾曲や角度は関係ない…!
2006年の研究によると、頸椎の湾曲と首の痛みの関係性について調べてみたそうです。
この研究は45〜90歳のボランティア177人(男性47人、女性130人、平均年齢68歳)を対象としたそうで、頸椎のX線写真を撮影しつつ、過去1年間で首の痛みがあったかどうかを質問票で回答してもらったらしい。
この研究は45〜90歳のボランティア177人(男性47人、女性130人、平均年齢68歳)を対象としたそうで、頸椎のX線写真を撮影しつつ、過去1年間で首の痛みがあったかどうかを質問票で回答してもらったらしい。
結果、参加者のうち54人が首の痛みがあったと答え、53人が首の痛みがなかったと答えたそうな。
最後に質問票の回答と頸椎の湾曲の関連性について比べてみたらしいのですが、
- 頸部の湾曲や角度と首の痛みは関係なかった…!
そうです。
ストレートネックが首の痛みの原因…!とか聞くけど、これをみるとなんだかな~って気になりますね…。
仕事中の姿勢と腰痛も関係ない…!
2011年のCPDOの研究によると、理学療法士や作業療法士は姿勢や人体構造、生体力学などを踏まえて治療を行うけど、腰痛との関係はどうなのか…?について調べてみたそうです。
すると、仕事中の姿勢と腰痛の関係を調べた研究では、はっきりした関係性が見当たらなかったらしい。
勉強や仕事など普段の姿勢で腰痛が…!ってのもなんだかあやしいですね~。
ということで、巷では、腰痛や首の痛みなどの慢性疼痛の原因は、姿勢の悪さ…!とか体の歪み…!とか言われているけど、実は1980年代からずーと否定され続けているよーってお話でした。
ご紹介した通り、25年間追い続けても関係性が見つからなかったって話もありますし、やっぱり元々の左右の体のバランスや歪み、姿勢との関係は気にしなくてOKだと思いますね~。
観察研究の系統的レビューでもやはり結果は同じ…!
2008年の南デンマーク大学の系統的レビューによると、脊柱カーブと健康は関係しているのかを調べてみたそうです。
まず、研究者たちは2008年以前に公開された疫学研究(横断研究やケース・コントロール研究、コホート研究)を集めたそうで、結果、脊柱カーブと健康に関するものは54件あったとのこと。次に各研究ごとに独自のチェックリストを用いて質をチェック、評価したそうな。
最後にそれらから結論を導き出したということですが、どのような結果になったかと申しますと、
- 脊椎カーブと脊椎の痛み(腰痛)を含む健康上の結果との間に関係性があるという強力な証拠はなかった…!
そうです。
観察研究の系統的レビューの為、因果関係は不明ですが、やはり結果は同じで姿勢と腰痛は関係なかったみたい…。
肩に異常が出ていても痛みを感じていない場合がある…!
ここまで、姿勢と痛みの関係について、ご紹介しました。
ここからはそもそも人間って意外と痛みに鈍感なんだよーって研究をご紹介します。
2003年のミラー整形外科クリニックの前向きコホート研究によると、痛みのない利き手の肩と反対の肩、又は痛みのない人の肩に異常がないかMRIを使って調べてみたそうです。
その際、肩に異常があると診断された人が、その後、痛みにつながるのか5年間フォローアップしたとのこと。
結果、
結果、
- 所見では、利き手の肩20個のうち8個(40%)に異常があった。しかし、利き手と逆の肩には異常はなかった。
- MRIでは、利き手の肩20個のうち5個(25%)に異常があった。しかし、利き手と逆の肩には異常はなかった。
- 5年後のインタビューにおいて、主観的な肩の痛み、治療が必要と判断された参加者はいなかった。
つまり、実際に肩に異常が出ていても、痛みを感じていない場合があるってことですね。そのため、MRIの結果で異常があっても即手術はしなくてOKじゃないか…?とのこと。
年配者のうち20%~50%は異常があっても痛みに気づいていない…!
