【まとめ】問題解決能力が上がる正しいアファメーションのやり方
前回は暗い話だったんで、今回はポジティブ心理学のアファメーションという方法をご紹介します。
アファメーションってなに…?
ポジティブ心理学にアファメーションという方法があります。
アファメーションとは過去の成功体験を思い出したり、口に出して言ったり、書いたりすることを言います。
んで2013年のワシントン大学の研究によると、
- アファメーションを行うことにより下がったIQが回復し行動するようになった
そうです。
自信がない方やメンタル的に落ちている方は使ってみてはどうでしょうか…?
アファメーションのやり方
では具体的にアファメーションのやり方を見ていきましょう。
2013年の研究によると、アファメーションは以下の3ステップを踏むと良いそうです。
- 自分が価値を感じるもの(こと)を思い浮かべる。
- 1で選んだもの(こと)をランキング付けする。
- ランキング1位のもの(こと)について、自分の考えをエッセイして書いてみる。
つまり、根拠もないのにポジティブ…!とかサイコー…!なんていうのは意味がないってことです。これについては以前にエッティンゲン博士が危険だと言っていたよ…!って書きましたよね~。
因みに上記の3ステップを踏んでアファメーションを行うと問題解決能力が上がったそうなんで困っている方は覚えておいて損はないかと思います。
アファメーションの効果はあやしい…!正しくやらないと逆効果かも…!
2009年のウォータールー大学の研究によるとアファメーションを使ってみたら効果がないどころかマイナスな人もいたという結果になったんだとか…。え~。
研究によれば自己肯定感が高い人と低い人にアファメーションを使ってもらい、どうなるかを調べたんだそう。
すると結果が、
- 自己肯定感が高かった人→何も効果なし…!
- 自己肯定感が低かった人→開始前より気分が落ち込み、自己肯定感も下がってしまった…!
ということ。うぁ~。
おそらく、根拠もなく無駄にポジティブに考えることによって、逆にネガティブが際立ってしまったんではないですかね。まさにポジティブシンキングの罠にはまってしまったんではないかと…。
やはり、自分が信じる価値観に沿ってアファメーションを正しくやらないといかんということで、アファメーションを使用する際はご注意ください。
アファメーション後にアドバイスをすると受容しやすくなる…!
2015年のペンシルベニア大学の研究によると、健康アドバイスをすんなり聞き入れてくれるにはどうしたらいいのか…?について調べてみたそうです。
皆さんも重々承知の通り、座りがちな生活ってのは健康リスクを高めると分かっております。にもかかわらず世界中で身体を動かそう…!と言っても座りっぱのライフスタイルを変えられない人がほとんどです。まぁ、分かっちゃいるけど~ってやつですな。
しかも身体活動が必要な人であればあるほどより防御的、つまり聞いてくれず行動にも移してくれないそうです。しかしこの防御的姿勢を確実にダウンさせ、健康アドバイスを受け入れてくれる方法があるんだとか。
それが、アファメーション(自分の価値観に基づいて考えたり書いたりすること)だそうです。健康アドバイスという自分にとって嫌~なメッセージの前にアファメーションをすることにより、アドバイスへの抵抗度を減らし、受け入れることが出来るようになりやすいみたいです。
んで今回の研究で非常に面白いのが脳内の動きにも着目していることです。
というのも先行研究により、アファメーションや健康アドバイスによる行動の変化などが、腹内側前頭前野の活性化と深く関わっているってことが分かっているんですよね。
その辺の研究をバーッと挙げていきますと、
- 2010年のカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究:腹内側前頭前野は自分に関連する情報処理を行う最も一般的な領域だった…!
- 2013年のペンシルベニア大学の研究:腹内側前頭前野は腹側線条体とともに、正の刺激(自分にとって結果がプラスの事)を判断する重要な領域だった…!
- 2010年のカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究・2011年のミシガン大学の研究・2011年のミシガン大学の研究・2012年のミシガン大学の研究:腹内側前頭前野は健康アドバイスによる行動の変化と関係があった…!
って感じなんですよ。
これらから研究者は以下のような仮説を立てたそうです。
- アファメーションをしてもらう
- 健康アドバイスを聞いてもらう
- 健康アドバイスによって腹内側前頭前野が活性化する…!
- 健康アドバイスを聞き入れ、座りがちな生活をやめて動くようになる…!
この仮説を実際に検証したのが今回の研究になります。
今回実験に参加したのはスタート時、睡眠時間を除き平均50.6%が座りっぱなしの成人男女67人(男性26人女性41人、平均年齢33.42歳)でして、最終的に実験をやり遂げたのが45人だったとのこと。
まず参加者全員に8つの価値観リストを渡し、ランク付けしてもらったそうな。因みに8つの価値観は、創造性、家族や友人、ユーモア、自律性、お金、政治、宗教、自発性だったとのこと。
次に参加者を以下の2グループに分けたらしい。
- アファメーショングループ:8つの価値観リストのランキングで最高ランクだった価値観とそれにつながる状況について考えてもらった。例えば、宗教が最高ランクの価値観だった場合は、宗教が人生の目的を与えてくれる時はどんな時かを考えるなど。
- コントロールグループ:価値観とは関係ない適当な状況について考えてもらった。例えば、天気をチェックするときはどんな時かを考えるなど。
合わせて、参加者全員に健康アドバイスを行い、更にfMRIで脳をスキャンして腹内側前頭前野をチェックしたそうです。
ここから1ヶ月間、参加者には加速度計を付けながら生活してもらい、実際に座りがちな生活をやめて動くようになったのか見てみたそうな。因みにこの1ヶ月間中にも、参加者は携帯電話を介して1日1回、価値観と健康アドバイスを受け取っていたそうです。つまり日々、価値観・健康を意識した生活を送るようにしたってことですね。
気になる結果は、
- アファメーショングループはコントロールグループに比べて、健康アドバイスを受けているとき腹内側前頭前野がより大きく活性化していた…!
- アファメーション→健康アドバイスを受けた参加者は座りがちな生活が大幅に減っていた…!
そうです。
つまり、
- 腹内側前頭前野が活性化=自分に関連する情報処理の場所なんで、健康アドバイスを受容している証拠
- 健康アドバイスを受容できたから、健康アドバイスを聞き入れ、座る時間が減った…!
ってことですね。
これはすごいですね~。
今回の研究は健康アドバイスに着目しておりますが、別に他の内容でも使えるかと思います。実際、SFAのリレーションシップクエスチョンがこちらのテクニックを使っていると言えますしね。つまり、支援等で相手を説得したい時、障がい受容なんかを進めていきたい時なんかに使えるテクニックではないかと…。
また価値の明確化はACTのコアプロセス図の一つでもあるんで効果も高いかと思います。
ということで実際の支援に活かすのならば、個人、又はグループワーク等で、
- アファメーションを行い価値の明確化を行う
- その上で聞き入れてもらいたい、受容してもらいたい内容を伝える
を行うと良いんじゃないでしょうか。
是非お試しください。
個人的考察
個人的には、成功体験を思い出し、そこから自分が価値を感じるものをピックアップしてランキング付けしていくと良いのかな~と思いました。
また、アファメーションを応用して、
なんかを行っていっても良いのかな~と。