仕事が立て込んだり、テスト前だったり、出張に行ったり、旅行に行ったり…。そんなんで運動・トレーニングが出来ない時もありましょう。私もあります。
そこで疑問なのが、運動・トレーニングは、どれぐらいサボって良いのか…?ってこと(いわゆるディトレーニング(Detraining)ですな)
サボらないに越したことはないものの、上記のような理由で、止むに止まれずってときはありますからね。
そこで今回はこの辺について見ていきます。



長期にわたって持久力トレーニングを行った人がトレーニングを中止するとどうなるのか調べてみた…!

1984年の研究によると、長期にわたって持久力トレーニングを行った人がトレーニングを中止するとどうなるのか調べてみたそうです。
この研究は、持久力トレーニングを行っている7名とトレーニングを行っていない8名を比較したもので、トレーニング中止12日後、21日後、56日後、84日後をチェックしてみたんだとか。
んで、早速結果を見てみると、

  • 21日間サボるとVO2maxが7%減少していた…!
  • 56日間サボるとVO2maxが16%減少していた…!
  • 84日間サボるとVO2maxが50.8ml.kg-1min-1まで落ちていた…!但し、トレーニングを行っていない人たちは43.3ml.kg-1min-1であり、依然として、持久力トレーニングを行っていた人たちの方が高かった…!

とのこと。
どうやら有酸素運動は3週間サボると影響が出てくるみたいですねー。
但し、3ヶ月ぐらいサボっても元々何もやっていない人よりはまだトレーニング効果が残っていると…。



有酸素運動のサボりの影響について先行研究結果を見直ししてみた…!

1989年の米陸軍省環境医学研究所レビュー論文によると、有酸素運動のサボりの影響について先行研究結果を見直ししてみたそうです。
そもそも普段運動を行っていない人が定期的に有酸素運動を行うと運動パフォーマンスが飛躍的にアップします。そして持久力アスリートのようなパフォーマンスを得るには、数ヶ月から数年の有酸素運動が必要だとされているんですよね。んがしかし、長い期間をかけて有酸素運動を行っても、サボって数週間も経てばパフォーマンスが下がっていくと言う悲しい事実があるんだとか。
具体的には、有酸素運動をサボりだして2~4週間以内にVO2maxの大幅な低下が起こるらしい。理由は最大心拍数の低下らしく、一回の血液の拍出量の減少が大きいみたい。また有酸素運動のサボりが2~4週間を超えてくると、VO2maxの更なる低下が起きるとのこと。
一方で、有酸素運動のトレーニング量を低下させつつ続けた場合は別でして、少なくとも数か月間は維持される可能性があるんだとか。
具体的には、トレーニング頻度や時間を1/3~2/3に減らしても、強度をキープしている限り、VO2maxに有意な変化はなかったらしい。逆に、トレーニング頻度や時間を維持していても強度を1/3~2/3に減らしちゃうと、VO2maxは下がってしまうんだとか。
そのため、

  • 有酸素運動のサボりは2週間までが良さそう…!
  • できれば、トレーニング頻度や時間を減らしても継続した方が良い…!
  • トレーニング頻度や時間を1/3~2/3に減らしても、強度をキープすべし…!

とのこと。
有酸素運動は強度をキープしつつ、続けることがポイントみたいですねー。サボっても2週間までが良さそうだな…。



アスリートを対象に4週間有酸素運動をサボったらどうなるのか調べてみた…!

1993年の南デンマーク大学の研究によると、アスリートを対象に4週間有酸素運動をサボったらどうなるのか調べてみたそうです。
この研究は、持久力アスリート9名を対象にしたもので、4週間のトレーニング不足がVO2max(最大酸素摂取量)と持久力(VO2maxの75%で行った場合の疲労するまでの最大時間として定義)にどのような影響を及ぼすのか調査してみたというもの。
具体的には、いつも週6~10時間トレーニングしていたところを、週1回35分の高強度トレーニングに切り替えてみたらしい。
最後にデータを見てみたところ、以下のような結果だったそうな。

  • トレーニング不足でもVO2maxに変化はなかった(4.57±0.10→4.54±0.08)
  • トレーニング不足で持久力が21%減少していた(79±4分→62±4分)

ってことで研究者曰く、

  • トレーニング不足により、VO2maxに変化がなくても、持久力は大きく減少する可能性がある

としています。
4週間だとやはり有酸素運動のパフォーマンスが下がってしまうみたいですね~。



ディトレーニングによる心肺機能・代謝についての先行研究を、アスリートと中程度又はトレーニング初心者別に見直ししてみた…!

2001年のアスレティック・ビルバオレビュー論文によると、ディトレーニングによる心肺機能・代謝についての先行研究を見直ししてみたそうです。
因みにこのレビューでありがたいのは、アスリートと中程度又はトレーニング初心者を分けて別々にチェックしてくれたところ。
それでは早速見てみますかー。


心肺機能におけるディトレーニング:VO2max(最大酸素摂取量)

まずVO2max(最大酸素摂取量)の観点から調べた研究を見てみます。
最初はアスリートを対象にした場合です。

  • 高い有酸素パワーを持つアスリートを対象にした研究によると、4週間未満のトレーニング中止により、VO2maxは急速に減少していた…!
  • 7日間脚にギブスを装着、その後8日間のトレーニングなしの研究(つまり15日間のディトレーニング)では、持久力ランナーアスリートのVO2maxが4%減少していた…!
  • 持久力ランナーアスリートが14日間のトレーニングを中止したら、VO2maxが4.7%減少していた…!
  • 2週間又は4週間トレーニングをしなかった持久力アスリート8名を対象に調査したところ、VO2maxが6%減少していた…!
  • アスリートを対象に3~8週間、運動を控えてもらった研究では、VO2maxが20%減少していた…!
  • シーズン終了後4週間トレーニングを中止していた男子バスケットボール選手は、VO2maxが13.8%減少していた…!
  • 大学のサッカー選手11名を対象に5週間のトレーニング中止を行った研究によると、VO2maxが6.9%減少していた…!

