ADHDの併存性(併存リスク・二次障害・併存疾患・重複障害)における性差の違いについて
ADHDの併存リスクは男性よりも女性の方が高い感じ
2019年のオーフス大学の研究によると、注意欠陥多動性障害(注意欠如多動性障害:ADHD)の併存性(併存リスク・二次障害・併存疾患・重複障害)における性差の違いについて調べてみたそうです。
この研究は、1981~2013年の間にデンマークで生まれたすべての子どもを対象にしたもので、サンプル数は1,665,729人とのこと。ここから出生時の特性や社会経済的地位、家族の精神疾患歴なんかをチェックしつつ、ADHDの方のデータを選んでいったそうな。すると32,308人の方が見つかったらしい。併せて併存疾患の診断も受けていないかもチェックしたんだとか。
最後にこれらのデータを男女別に分けつつ、統計処理してみたそうです。
んでまず結果の大枠なんですが、
- ADHDと診断された人は、調査対象となった12の精神疾患における併存性において、全てリスクが有意に高かった
- 一部の併存疾患では、ADHDと性別の相互作用が見られた
そうです。
ADHDを持っている方は精神障がいを持っている場合が多いみたいですね。
では、もうちょい細かいデータを見てみましょう。
ADHDを持つ女性はADHDを持つ男性に比べて、
- 自閉症スペクトラム障害も持っていることが1.86倍高かった
- 反抗挑戦性障害(反抗挑発症:10歳未満の子どもに多い。怒りっぽい、挑発的、執念深いという症状がある)も持っていることが1.97倍高かった
- 知的障害も持っていることが1.79倍高かった
- パーソナリティ障害も持っていることが1.23倍高かった
- 統合失調症も持っていることが1.21倍高かった
- 物質使用障害も持っていることが1.21倍高かった
- 自殺行為を行うことが1.28倍高かった
とのこと。
これらは性差による有意差があったそうです。
個人的考察
ということで、どうやらADHDの併存リスクは男性よりも女性の方が高い感じ。
支援者としてこの辺も押さえておきたいな~と思いました。