他人のネガティブな「情動感染」から逃れるにはどうすべきか?
皆さんは他人の気持ちが移ったことがありませんか…?
例えば、周囲がポジティブな感じだと自分もポジティブになったり、逆に周りがネガティブだと自分もネガティブになるみたいな感じですね。このように他人の感情に自分も影響を受けることを情動感染と言ったりします。
特にネガティブはネガティブバイアスってのがあるんで、その感染力たるや、すさまじいパワーを持っております。
他人のネガティブな「情動感染」から逃れるにはどうすべきか…?
2013年のハワイ大学マノア校の研究によると、他人からのネガティブな感情に巻き込まれないためにはどのような戦略が有効なのか…?について検討してみたそうです。
具体的には、まず参加者を以下の4つのグループに分けて、それぞれにネガティブな感情に巻き込まれないための対策を伝えたそうな。
- 他人のネガティブな感情に対して、「共感」のイメージを持つという対策
- 他人のネガティブな感情に対して、「解離」のイメージを持つという対策
- 他人のネガティブな感情に対して、「反射」のイメージを持つという対策
- 何も対策を伝えない(コントロール群)
次に参加者に、カウンセラーのような気持ちになってもらい、ポジティブやネガティブなどの様々な対話をしている3つの映像を観てもらったそうです。またその際、合わせて視聴の様子を録画したとのこと。
最後に録画した映像の顔の様子から分かる感情と自己申告の感情を測定し、ネガティブな情動感染の影響度とどの戦略が最も効果があったのかを割り出してみたそうです。
研究者は、「共感」は感染力がアップ、「解離」、「反射」は感染力がダウンすると予想したそうですが、結果は、
- 「解離」のみが録画の顔の様子、自己申告の両方で感染力がダウンしていた…!
そうです。
つまり、他人のネガティブな情動感染から逃れるには「解離」が戦略として最も有効ということになります。
では「解離」とは何か…?
「解離」はつまり他人視点・客観的視点ということです。つまりメタ認知的視点を持つことがネガティブな情動感染に対して効果的となるということですね。
個人的考察
ネガティブになっている相手に対して他人視点を持て…!っていうのはなんか冷たいな…みたいな気持ちになった方もいるかもしれませんが、メタ認知的視点を持った参加者ほど何故か共感力も高かったというのがこの研究の面白いところ。
実は自分がネガティブに巻き込まれないからこそ、相手の辛さを本当の意味で分かってあげられるみたいなんで、支援では是非、メタ認知(客観視)を意識していきたいですねー。