これらを見ると、アスリートのVO2maxは2週間ぐらいで落ちちゃうみたいですね。
しかしここで難しいのが全く真逆の結果も出ているということです。
例えば、

  • 15人の長距離ランナーを対象にした研究では、10日間のトレーニング中止を指示したが、VO2maxに変化はなかった
  • 大学の競泳女子を対象にした研究では、10日間のトレーニング中止を指示したが、VO2maxに変化はなかった
  • サッカー選手を対象に3週間のトレーニング中止を行った研究によると、VO2maxに変化はなかった

って感じ。う~む…。
ただ研究者によると、上記のような相反する結果が出た理由は、トレーニングの中止期間中の選手の身体活動量にばらつきがあったことで、部分的に説明できる可能性があるとのこと。
またポイントなのは、トレーニング中止によるVO2maxの減少は、時間と初期の運動レベルに依存するみたいってことです。
載っていた研究を見てみると、

  • 持久力トレーニングを行った7人の参加者が84日間トレーニングを中止したところ、VO2maxが21日目には7%減少、56日目に16%減少、その後は維持されていた。ただ、この維持状態は、普段座りがちな参加者よりもVO2maxが17.3%高かった
  • トレーニング中のVO2maxと活動不足によるVO2maxの減少率の間には0.93の相関関係が見られた
  • 自転車アスリートと持久力ランナーアスリートを対象にした研究によると、60日間のトレーニング中止中、トレーニング中止45日目までVO2maxは直線的に減少していた…!
  • 大学のバドミントン選手が2年間トレーニングを中止した研究では、6.3%しかVO2maxが減少していなかった…!

とのこと。
つまり、

  1. アスリートのVO2maxは、トレーニング中止後の最初の8週間は、初期のVO2maxに比例して徐々に減少する
  2. この減少幅は4~20%
  3. 但し、その後VO2maxは減少しなくなる
  4. 減少した状態のVO2maxレベルは、普段運動していない人のVO2maxよりも高い

って感じ。
最初VO2maxが高い人ほどガクンと下がっちゃうけどある程度下がれば維持され、それは普段運動していない人よりも高いみたいですね~。昔取った杵柄が残るみたいな感じでしょうか…。

次に中程度又はトレーニング初心者の場合です。
なんでもトレーニング後の有酸素パワーが低い人、トレーニング歴が1年未満の人、3週間ぐらいの中止の場合、VO2maxの減少は起きなかったそうです。また最近トレーニングを始めた中年の方を対象に2週間トレーニング頻度を50%に減らすか完全に中止した研究では、トレーニングによって得られたVO2maxの増加(12.0%)を維持できたらしい。
一方で、最近トレーニングを始めた(4~8週間)の方のVO2maxは、2~4週間のトレーニング中止で3.6~6%減少したそうで、また持久力トレーニングを4週間行い、4週間中止した人はVO2maxが減少していたんだとか。更に6週間の持久力トレーニングでVO2maxが9.6%アップした人に3週間中止してもらったら、VO2maxが6%減少していたとのこと。
他にも健康な若者女性を対象に6週間のインターバルトレーニングを行ってもらい、VO2maxを増加させ、その後2週間のトレーニング中止をしてもらった研究では、中止期間中に維持された増加率はわずか24%だったらしい。

更にトレーニング初心者が長期間のディトレーニングを行うとVO2maxはトレーニング前に完全に戻ってしまうみたい。
例えば8週間のトレーニング中止を行った研究によるとVO2maxがトレーニング前に戻ってしまったそう。また以前運動不足だった女性8人に8週間の持久力トレーニングを行ってもらった研究によると、VO2maxは増加したんですが、その後4~12週間のトレーニング中止で完全に元に戻ってしまったみたい。更に15週間のウォーキングトレーニング後、6か月間トレーニングを中止した35~54歳の男性参加者はVO2maxが7.2%減少し、ベースラインに戻ったとのこと。
他にも15週間の断続的トレーニング後、7週間のトレーニング中止をした場合、VO2maxが8.4%減少したケースや女子大学生44名を対象にした研究によると、10週間の持久力トレーニング中に増加したVO2maxがその後の10週間のディトレーニングで元に戻ったケースもあるそうです。
そして思春期男子12名に持久力トレーニング又はスプリントトレーニングを3ヶ月間実施し、その後6ヶ月間トレーニングを中止した研究では、持久力トレーニングが8.0%減少、スプリントトレーニングが2.3%減少したらしく、スプリントトレーニングはベースラインに戻ったことを意味しているらしい。

ただ難しいのが、こちらもVO2maxがある程度残ったって研究もあるということ。
例えば若者に9週間のトレーニングを行い、その後9週間トレーニングを中止してもらった研究では、VO2maxは減少したものの、トレーニング前よりは値が高かったらしい。また平均年齢23.4歳の男女を対象に20週間有酸素トレーニングを行いその後7週間トレーニングを中止した研究でも同様の結果が出たそうです。