1999年のザールラント大学の前向きコホート研究によると、無症状の肩の異常(腱板断裂)の発症率について調べてみたそうです。
今回実験に参加したのは411名のボランティアだったそうで、参加者を年齢別に、4つのグループに分けたとのこと。
結果、
- 411名のうち、23%で無症状の肩の異常(腱板断裂)があった…!
とのこと。
大体4人に1人は肩に異常があっても痛みがなく気づかないみたいですねー。
更に詳しく4つのグループを見てみると、
- 50〜59歳グループ:167名のうち、22名(13%)で無症状の肩の異常(腱板断裂)があった…!
- 60〜69歳グループ:108名のうち、22名(20%)で無症状の肩の異常(腱板断裂)があった…!
- 70〜79歳グループ:87人名のうち、27名(31%)で無症状の肩の異常(腱板断裂)があった…!
- 80歳以上グループ:49人名のうち、25名(51%)で無症状の肩の異常(腱板断裂)があった…!
そうな。
つまり、高齢になればなるほど、肩に異常があっても痛みがなく気づかないみたいで、80歳以上なんかは半数に異常が出ているみたい…。
そのため、痛み=異常ではないご様子。
若者でも結果は同じ…!痛みがないのに70%の人に何らかの異常があった…!
2010年のアメリカ整形外科スポーツ学会の研究によると、骨盤や腰の異常と痛みの関係について調べてみたそうです。
この研究は、18〜35歳のプロホッケー選手21人と大学のホッケー選手18人が参加したそうで、骨盤と腰のMRIを撮ってみたそうな。更に主観的な痛みについては10点満点で採点してもらったそうで、最後にそれらを比べてみたらしい。
気になる結果は、
気になる結果は、
- 主観的な痛みを訴えたのは全選手39人のうち2人だけだった…!しかも痛みの度合いは10点満点で3点というちょっとの痛みだった…!
- にもかかわらずMRIでチェックしてみると、全体で70%の選手に何らかの異常があった…!
とのこと。
更に詳しく見てみると、
- 39人のうち21人(54%)に股関節の異常(股関節唇損傷:股関節を固定する場所の損傷)が見つかった…!
- 39人のうち12人(31%)に股関節の異常(股関節の筋肉の緊張による損傷)が見つかった…!
- 39人のうち2人(5%)に股関節の異常(腱鞘炎)が見つかった…!
って感じで、かなり痛みがあっていいはずなのに皆それに気づいていなかったらしい…。う~ん。不思議…。
もちろん本当にケガをしていて痛みがある場合もあります。しかし、これらをみると必ずしも痛みがあるからそこにケガや異常があるとは言えないですよねー。
腰痛の原因は、給与の低さ・仕事への不満・社会的地位
1997年のマンチェスター大学の前向きコホート研究によると、仕事に関するストレスと社会的地位が腰痛にどう影響しているのかを調べてみたそうです。というのも、いくつかの研究で、仕事と社会的地位に対する不満が腰痛と関係しているって結果があったそうなんですよね。
実験は郵便による質問票を使って行われたそうで、今回参加したのは成人18~75歳の4,501人。この結果から、現在働いていて腰痛持ちではない人1,412人を特定し、仕事に関係するストレスや現在の地位などをチェックしたそうな。
それから1年後、再度、郵便で質問票を送り、腰痛が起こってないかを追跡調査したらしい。
まず、スタート時の調査で腰痛とまぁまぁな関係性があったのは、
- 給与の低さ(リスク比1.3)
- 仕事への不満(リスク比1.4)
- 社会的地位(リスク比1.2)
の3つだったとのこと。
続いて、フォローアップ期間での腰痛との関係性については、
- 仕事への不満を持っている人は、腰痛発症が非常に多かった…!
- 給与の低さ(オッズ3.6)と社会的地位(オッズ4.8)の両方が、腰痛発症と強く関係していた…!この傾向は男性よりも女性の方が強かった…!
