この内容は元々脱フュージョンの記事内に書いていたのですが、アップデートの際、見辛くなりましたんで切り離しました。…っとこれだけだとコピペで終わってつまらないんで(笑)、今回は大幅に加筆したものをお送りしたいと思います。



ネガティブバイアスってなに…?

ネガティブバイアスとは読んで字の如く、人はネガティブなことに意識を持って行かれやすい心理状態のことをいいます。例えば、楽しかった記憶よりも嫌な記憶の方が残っているとか、ある程度上手くいったのに間違ったところがすごく気になったりとか、道端で喧嘩している人のことが気になってしまい更にいつまでも覚えているなどです。
また、悪口で盛り上がってしまう原因もこれが絡んできます。ネガティブな記憶として残っている為、自然と雑談の中で話題を挙げてしまう、更に悪口は皆の意識を持っていきやすいんで盛り上がってしまう、更に記憶に残ってしまうんで、他の場所でも話してしまう、別の時間にまた話題として挙げてしまうって感じですね。
そして、これも当たり前かもしれませんが、ネガティブ気質な人はネガティブバイアスを持っていることが非常に多いです。それらはいくつかの研究結果でも証明されております。



ネガティブの感染力

では、実際、このネガティブバイアスはどれほどの影響力があるのでしょうか…?
2003年のマサチューセッツ工科大学の研究によると、一般的な企業で働いた際のネガティブバイアスについてどれほどの影響力があるのか調べたんだとか。結果、ネガティブはポジティブより7倍も感染する力があったそうです。
7倍はすごいですね…。一般的な企業で働いていても7倍もネガティブの影響を受けるなら、ただでさえそういったポジティブよりネガティブに影響を受けやすい、敏感で長けている精神障がいの方はもっと影響を受けるんじゃないですかね~。ネガティブバイアス恐ろしや…。



ネガティブバイアスは不幸を呼ぶ…!

2011年のオープン大学の研究によると、ネガティブバイアスで不幸にもなるらしいんですよね。この研究では参加者26人を対象に車の模擬運転をしながら、気を散らさないよう注意してもらいつつネガティブな会話をしてもらったんだとか(因みに参加者の半数がクモ嫌いの人でクモの話をしたらしい)。その際のポジティブ感情やネガティブ感情の影響度や運転のミス率、視野の範囲なんかを調べたとのこと。
結果は、

  • はっきりと高い認知的負荷(心拍数の変化)がみられた…!
  • 運転ミスが多く起こった…!
  • 視野の範囲が大幅に狭まっていた…!

って感じだったそうで、つまり、ネガティブバイアスが働くと脳内がそのネガティブに占有されてしまい、他を考える余裕がなくなる、結果、目の前の危険に気付けない場合があるってことですね。確かにネガティブなことがあるとそればっか考えてしまい、他を考える余裕がなくなるのは誰しも一度は経験したことがあるかと思います。また、これは悪いリフレーミングの状態とも言えまして、本来良さとして活かせるネガティブが完全に欠点として働いているって状況ですね。う~ん。怖い…。

更にこの現象は他の研究でも見られていまして、例えば、2012年のユニバーシティ・カレッジ・コークの研究によると、まず参加者を24人集めて、2グループに分けたんだそうな。その際、

  • 怒りの感情を高める状況で模擬運転をしてもらった(男性6人・女性6人)
  • 普通に模擬運転をしてもらった(男性6人・女性6人)

とのこと。結果、怒りの感情を高める状況で模擬運転をしてもらったグループの人たちは、事故を起こしやすく、また視野も狭まっていたそうで、やはり原因はネガティブに意識を持って行かれがちだったからみたい。まさにネガティブバイアスで不幸になってしまった…!って感じですね~。

更に更に2016年の中国科学院の研究によると38名のドライバーを集めて運転の事故回数を調べたそうです。その上で、参加者を安全ドライバーグループと危険ドライバーグループにわけ、感情の情報処理の違いを調べたそうな。
結果、危険ドライバーグループの人たちはネガティブな写真に過剰に反応してしまったそうです。更に交通事故を起こしやすい人ほどその傾向は強かったそうで、まさにネガティブはネガティブを引き寄せるというネガティブバイアスの恐怖を感じる結果ですね…。



個人的考察

ネガティブはポジティブに比べ、圧倒的に影響を受けやすく、また、ネガティブバイアスを避けようとする(体験の回避をする)とシロクマのリバウンド効果が発動してしまう、なかなか扱いの難しい代物です。対策としては、今ネガティブバイアスがあるな~とアクセプタンスをしたり、マインドフルネスシングルタスクを意識していくってのがよろしいかと思います。それとリフレーミングをして活かしていくってのも有効な手段かと…。
ご参考になれば幸いです。



参考文献