【まとめ】自然のすばらしさをできるだけ挙げてみる!
農福連携の記事のところで自然のすばらしさを紹介しましたが、ここでは更に自然のすばらしさをご紹介していこうと思います。
ストレス・メンタル回復スピードアップ…!病気からの回復スピードアップ…!長く健康・幸福でいられる…!
2007年のエディスコーワン大学などの研究によると、様々な景色(風景)が健康や幸福に与える影響について調べてみたそうです。具体的には、まず景色が健康や幸福に与える影響について書かれた研究をレビューしたとのこと。そこでまず分かったのが、研究で使用される景色のほとんどが、自然又は都市のだったそう。
そして自然は都市と比較した結果、
- 自然の方が都市よりも健康にプラスの影響があった…!
- 都市は健康にあまりプラスの影響がなく、場合によってはマイナスの影響があった…。
とのこと。
更に健康への影響は大きく3種類確認されたそうです。
- ストレスや精神的疲労からの短期的な回復
- 病気からのよりスピーディーな身体的回復
- 健康や幸福の長期的な改善
つまり、自然に囲まれたところに住んでいる人は都市部に住んでいる人に比べ、ストレスやメンタルの回復が早く、また病気からの回復も早いので、結果長く健康でいられ幸福も感じられるってことですね。う~ん。自然って素晴らしい…!
自然環境で行う運動は室内の運動よりもメンタルに良い影響があり、運動が続きやすくなる…!
2011年のペニンシュラ大学の系統的レビューによると、自然環境での運動は室内での運動に比べ、メンタルや健康、運動の継続力にどのような影響を及ぼすのか調べてみたそうです。この系統的レビューでは最終的に11件の研究がピックアップされまして、参加者は成人、延べ人数は833人だったとのこと。また、ほとんどの参加者は若い学生だったそうな(6件の研究は学生が対象で、延べ参加者数は523人)んで、早速結果を見てみると、
- 自然環境での運動は、室内での運動に比べ、緊張や混乱、怒り、うつ病が減少した…!また、エネルギッシュにもなっていた…!
- しかし上記の結果は、自然環境での運動後に落ち着いて行動するのが難しくなる可能性があった…。
- 参加者は、自然環境で運動することを大きな楽しみとしていた…!また満足度も高かった…!運動の継続力もアップしていた…!
って感じ。
自然環境で行う運動は室内の運動よりもメンタルに良い影響があり、運動が続きやすくなる…!ってことですね。但し、運動後は冷静になるのに少し時間がかかる可能性があるので注意が必要だよーっと…。やっぱ自然はメンタルに良いんですね~。
因みに自然環境での運動と聞くと、大自然に囲まれた環境でのびのびと運動しているイメージをつい想像してしまいますが、実際は公園でウォーキングをするだけでも違うらしいです。これなら簡単に実践できそうですね…!
自然の中を90分間散歩するだけで反芻思考・前頭前野の活性化が減少した…!
2015年のスタンフォード大学の研究によると、自然が反芻思考(いわゆるネガティブループのこと)に与える影響について調べてみたそうです。なんでも、近年、都市部に住む人が増えているけど、都市化は精神疾患レベルの上昇とも関係しているそうで、この状況を自然環境が改善するのか調べてみたそうな。実験は、現在又は過去に神経障害や精神障害の診断を受けていない健康な男女38人(男性20人、女性18人、平均年齢26.6歳)が参加したそうで、皆さん都市部に住んでいる人達とのこと。
この方たちを以下の2グループにランダムに振り分けて90分間歩いてもらったそうです(散歩コースへは両グループとも車で移動)
- 自然環境で散歩グループ(参加者19人:男性11人、女性8人、平均年齢25.9歳):スタンフォード大学の近くの森林・緑地コースを散歩する
- 都市環境で散歩グループ(参加者19人:男性9人、女性10人、平均年齢27.2歳):3〜4車線あり、交通量も多い道を散歩する
また参加者には散歩中に、支給されたスマホで写真を10枚撮るよう言われたらしい。これは、正しいルートを通ってちゃんと散歩をしているかの確認用とのこと。更にスマホで追跡もしたそうで、行動をかなり厳しくチェックしたみたい。
最後に散歩の前後に脳内をスキャンした情報を比べてみたそうです。
その結果、
- 自然環境で散歩グループは、都市環境で散歩グループに比べ反芻思考レベルが低下していた…!
