【まとめ】無意味な儀式(習慣・ルーティン)は役立つのか?
ついついやっちゃう習慣とか、ルーティンみたいなやつですね。それ自体に効果はないんだけど、やるとなんか落ち着くとか集中できるって実感もある方はいるかと。
無意味な儀式(習慣・ルーティン)はネガティブを和らげる…!
2014年のハーバードビジネススクールの研究によると、儀式(Rituals、Ceremony)でネガティブが和らぐのか調べてみたそうです。この研究は、
の記事でも登場した、フランチェスカ・ジーノ教授の研究でして、3つの実験を行ったと言うもの。
- 自己アピール(自己PR)のタイミングと気を付けるべきポイント
- 他人からの意見で自分の考えを変えるべきか?変えないべきか?
- 困ったら、何をすれば良いだろうかと考えずにこう考えよう!っていう、ハーバードビジネススクールの話
- 他人を頼れる人は優秀な人なんだよ!って話
- 今初めて明かす「永年勤続表彰制度」ってなんであんなルールにしたのか?
の記事でも登場した、フランチェスカ・ジーノ教授の研究でして、3つの実験を行ったと言うもの。
実験では
- 愛する人を失ったときのネガティブな感情
- 恋人を失ったときのネガティブな感情
- 宝くじなどを失ったときのネガティブな感情
の後に儀式を行い、ネガティブが和らぐのか見てみたんだとか。
もうちょい具体的に見てみると、愛する人を失ったとき(死別とか)や恋人を失ったとき(別れたとか)については、参加者にそれらを思い出してもらいつつ書き出してもらったそうな。その後、そのネガティブな感情を和らげるために何をしたかチェックしたらしい。
すると、一般的な儀式(葬儀など)もしていたんですが、多くの方が「マイ儀式」もしていたらしい。例えば、故人との思い出の店にそれからも行ったり、別れた彼氏彼女との思い出の品を燃やしたりとか。
3つ目の実験では大学生に協力をお願い、まずは参加者全員に集まってもらったそうな。
続いてその中からランダムに一人を選びその人に200ドルを渡したらしい。
んでここからがひどいんですが、残りの参加者には「貴方たちにはお金は渡さないし、この後アンケートにも答えてもらいます」と伝えたんだとか。これはイラッとしてストレスが溜まりますね(笑)
んで、この険悪なムードのまま参加者を以下の2グループに分けたそうです。
- 無意味な儀式グループ:現在の心の状態を描く。その絵に塩をかける。ビリビリに破く。静かに10数える。
- コントロールグループ:ただ絵を描く。
結果、無意味な儀式グループはコントロールグループよりもネガティブが和らいだとのこと。
これらの結果からジーノ教授曰く、
- 過去の儀式を振り返るよう指示された参加者や、嫌な体験を経験した後に新しい儀式を行うよう指示された参加者は、ネガティブのレベルが低かった
と、おっしゃっておりました。
また面白いのが上記の通り、儀式の効果を信じようと信じまいとネガティブが減ったということ。もしかしたらこういった理由から古今東西の宗教に共通するような儀式が出来たのかもしれませんね。
因みになぜ無意味な儀式でネガティブが和らいだのかですが、
- 儀式によって自己コントロール感がアップしたから…!
って可能性が高いみたい。
なんでも、たとえそれが無意味な儀式でも、やり遂げた、自分で自分をコントロールできたという感覚が高まり、それがメンタルの安定につながるみたいなんですな。
確かに有り得る話ですね。
ネガティブになったときの為に、自分専用のマイ儀式・無意味な儀式(習慣・ルーティン)を準備しておくことをおすすめします。
そしてできればif-thenプランニングに落とし込んでおくとよろしいかと(例えば、「もし○○が起きたら、儀式をする」みたいな感じ)
支援でも使えるかと思いますんで、是非参考にしてみてください。
無意味な儀式(習慣・ルーティン)で行動が変わる…!
フランチェスカ・ジーノ教授も参加している2013年のハーバードビジネススクールの研究によると、無意味な儀式(習慣・ルーティン)でその後の行動が変わるのか調べてみたそうです。この研究は4つの実験を行っておりまして、最初の実験では儀式が消費行動にどのような影響を与えるのかチェックしてみたそうな。具体的には大学生52名に協力をお願いし、儀式ありとなしにランダムに振り分けたとのこと。その後、チョコレートを食べてもらい、味を評価してもらったんだとか。結果、
- 儀式ありの人はなしの人に比べ、チョコレートがより風味豊かで価値があり、美味いと評価していた…!
そうです。
つまり、儀式で美味い…!もっと食べたい…!となったわけですな。
2つ目の実験では大学生105名に協力をお願いし、以下の4グループにランダムに振り分けたとのこと。
- 決まった形の儀式あり・遅延あり
- 決まった形の儀式あり・遅延なし
- ランダムなジェスチャー・遅延あり
- ランダムなジェスチャー・遅延なし
その後、今度は人参(中立的な食べ物)を食べてもらったそう。
結果、
- ランダムなジェスチャーは決まった形の儀式ほど消費行動を高めなかった…!
- 儀式と食べるまでの間に遅延があると楽しみが高まっていた…!
とのこと。
つまり、儀式はいつも決まった形で行う方が良い…!じらされるとワクワクがアップする…!ってことですな。
3つ目の実験では、大学生40名に協力をお願いし、自分で儀式を行う場合と、他人の儀式(自分が行ったものと同じ儀式)を見た場合で、効果に違いが出るのか調べてみたそうです(因みにレモネードを使った)
その結果、
- 自分で儀式を行った場合は、他人の儀式(自分が行ったものと同じ儀式)を見た場合に比べて、消費行動が高まっていた…!
とのこと。
つまり、儀式は自分自身でやった方が良い…!ってことですね。
最後の実験では成人87名に協力をお願いし、儀式ありと儀式なしによって、なぜ消費行動が高まるのかその理由をチョコレートでチェックしたそうです。
結果、
- 儀式を行うとその後の行動に対して好奇心が生まれ、それが消費行動を高めていた…!
とのこと。
つまり、儀式は興味や関心をアップさせるのがポイント…!ってことですね。
ということでまとめると、
- 無意味な儀式(習慣・ルーティン)は、いつも決まった形で自分自身で行うと、興味や関心がアップし、結果、その後の行動が促進される…!儀式後じらされるともっと促進される…!
となりましょう。
因みに研究者は、
- 儀式を上手く活用すれば、健康的な食事や運動など望ましい行動をより楽しみな物に変えてくれそうだよー
とおっしゃっておりました。
う~ん。良い習慣を身に付けたい時にも儀式は役立ちそうですね…!
個人的考察
ということで様々な場面で儀式は使えそうです…!