以上から予想されるのは、

  • 中程度又はトレーニング初心者(有酸素パワーが低い、トレーニング歴が1年未満)の人は3週間ぐらいの中止ならVO2maxに影響はなさそう
  • 但し最近トレーニングを始めた人、女性や若者はVO2maxが減少しそう。一方で完全に元に戻るのには時間もかかりそう
  • つまりアスリートよりVO2maxの減少はかなり緩やかな可能性がある
  • 但しアスリートとは違い、中程度又はトレーニング初心者が長期間のディトレーニングを行うと完全に元に戻ってしまう

といったところでしょうか。


心肺機能におけるディトレーニング:血液量

ディトレーニング開始2日以内に明らかに影響が出てくるのが血液量の減少とのこと。つまり短期のトレーニング中止による心血管機能の減少の主な原因なんだとか。
例えば、

  • 14日間トレーニングを中止した長距離ランナーアスリートの研究によると、VO2maxの減少の一部は、推定安静時血漿量の5.1%の減少によるものとした
  • 10日間トレーニングを中止した研究でも、血漿量の5%の減少が観察された
  • 2週間又は4週間トレーニングを中止した持久力アスリート8人の研究では、運動中に血液量が9%と血漿量が12%減少した

とのこと。
因みに長期のトレーニング中止に伴う血液量への影響を調べた研究はなかったそうです。

んでVO2maxとの違いは、短期による血液量の減少は、アスリートだけでなく、最近トレーニングを始めた人にも起こるということ。
具体的に研究を見てみますと、

  • 若者男性16人を対象に4週間の持久力トレーニングをしてもらい、その後4週間サボってもらったら、VO2maxが3.6%減少、血液量が4.7%減少した。血液量の減少量は赤血球量が98mL、血漿量が248mL、総血漿タンパク質が16g、血漿アルブミンが12g減少していた。更にこの血漿量の変化は血漿タンパク質と直接関係していたらしく、血漿量の減少の97%はタンパク質の減少によるものと考えられた
  • 6日間の短期トレーニングを行い、その後6日間トレーニングを中止した研究では、安静時血漿量と最大強度時のアルドステロンとアドレナリン濃度が完全に元に戻っていた。但し血漿量は体液と電解質ホルモンの運動反応を修正する上で重要な変数であると考えられる

って感じでして、明らかに下がっていたみたい。
一方で興味深いのは、毎日の有酸素運動を8週間減らしつつ続けた研究では、トレーニングをしていない女性8名と男性11名のVO2maxが7%と有意に減少したが、全血液量(4.0%)と血漿量(3.1%)の減少は有意ではなかったということ。つまり、VO2maxと全血液量・血漿量の変化ってのは無関係みたいなんですな。
以上をまとめると、アスリート、中程度又はトレーニング初心者など関係なく、またVO2maxの減少の有無とも関係なく、ディトレーニングをすぐに(2日以内に)、血液量は減ってくるみたいです。但し、完全にサボるのではなく強度や時間を減らしつつ続けるとその影響を最小限に抑えることが出来そうな感じでした。


心肺機能におけるディトレーニング:心拍数

まずアスリートの安静時心拍数についてですが、これは短期(10日間)のディトレーニングでは影響がないって研究があるとのこと。んがしかし、運動時の心拍数は血液量の減少の結果として約5~10%増加するんだとか。
例えば、

  • 持久力アスリートが2~4週間トレーニングを中止したところ、最大強度での心拍数が11%上昇した。研究者曰く、トレーニング中止による血液量の減少により心血管機能が減少したのが主な原因とのこと
  • 持久力ランナーに14日間トレーニングを中止してもらった研究によると、VO2maxの75%と90%での運動時の心拍数が11回/分増加し、最大心拍数も9回/分増加した
  • 持久力アスリート9名を対象に4週間トレーニング量を減らしてもらった結果、運動中の心拍数が6~ 7回/分増加した。一方で最大心拍数に変化はなかった
  • 対して、ランナー15名を対象に10日間のトレーニング中止をした研究では、最大心拍数が5%増加した

とのこと。
次に長期間のトレーニング中止の場合ですが、以下のようになっておりました。

  • 持久力トレーニングを行った7名を対象にトレーニング期間と84日間のサボり期間を見てみた結果、56日間のサボり期間で心拍数が最大84%から93%に増加したが、その後は安定した。最大心拍数は、サボり開始から12~21日間で4~5%増加したが、その後は変化しなかった。
  • 大学のサッカー選手11名に5週間トレーニングを中止してもらった研究によると、運動中の心拍数が上昇していた。理由について研究者曰く、運動不足によって交感神経のアドレナリン緊張が高まったのではないかとのこと。
  • 陸上シーズン終了後に12週間と23週間のトレーニング中止を行った15~18歳の青年と女性アスリートを対象にした研究によると、運動時の心拍数が増加していた。更に運動後の回復心拍数が16%増加していた。但し、トレーニング中止後7週間で変化がなくなった。
  • 大学のフットボール選手6名を対象にした研究でも、競技シーズン終了後9週間のトレーニング中止により運動時の心拍数が増加していた。但し、運動していない人よりも低いままだった。

長期の場合で見てみると、徐々に運動中の心拍数が増加するけど、ある程度いったら横ばいになるみたいですね。そしてその心拍数は普段運動していない人よりも低いと。この辺はVO2maxと似ていますな。

続いてトレーニング初心者の場合ですが、こちらは研究が限られているとのこと。
その中で見てみると、短期間のディトレーニングにより、安静時心拍数と最大心拍数は完全に元に戻るみたい。一方で運動中の心拍数には影響がないらしい。
例えば女性8人を対象に8週間持久力トレーニングを行い、その後4週間トレーニングを中止した場合、完全に元に戻ったそうな。また20歳の若者9人を対象にした研究では、6週間の持久力トレーニング、その後3週間のトレーニング中止をしたが、運動中の心拍数の減少は見られなかったらしい。
最後にトレーニング初心者の長期のディトレーニングについてですが、最大心拍数は影響を受けないとのこと。
例えば、

