認知行動療法の基礎と展開「第2回目 認知行動療法の多様性」
因みに過去の月1社内研修は下記となります。気になる方はご覧ください。
- 少年院での調査研究に従事・診療を行っている医学博士から学ぶ動機や対策について その1
- 少年院での調査研究に従事・診療を行っている医学博士から学ぶ動機や対策について その2
- 少年院での調査研究に従事・診療を行っている医学博士から学ぶ動機や対策について その3
- 第7回月1社内研修内容
- 第8回月1社内研修内容
前回のおさらい
まずは前回のおさらいから。障がい福祉の研修では詳しく認知行動療法について学んだり、実践として使えるようなことを教えてくれる研修がなかなかない…。だったら、社内研修でやろう…!ということで、熊野先生の動画を使い5月から全12回で社内研修による認知行動療法の学習を開始しました。第1回目のオリエンテーションでは認知行動療法についての全体像をざっくりと話した感じでした。詳しいポイントはブログの備忘録をみてもらうとして、とても良い講義でした。こんないい物が無料で見られるなんて嬉しいな~熊野先生に感謝です…!
認知行動療法の基礎と展開 第2回目「認知行動療法の多様性」
今回の月1社内研修では第2回目「認知行動療法の多様性」を皆で視聴しました。
下記動画ですね。因みに講義資料はこちらからダウンロードできます。
いかがでしたでしょうか…?
今回の動画は1時間20分ほどありまして、1時間では終わらないため、初めから1.5倍速で動画を視聴しています。
「認知行動療法の多様性」では、第一世代と言われる行動療法、第二世代の認知行動療法、第三世代の認知行動療法(新世代の認知行動療法)について、ざっくりとした説明がありました。また、どういった歴史的経緯があるのかが講義の中で出てきまして、概要を押さえておくには素晴らしい内容でしたね~。
因みに、いよいよ次回から一つずつ掘り下げた内容に入っていきます。
下記動画ですね。因みに講義資料はこちらからダウンロードできます。
いかがでしたでしょうか…?
今回の動画は1時間20分ほどありまして、1時間では終わらないため、初めから1.5倍速で動画を視聴しています。
「認知行動療法の多様性」では、第一世代と言われる行動療法、第二世代の認知行動療法、第三世代の認知行動療法(新世代の認知行動療法)について、ざっくりとした説明がありました。また、どういった歴史的経緯があるのかが講義の中で出てきまして、概要を押さえておくには素晴らしい内容でしたね~。
因みに、いよいよ次回から一つずつ掘り下げた内容に入っていきます。
しせつちょうのメモ帳
前回同様、今回の講義内容のポイントを私なりにまとめておきます(タイトル回収)
参考程度にどうぞ。
参考程度にどうぞ。
- 認知行動療法(cognitive behavior therapy:CBT)とは、セルフケア(自分で自分をコントロールできるようになる)を促進し、習慣的な認知の歪み(行動パターン・思考パターン)を正す(変えていく)行動科学的治療法のこと
- 心の理論とは、自分が心を持っているのと同じように相手も心を持っていると気付く力、理解できる力のこと(5歳ぐらいで身に付く)
- 心の理論が理解できない、身に付いていないのが自閉症スペクトラム障がい(ASD)の人(高機能自閉症など知的に問題ない場合は10歳ぐらいで身に付く)
- ABC分析とは、行動療法と認知療法に共通しているアセスメント法。但し、注目している部分が違う
- 行動療法のABC分析→きっかけ(Antecedent)からターゲット行動(Behavior)を行い、結果(Consequence)が良ければ行動は増えるし、悪ければ行動は減る(癖や習慣が身に付いていく)これを見つけられると介入できる。因みに無意識でも起きる。動物でも起きる。代替行動を強化していくのがポイント
- 認知療法のABC分析→活性化する出来事(Activating event)から思考パターン(Belief)が活性化されて、結果(Consequence)が起こる。認知の歪みから(思考パターンの処理が偏っていると)、抑うつ、不安がでてくる。結果、回避行動となる。認知の歪みを正す(認知を再構成する)のがポイント。極端な考え、ネガティブな考えをポジティブな考えに変えるのではなく、考え方の幅を広げるのが大事
- 第一世代(行動療法)→1940年代~1950年代にでてきた。基礎は学習理論。大きく分けてレスポンデント学習とオペラント学習がある。レスポンデント学習とはパブロフの犬のこと、オペラント学習は行動療法のABC分析のこと。この2つの学習は動物でも同じことが起きるぐらい強力。また、無自覚で起こるという怖さもある。認知問題を扱えない、セルフコントロールも十分に扱えない、実際とのギャップもあったため、第二世代へ
- 第二世代(認知行動療法)→人間は動物と違い自分で予期、期待、信念、計画など考えて行動ができるので考え方(認知)が重要。認知療法のABC分析を使用したが現実的には多くの行動的技法を使用したため認知行動療法と呼ばれた。網羅的にアセスメントをする(片っ端から試す)ので、目の前の状況から行動療法、認知療法のどっちを使ったらいいのか、どう判断するのか基準がなく、難しかった。また基礎理論が欠如(基礎科学(認知心理学や認知科学)による十分な裏付けがない)しており、医学モデル(病気の診断をして共通の治療を行うこと)ではなく、個別性が重視されていたため、第三世代へ
- 第三世代・新世代(認知行動療法)→行動療法的な認知行動療法、認知療法的な認知行動療法がある。認知の機能に注目し、更にマインドフルネスやアクセプタンスを導入した。認知も行動とみなして学習理論で説明していく(言語行動という)但し、外顕的行動と言語行動は全て同じではない。言語行動にしかない特徴がある。思考も行動療法の枠内で扱う治療法がでてきた。代表例はACT。更に認知のプロセス(メタ認知など)に注目するようになった。これらが合わさり第三世代の認知行動療法になった
補足説明
ここでは研修時間では説明しきれなかった内容についてご紹介します。倍速のメリットは他にもあった…!
