【加筆内容】就活の自己PR・自己アピールはどうやると好印象なのか?良い印象を与える自慢方法を考える4
今回はその逆で聞く側の状況の違いで印象が変わるのかを見ております。
相手が認知・時間に余裕がない、集中できない時に自慢すると良い印象をもたれる…!
GIVE&TAKEの記事や天職・仕事のやりがいの記事など当ブログでも何度も登場しているアダム・グラント教授の2015年の研究によると、自慢をされる人たちはその状況によって受け取り方が変わるのか調べてみたそうです。
そもそも自慢(自己PR・自己アピール)ってのは、自慢をする側にフォーカスして調べることが多いんですが、今回はそれを聞かされる側にフォーカスしたんですよね。
んで、なぜ聞かされる側の状況によって印象が変わるかも…!と考えたかと言いますとグラント教授曰く、
- 自慢の効果は聴く側の認知リソースに依存する可能性がある
- 聴く側が認知的に忙しい場合、情報を誤って判断する可能性が高く、礼儀正しさや謙虚さなどがなくても気づかない可能性がある
- つまり、自慢は相手が忙しくて認知リソースを避けない時にすると良いのかもしれない
ということでした。
つまり相手が話に集中できない時に自慢すると良いかも…!ってことですね。これは面白い視点ですな。
ではこれが本当なのか調べた実験を2つ見ていきましょう…!
就職面接で調べてみた…!
一つ目の実験は、自己アピール(自慢)をする可能性が非常に高い就職面接での実験です。
この実験は大学生130名を対象に行われたそうで、以下の4パターンで面接を行ってみたそうな。
- 応募者:自己アピール・面接官:認知的忙しさが高い
- 応募者:自己アピール・面接官:認知的忙しさが低い
- 応募者:他者アピール・面接官:認知的忙しさが高い
- 応募者:他者アピール・面接官:認知的忙しさが低い
以上で、自慢の内容と認知的リソース状況の関係についてチェックしてみたそうです。
使えなかったデータを取り除いた125名の結果は仮説通りで、
- 面接官が認知的に忙しい時はそうでないときに比べて、自慢内容を良い印象と捉えていた…!
とのこと。
やっぱ深く考える余裕がないときは、自慢がすんなり入っていくみたいですね~。
自己アピールの強さを変えてみた…!
二つ目の実験は、基本一つ目の実験と同じ感じなんですが、自己アピールの強さを変えてみたという違いがございます。
この実験に参加したのは大学生116名でして、以下の4グループに分けて面接を行いました。
- 応募者:弱めの自己アピール・面接官:認知的忙しさが高い
- 応募者:弱めの自己アピール・面接官:認知的忙しさが低い
- 応募者:強めの自己アピール・面接官:認知的忙しさが高い
- 応募者:強めの自己アピール・面接官:認知的忙しさが低い
結果はやっぱり同じで、
- 自己アピールの強弱に関係なく、面接官が認知的に忙しい時はそうでないときに比べて、自慢内容を良い印象と捉えていた…!
そうです。
二つの実験から、自慢を聞かされる側が認知的に忙しいかどうかで良い印象になるかどうか決まる…!ってことが分かりました。
では、認知的に忙しい時の他に同じく、自慢をして良い印象をもたれる状況はあるのでしょうか…?…ってことでその辺もこの研究では調べておりまして、結論を書いておきますと、
- 注意が分散しているとき(注意の分割状態やマインドワンダリング状態、マルチタスク状態の時)
- 時間のプレッシャーがあるとき(時間に余裕がないとき)
も認知的に忙しいときと同じ効果が見られたそうです。
個人的考察
よくカフェで面接や商談なんかするときがありますが、あれは周りがガヤガヤしているんで、自己アピールが良い印象を持たれやすい状況といえますね。
これを求職者側が現実の面接で活かすのは難しそうですが、もし面接の時間を指定できるなら昼前や繁忙期など少しでも時間のプレッシャーがありそうな時を選ぶと良いのかも…。同じく場所を選べるときはシーンと静まり返った場所ではなく、雑音がある場所が良いのかもしれませんね。
逆に面接官側は、認知・時間に余裕があり、集中して面接できるときに面接した方が良さそうな感じです。
…。
そういえば、私が今の会社の面接を受けた時は、まだ事業所が工事中で、木を電動ノコなんかでガンガン切っているときでした。めちゃくちゃ騒音ある中での面接で、どちらも正直話した内容を聞き取るのも大変といった状況だったのですが、もしかしたら、あの時私が受かったのは、上記の効果があったからなのかもしれませんね…。