就労選択支援について北海道札幌市が独自の指定基準を作った!愛知県が細かいルールの回答を出した!
就労選択支援は、令和7年10月1日から始まる障害福祉サービスでして、当ブログでは、
- 令和7年10月から始まる「就労選択支援」のモデル事業から見えること(令和7年1月29日時点)
- 「就労選択支援」の最新情報が令和7年1月30日に発表されたよー
- 就労選択支援のモデル事業を行った事業所の話を聞いてきたよー
- 厚生労働省の就労選択支援の専用ページから個人的なポイントをまとめてみた!
- 令和7年9月30日までに就労アセスメントを行い、令和7年10月1日以降に就労継続支援B型を利用する場合、就労選択支援を改めて行う必要はあるのか?
のように記事を書いております。
んで今回ご紹介する内容はタイトルの通り、
- 就労選択支援について、北海道札幌市が独自の指定基準を作った…!
- 就労選択支援について、愛知県が細かいルールの回答を出した…!
となっております。
各自治体からも、地域性がいよいよ出てきたぞ…!って感じですな。
就労選択支援について、北海道札幌市が独自の指定基準を作った…!
最初にご紹介するのは、北海道札幌市が作った、就労選択支援の独自の指定基準です。
これは、北海道札幌市のサイトの「就労選択支援の事業者指定について」というページに載っておりまして、発表は2025年6月20日となっております。割と最近ですね。
これは、北海道札幌市のサイトの「就労選択支援の事業者指定について」というページに載っておりまして、発表は2025年6月20日となっております。割と最近ですね。
んで、まず札幌市がこれを作った経緯なんですが、
とのこと。
- 就労選択支援は障がい者本人の職業生活及び人生に大きな影響を与えるものであるため、明確な理念を持って、専門性及び支援体制を確保することができる事業者がサービス提供を担う必要があります。(中略)就労選択支援については、サービスの性質上、事業者にアセスメントなどの高い専門性等が求められるため、国が定める指定基準に加え、指定申請の際に札幌市独自の指定基準を設定しています。
とのこと。
つまり「国のルール+札幌市独自のルール」という、ダブルのルールにしてサービスの質の確保を狙っているみたいですね。札幌市で就労選択支援を始めるのはかなり大変そうですな。更にwebページには「独自の指定基準を定める根拠」も書いておりまして、文句を言わせないような感じとなっております(笑)
まぁ、皆さんご存知の通り、大都市を中心に今B型が増えまくっていまして、中には、生産活動をしていない、就労支援なのか疑問のあるB型事業所も結構増えているんですよね。また、令和6年度の報酬改定でA型がかなり減り、A型からB型になったところも数多くありますんで、尚一層拍車をかけている状況でもあります(まぁ、児童発達支援や放課後等デイサービスも競争が激しいですが)
更に総量規制(地域の各障害福祉サービスの事業所数の上限を決めること)を検討している自治体もめっちゃ増えていますし、総量規制とは言っていないものの、実際は総量規制だな~ってルールを設けている自治体もありますしね。
今回の就労選択支援の役割の一つとして囲い込み対策というのも大きいでしょう。
それらを考えた際、確かに就労選択支援の役割はかなり責任重大だと言えます。そこで札幌市は先手を打ってきたわけですな。
具体的な独自の指定基準については、
この独自ルールなんですが、すごーくざっくりいうと、
- 国の要件を満たしつつ、独自に作ったA型のスコア形式みたいな物で120点以上取ると就労選択支援の指定を受けられるよー
となっておりました。
そして各項目なんですが、これがなかなか厳しくて、120点以上取るのが結構大変そうな感じなんですな。
詳しくは上記に挙げた「就労選択支援事業所指定基準(さっぽろ障がい者プランに定める重点取組「事業所の質の向上の取組」)」のエクセルの中身をご覧いただきたいのですが、例えば、
詳しくは上記に挙げた「就労選択支援事業所指定基準(さっぽろ障がい者プランに定める重点取組「事業所の質の向上の取組」)」のエクセルの中身をご覧いただきたいのですが、例えば、
- WAM NETや元気さーち(札幌市の事業所の空き情報検索サイト)にちゃんと情報を載せているか、透明性が確保されているか印刷して提出する必要がある
- 直近1年間で他機関に8か所以上関わっていたら加点
- 過去3年間通常の事業所に雇用された年間平均利用者数が2人以上(つまり3年間で6人以上いるか)いたら加点
- 就労選択支援員の経験年数が7年以上だったら加点
- 就労選択支援員の常勤換算の人員配置が10:1以上かつ2名以上配置だったら加点
- 就労選択支援員の常勤・専従の人数が1名以上だったら加点
- 移行・A型・B型のいずれかで基本報酬が高い(移行は定着4割以上、A型はスコア150点以上、B型は平均工賃月額3万以上)場合は加点
のような感じ。
分かる人が見れば、これがかな~り厳しい、就労選択支援で赤字にならず経営ってできるのか…?って思う形相ですね。すごい…。
ということで、就労選択支援で札幌市は地域性を出してきたぞ…!ってお話でした。因みに試しに当事業所で何点なのかチェックしてみたところ140点でした。一応120点は超えているもののギリギリって感じですね。厳しいー!
今後マネする自治体って出てくるのかしら…?
就労選択支援について、愛知県が細かいルールの回答を出した…!
お次は、愛知県が就労選択支援の細かいルール回答を出した件をご紹介します。掲載されているのは愛知県の「就労選択支援について」のページになります。このページの下の方に行くと「よくある質問について」ってところがありまして、ここに愛知県が独自に出した回答があるんですよね。
ちょっと下記に引用しておきます。
【質問】
- 一体的に運営する事業所が従たる事業を有している場合、主たる事業所と従たる事業所それぞれに、就労選択支援事業所を設けることはできますか。
【回答】
- 一体的に運営する事業所1つにつき、設けることができる就労選択支援事業所は1つまでです。よって、主たる事業所と従たる事業所それぞれで要件を満たす場合にあっても、それぞれに設けることはできません。
【質問】
【回答】
個人的にはどちらも勉強になる回答ですねー。愛知県限定の話だけど…。
- 実施主体に求められる、「過去3年以内に当該事業者の事業所において合計3人以上の利用者が新たに通常の事業所に雇用されたもの」のうち、合計3人以上とは、法人内の複数事業所で3人以上実績があればよいですか。
【回答】
- 個別の事業所において、3人以上の実績を要します。
特に勉強になったのは2つ目の方で、「3人以上」を数える範囲が「法人単位」ではなく、「事業所単位」なんだーってところ。ここで法人単位だと、規模の大きい事業所の方が、小さい事業所よりも就労選択支援の指定を受けやすくなりますからねー。
個人的考察
以上、就労選択支援における、北海道札幌市と愛知県の独自ルールについてでした。
もしかしたら、他の自治体でもすでに独自ルールがあるかもしれません。もしご存知の方がいましたら「お問い合わせ」のフォーム、又はX(旧Twitter)のDMで教えて頂けると嬉しいです。
それと注意事項として、これらは厚生労働省からのルールではなく、北海道札幌市と愛知県の独自ルールなんで、他の自治体では関係ない物となります。その辺は十分ご注意ください。
参考文献
http://www.sapporo-akijoho.jp/
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/shogai/shasentaku.html