時短以外の倍速のメリットは以前に書いた通りですが、他にもメリットがあり、今回は皆さんにそのメリットを体験してもらいました。1.5倍速で動画を観る(聞く)ことにより皆かなり集中して聞けたと思います。実は聞き手の集中力が高まり、記憶に残りやすいという早口の効果を体験するのも動画を倍速で聞く目的だったりしました。是非、早口のメリットを感じた人はプラスして抑揚をつけたり一呼吸置くなどのテクニックを加え、トークスキルを磨いてみてください。研修の資料をなぜ用意しなかったのか…?
研修開始直後、「今回の研修の資料は持っていますか…?」と聞くと、持っている人、慌てる人、色々でした。研修時間が1時間と限られているため、持っていない人はそのまま参加としました。「うわ~最悪。皆の分の資料を用意してくれればいいじゃん…!」って思った方は間違いなくいたと思います(笑)でも、あえて私は用意しませんでした。その意図について書いておきます。
なぜ、研修資料をこちらで印刷・準備し、全員に配布しないかというと、これは嫌がらせをしたいのではなく(笑)、自主的・能動的学習の重要性を感じてほしかったからです。また、利用者の気持ちを感じてほしかったというのもあります。
研修の資料については、前回の研修(第8回月1社内研修)のブログをよくみるとダウンロードページがありました。これはブログをしっかりと見た特典でもありますが、別に私のブログをみなくてもググると普通にダウンロードページがでてきます。つまり、学びたいという気持ちがあればブログを見るなりググるなりして、結果、資料があることに気付くことができたのです。更に私なりにヒントも出していました(ブログにこの前の月1社内研修の補足を書いておいたよ~と言ったりした)
以前にも書きましたが、社会に出ると学校のように誰も大事な部分(こと)を赤ペンで書いたり、ハイライト(マーカー)を引いてくれません。自分で重要な部分だと気付き、見つけなければいけないのです。もちろん今回の資料も同じで、自分で学びたいと思えば、資料が必要だと思えば、自ずとブログを見たでしょうし、そうすればダウンロードページに気付くかググったかと思います。
また、第7回月1社内研修のブログの補足説明をちゃんと読んで、実践できているかの答え合わせも兼ねていました。
でも、これって私たちにも言えることですよね。こちらも前に書きましたが人に言う前にまず自分です。自分ができていないとやっぱり相手に伝わらないことが多いです。言行不一致は信頼関係を簡単に壊す要素がありますので、利用者側の気持ちを感じてほしいと思いました。今回の件で気付く(認識する)ことができたのではないでしょうか…?
認識し、使い、使いこなすには意識していくことが重要です。ぜひ、皆さんも意識してみてください。
因みに次回の講義「レスポンデント学習と行動療法」の講義資料は下記となります。
また、全講義資料のダウンロードページは下記となります。
熊野先生に感謝しつつダウンロードしましょう。
個人的考察
熊野先生の甘い物(饅頭)の例が面白いし分かりやすい…!
因みに良い習慣と悪い習慣については下記をご覧ください。
今回のポイントをまとめつつ、足りない部分を加筆したものが下記になります。合わせてご覧ください。
今回のポイントをまとめつつ、足りない部分を加筆したものが下記になります。合わせてご覧ください。