  • 女子大学生44人に10週間の持久力トレーニングをしてもらい、その後10週間サボってもらった研究では、最大心拍数がある程度維持された
  • 16~17歳の男子に12週間トレーニング→24週間ディトレーニングをしてもらった。結果は同じく最大心拍数がある程度維持された

みたい。
一方で安静時心拍数に関しては様子が違いまして、

  • 若い女性を対象にした研究によると、安静時心拍数が70回/分から74回/分に増加した
  • 別の研究でも、安静時心拍数が60回/分から74回/分に増加した

って感じで安静時心拍数は増加したみたい。
また、若い女性に7週間トレーニング→7週間トレーニング中止をした研究では、運動中の心拍数が完全に元に戻ったらしく、更に中年女性を対象に12週間早歩き→12週間中止をした場合も心拍数が元に戻ったとのこと。
以上を踏まえると、こちらもVO2maxの時と似ていて、トレーニング初心者の場合は影響は少ないけど長期になると完全に元に戻っちゃうって感じみたいですね。


心肺機能におけるディトレーニング:一回拍出量(心臓が1回で送り出す血液量)

アスリートが短期のディトレーニングを行った場合、一回拍出量(心臓が1回で送り出す血液量)は減少すみたい。
というのも持久力アスリートを対象に2~4週間トレーニングを中止した研究では運動中の拍出量が12%減少したそうな。またこの現象は血漿量の増加後に回復したものの、VO2maxは回復せず、トレーニング状態よりも3%減少したままだったらしい。
更に持久力アスリート7人を対象に84日間ディトレーニングを行った研究によると、ディトレーニング開始から12日後には拍出量が10%減少、12~84日後には10~14%減少したとのこと。研究者曰く、ディトレーニング開始から21日後にVO2maxの減少が確認されたが拍出量の減少と関連があるそうです。因みに同研究チームによる別の研究では、アスリートに3~8週間ディトレーニングを行った結果、VO2maxが20%減少し、運動中の拍出量が17.2%も有意に減少したんだとか。
一方で、サイクリストと持久力ランナーを対象に60日間トレーニングを中止してもらった研究によると、安静時拍出量が増加していたらしい。またこの変化は、トレーニング中止後45日目までVO2maxが直線​​的に減少するのと並行していたそうな。

次に中程度のトレーニングを行った方の長期のディトレーニングについてですが、こちらは一回拍出量を調べた研究が1件だけあったらしい。その研究は、平均年齢43.7歳の中年男性11人を対象にしたもので、15週間のウォーキングトレーニング→6ヶ月間のディトレーニングを行ったんだとか。結果、ディトレーニングにより一回拍出量が3.9%減少したそうです。そしてこの減少は、VO2maxが7.2%減少した要因の可能性があったらしい。

研究数が少ないんで、はっきりは言えませんが、どうやらVO2maxの減少と一回排出量はセットな動きをするっぽいですね。


心肺機能におけるディトレーニング:心拍出量(1分間に心臓から全身へ送り出される血液量)

アスリート・トレーニング初心者がディトレーニングを行った場合、心拍出量(1分間に心臓から全身へ送り出される血液量)は減少する。
ちょっと研究を見てみると、

  • 持久力アスリートを対象にディトレーニングを行った研究によると、21日後に推定最大心拍出量が8%減少した。但し、21日目から84日目の間はそれ以上減少することはなかった
  • 普段運動していない男性に15週間のトレーニングを行ってもらい、その後6か月間トレーニングを中止した研究でも、最大心拍出量が6.9%減少した

とのこと。
どうやら心拍出量は、2,3週間で減少するみたいですね。


心肺機能におけるディトレーニング:心臓の大きさ

当たり前ですが心臓にも筋肉がついておりまして、有酸素運動や筋トレ(特にHIITなどの高強度のトレーニング)を長年行うと、筋肥大が起こり心臓が大きくなるんですよ。また上記の通り、一回拍出量や心拍出量といった血液ポンプ力がアップし、1回で送り出せる血液が多くなるので普段の心拍数が減少するってことも起こります。これらは全て高強度などの有酸素運動に耐えられるよう、心肺機能がアップした成果です。俗にいう「スポーツ心臓」ってやつですな。
んで、アスリートのトレーニング中止はこの心臓の大きさに変化が見られるとのこと。例えば、アスリートが3週間トレーニングを中止したら、左心室の最大拡張サイズが11.8%減少、左心室の壁の厚さも25.0%減少したそうな。また左心室の重さも19.5%減少していたとのこと。因みにこの研究では8週間後も見てみたんですが、左心室の壁の厚さは徐々に減っていき最終的に25%まで減少したものの、左心室の重さは最初の3週間で減少、その後横ばいだったらしい。
一方で、元プロの短距離ランナーとハンマー投げ選手を対象に4~5年間のディトレーニングの結果を調べたところ、左心室の最大拡張サイズと心臓の重さは運動していない人と同じだったそうです。つまり、心臓の大きさはディトレーニングで完全に元に戻ってしまうってことですね。
んがしかし、自転車とランナーアスリートを対象に60日間のディトレーニングを行った研究では、心臓の壁の厚さ、心臓の直径ともに変化がなかったとのこと。
以上をざっくりまとめると、

  • アスリートがディトレーニングを行うと大きかった心臓が徐々に小さくなり、最後は元の大きさにまで戻ってしまう
  • 21日間で小さくなったという研究もあれば、60日間でも変化がなかったという研究もある
  • 4~5年間で完全に元のサイズになってしまう

