親切が自他にとって良いことは科学的に証明された事実で、当ブログでもたびたび取り上げております。例えば、成功しやすくなったり外向性・協調性・開放性がアップしたりなど良い事尽くしな感じ。但し、親切過ぎるのは良くないのもまた事実。
そこで今回は、親切の用法用量を正しく使うためのテクニックについてまとめておこうと思います。



親切の用法用量を正しく使うためのテクニック

親切を正しく使うためのテクニックは2014年のアダム・グラント教授のHUFFPOSTとデイビッド・ハミルトンさんの名著「「親切」は驚くほど体にいい!」が参考になるかと思います。上記を参考に親切のポイントを下記にまとめました。


親切のポイント①気前よく与える人(親切な人)≠良い人

良く勘違いが起きやすいのが親切な人=気前よく与える=良い人という誤解。良い人とは断ることができず他人に利用される人が含まれています。良い人都合のいい人とでも言いましょうか…。これではテイカーに搾取されるボトムギバーです。
本当の良い人、つまり与える人であるトップギバーは他人の長期的な利益を考えたうえで、時には批判したり厳しいことを言う人のことを言います。相手に好かれるということを一番にしてはいけないってことですね。ここを勘違いすると八方美人になってしまいますし、全員に好かれるのは理想郷なんで沼にハマらないよう注意が必要です。


親切のポイント②自己犠牲はダメ

以前に書いた通り、トップギバーとボトムギバーの境界線は自己犠牲であるか否か。自己犠牲は徹底した利他主義となります。これを続ければテイカーに搾取されますんで、いずれ、必ずバーンアウト(燃え尽き)が起きたり、悩んでしまい鬱にかかる確率が高くなるそうです。
正しく与える人(トップギバー)になるには、自己犠牲ではなく自分の興味や関心に従って他人を助け、長期的に相手も幸せにしていくという考え方・方法が重要になります。自分を利益享受の中に入れるのを忘れないってことが重要ですね。


親切のポイント③親切は1年100時間まで(1週間2時間まで)

親切が良い事だからってそればっかしてられないのも事実。じゃあ、どれぐらいすればいいの…?ってことでグラント教授によると、親切は1年100時間まで(1週間2時間まで)でOKだよ…!っておっしゃっております。これを一つ目安にして動くと分かりやすくて良いですよね~。


親切のポイント④親切は一気にやる

ちょこちょこした親切よりも一気に助けた方が良いみたいです。確かにその方が印象に残りやすいですよね。自分もあんなに助けてもらったからお返ししないと…!って気になりやすいのも一気に助けられた時って感じがします。


親切のポイント⑤親切は嫌々しない

当たり前な気がしますが嫌々親切をしても意味はないそうです。自分の強みを活かして親切にしたいと思ったから助けるってのが良いみたい。


親切のポイント⑥他人の親切に遠慮しない

これは私もあるんですが、他人の親切につい遠慮してしまうことはあまり良くないみたい。親切を遠慮せず受け取り、その分を親切で返していくのが良いということ。気を付けよう…。


親切のポイント⑦親切を奪ってはいけない

親切を奪うことと受け取ることの違いを理解するのも重要ということ。親切を強要すればそれはもうテイカーなんであくまで相手が親切にしてくれたことに感謝し、遠慮せず受け取ると良いみたい。


親切のポイント⑧親切にすることを恐れない

親切にしたら迷惑かな…。小さな親切大きなお世話かな…。と気に病むだけムダということ。他人に親切にすることを恐れず、親切にして良いそうです。また、他人に助けを求めるのを恐れてもいけないということ。この当たりは消極的過ぎると引っ込み思案になってしまいますし、積極的過ぎると上記で挙げた親切を奪うテイカーになってしまいます。何事もバランスは大事。


親切のポイント⑨見返りを求めない

親切は見返りを求めない方がいいそうで、報酬を与えるなどはお互いにとって良くないんだそうな。また、ある実験によれば、見返りを求める親切や戦略的な親切は長期的満足度が下がるって傾向があったそうで計算せず善意で行うってのが良さそうな感じ。


親切のポイント⑩4つのルールを意識する

2019年のオタゴ大学クラストチャーチの研究によると親切をするとき、

  • 続けられる親切であること
  • 人っていいよなと思うこと
  • 帰属意識を高める親切をすること
  • 身近な人に親切をすること

の4つを意識すると良いんだそうな。



個人的考察

親切のポイント⑩の例を挙げておくと、缶ジュースやお菓子を奢って皆で食べることが分かりやすいかと思います。具体的には、

  • 缶ジュースやお菓子を奢るのは金銭的に続けられる
  • 会社のチームの人は良い人ばかりなんでいいな~って思える
  • 会社のチームという帰属意識を高める(チームワークを高める)親切である
  • 仕事の仲間という身近な人達への親切である

となります。個人的にこれぐらいの親切はオススメで以前に紹介した通り幸福度が上がるって研究協力・信頼関係が上がるって研究がありますし、次回紹介する親切のメリットも合わさるんで、缶ジュースやお菓子を奢って皆で食べる効果は相当すごいものになりそうな印象です。

とまぁ、色々書きましたが親切にすることに集中しすぎて自分を疲弊させない、あくまで自分がしたいから親切にするっていう基本が大事かと思います。参考にしてください。



参考文献