- 精神疾患のリスクに関係している前頭前野の活性化が低下していた…!(≒ネガティブに巻き込まれ辛くなっていた≒反芻思考が改善した)
とのこと。
自然の中を90分間散歩するだけで反芻思考・前頭前野の活性化が減少するのは嬉しいですね~。
反芻思考はうつ病と密接に関わりのある症状なんで、コーピングレパートリーに「自然の中を散歩する」を追加しておきたいですね。
身近に自然がない場合はどうすべきか…?
でも仕事などで都市部に住んでいて身近に自然があるところに引っ越すなんてできない…って方もいると思います。では、そのような場合はどうすれば良いのでしょうか…?
そこで参考にしたいのが1998年のノルウェー農業大学のRCT・クロスオーバーデザインになります。この研究は、オフィス内に観葉植物を置く事があるけど、あれってどんな影響があるのかについて調べてみたそうです。
実験に参加したのは51人の健康なオフィスワーカーで、オフィス内に観葉植物がある期間とない期間を用意し、それぞれの期間、質問票を回答してもらったそうな。因みに質問票は12の項目からなり、健康や不快感の症状(疲労など)、粘膜や皮膚の状態などに関する内容だったとのこと。
んで、結果、室内に観葉植物がある期間はそうでない期間に比べ、
- 咳の苦情が37%減った…!
- 倦怠感の苦情が30%減った…!
そうです。
つまり、室内に観葉植物を置くだけでメンタルや粘膜の状態に良い影響があった…!ってことですね。因みに皮膚の状態については植物の影響はなかったとのこと。ここは残念ですね~。
研究者曰く、この研究結果は、オフィス環境に観葉植物を導入しただけで、健康の改善や不快感の症状を減らせる可能性がある、とのことです。
身近に自然がない方は代替案として室内に観葉植物を置くってのが良さそうですね…!
観葉植物で室内の空気がきれいになる…!
1993年の研究によると、植物が化学物質を除去できるのか調べてみたそうです。実験は密閉された空間にホルムアルデヒド、キシレンを布やパネル、家具などにつけて植物を置いてみたらしい。因みにこれを3回以上繰り返してみたそうな。結果、
- 植物の葉はホルムアルデヒドとキシレンを33〜49.5%も除去していた…!
- 植物にいる微生物はホルムアルデヒドを除去する能力を向上させていた…!
とのこと。
植物は、室内の化学物質をきれいにするのに役立つみたいですねー。
また研究者は、観葉植物をオフィスなどに置くことによって、室内の空気をきれいにしてくれるとおっしゃっております。やはり、自然の代替案として室内に観葉植物を置くってのは良さそうです。
自然で集中力がアップする…!
2015年のメルボルン大学の研究によると、自然と集中力の関係について調べてみたそうです。具体的には、大学生150人に協力をお願いし、以下の2グループにランダムに振り分けて画像を見てもらったそうな。
- 屋上緑化グループ:屋上が花の咲いた緑の芝生になっている場所を見てもらう
- 屋上コンクリートグループ:屋上がコンクリートになっている場所を見てもらう
最後に集中力をチェックし、実験スタート時の集中力と比べてみたらしい。
結果は、
- 屋上緑化グループは屋上コンクリートグループに比べ、タスクのミスが大幅に減るなど集中力がアップしていた…!
そうです。
自然の景色を取り入れ、見ただけで集中力がアップするのは嬉しいですね~。
都市部の屋上を緑化したり、公園を作るってのはメリットがありそうですねー。
これを見ると、少しでも周囲に自然を感じられる環境整備をしていきたいと思いました。
都市部はメンタルに悪影響…!農村部はメンタルに好影響…!は本当か…?