って感じ。
まぁ、3週間で減少すると思っていた方が良さそうですね。


心肺機能におけるディトレーニング:肺の換気機能(肺活量)

肺の換気機能ってのは要は肺活量のこと。つまり1回でどれだけたくさん息を吸い込めるか、吐けるかってことでして、有酸素運動のパフォーマンスにとって超重要なポイントと言えるでしょう。
そんな肺活量はアスリートのディトレーニングの場合、急速に減少するんだとか。
まず短期の場合は、

  • 6人のランナーを対象に15日間トレーニングを中止した研究によると、最大換気量が減少した
  • 男子バスケットボール選手を対象に競技シーズン後の4週間ディトレーニングを行ったら、最大換気量が9.3%減少、酸素摂取量が12.7%減少、換気当量が3.9%増加と心肺機能が低下した
  • 男性長距離ランナーを対象に10日間ディトレーニングをした結果、最大換気量は減少しなかった

って感じで、どうやら2週間ぐらいから肺活量は落ちていたみたい。
次に長期のディトレーニングについては、

  • 大学のサッカー選手11人に5週間ディトレーニングを行ってもらったところ、最大換気量が10%減少した
  • 女性陸上選手に12週間トレーニングを中止してもらったら、最大換気量が10.3%減少した
  • バドミントン選手5人を対象に2年間のディトレーニングを調査したところ、最大換気量が14.5%減少した

とのこと。
完全に元に戻ることはないものの、肺活量は確実に落ちていくみたいですね。
最後にトレーニング初心者について見てみると、

  • 女子大生のトレーニング初心者が4週間トレーニングを中止した結果、最大換気量が96.4 L·min-1から87.1L·min-1に減少した
  • 男性のトレーニング初心者を対象に6か月間ディトレーニングをした結果、最大換気量が13.9%減少した
  • 若者女性を対象に8週間のトレーニング→12週間のディトレーニングを行ってもらった結果、トレーニングによってアップした最大換気量が完全に元に戻った
  • 若者女性を対象に7週間のトレーニング→7週間のディトレーニングを行った結果、トレーニング前のレベルまで戻った

って感じで、トレーニング初心者の場合、4週間のディトレーニングで肺活量が減少、トレーニングにかけた時間と同等又は以上で完全に元に戻ってしまうみたい。VO2maxの結果とこちらも似ていますね~。


心肺機能におけるディトレーニング:持久的パフォーマンス

アスリートの場合ディトレーニングよって持久的パフォーマンスは急激に減少していくとのこと。
具体的な研究を見てみると、

  • 女子競泳選手を対象に10日間トレーニングを中止した研究によると、366メートル水泳で2.6%タイムが遅くなった
  • 限界までの運動時間を調べた研究もいくつかあり、トレーニング中止期間が2週間で9.2%減少や25%減少、4週間で7.6%減少や21%減少という結果が出ている

って感じ。
また長期のディトレーニングに関しましても、

  • 国内レベル・国際レベルの競泳選手を対象にシーズン間の長期のトレーニング中止について見てみた研究によると、100メートル水泳と200メートル水泳のパフォーマンスが3〜13%減少した
  • 大学のサッカー選手11人を対象に5週間のディトレーニングを行った結果、限界までの運動時間が23.8%も減少した
  • ランナーの男女を対象に12週間のトレーニング中止を行ったところ、運動中の酸素摂取量が約3〜8%と大幅に増加した

とのこと。
以上からアスリートの場合、持久力パフォーマンスは10日ぐらいには徐々に落ち始めており、その後も落ち続けるって感じみたいです。

ではトレーニング初心者の場合はどうなんですかね…?
ってことで早速結論から言っちゃうと、トレーニング初心者の場合は短期のトレーニング中止によって大きな影響を受けないとのこと。
実際の研究を見てみると、

  • 運動不足の中年男女を対象にした研究によると、12週間のトレーニングを行い、限界までの運動時間を19.4%増加させた。その後2週間のディトレーニングを行った。結果、アップした限界までの運動時間は維持された
  • 若者女性を対象に、6週間のトレーニング→2週間のディトレーニングを行った結果、持久力パフォーマンスが維持された

そうです。
対して長期になると、

  • 運動していない25歳ぐらいの男女を対象に、15週間のトレーニング→7週間のディトレーニングを行った結果、90秒間の運動パフォーマンスが8.3%減少した
  • 女子大生を対象に、10週間のトレーニング→10週間のディトレーニングを行ったところ、運動パフォーマンスが22%減少した
  • 若者女性を対象に8週間のトレーニング→12週間のディトレーニングを行ったら、限界までの運動時間が約37%減少し、完全に元に戻った
  • 中年男性を対象に15週間のトレーニング→6か月間のディトレーニングを行った結果、限界までの運動時間が13.5%減少した

とのこと。
つまり、トレーニング初心者が長期のディトレーニングを行うと、持久力パフォーマンスは大幅に減少するか、完全に元に戻ってしまうみたい。
これもVO2maxと同じような結果ですね。


代謝におけるディトレーニング:呼吸交換比・インスリン感受性・GLUT4・リポタンパク質リパーゼ・血中乳酸濃度・筋肉グリコーゲン濃度

今度は代謝におけるディトレーニングについて見ていきます。
具体的には、呼吸交換比・インスリン感受性・GLUT4・リポタンパク質リパーゼ・血中乳酸濃度・筋肉グリコーゲン濃度ですね。まぁ、これらについては、ざっくりでよろしいかと思いましたんで、軽く以下にまとめました。

