【加筆内容】アフリカのマサイ族とハッザ族(Hadza・ハヅァ族)の血中ビタミンD濃度について調べてみた…!
アフリカのマサイ族とハッザ族(Hadza・ハヅァ族)の血中ビタミンD濃度について調べてみた…!
2012年のフローニンゲン大学の研究によると、アフリカのマサイ族とハッザ族(Hadza・ハヅァ族)の血中ビタミンD濃度について調べてみたそうです。そもそもパレオダイエットで見てきたように、私たちの遺伝子は狩猟採集に適した形となっております。んがしかし、農耕の開始(約1万年前)と産業革命(100~200年前)によって、ライフスタイルが一変、進化が追い付かない形となっている可能性があるんですな。
そして、これらのライフスタイルの変化はビタミンDにも影響を及ぼしている可能性があるそうな。例えば、現在は服を着るのが当たり前だったり、外で過ごす時間も減少しております。結果、日光への曝露が減少、ビタミンDの生成があまりされないんですよね。
皆さんご存知の通り、ビタミンDの主な供給源は、UVB(紫外線B波)による皮膚でのビタミンD合成です。また、先行研究により、約10万年前からアフリカから高緯度地域に移住した人々の皮膚の色素が失われているって話や、皮膚の色が薄まることはUVBが少なくても多くのビタミンDを吸収・合成するように適応した可能性が高いって話もあるんだとか。
因みにビタミンDの摂取量が低いと、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症、高血圧、がん(大腸がん、乳がん、前立腺がん)、感染症(結核、インフルエンザ、HIV)、自己免疫疾患(1型糖尿病、多発性硬化症、関節リウマチ)などといった、ビタミンDのカルシウム産生・非カルシウム産生に関連する様々な健康リスクが上がるみたい。まさに文明病ですね。
じゃあ、当時の人はどれだけビタミンDを摂取していたんだ…?
ってことで今回、アフリカの2つの狩猟採集民を対象に調べてみることにしたそうな。
この研究は、アフリカの狩猟採集民、マサイ族とハッザ族のビタミンDを調べたもので、両部族ともタンザニアの赤道から南に2~4°の地域に居住しているそうな。もちろん両部族とも日焼け止めは使っておりません。んで研究者は、現地の村に赴き、そこで参加者を募集したと言う労作となっております。また、募集した際、明らかに健康な成人(16歳以上)で妊娠しておらず授乳中でない人たちとしたそうな。
最終的に手を上げてくれたのは、
- マサイ族:35人(34歳、男性43%)
- ハッザ族:25人(35歳、男性84%)
だったとのこと。ありがたいですね~。
では次に、両部族の概要を見てみましょうか。
【マサイ族】
- ナイル川流域のマサイ族は、かつては牧畜民として暮らしていたそう。但し現在では移住か半遊牧民生活なんだとか。
- タンザニアにおける現在のマサイ族の人口は約5万人と推定されているらしい。
- マサイ族は「ボマ」と呼ばれる家に住んでいるそう。ボマは、小さな泥造りの家とのことで、ここで牛を飼いつつ、野生動物の侵入を防ぐためにイバラで囲っているらしい。
- マサイの日常生活は通常、ボマの外とのこと。
- 思春期の男性は牛の世話をし、若い大人の男性は通常、その地域をぶらぶらして家族の世話をしたり、牛を守っているみたい。年長の男性になると政治的な決定を下し、小グループで屋外に集まるそうな。
- 若い女性と大人の女性は牛の乳搾り、薪を採取、食事の準備をするとのこと。
- マサイ族は主に上半身と太ももを覆う服を着ていて、ほとんどの時間を太陽の下で過ごすそうな。ポイントはなるべく直射日光を避けていること。特に日中は日陰を好むみたい(まぁ日差しがヤバいでしょうからな)
- 食事は乳製品と肉。最近ではウガリ(トウモロコシ粥)も食べるらしい。
【ハッザ族】
- ハッザ族は伝統的な狩猟採集民。