そうです。
つまり、姿勢やアンバランスさと腰痛、首の痛み等はやっぱり関係なくて、むしろ、普段のストレスの方が原因だった…!ってことですね。
では、なぜ姿勢やアンバランスさが腰痛や首の痛みの原因と思ってしまうかですが、以上を踏まえると、因果関係が逆だった…!って可能性が高そうなんですよね。
どういうことかと言いますと、
- 普段の生活でストレスがかかる(慢性ストレスがある)
- ストレスで姿勢が悪くなったりする
- 腰痛・首の痛みが発症…!
- 原因は直前の姿勢の悪さだ…!と思う
って流れなのではないかという話です。
慢性疼痛の原因はなんなのか…?
ニューヨーク大学のジョン・E・サーノ博士の「サーノ博士のヒーリング・バックペイン 腰痛・肩こりの原因と治療」や「心はなぜ腰痛を選ぶのか サーノ博士の心身症治療プログラム」によると、原因不明の慢性腰痛(慢性疼痛)の原因は以下のような仕組みとのこと。
つまり、原因不明の慢性腰痛(慢性疼痛)は、慢性ストレスのしわ寄せの可能性があるということですね。対処できないストレス過多が痛みとして表出している感じとでも申しましょうか…。
サーノ博士によれば酸素不足が原因らしいので、例えば
- 鍼
- カイロプラクティック
- マッサージ
といった血行を良くするものはいずれも酸素が行き届きやすくなりますので痛みが和らぐそうです。しかし、これらはその時限りのものなんで、すぐに痛みは復活してしまいます。つまり、一時しのぎの方法でしかなく根本的な解決に至るケースは少ないんだとか。まぁ、根本的なストレス対策を行っていないのですぐまた痛みが戻るのは納得ですよね。
そのため、時間がかかっても慢性ストレスの原因を探り、ストレス対策をしていくというのが解決への近道みたいです。
まとめると、脳の誤作動が原因、認知のズレが原因となります。
仕組みは、
- 何かで腰が痛いと思う
- 腰の痛みを気にする
- 脳がそれを聞いて必要以上に腰が痛いと錯覚する…!
- ちょっとの痛みでも脳が大げさに痛みを捉えてしまう…!
- 慢性疼痛に…!
みたいな感じ。
そしてストレス(慢性ストレス)を脳が慢性疼痛の痛みとして表出させるとなります。
最強の慢性疼痛の対策…それは…。
では、慢性疼痛にどのように付き合えばいいのでしょうか…?ここで非常に参考になるのが2004年のヨーロッパ版腰痛診療についてのガイドライン。これは腰痛(慢性腰痛・慢性疼痛)の主要な対策法をピックアップし、精査、まとめてガイドラインとしたもので、つまり、エビデンスレベルはかなり高いということ。
ガイドラインを作るにあたって色々な腰痛について調べたところ、
- 腰痛の85%には明確な原因がなかった…!
- 更に物理的な原因の腰痛は全体の5%しかなかった…!
- 腰痛のほとんどが心理的なものだった…!
ということ。いわゆる背筋が~とか背骨のズレが~とかヘルニアが~とかはほとんど関係ないらしい。
つまり、まとめると、腰痛(慢性腰痛・慢性疼痛)の原因は、
- 認知のズレやストレス:85%~95%
- 物理的な原因:5%
となります。
更に、ガイドラインには、
- 鍼→効果なし…!金の無駄…!
- カイロプラクティック→効果なし…!金の無駄…!
- マッサージ→効果なし…!金の無駄…!
- ヘルニアの手術→効果なし…!金の無駄…!
- ランバーサポート→効果なし…!金の無駄…!
というどこぞの誰かのセリフのように無駄無駄のオンパレード(笑)
批判ばっかりじゃないか…!んじゃ、どうしろと…?ってなりますが、ガイドラインにはしっかりとそこも書かれておりまして、
- 気のせいだから無視しろ…!
というのがおすすめとのこと。
…。一応、超意訳なんで、しっかり書いておくと、ガイドラインを作った研究チーム曰く、
- 重大な脊椎疾患でなければ腰痛は自然に治る。治りが遅いのは別の要因があるから
とのこと。
つまり、上記で書いた通り、認知のズレの原因が「別の要因」であり、その最たる例がストレス(慢性ストレス)ってことになります。
認知行動療法が慢性腰痛(慢性疼痛)に効くのか系統的レビュー・メタ分析してみた…!