  • 呼吸交換比:呼吸交換比はRERとも訳され、呼吸時に体内に取り入れた酸素量と体外に排出する二酸化炭素量の比率のことを言う。これが高いと、酸素の消費量<二酸化炭素の排出量となる。そして高いと体内で炭水化物が使われている、低いと脂質が使われているということになる。呼吸交換比は短期のディトレーニングでも高くなる。つまり体内で脂質が使われなくなり代わりに炭水化物が使われるようになった
  • インスリン感受性とGLUT4:インスリン感受性はインスリンの効きの良さのことを言う。グルコーストランスポーター4はGLUT4とも訳され、インスリンや運動の刺激に反応して、血中グルコースを筋肉や脂肪細胞に取り込めるよう運ぶタンパク質のことを言う。これらはアスリート・トレーニング初心者に関わらず、インスリン感受性・GLUT4が低下した。つまりインスリンの効きが悪くなり、血中グルコースも運ばれなくなった。結果、体内のグルコースの貯蔵量も減少していた
  • リポタンパク質リパーゼ:リポタンパク質リパーゼは刺激し活性化することで中性脂肪の代謝を促進する効果がある。ディトレーニングによって、脂肪のリポタンパク質リパーゼの活性化が顕著に増加し、一方で筋肉のリポタンパク質リパーゼの活性化が低下した。つまり、脂肪の蓄積に有利な状態になった
  • 血中乳酸濃度:血中乳酸濃度は乳酸の生成量と利用量の差のことを言う。普段は生成量=利用量だが、運動すると生成量>利用量となり、乳酸利用が追い付かなくなる。結果、血液中の濃度が上がる。そのため、運動による疲労度の指標として用いたりする。そしてアスリートの場合、短期のトレーニング中止で同じ強度でも血中乳酸濃度が高くなりやすくなる。つまり疲労が蓄積しやすくなったと言える。一方でトレーニング初心者は影響を受けない様子
  • 筋肉グリコーゲン濃度:筋肉グリコーゲン濃度は骨格筋に貯蔵された運動エネルギー源となる糖質量のことを言う。ディトレーニングによって、筋肉グリコーゲン濃度は急速に減少し、数週間以内に運動していない状態に戻ってしまうとのこと。但し、その状態でも運動していない人よりも濃度は高いそう。因みに研究者曰く、トレーニング初心者のディトレーニングにおける筋肉グリコーゲン濃度に与える影響については研究がないらしい。


まとめ

最後にざっくりまとめてみるとこのような感じではないでしょうか…?

【有酸素運動におけるアスリートのディトレーニング】
  • アスリートはトレーニング初心者よりもディトレーニングで短期間のうちに急激に心肺機能が減少していく。代謝にもマイナスの影響が出る。
  • んがしかし、その後減少は緩やかになり最後は横ばいになる。
  • 横ばいになった時点でも運動していない人やトレーニング初心者よりは心肺機能が高かったり、代謝も良かったりする。
  • ディトレーニングは(サボるなら)、10日から2週間ぐらいまでにしておくと良さそう…!

【有酸素運動におけるトレーニング初心者のディトレーニング】
  • トレーニング初心者はアスリートと違い、短期間のディトレーニングによって
  • 心肺機能が減少しないか緩やかにしか減少しない。代謝のマイナスの影響も出づらい。
  • んがしかし、そのままずるずるいくと最後には完全に元に戻ってしまう(10週間のトレーニング→10週間のディトレーニングみたいなパターン)…!
  • ディトレーニングは(サボるなら)、4週間ぐらいまでにしておくと良さそう…!

有酸素運動をサボる際の良い指標になりそうですね(笑)



アスリートや運動経験者を対象にトレーニングを中止した場合の筋肉への影響について先行研究結果をまとめてみた…!

2001年のアスレティック・ビルバオレビュー論文によると、アスリートや運動経験者を対象にトレーニングを中止した場合の筋肉への影響について先行研究結果をまとめてみたそうです。