- 現在、約1000人の部族からなる。
- エヤシ湖周辺の乾燥地域に10~30人の小集団で暮らしている。
- ハッザ族は遊牧民であり、木や葉、草で小屋を作る。そしてより良い狩猟採集場所を求めてたまに移動する。
- ハッザ族は物を持たず、雨天時や夜間のみ使用する。
- 食事は、果物、根菜類、蜂蜜、肉、湖で獲れる魚など。
- 女性と子どもは果物や根菜類を採集する。
- 男性は蜂蜜や果物を採集する。また、雨期には小動物、乾期には大型動物を狩猟する。
- ハッザ族は主に上半身と太ももを覆う服を着ているが、男性の場合は太もものみ覆う服を着ている。
- ほとんどの時間を太陽の下で過ごすそうな。またマサイ族同様、なるべく直射日光を避けているらしい(繰り返しになりますが日差しがヤバいでしょうからな)。動く時のほとんどは早朝と夕方遅くらしく、日中の半ばは木や岩の下の涼しい場所で寝たり、食べたり、話したりして過ごしているらしい(つまり朝夕働いて、昼間はまったりしているって感じですね)
- ハッザ族については「腸内細菌・腸内フローラは超重要!あらゆる不調や脳の支配率、精神障がい・発達障がいにも関わっている件」にも詳しく書いていますんで気になる方はどーぞ。
では、採血し、統計処理したビタミンDの結果を見てみましょう。
【血中ビタミンD濃度の平均値】
- マサイ族:119nmol/l(範囲58~167nmol/l)
- ハッザ族:109nmol/l(範囲71~171nmol/l)
ものすごい数値ですね。
因みに両部族とも年齢や性別、体重、BMIとビタミンD濃度は関係がなかったそうです。
続いてもうちょい詳しく見てみますかー。
【血中ビタミンD濃度と割合】
- 50~80nmol/l:13.3%
- 81~100nmol/l:15.0%
- 101~120nmol/l:28.3%
- 121~150nmol/l:33.3%
- 151~175nmol/l:10.0%
【50、80、100nmol/l未満の割合】
- 50nmol/l未満:0%
- 80nmol/l未満:13.3%
- 100nmol/l未満:28.3%
では、最後にこれらをまとめた結果を見てみましょう。
- マサイ族・ハッザ族のデータを合わせた血中ビタミンD濃度の平均値:115nmol/l…!
いや~太古の人々はおそらくこんなにたくさんのビタミンDを摂取していたんですねー。
個人的考察
因みに現在の人々のビタミンDについて例を挙げていくと、
- 5月から6月にかけてセントルイスの屋外プール上で少なくとも4週間働いていた白人のライフガードや、少なくとも3ヶ月間、週5日以上、1日あたり3時間以上、太陽の下でハワイ人において測定された100nmol/lを超えるビタミンD濃度に匹敵する
- オランダ保健評議会は、50歳未満の女性と70歳未満の男性に30nmol/l以上を推奨、これらの年齢以上の人は50 nmol/l以上の濃度を推奨している
- 第14回ビタミンDワークショップのコンセンサスによると、すべての個人において50nmol/lが必要とした
- 全米医学アカデミー(米国医学研究所)は50nmol/l以上を推奨した
- ある研究では、授乳中の母親は、最低80nmol/l必要であるとした
- 2009年のチューリッヒ大学のレビュー論文によれば、1日700~1000IUのビタミンD又は75~110nmol/lあれば、転倒や骨折、心血管リスク、大腸がんの予防に最適な効果がありそうと示していた。因みに1日1,800~4,000IUのビタミンDを摂取したほとんどのRCTでは、リスクなく平均75~110nmol/lの濃度に達していた…!
って感じ。
全体的な健康にとってベストなビタミンDの状態は未だ良く分からないものの参考にはなりそうですね。
全体的な健康にとってベストなビタミンDの状態は未だ良く分からないものの参考にはなりそうですね。
