このシリーズの中のいくつかの記事では、有酸素運動+無酸素運動(筋トレ)の両方をやるのがベストだけど、どっちか選ぶなら有酸素運動…!って話をご紹介したことがございました。
そして当ブログでなんどぉ~も登場している通り、有酸素運動のおすすめはHIIT系なんですよ。ご存知の方も多い通り、HIITやSITは高強度インターバルトレーニングというもので短い時間に全力で運動しつつ短い休憩を小刻みにとっていくという有酸素運動法です。
でも今までと同様、これまでご紹介してきたHIIT系の研究は知的障がいのない方を対象にしたものばかりでして、同様の効果が知的障がいをお持ちの方にもあるか謎だったんですよね。
ということで今回は、ここんところを調べた研究を見ていきます…!



知的障がいの方のSIT(スプリント・インターバル・トレーニング)の効果を調べてみた…!

2014年のノース=ウェスト大学RCTによると、知的障がいの方を対象にSIT(スプリント・インターバル・トレーニング)の効果を調べてみたそうです。
この研究は、知的障がいのある男女54名が参加したもので、参加者の平均年齢は17歳、平均BMIは27.7とのこと。また平均IQは59だったらしいんで、軽度知的障がいの方が対象だったみたいですね。
んで、実験は参加者を以下の3グループに分けて行われたんだとか。

  1. SITグループ:17名にSIT(スプリント・インターバル・トレーニング)を行ってもらう。
  2. 普通の有酸素運動グループ:15名に普通の有酸素運動を行ってもらう。
  3. コントロールグループ:14名は特に何もしない。

ではここで各グループについて詳しく見ておきましょう。
SITグループの流れは以下のようになっておりました。

  1. 15秒間全力で運動→45秒間休憩、これを10回繰り返す(全部で10分間)
  2. 普通の有酸素運動を行う(10分間)
  3. 15秒間全力で運動→45秒間休憩、これを10回繰り返す(全部で10分間)

つまり、SIT→普通の有酸素運動→SITってことですね。全部の時間は30分ですな。
これを週2回で15週間続けてもらったそうな。
続いて普通の有酸素運動グループの流れを見てみます。

  1. 普通の有酸素運動を30分間行う。
  2. 但し8週間後に強度を上げた。

SITと運動時間の合計が同じようになるよう調整しつつ、慣れてきた頃合いで強度を上げたみたいですね。まぁ、一般的な有酸素運動ですな。
最後はコントロールグループですがこちらは、

  • 普通に過ごす

って感じ。
この研究では実験開始前後に体組成や体力、代謝といった項目もチェックしておりまして、これで違いが出たかどうか比べてみたみたい。
その結果がこちらです。

  • SITグループはコントロールグループに比べて、ウエストが細くなり、体脂肪率は減り、収縮期血圧も良くなり、インスリン抵抗性も改善、VO2max(≒心肺機能)もアップ、筋力もアップと有意なプラスの効果のオンパレードだった…!
  • SITグループは普通の有酸素運動グループに比べて、体脂肪率、収縮期血圧、LDL、インスリン、VO2max(≒心肺機能)で有意な改善があった…!

運動していない人よりもSITを行った方が良い結果が出たのは当然ですが、普通の有酸素運動よりも更に良い結果が出たってのは大きいですね。



個人的考察

つまりSITのようなHIIT系に関しても障がいの有無に関係なく、同じ効果を得られそうな感じです。但し、めっちゃきついんで続けるようにするのが難しそうですが…。



参考文献