筋線維におけるディトレーニング

ということで、まずは筋線維とディトレーニングの関係のポイントから見てみましょう。

  • 運動を中止した場合における筋線維への影響は、その中止した期間の長さに依存する。
  • アスリートマラソンランナー6名を対象にした研究によると、7日間歩行用ギプスを装着し、その後さらに8日間ランニングを控えた結果、筋線維への影響はなかった。つまり、15日間サボっても筋線維への影響はなかった
  • また、サッカー選手4名を対象に3週間トレーニングをしなかった研究や、アスリート12名を対象に14日間筋トレをしなかった研究でも、筋線維への影響はなかった。つまり、14日間~21日間サボっても筋線維への影響はなかった
  • 一方で、マラソンや自転車は筋線維タイプII(タイプII筋線維:速筋線維と呼ばれ筋力・筋瞬発力に関係している)のシフトが見られた。具体的には、FTa線維(速筋線維の一種。筋瞬発力と筋持久力のバランスが取れている筋線維)からFTb線維(速筋線維の一種。筋瞬発力が非常に高く、持久力が低い筋線維)へのシフトが見られ、56日間のトレーニング中止後FTb線維が5%から19%に増えていた
  • ボート選手4人を対象にした研究によると、競技から引退した後の4年間で筋線維タイプI(タイプI筋線維:遅筋線維と呼ばれ筋持久力に関係している)が14~16%も減っていた
  • 一流パワーリフターを対象にした研究によると、筋トレを7か月間行わなかった結果、筋持久力に関する筋線維が1.4倍増えていた
  • 一流ボディビルダーを対象にした研究によると、筋トレを13.5か月間行わなかった結果、速筋線維が66%から60%に減っていた
  • 一方で、14~15歳のサッカー選手を対象にした研究によると、4~8週間トレーニングを行わなかったが、筋線維に変化はなかった
  • 女性ダンサーのグループを対象に32週間トレーニングを中止した研究でも筋線維に変化はなかった
  • 男性サッカー選手を対象に3週間トレーニングを中止した研究によると、腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の筋線維の太さが7%減っていた。この変化は主に速筋線維が12.4%(6022μm2から5278μm2)減ったことが原因だった。
  • ウェイトリフティング選手12人を対象にした研究でも14日間のサボりで速筋線維の太さが6.4%減っていた
  • 一方で、持久力ランナーを対象に14日間サボってもらった結果、ほとんど変化が見られなかった
  • トレーニングの中止期間が長くなると、アスリートの速筋線維・遅筋線維・筋線維の太さ・筋肉量が軒並み減少していた。
  • ラグビー選手を対象にした研究によると、速筋線維の太さは遅筋線維の太さよりも大幅に減少しており、シーズン終了時には速筋線維が23%も増加していたのに6週間のトレーニング中止でわずか9%の増加になってしまった。また体重が79.8kgから76.0kgに減少しており、筋肉量が減ったものと推測された。
  • パワーリフターに筋トレを7か月後中止してもらった研究によると、全筋線維タイプで平均37.1%も減っていた
  • 一流ボディビルダーを対象にした研究でも13.5か月のサボりで、除脂肪体重が9.3%、太ももと腕の太さが0.5%、太ももと腕の周囲が11.7%、平均筋線維面積が8.3%減っていた
  • 筋トレ指導を受けたアスリートを対象に8週間サボってもらった結果、速筋線維と遅筋線維の面積比が1.11から1.04に減少し、筋肉量も減少した。また12週間のサボりでも速筋線維と遅筋線維の面積比が減少していた
  • サッカー選手のシーズン終了後、4~8週間のサボりで速筋線維と遅筋線維の太さが減少していた。
  • 一方で、女性ダンサーが32週間トレーニングを中止したところ、筋線維面積の大幅な増加が見られ、持久力向きの形になっていた
  • 男性6名にエアロバイクを漕いでもらった研究によると、8週間のトレーニング後で遅筋線維が44.2%から38.1%に、FTa線維が36.8%から39.6%に、FTb線維が19.1%から22.2%にシフトしていた。また、遅筋線維の断面積が105.2%、FTa線維の断面積が104.5%、FTb線維の断面積が104.9%増加した。その後4週間サボってもらうと、遅筋線維の断面積が99.0%、FTa線維の断面積が98.9%、FTb線維の断面積が96.5%に戻り、8週目までに遅筋線維の断面積が93.3%、FTa線維の断面積が98.6%、FTb線維の断面積が94.3%と減少してしまった。
  • 10週間トレーニング後12週間のサボり研究でもFTb線維の断面積が18%増加→12%減少という結果だった。
  • 7週間トレーニング後7週間のサボり研究では、若い女性の除脂肪体重(≒筋肉量)が1.1kg増加→スタート時に戻った。

バーッと見てきましたが、ざっくりまとめると、

  • 運動を中止した場合における筋線維への影響は、その中止した期間の長さに依存する…!
  • 14日間~21日間サボりなら筋線維への影響はなさそう…!
  • それ以上サボっていくと、徐々に筋線維がシフト(適応)していく…!
  • トレーニングの中止期間が長くなると、アスリートの速筋線維・遅筋線維・筋線維の太さ・筋肉量が軒並み減少する…!
  • トレーニング期間とサボり期間が大体同じだと筋線維は元に戻る…!
  • 女性や10代の若者だと筋線維の減少が少ないのかも…?

といったところでしょうか。
いや~参考になりますね~。


筋力パフォーマンスにおけるディトレーニング

お次は筋力パフォーマンスとディトレーニングの関係のポイントを見てみます。
まずはアスリートが短期のディトレーニングを行った場合から。

  • アスリートは短期間ディトレーニングを行っても筋力が維持されたり、限定的に低下する可能性があった。
  • 12名のウェイトリフターを対象に14日間筋トレをサボってもらった研究によると、ベンチプレスの1RMが-1.7%、スクワットの1RMが-0.9%、固定して維持する筋力が-7%、レッグエクステンションが-2.3%、垂直跳びが1.2%と大きな変化はなかった。一方でレッグカールが-12%、外側広筋(太ももの外側の筋肉)が-8.4~12.7%とかなり減少した。
  • 大学水泳選手を対象に4週間のディトレーニングを行った研究によると、スイムベンチで測定された筋力は維持されていた。一方で、スイムパワー(泳いでいるときに力を加える能力)は-13.6%も減少していたとのこと。
  • サボり期間が長くなると筋トレアスリートの筋力パフォーマンスはよりはっきりと低下するものの、この低下率は8~12週間(2,3か月)で7~12%にとどまるみたい。
  • ユヴァスキュラ大学の3つの研究を見てみると、8週間のトレーニング中止後、スクワットが-11.6%、レッグエクステンションが-12.0%減少した。また、両足の最大等尺性収縮(≒空気イスの状態)の筋力が-7.4%、片足の最大等尺性収縮の筋力が-7.6%減少した。後者の変化は4週間のディトレーニングで行ったとのこと。なお、両方の減少は12週間のディトレーニングによる最大筋力の低下が原因であったらしく、筋線維タイプI(タイプI筋線維:遅筋線維と呼ばれ筋持久力に関係している)、筋線維タイプII(タイプII筋線維:速筋線維と呼ばれ筋力・筋瞬発力に関係している)の面積、筋肉量、筋電図による筋力パフォーマンスはディトレーニング直後から減少していた。

