人間のイメージの力ってのはなかなか侮れない物がございまして、例えば、プラセボ効果なんてのは、その代表例でしょう。
でも、この力は強い分、一歩間違うとかなり厄介で、認知の歪みなんてのはまさにマイナスに働いた典型例です。下手すると現実を侵食してくる(広場恐怖、強迫性障害やPTSDなど)んで、そうならないよう当ブログでは対策法なんかをご紹介しております。
そしてせっかくなら、このイメージの力を良い方向に使おうじゃないか…!ってことで、今回は、運動にイメージの力は使えるのか…?についてご紹介したいと思います。



イメージの力は運動に有効なのか…?

2017年のチュニジア国立スポーツ医学科学センターの研究によると、サイキングアップがどれぐらいパフォーマンスに影響を与えるのかを調べたそうです。サイキングアップってのは、試合前にリラックスしておき、本番が近付くにつれ、徐々に気持ちを高めていき、本番で気持ちがピークに達するようにするイメージ戦略のことです。アスリートでなくても、そして、運動に限らず、テスト前なんかで行った人も多いのではないでしょうか…?
んで、実験では、16人の男性スプリンター(平均年齢20.6±1.3歳)に協力をお願いし、サイキングアップを行って30m走を行ってもらったそうです。
結果、サイキングアップ(イメージの力)でパフォーマンスが向上したそうです。
やっぱイメージの力は良いですね~。

しかし、弱点も見つかっておりまして、上記と同じチュニジア国立スポーツ医学科学センターが行った2014年の研究によると、男性スプリンター16人(平均年齢20.6±1.3歳)を対象に、サイキングアップを行い、その後、

  • すぐに測定した
  • 1分後、測定した
  • 2分後、測定した
  • 3分後、測定した
  • 5分後、測定した

と変えて調べてみたそうです。
結果、1分と2分の間隔だとパフォーマンスが向上したそうなんですが、3分と5分はパフォーマンスが向上しなかったそうです。つまり、ウルト○マンよりも短い時間しかイメージの力は持たない…!ってことになりますね(笑)
どうやらイメージの力は短期戦向きみたいですねー。



イメージトレーニングで筋力低下は防げるのか…?

2014年のオハイオ大学の研究によると、健康な人を参加者として集めまして、3つのグループに分けたそうです。

  1. 手と手首を固定して、そのまま4週間過ごしてもらった
  2. 手と手首を固定して、週5日1日11分間、腕の筋肉にいっぱい力を入れるというイメージトレーニングを行った
  3. 対照群(何もしない)

因みに腕の筋力は、固定前、固定直後、固定後1週間と調べたそうです。
結果、

  • 固定により、筋力が45.1±5.0%ダウンした…。
  • しかし、固定+イメージトレーニングをしたグループの参加者は、筋力が23.8±5.6%しかダウンしていなかった…!

そうです。
つまり、イメージトレーニングで、筋力低下を20%程抑えることができた…!ってことですね。やっぱイメージの力ってすごい…!
今度仕事が長引いてジムに行けないときに11分間イメージトレーニングしてみよう…。



個人的考察

つまり、ここぞという時の本番の1~2分前に、リラックス→意識を高めていく…!を行うと良さそうですね。
お手軽にできるんで今度試してみよう…。



参考文献