まず研究者たちは、2014年11月までに発表された認知行動療法と腰痛研究のRCTを検索したそうな。この時MEDLINEやEmbaseなど9つのデータベースを用いて検索したそうで、結果1,629件の研究がヒットしたそうです。次にこの中から質の高い研究をピックアップし、最終的には23件の研究が基準を満たしていたとのこと。
因みに認知行動療法がどれぐらい慢性腰痛(慢性疼痛)に効果的かは、短期間(6週間~12週間)と長期間(26週間~52週間)でみてみたらしい。
サンプル数は3,359人ということで、なかなか良い感じの規模となっております。
んで、結果がどうなっていたかと申しますと、
- 治療期間は1~52週間、平均8.4週間だった。
- 治療時間は20分~91時間、平均19時間だった。
- 認知行動療法は慢性腰痛(慢性疼痛)による痛みの軽減に効果的だった…!
- 認知行動療法による効果量は小~中程度だった…!
- 認知行動療法は慢性腰痛(慢性疼痛)になった期間や年齢に関係なく、他の治療法や治療していない人よりも長期的に痛みを改善し、生活の質の向上をもたらしていた…!
とのこと。
やっぱり慢性疼痛はメンタルからくるパターンが大きいみたいですね~。
まずは脳の誤作動の原因を探ろう…!
脳の誤作動だから気にせずに行くのは分かったとして、では、実際、誤作動を少なくしていくにはどうすれば良いのでしょうか…?そこで、おすすめなのは誤作動の原因を探すことです。具体的には、慢性疼痛の日記を1ヶ月程書いて原因を探るって感じです。そして、慢性疼痛が脳の誤作動であることを納得できる理由を集めていきましょう。そうすることによって、脳に実際はそんなに大げさな痛みじゃないから過剰に反応しなくても大丈夫だよ~って伝えていきます。この当たりは「腰痛は脳の勘違いだった 痛みのループからの脱出」なんかが参考になると思います。慢性疼痛の正しい対策
慢性疼痛があっても脳の誤作動だから気にしない…!って対策がベストなのは分かったとして、とはいえ、これだけだとやっぱ心もとないんで、以下に書いておきます。
- 認知行動療法(中~長期的な戦略ならやっぱコレ)
- マインドフルネス認知療法(瞑想・特に慈悲の瞑想がいいのかも)
- マインドフルネスストレス低減法(MBSR)
- 漸進的筋弛緩法
- 運動(短期的な戦略ならこっち。特にウォーキングから脳の誤作動だよ~と脳に教えて行くのがおすすめ)
結局、ストレス対策全般が効果アリ…!って感じですね~。
慢性疼痛改善の為の運動メソッド
そもそも筋肉ってのは使っていないと段々なくなっていったり、低下していくのは皆さんもご存知の通り。これをデービスの法則(Davis's law)と言いますが、筋肉以外の靭帯や腱、筋膜なども同じように使っていないと低下していくんですよね。例えば、普段から行っていないと、以前出来た股割りが出来なくなったり、前屈で手がつかなくなるなどがそれですね。逆に筋トレをすると筋肉が成長するように、靭帯や腱、筋膜なども成長していきます。つまり、痛みに慣れるってことですね。
そして上記の研究で挙げたように、
- 足・腰・肩の左右のアンバランスさ
- 背筋・姿勢の違いや湾曲、角度の違い
- 身長や体重の違い
が痛みと関係なかったし、そもそも年齢に関係なく痛みの度合いと実際の体の異常がイコールでもありませんでした。
まぁ、そもそも人間というか生物はレーン作業で作る車とは違い、一つ一つ個体差がございます。なんで、当たり前ですが、首の歪みや背中の歪み、骨盤の歪みはあって普通です。ある程度は許容範囲、誤差の範囲ですよね。もちろん、肩や足の左右のバランスが違うのも普通です。完璧な左右対称なんてありえませんからね。例えば、両手を合わせたら必ずどちらかの手が少し小さいでしょう。でも普通ですよね。
