【加筆内容】ダイエット効果に性差の違いはあるのか?女性ホルモン編5「脂肪大事編」
先週は、
ってのを確認していきました。
結局、エストロゲンは多すぎても少なすぎてもダイエットに悪影響があるって感じですね。
ということで適切なエストロゲンをキープすることが女性の場合、ダイエット成功の秘訣にもなり得るのですが、基本的にエストロゲンは生理周期に従ってアップダウンするんでこれを正常に保つのが良い感じみたいです。
んがしかし、現代社会は正常に保つのが難しい要素が多々ありまして、例えば、
などなど。その結果、ホルモン変動が乱れ、異様な食欲に苦しみつつ、罪悪感もありつつも食べまくる…みたいな状況に陥ってしまうんですな。
ホルモン変動が乱れている女性は極端に脂肪を摂取せずコルチゾールが高止まりしていた…!
1998年のカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究によると、ホルモン変動の乱れと食事の関係について調べてみたそうです。そもそも月経周期の乱れってのは、多くの場合、無理なダイエットや長時間の有酸素運動、慢性的なカロリー制限に体が対応する為だと思われております。また体重が安定しており、運動習慣のない女性に関しては日々のストレスが原因とのことで、自信がなく、完璧主義者に多いらしい。更にコルチゾールが高止まりしているという共通点もあるみたい。
ということで今回、運動や体重減少と関係ないけど月経周期の乱れている女性とそうでない女性を対象に普段の食事の特徴を比べてみたそうな。
まず最初に参加者候補の方々に聞き取り調査を実施、病歴や月経歴、運動歴、うつ歴(ベックうつ病尺度でチェック)、摂食障害歴なんかを聞いたそうです。次に明らかなうつ病・摂食障害のある方を除外したそうで、結果、参加者は以下のようになったんだとか。
- 月経周期の乱れている女性:8名
- 月経周期が規則正しい女性:8名
因みに月経周期の乱れている女性の定義は、少なくとも半年以上月経がないこととしたみたい。
その後体組成をDXAでチェックしつつ、食事記録と活動記録を7日間つけてもらったそうな。もちろんその間は、いつも通りの食事と運動習慣をしてもらっております。
それでは結果の前に各グループの参加者情報を確認しておきましょう。
- 月経周期の乱れている女性:平均年齢26.7±2.4歳、平均BMI=18.8±0.8、体脂肪率20.3±1.4%、筋肉量75.9±1.4%
- 月経周期が規則正しい女性:平均年齢27.5±1.8歳、平均BMI=20.2±0.6、体脂肪率23.4±0.9%、筋肉量71.0±0.7%
ホルモン変動が乱れている方の方が痩せ型が多く、筋肉が若干ついている感じですな。
では集まったデータを統計処理した結果を見ていきましょう。
- 明らかなうつ病・摂食障害のある方を除外したにも関わらず、月経周期の乱れている女性は月経周期が規則正しい女性よりもスコアが高かった…!
- 食事記録から、月経周期の乱れている女性も月経周期が規則正しい女性も1日の総摂取カロリーは同じぐらいだった。
- しかし、月経周期の乱れている女性は月経周期が規則正しい女性に比べて、脂肪の摂取量が50%も少なく、食物繊維の摂取量が約2倍も多かった…!
- 月経周期が規則正しい女性の相対的脂肪摂取量は31.6±1.9%で、月経周期の乱れている女性の相対的脂肪摂取量は16.3±2.2%しかなく、その変わりを炭水化物の摂取量で補っていた(月経周期の乱れている女性63.1±3.3%、月経周期が規則正しい女性51.6±4.1%)
- タンパク質は同程度だった(月経周期の乱れている女性15.4±2.3%、月経周期が規則正しい女性17.5±1.7%)
- 月経周期の乱れている女性は24時間にわたって高コルチゾール状態だった…!
つまりホルモン変動が乱れている女性は、極端に脂肪を摂取せず、コルチゾールが高止まりしていた…!ってことですね。
では、もうちょい食事データを詳しく見ておきましょう。
- 項目:月経周期の乱れている女性:月経周期が規則正しい女性
- 1日の摂取カロリー:1594±180kcal:1597±133kcal
- 1日のタンパク質:65±11g:69±10g
- 1日の脂肪:29±3g:54±5g
- 1日の炭水化物:273±39g:199±19g
- 1日の砂糖:67±9g:50±10g
- 1日の食物繊維:22±1g:12±2g
まとめると、極端な低脂肪食ダイエットはホルモン周期を乱す…!ってことですな。そして根底には、やせたい願望ってのが関わっていると。
個人的考察
脂肪はホルモンを作るのに必須なんで、そりゃそうだよな~って結論でしたね。
ということでまずは食事から脂肪をしっかり摂ることが重要です。