【加筆内容】病気と無縁な生活を送っている健康長寿なフンザ族を調べたロバート・マッカリソン博士のお話
病気と無縁な生活を送っている健康長寿なフンザ族を調べたロバート・マッカリソン博士のお話
1921年のロバート・マッカリソン博士の書籍「欠乏症の研究(Studies in deficiency diseases)」によると、フンザ族の健康の秘訣について調べてみたそうです。まずフンザ族ってのは、パキスタン・ヒマラヤ山脈の秘境に住んでいる老化を止める術を身につけた民族と噂されていた人たちのことでして、100歳を超えても尚、若々しく活動的であり続けている老人が普通にいたそうな。そしてフンザ族は、現代人がかかりやすいとされる病気とは無縁な生活を送っていたらしい。
例えば、ガンや心疾患、高血圧、小児疾患などになるケースは極めて珍しいそうです。また、非行少年もいないし、離婚もめったになく、そもそも刑務所や警察、軍隊もないって感じだそうで、なんでも150年間、犯罪が起こったという記録もないんだとか。すごいですな。
そんなフンザ族の健康長寿の秘訣を知るため、ロバート・マッカリソン博士は現代人との違いをチェックしてみたらしい。その結果、
- 現代人とフンザ族との唯一の違いは食生活だった…!
そうです。
具体的には、以下の物を食べていたんだとか。
続いて、食事や生活のポイントについてもまとめてくれております。
- ほとんどの食品は生で食べる。
- 土壌、人々の食事、家畜のエサにも農薬や添加物、化学肥料は一切使用しない。
- 乾燥させた保存食である野菜や果物は全て太陽と空気にさらされ放置されている。
- 異物の処理も一切していない。
- 子供はみな母乳で育っている。男の子は3年間、女の子は2年間母乳で育てられる。
- 出産前のケアは特になく、母親の健康がそのまま乳児に受け継がれる。
- 夜食をする人はいない。
- 間食をする人もいない。
- 太りすぎの人はほとんどいない。
- 少食である。
- 食生活は質素である。
- 動物性脂肪はほとんど摂らず、魚も食べない。
- なのにエネルギッシュで絶えず活動している。
原始的な生活に近いですねー。
では、この食生活の違いが本当にフンザ族の健康長寿の秘訣なのか…?ってことで、マッカリソン博士は1927年に動物実験を行ってみたそうです。
まず一つ目の実験では、健康なアルビノラット約1,200匹を新鮮な空気と日光、快適さ、清潔さを備えた良好な環境で育ててみたそうな。
その際、併せてフンザ族の食事(以下「フンザ食」)を食べさせたらしい。
因みにラットに与えたフンザ食は、
- チャパティ(全粒穀物を使った薄焼きのパン)に新鮮なバターを薄く塗ったもの
- 発芽させた豆
- 新鮮な生のニンジン
- 生のキャベツ
- 生の牛乳
- 週に一度だけ少量の骨付き肉
- 豊富な水
とのこと。
実験期間は27ヶ月間でして、ラットの年齢は人間に換算すると50歳ぐらいになったみたい。
最後にラットの健康状態を見た結果、
- ラットは全く病気になっていなかった…!
- 自然死した大人のラットもいなかった…!
- 子どものラットの死亡例もなかった…!
- 隠れた病気の証拠を見つけることもできなかった…!
そうです。
病気とは無縁、健康そのものって感じだったみたいですな。すごい…。
続いて二つ目の実験では、病気のラットを用意し、フンザ食をエサとして与えてみたそうです。すると、全部のラットが元気になったとのこと。これにはマッカリソン博士も驚いたということです。
そして、三つ目の実験では、ラット2,243匹を清潔で快適な環境に置きつつ、現代食をエサとして与えてみたそうです。
因みに現代食とは、米や豆類、調理した野菜、加工食品って感じだったみたい。
この現代食をラットが食べ続けた結果、
- 様々な病気やメンタルの不調に悩まされるようになった…。
そうです。
フンザ食を食べたラットは、驚くほど健康で活力もあり、メンタル安定、すくすく成長し、病気と無縁で健康な子孫を残し、臓器の異常もほぼなし…!って感じだったんで真逆ですな。
3つの実験からマッカリソン博士はこのように述べておりました。
- 不健康な状態の全ては、感染症の有無に関わらず、栄養不良という共通の原因を持っていた。健康な成長期のラットに、体型の良い人と同じような食事を与えたところ、ラットの体格も健康状態も良かった。体型の悪い人と同じような食事を与えたところ、ラットの体格も健康状態も悪かった。体型が普通の人と同じような食事を与えたところ、ラットの体格も健康状態も普通だった。
更にマッカリソン博士は後の実験で、ラットに当時のイギリスの貧しい階級の人の食事を与えた実験もしております。
貧しい階級の人の食事の具体例は、
って感じ。
この食事を続けたラットは、
- あらゆる病気を発症しただけでなく、メンタルもボロボロになった…。
- 神経質で、噛むことが多かった…。
- 実験開始から60日後には、弱いラットを殺して食べるようになった…。
とのこと。
加工食品でメンタル悪化ってのはラットでも人間でも起こるんですね…。
個人的考察
約100年前である1921年の時点で、マッカリソン博士は不健康の大部分を引き起こしているのが食事だ…!ってことを、科学的根拠に基づいて述べているのはすごいですな。
ということで、ガン予防に限らず、健康のポイントは加工食品は食べない…!未加工食品を食べる…!ってことになりましょう。