そして、人間は人体のあらゆるパーツの誤差を絶妙に察知し、最適なバランスを見つけ歩いたり座ったりしているんで、下手に変えると反って痛めたりします。これは理想の靴の選び方でも同様でしたね。
このなんとも当たり前なことをヤバい…!と大騒ぎして原因を結び付ける、つまり関連性の錯誤ってバイアスに囚われるとなかなか抜け出せなくなっちゃいます。それが慢性疼痛と痛みを感じる場所を結び付けている原因なんですよ。
そして、冒頭で書いた通り、使わないと痛みに弱くなり、使っていると痛みに強くなる…。よくよく考えれば当たり前の話なんですよね。普段から運動をしていればより追い込みをかけなければ痛みが出ることがなくなっていきますから…。
でも慢性疼痛があるとその部位をなるべく動かさないようにしちゃうんでデービスの法則により、より痛みに弱くなり、敏感にもなり、問題なかった部位も問題が出やすくなってきちゃったり、その部位をかばったために、その人の最適なバランスが崩れ、他の部位に異常が出たりもしちゃうわけですよー。
なんで、慢性疼痛が出た場合は、その場所をじっくり鍛えて行くのが最善の一手となります。
では、慢性疼痛改善の為の運動はどのようにすればいいのでしょうか…?
慢性疼痛にお悩みの方はたいてい動かすことをやめている期間が長かったりしますんで、いきなりハードな運動を行うと、本当に故障して痛みが出ちゃいます。なんで、まずは、歩く・ウォーキングが基本となります。
そして、ここからがポイントなんですが、歩く際の姿勢はとっても大事です。上記研究は全て普段の状態、つまり停止状態での姿勢は関係ないって話で、筋トレ・スポーツを代表するように動いている際の姿勢は非常に大事となります。例えば、腰を庇いながら歩いていては他の部位に負担がいきますので異常がでちゃいますよね。また、重い物を腰だけで持ち上げるのと、太もも・膝を使って体全体で持ち上げるのとでは腰への負担が違いますよね。このように動く際の姿勢は超大事となります。
次に、いきなり一気に歩かず、毎日少しずつ歩く・休憩を間に挟むのもポイントです。慢性疼痛は脳の誤作動が原因であり、一朝一夕でどうこうなるもんでもないんで無理しても反ってダメ。15分~20分ぐらいから歩くことを始め、習慣化を目指すと負担にもならず、ウォーキングの他のメリットも得られ良い感じです。
最後に、停止状態をなるべく避けるのがポイントになります。生物は基本的に寝る以外は動いているのが基本になります。そして人間のデフォルトも寝ているとき以外、動いているのが基本です。つまり、座りっぱなしや立ちっぱなしは良くないです。たまに動きましょう。
余談ですが、脳内も動きっぱなしが基本となっております。そして嫌な事を考えっぱなし(反芻思考)は良くありません。ストレスが溜まる・慢性ストレスになるので慢性疼痛が悪化するだけです。そのため、エクスプレッシブライティング然りで外顕的行動を行って動いた方がいいと言えます。
個人的考察
もちろん、慢性疼痛はストレス以外にも原因はありまして、
- 血行が悪くなり痛くないのに痛いとなる
- 睡眠不足で痛みに弱くなる
- 30分の睡眠不足でもダメなんて話も…。
- アレルギー
などなど考えられますが、いずれにしても、上記で紹介してきた話と被る部分は多いと思いますんで、是非、慢性疼痛に心当たりのある方は試してみてもよろしいのではないでしょうか…?
因みに慢性疼痛にお悩みの方が、この痛みはストレスからきている…!と学ぶだけで改善するケースがあったりします。また特定のストレスがかかると痛みがくる…!ってのがある人もいるので、まずは自分のその痛みがどの行動やストレスからくるのか調査する(日記・ログをとる)ことから始めてみても良いかもしれませんねー。
参考文献
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