左利きは右利きより優れているのか?
皆さんの利き手はどちらですか…?
例えば、一般的に人間は右利きが多いですよね。それに対して左利きは少ないですよね…?
実は、2004年のモンペリエ大学の研究によると、少なくとも旧石器時代からすでに人間は、左手よりも右手を好んで使用している割合が多かったそうです。つまり、原始人の時代から右利きが多かったみたいなんですよー。
また、2019年のオックスフォード大学の研究では、約400,000人の利き手を調べた結果、右利きが356,567人だったのに対して、左利きは、わずか38,332人だったそうです。
つまり、良く言われる左利きの割合は10人に1人…!ってのは、まぁ、最近の調査でも大筋合っていそうな感じなんですよね。
更に細かく言えば、両利きの方も存在しますし、クロスドミナンス(箸は左手、筆記は右手みたいな人)なんていう変化球もあったりします。
左利きはIQが高かった…!
1980年のサンノゼ州立大学の研究によると、969人の小学生を集めて、IQの高いグループとそうでないグループに分けたらしい。
結果、
- 578人の高IQ(平均IQ=132)グループ
- 391人の普通以下IQ(平均IQ=132未満)グループ
に分けられたそうな。
次に各グループの小学生の利き手を調査し、偏りがあるのかを調べたそうです。
すると、高IQグループの利き手の割合は普通以下IQグループの利き手の割合と比較して、右利きが明らかに少なかったそうです。
つまり、左利きはIQが高い人が多い可能性がある…!ってことですね。
数学やトークが上手い…!
1986年のアイオワ州立大学の研究によると、数学やトークが上手い学生(10,000人に1人ぐらいの天才)を調べてみると、3つの共通点が見つかったらしい。
その一つが、左利き、両利き、クロスドミナンスの人だったんだそうな。
理由については、なんでも、胎児の時の発育の際に、神経系および免疫系に対する一般的な影響が左利きは違うらしい。具体的にはテストステロンの分泌量が多いそうで、それが影響しているのかも…?とのことです。
でも、左利きが劣っているという結果の研究もある…!
2014年のハーバード・ケネディスクールの研究によると、47,000人以上を対象に右利きと左利きを比べた結果、左利きは以下の面で右利きに劣っていたそうです。
- 認知スキルの測定値が標準より低かった(≒頭が悪かった)…。
- 問題行動が多かった…。
- 失読症などの学習障害を持っている方が多かった…。
- 学校教育が少なかった(=卒業や進学率が低かった)…。
- 頭脳労働を必要としない仕事についている方が多かった…。
- 左利きの人は右利きの人よりも年収が10〜12%低かった…。
…。
もうやめて!とっくに左利きのライフはゼロよ!(笑)
まぁ、左利き涙目な結果でございます。
まぁ、左利き涙目な結果でございます。
因みに年収の結果については、研究者曰く、このような結果が出た理由について、その多くは認知スキルと問題行動の観察可能な違いによって説明できる。左利きは右利きよりも長時間の手作業の仕事に就くことが多く、彼らの主な労働市場の不利益は身体的ではなく認知の問題であることが示唆されるとのことです。
つまり、左利きの年収が低いのは、認知スキルの問題から学歴が低く、また、単純作業をしていることが多いのが原因かも…ってことですね~。
う~ん。悲しい…。いや、実に悲しい…。
個人的考察
なんで違う結果がでたのか気になりますが、最初の左利き有利の研究は、主に、天才児とか神童みたいな人を集めて、その子どもを中心に普通の子どもと比較していて結果を出しているんですよね。
それに対して、2014年のハーバード・ケネディスクールの研究は、先に人(サンプル)を集めて、利き手を調べ、統計を取ったみたいなんですよー。
つまり、ここから予想できることは、
- 左利きは両極端…!
という可能性です。
つまり、平均すると、左利きは右利きに劣るのかもしれないけど、両極端を見た時には、左利きの割合はグッと増える…!って感じですね。
より分かりやすく言うなら、左利きは、超天才か、超凡人以下の二極化しやすい…!ってことですね。う~ん。ギャンブル…。
余談ですが、左利きは右利きに比べ、寿命がかなり短いって話もあります。1991年のブリティッシュコロンビア大学の研究では、南カリフォルニアの987件の死亡事例を調べ、利き手との関係について調べた結果、左利きの平均年齢は66歳だったのに対して、右利きの平均年齢は75歳だったそうなんですよね…。つまり、喫煙者の死亡率と同等のダメージがあることに(これについては異論もありますが…)
更に余談ですが、動物にも利き手がある可能性もありまして、例えば2011年のマッコーリー大学の研究によれば、オウムは左利きが優勢らしい。この研究では、16種、322羽のオウムがどちらの目・足で獲物を探しとるかを調べたそうです。結果、約47%が左利き、約33%が右利きで、残りは両利きだったそうです。因みに若いときに、左右どちらも試してみて、利き足、利き目を決めていたんだそうな。面白いですね~。
以上、利き手でした。
因みに私は、
- 箸:右
- スプーン:左
- 鉛筆:左
- ハサミ:左
- 野球やボーリングの投球:右
- ダーツ:左
- バレー・バスケ:左
- バッティング:左
- テニスなどのラケット:左
という、超アベコベな利き手の人だったりします(笑)
気持ちは左利きなんだけど、クロスドミナンスも捨てがたい…!って感じの利き手バランスですね~いや~超アンバランス…。
子どもの時なんかこれはどっちの利き手だっけ…?って忘れることもあるくらいだったんで、まぁ、こんな変化球な人間は上記の結果に対して、どう考えれば良いのか、それが一番の謎なんですよね~。