う~ん…。これらを見ると、アスリートが2~4週間(半月~1ヶ月)筋トレをサボっても筋力パフォーマンスは維持が基本で、一部が低下するだけみたいですね。一方でこれが8~12週間(2~3ヶ月)になると、筋力パフォーマンスがよりはっきりと低下するみたい。但しそれでも低下率は7~12%にとどまるんですな。

次に最近筋トレして得た筋力パフォーマンスの場合はどうなのか見ていきます。

  • 最近筋トレして得た筋力パフォーマンスにおけるディトレーニングの場合、場所によって異なるスピードで減少していた。
  • 例えば、高強度筋トレを6週間行う→その後サボった研究によると、1週間のディトレーニングでは高強度筋トレで得た筋力が有意に減少しなかったらしい。この研究ではトレーニングを行った腕(0.8%)と反対側の腕(0.5%)を比べたらしく、このどちらにも有意な変化は見られなかったんだとか。ただその後も見てみると、4週間のディトレーニングで(2.0%と1.3%)、6週間のディトレーニングで(3.1%と2.0%)、8週間のディトレーニングで(3.2%と2.1%)って感じで、徐々に両腕で有意な筋力の減少が見られたみたい。まぁ、段々減少は横ばいになってきてますし、元々よりも筋力は維持されていたみたいですがね。
  • 10週間の片足のみ筋トレ→12週間のディトレーニングを行った研究では、4週間のトレーニング中止でも筋トレした脚が39~60%、筋トレしていない脚が12~37%の筋力増加が維持できていたとのこと。また、12週間のトレーニング中止により筋トレした脚が16~21%、筋トレしていない脚が10~15%の筋力増加が維持できていたそうで、減少はあるもののスタート時よりは依然として筋力が維持されていたんだとか。
  • 一方でアームカールによる筋持久力レベルは、トレーニングの中止により、かなり高い割合で減少するらしく、1週間のサボりで-7%、3週間のサボりで-24%、5週間のサボりで-27%にもなるとのこと。
  • 7~12歳の子供を対象に8週間の筋トレ→8週間のディトレーニングを行ってもらった研究によると、1週間あたりの筋力低下は平均-3%だったそう。

これらを見ると、最近筋トレして得た筋力パフォーマンスの場合、腕や脚、筋力や筋持久力の違いなどによって維持率や減少率は変わるみたいですね~。ただサボったとしてもトレーニングした分が少しだけ残った様子ですが。

最後は、筋トレの仕方(曲げ伸ばしなど)で変わるのかを見てみましょう。

  • カロリンスカ研究所の研究では、12週間、様々なパターンで下半身の筋トレ→12週間のトレーニング中止を試してみたところ、曲げ伸ばしする筋トレパターン(18%)の方が、曲げるのみの筋トレパターン(12%)よりも筋力が維持できていた。理由は曲げ伸ばしする筋トレパターンの方がより大きく筋力増加したためとのこと。
  • また8週間の筋トレ→8週間のトレーニング中止を行った研究によると、伸ばす筋トレのみをした片足は100%筋力が維持されたのに対し、筋トレしなかった片足は81%筋力が維持されるにとどまったそう。
  • 更に大学生を対象に一ヶ月半ディトレーニングを行った研究では、筋瞬発力が維持されていたらしく、これが3か月のディトレーニングになると-15.8%減少したそうです。
  • 最後に競技目的なしの筋トレ好きを対象に等尺性収縮(≒空気イスの状態)の筋トレを8週間行い、その後8週間サボった研究によると、最大等尺性収縮がわずかに減少、逆に最大筋力が22.5%と大幅にアップしたらしい。因みに研究者曰く、筋肉疲労が回復したからじゃないか…?とのこと。

以上を踏まえると、曲げるだけ、伸ばすだけって筋トレよりも曲げ伸ばしの筋トレみたいに色々刺激した方が良い、最大筋力や筋瞬発力、筋持久力といったものに特化した筋トレをするとその特化したパフォーマンスは落ちづらいって感じみたい。


まとめ

色々見てきましたが、アスリートの場合、

  • 筋力低下はディトレーニングから2~3週間以内に起こるっぽい。
  • 但し、筋力パフォーマンスは最大4週間のディトレーニングまで維持される可能性がある…!
  • 筋力パフォーマンスは徐々に減少するものの、ある程度行くと横ばいになり、完全にリセットされずトレーニングした分が維持されるみたい…!

って感じ。
アスリートのディトレーニングにおける心肺機能・代謝の結論と大体同じ感じですね~。



筋トレ経験のない人は、筋トレを3週間サボっても大丈夫かも…!

2011年の東京大学RCTによると、筋トレ経験のない人はどれだけサボっても大丈夫なのか調べてみたそうです。
この研究は、筋トレ経験のない若い男性15名が参加したもので、以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. 筋トレ継続グループ:15週間継続して筋トレを行った。
  2. 筋トレ→筋トレ中止→再開グループ:6週間筋トレ→3週間サボる→10週目から筋トレを再開した。

因みに筋トレは高強度でベンチプレスをやってもらったらしい。
結果、

  • 1RMとMRIによる上腕三頭筋と大胸筋の筋面積は両グループとも同じように増加していた…!
  • つまり筋トレ経験のない人は、筋トレを3週間サボっても大丈夫かも…!

とのこと。
やっぱり筋トレ歴が浅い人は、トレーニングのサボり効果が出づらいみたいですねー。



個人的考察

様々な理由で運動・トレーニングを中止・サボる際の参考にしてくださいませ。
因みに私はこれを見て、サボれん…!と改めて思いましたな(笑)



参考文献