科学的にみてポケモンGOみたいな位置情報ゲームって健康に良いの?事故とかのデメリットって本当のところどうなの?って話 その8
ポケモンGOの運動効果は1ヶ月半だった…!
2016年のハーバード公衆衛生大学院の前向きコホート研究によると、ポケモンGOの運動効果ってどうなの…?って疑問を調べてみたそうです。
…どうでもいい話ですが、この論文のタイトルが「ゲットだぜ!ポケモンGOと若者の身体活動:違いの研究」って感じで、ポケモンゲットだぜ!(Pokémon Gotta catch 'em all!)のセリフを上手くタイトルにねじ込んでいるあたりがなんか良いですな(笑)
話しを戻しまして、そもそも位置ゲーに限らず、運動しようぜ…!的なゲームってのは、実際に運動を促進、維持する可能性がある…!って話がございます。例えば2013年のプリマス大学の研究や2014年のアムステルダム自由大学の研究なんかですね。一方でポケモンGOの運動効果は当時ちゃんとしたデータに基づいて調べられていなかったんですよ。そこで研究者たちはこの度、オンライン調査とiPhoneの歩数データを使って調べてみることにしたんだとか。
ということでまず研究者たちは、2016年8月1日~31日までアマゾンメカニカルターク(Amazon Mechanical Turk)っていうオンライン調査を使い参加者を募ったそうな。
するとアメリカに住む18~35歳の2,225名が集まったらしい。またこの方々は、皆iPhone6所持者だったそうな。
次にこの中からポケモンGOをダウンロードしたけどトレーナーレベルが5以上になっていない人(チーム参加やポケモンジムバトルなどできない為。つまりチュートリアルを終えていない人ってことですな)115名を除外したみたい。更に、アンケートに回答しなかった人67名や歩数データのスクリーンショット(スクショ)を送らんかった861名なんかも除外していったんだとか。
結果、最終的なサンプル数は1,182名になったとのこと。
この1,182名には、
- 郵便番号と住んでいる都市名(都市or郊外or田舎)
- 学歴
- 性別
- 年齢(18~24歳or25~35歳)
- 人種(アジア人or白人or黒人orその他)
- 世帯年収(5万ドル(750万円ぐらい)未満or5万ドル以上)
- 婚姻の有無
- 身長と体重からのBMI(25未満or25以上)
- ポケモンGOのインストール日がわかるゲームのスクショ
- 毎日の歩数のスクショ
なんかを聞きだしたそうです。
また住んでいる場所の歩きやすさを、ほぼ車移動、まぁまぁ歩きやすい、歩きやすい、超歩きやすいの4分類に区分けしたそうで、こららのデータを基に統計処理したみたい。因みに歩数データの範囲は、ポケモンGOのインストール前の4週間とインストール後の6週間って感じでした。
結果、560人(47.4%)の方がトレーナーレベル5以上だったそうで、歩数との関係性はこのようになっておりました。
次にグラフの細かい部分をみておきましょう。
- ポケモンGOプレイヤーの開始4週間前の1日の平均歩数は4,256歩だった。
- ポケモンGO非プレイヤーの開始4週間前の1日の平均歩数は4,126歩だった。
- ポケモンGO開始1週間目の1日の平均歩数は5,123歩だった…!
- ポケモンGO開始2週間目の1日の平均歩数は4,994歩だった…!
- ポケモンGO開始3週間目の1日の平均歩数は4,693歩だった…!
- ポケモンGO開始4週間目の1日の平均歩数は4,499歩だった…!
- ポケモンGO開始5週間目の1日の平均歩数は4,108歩だった…!
- ポケモンGO開始6週間目の1日の平均歩数は3,985歩だった…!
んで、結果をまとめてみるとこんな感じ。
- ポケモンGOを始めた最初の1週間は、1日の歩数が955歩も増えていた…!
- しかしその効果は週を重ねるごとに減っていき、6週目にはゲーム開始前より増えてはいるもののわずか130歩で有意差はなくなった…。
- つまりポケモンGOの運動効果は6週間でなくなる…!
- 性別や年齢、人種、体重、地域などは影響がなかった。
確かにポケモンGOの歩数アップ効果はあったけど1ヶ月半で元に戻ってしまうみたいですね。やはりきっかけとしては使えそうですが、継続はまた別問題っぽいですな。
個人的考察
やっぱりそう上手い話なんてないんだな~としみじみ思いました。
但し、効果が1ヶ月半あるんでその間に如何に習慣化できるかに力を入れると良さそうです。