位置情報ゲーの研究を見てみよう…!の続きです
X(旧Twitter)の方では何度かポスト(ツイート)しましたが、最近また新たな位置情報ゲーがリリースされまして、その名も「Moomin Move(ムーミンムーブ)」って言うんですよ…!
Google PlayでもApp Storeでもすでにダウンロード可能となっておりますんで気になる方はご覧いただくとよろしいかと思います。
それでは早速研究を見ていきますかー。


ポケモンGOと事故・身体活動の関係を調べてみた…!

2016年のトレド大学の研究によると、ポケモンGOは健康にとってプラスなのかマイナスなのか調べてみたそうです。
まず研究者たちは2016年7月の最後の2週間に様々な公共の場所に赴き、現地でポケモンGOをしている人たちを探してみたそうな。そこで実際にポケモンGOをプレイしていた成人662人を対象に実際の健康行動について聞いてみたらしい。
その結果、潜在的なデメリットとメリットが浮き彫りになったとのこと。


潜在的なデメリット:事故

ではまず潜在的なデメリットということで、研究者が取り上げていたのは、ポケモンGOにまつわる運転事故、自転車事故、歩行中の事故についてです。これらはインターネットで検索すると簡単に数多くのニュースが出てきます(日本でもそうでしたよね)。んがしかし、メディアが題材的に取り上げることで広がったこの問題ですが、この時点では、調べた研究は1件のみだったそうです(因みにその研究が2016年のサンディエゴ州立大学の研究)

では実際どうなのか…?ってことで、Xのポスト(旧Twitterのツイート)を研究者たちがチェックしてみると、10日間で10万件以上のポケモンGOプレイ中のわき見運転の投稿があったみたい。またこのポスト(ツイート)を調べていくと、ポケモンGOプレイ中のわき見運転で実際に交通事故が起きていたケースが14件投稿されていたらしい。
…っと、こう聞くと、やっぱポケモンGOは危ない…!ってついなりそうなんですが、まずポスト(ツイート)のみで判断している事、そもそも10万以上のうちの14件と考えると別に取り立てて多いとは言えない事を踏まえるとなんだかな~って感じですかね。
んでこの裏取りってことで公共の場所でポケモンGOをしていた662人に聞いて回った結果、こんな感じでプレイしていたそうです。

  • 運転しながらポケモンGOをしている人:27.3%
  • 自転車などに乗りながらポケモンGOをしている人:43.4%
  • 歩きスマホでポケモンGOをしている人:31.5%
  • 危険な場所でポケモンGOをしている人:14.1%
  • 私有地に入ってポケモンGOをしている人:11.2%
  • 睡眠を犠牲にしてポケモンGOをしている人:37.8%

リリース当時はポケモンGOプレイヤーの4分の1以上が運転中にポケモンGOをしていたみたいですね。こりゃ確かに危ないですな。
また、危険な行動をとる人の特徴も見られたらしく、

  • 男性の方が運転中や自転車などのながらスマホが多く、危険な場所や私有地に入ってポケモンGOをしている傾向が強い…!
  • 24歳以下の人は40歳以上の人よりも、危険な場所等でポケモンGOをする可能性が高い…!

って感じだったらしい。
つまり若い男性が危険な方法でポケモンGOをしていることが多いと。これも想像通りの結果ですな。


潜在的なメリット:身体活動

じゃあ、こんなゲームはやらん方が良いのかってことになっちゃうんですが、研究者は潜在的なメリットもあるよーっと言っておられます。
まず最も有り得そうなメリットは身体活動の増加です。例えば、以前に紹介した2016年のスタンフォード大学の研究によれば、ポケモンGOをプレイするようになって身体活動レベルが大幅に増加した…!としていました。
では実際どうなのか…?ってことで、こちらも研究者たちはフィールドワークによって調べてみたそうです。
具体的には、外でポケモンGOをしている人たちを探して以下の質問をしてみたそうな。

  • ポケモンGOを始めてから、週に30分以上の身体活動を何日間行っていますか…?

その後、身体活動ガイドラインがおすすめする週150分以上の基準を満たしているか見比べてみたらしい。
その結果、

  • ポケモンGOプレイヤーは週150分以上の基準を満たしている割合が大幅に多かった…!
  • ポケモンGOプレイ前に基準を満たしていた人は回答者の31%だった…!
  • ポケモンGOプレイ後に基準を満たしていた人は回答者の75%だった…!

とのこと。
リリース当初はやはり皆動き回っていたみたいですね。



個人的考察

最後に研究者たちは、公衆衛生への影響についてもまとめてくれておりました。なんでも公衆衛生の専門家によれば、AR(拡張現実)などの革新的なゲーム技術ってのは人々の健康にいろんな効果をもたらす可能性があるそうです。
メリットとしては、ARゲームにより公園や美術館の利用を促進する絶好の機会になり得るとのこと。また肥満などの対策に役立つ新しいアプローチにもなるんだとか。
一方でデメリットとしては、ながらスマホが増えるんで、ケガのリスクがどうしても増えるとのこと。そのためポケモンGOを運転中に出来なくする仕組みをゲームや車に備える必要があるそうな。
確かにリリース当初はいろんな方がたくさんプレイしていましたんで、そういった対策も必要でしたね~。



参考文献