今回は当事業所の社内研修で使っている熊野先生の動画で登場した漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)について軽くまとめておこうかと思います。



漸進的筋弛緩法ってなに…?

漸進的筋弛緩法とは体の各部位に意識を向け、思い切り力を込めて数秒維持、その後、体を緩めることを繰り返していく方法になります。因みに、漸進的筋弛緩法はリラクゼーション方法の一種なんで自己統制法とかと同じジャンルになります。
具体的なやり方ですが、

  1. 顔全体に思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  2. アゴに思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  3. 首に思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  4. 肩に思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  5. 腕に思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  6. 手のひらに思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  7. お腹に思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  8. ふとももに思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  9. ふくらはぎに思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める
  10. つま先に思い切り力を込めて数秒維持→力を緩める

といった形となります。大体は体の上から下(上記1から10の手順)に向けて行いますが、もちろん下から上(上記10から1の手順)に向けて行ってもOKです。また、上記の10番の後は9→8→7…と進んでもいいですし、1→2→3と進んでもOKです。
姿勢については寝ながら行うのをオススメしますが、イスに座った状態で行ってもOKとなります。
ポイントは漸進的筋弛緩法中は深呼吸をし続けること。呼吸を止めないようにしてできれば吐く方の時間を長めに設定できると尚良しと言った感じ。この当たりは以前に書いた深呼吸の方法を参照されるとよろしいかと思います。
全身が深いリラクゼーション感覚に包まれる感じがしたら上手くいっている証拠となります。



漸進的筋弛緩法の効果

2011年の研究によると慢性痛の改善、睡眠の改善、自己効力感がアップするなどの効果があったんだとか。特にすばらしいのが睡眠の改善で、2011年のテヘラン医科大学の研究によれば、漸進的筋弛緩法で睡眠の質が格段に上がったんだそう。不安感が減り、生活の質も上がったのが理由みたいでこれは押さえておきたいポイントですね~。
他にもリラクゼーション効果は確認されておりまして、最近だと2020年の中国海南医科大学病院のランダム化比較試験では、新型コロナウイルスに不安な51人が1日30分間の漸進的筋弛緩法を5日間行った結果、新型コロナウイルスによる不安感が軽減、睡眠の質が向上したなんて話もあったり。
最後にご紹介したいのがこの漸進的筋弛緩法が2011年のアメリカカウンセリング学会のストレス解消法100選にも選ばれたということ(49. Do progressive muscular relaxationが漸進的筋弛緩法のこと) 
まさに高い効果が認められたリラクゼーション法なんで、ぜひ押さえておきたいですね~。



個人的考察

今後も色々なリラクゼーション方法をご紹介しようと思っておりますが、まずは自分で試してみてください。その後、これは合うな~ってものが見つかったら自分なりの体調安定法のラインナップに加えるとよろしいかと思います。
自分のお気に入りのリラックス法を見つけるのをゲーム感覚でやると結構面白いですよ~。



参考文献