2009年のアーキンメンタルヘルス研究所の研究によると、精神疾患における都市部と農村部の違いについて調べてみたそうです。
更に細かくデータを見てみますと、
とのこと。
この研究は1985年以降に発表された20件の人口調査研究のデータに基づいたそうで、精神疾患における都市部と農村部の発症率についてメタ分析してみたとのこと。
因みに精神疾患については、
- 精神障害の総発症率
- うつ病(気分障害)
- 不安障害
- 物質依存障害
についてそれぞれ見てみたらしい。
そんでもって、結果はこんな形だったそうな。
- 精神障害の総発症率は、都市部の方が農村部よりも多かった…!
- うつ病(気分障害)の発症率は、都市部の方が農村部よりも多かった…!
- 不安障害の発症率は、都市部の方が農村部よりも多かった…!
- 物質依存障害の発症率は、都市部も農村部も変わらなかった…!
更に細かくデータを見てみますと、
- うつ病の発症率は、都市部の方が農村部よりも39%も高かった…!
- 不安障害の発症率は、都市部の方が農村部よりも21%も高かった…!
とのこと。
つまり、近代化や都市化はメンタルに悪影響がある…!とも言えるし、逆に自然環境があるのはメンタルに良い…!とも言えますな。
自然で社会的なつながりや幸福度がアップし、犯罪が減る…!
2015年のカーディフ大学の研究によると、自然と社会的なつながりの関係について調べてみたそうです。そもそも近年自然との接触は大幅に少なくなっておりまして、なんでもヨーロッパ人の70%、世界人口の半数が都市部に住んでいるそうな。そしてこの影響が他者とのつながりを弱め、社会的コミュニティを弱めている原因なんじゃないかってことです。
まず自然と接する機会が多いと、
- ポジティブな感情がアップする…!
- 身体的健康がアップする…!
- 生活の満足度がアップする…!
- ストレスが解消できリラックスできる…!
- 活力がアップする…!
とのこと。
以上のメリットにより自然と接する事で個人の幸福がアップするのは間違いなさそうなんだとか。しかし一方で、社会的影響についてはほとんどが謎らしい。
そこで今回研究者たちは、自然と社会的なつながりの関係をチェックしてみることにした見たい。
この研究はイギリスの全国調査データを使ったもので、2011年9月下旬から2週間にわたってオンラインアンケートでデータを収集したと言うもの。サンプルは22歳から65歳(平均年齢43.21歳)の男女2,079人(男性1,040人、女性1,039人)でして、イギリス全土から選ばれたんだとか。
アンケートでは、庭園や公園、森、牧草地、農地など自然を広く定義した上で触れ合い度をチェック、その上で、
- 主観的な自然との接触度
- 社会的なつながり度
- 犯罪率
- 幸福感(ポジティブ・ネガティブ度)
なんかを聞いたそうな。
また住所から周辺の自然状況もチェックしたらしい。つまり客観的にも自然との触れ合い度を見てみたわけですね。
最後に統計処理してみた結果、以下のようなことが分かったそうです。
- 自然と触れ合う機会が多いと個人の社会的なつながりと幸福感がアップしていた…!
- 自宅から自然の眺めたり、自然の中で過ごす時間の長さは、自分が社会コミュニティに深くつながっているという感覚をアップさせていた…!
自然があると社会的なつながりや幸福感がアップするし、自然と触れ合う時間が増えるほどその効果もアップするみたいですね。
また、この研究ではこれらの効果がどれぐらいの影響なのかもチェックしておりまして、
- 自然がコミュニティの結束力に及ぼす影響は約8%…!
とのこと。
8%と聞くとショボそうに見えますが、研究者曰く、
- 収入や性別、年齢、教育など、個々の予測因子を合わせても、わずか3%しか説明できない
ってことなんで、かな~り高い影響力みたい。
更に犯罪の影響力もすごくて、
- 客観的な自然が犯罪率に及ぼす影響は4%…!
とのこと。
因みに社会的経済的貧困による犯罪率の影響が5%だったっていうんだから、こちらもすごい数字ですよね。また現実世界での犯罪率減少に影響があるには約2%~3%あることが重要らしいんで、自然は現実的に影響を与えられるみたいです。
個人的考察
最後にこれからもちょこちょこ自然のすばらしさを【加筆内容】としてご紹介していきますので、宜しくお願いします。