【加筆内容】40~60代に最低限必要な心肺機能レベルを出してみたぞ!っていう筑波大学のメタ分析のお話
皆さんは自分の体力についてどう思いますか…?
体力ってのは心肺機能として表されることが多く、健康指標として大いに活用できるものとなっております。
ただ、体力が高いのが良いのは間違いないものの、最低どれぐらいいるのか…?ってなると意外と良く分からないところもあったんですな。
40~60代に最低限必要な心肺機能レベルを出してみたぞ!っていう筑波大学のメタ分析のお話
2009年の筑波大学の研究によると、体力(心肺機能)と全死亡率・心血管イベント(冠状動脈性心疾患と心血管疾患)の関係について観察研究のメタ分析を行ってみたそうです。
通常、体力ってのは心肺機能として表されることが多く、健康な人の体力と全死亡率・冠状動脈性心疾患の発症率は逆相関の関係にあるそうな。但し、メタ分析でMETs(代謝当量)を用いて心肺機能を表し、健康な男女における全死亡率・冠動脈性心疾患・心血管疾患との関係を明らかにしたものがなかったらしい。そこで今回初めて行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2008年12月31日までに発表された該当する観察研究をMEDLINEとEMBASEで検索してみたそうな。すると合計10,679件の研究がヒットしたとのこと。次にこれらの研究を適格基準と除外基準に従って精査していったらしい。
最終的に選ばれた観察研究は33件でして、以下の特徴があったみたい。
- 全死亡率におけるサンプル数:参加者102,980人(範囲:486~25,341人)
- 全死亡率における症例数:6,910人(範囲:26~941人)
- 冠状動脈性心疾患と心血管疾患におけるサンプル数:84,323人(範囲:302~20,278人)
- 冠状動脈性心疾患と心血管疾患における症例数:4,485人(範囲:10~1,512人)
- 年齢範囲:37~57歳
- 追跡範囲:1.1~26年
では結果を見てみましょう。
まずは1METs増加(ランニング/ジョギングスピード時速1kmアップ相当)により、
- 全死亡率が13%(RR0.87)減少…!
- 心血管イベント(冠状動脈性心疾患と心血管疾患)が15%(RR0.85)減少…!
だったそうです。
やっぱ体力(心肺機能)が上がると全死亡率や冠状動脈性心疾患・心血管疾患の発症率が下がるんですね~。
また心肺機能の高さを、高い・普通・低いの3グループに分けて比較してみると、
- 心肺機能が低い人たちは、高い人たちに比べて、全死亡率が1.7倍(RR1.70)高かった…。
- 心肺機能が低い人たちは、普通の人たちに比べて、全死亡率が1.56倍(RR1.56)高かった…。
- 心肺機能が低い人たちは、高い人たちに比べて、心血管イベントが1.4倍(RR1.40)高かった…。
- 心肺機能が低い人たちは、普通の人たちに比べて、心血管イベントが1.47倍(RR1.47)高かった…。
- 心肺機能が普通の人たちは、高い人たちに比べて、全死亡率が1.13倍(RR1.13)高かった
- 心肺機能が普通の人たちは、高い人たちに比べて、心血管イベントが1.07倍(RR1.07)高かった
って感じだったみたい。
心肺機能の高い人と普通の人はあんまり健康リスクに差はなかったものの、低い人と比べるとなかなか見過ごせない数値になっていますね。
更にこの研究結果を基に、有意に低いイベント発生率に関する最低限必要な心肺機能レベルを研究者たちは出してみたそうなんですが、
- 40代:男性9METs・女性7METs
- 50代:男性8METs・女性6METs
- 60代:男性7METs・女性5METs
とのこと。
再掲になりますが、METs(代謝当量)ってのは普段の代謝量から何倍の代謝量で運動しているかを示す運動強度のことでして、つまりMETsの数字が高くなればなるほど、きつい運動(高い強度の運動)となります。
詳しくは健康長寿ネットのMETsページを見て頂きたいのですが、
がざっくりとした目安です。
- 5METs:時速6.42km(早足ウォーキング)
- 6METs:時速6.9km(超スロージョギング)
- 7METs:時速7.38km(スロージョギング)
- 8METs:時速7.86km(軽いランニング)
- 9METs:時速8.34km(ランニング)
がざっくりとした目安です。
最低ラインがこれなんで、普段から有酸素運動をしていないときついかも…と思いました。
