今回は予告通りハーバード公衆衛生大学院の研究を見ていきます。



ソフトドリンクを1日1杯以上飲むと2型糖尿病リスクが26%、メタボリスクが20%もアップする…!

2010年のハーバード公衆衛生大学院の研究によると、ソフトドリンクの摂取量とメタボリックシンドローム&2型糖尿病リスクの関係について調べてみたそうです。
そもそもソフトドリンク(砂糖入り炭酸飲料やフルーツジュース、砂糖入りアイスティー、スポーツドリンク、ビタミンウォーターなど)の消費量は世界中で増加の一途をたどっているそうで、例えば2010年のノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究によると、1970年代後半から2006年にかけての一人当たりのソフトドリンクの摂取量は、1日64.4kcalから141.7kcalに増えていたとのこと。つまり、わずか30年弱で2倍以上もソフトドリンクが飲まれるようになっていたそうな。
んで、これだけ急速に飲まれるようになっている事や先行研究(昨日の系統的レビュー)で太るぞ…!って結果が出ていたので、この度、メタボと2型糖尿病リスクについてメタ分析を行ってみたそうです。
まず研究者たちは、1966年から2010年5月までに発表されているソフトドリンクとメタボ・2型糖尿病の前向きコホート研究をMEDLINEで検索してみたそうな。すると、メタボ研究が15件、2型糖尿病研究が136件ヒットしたらしい。続いてこの中から、基準を満たす質の高い研究をピックアップしていったそうで、最終的にはメタボ研究3件、2型糖尿病研究8件の合計11件が選ばれたみたい。この11件をメタ分析にかけてみたそうです。
因みにこれら11件の研究のざっとした情報は下記になります。

  • ほとんどの研究で、ソフトドリンクは飲まないor月1杯未満しか飲まないと、1日1杯or2杯以上飲むことを比べていた。
  • 参加者の大半はアメリカの白人又は黒人の男女で、それ以外だとフィンランド、シンガポール、中国の成人だった。
  • 追跡期間は4年から20年の範囲だった。
  • 各研究のサンプル数は3,000人以上から91,000人以上の範囲だった。
  • ソフトドリンクを含めた食事の摂取量評価はFFQというアンケートを使っていた。

それでは結果を見てみましょう。

  • 2型糖尿病研究の延べサンプル数は310,819人で、2型糖尿病の症例は15,043人だった。
  • ソフトドリンクを1日1杯or2杯以上飲む人たちは、ソフトドリンクを飲まないor月1杯未満しか飲まない人たちに比べて、2型糖尿病リスクが26%も高かった…!
  • メタボ研究の延べサンプル数は19,431人で、メタボの症例は5,803人だった。
  • ソフトドリンクを1日1杯or2杯以上飲む人たちは、ソフトドリンクを飲まないor月1杯未満しか飲まない人たちに比べて、メタボリスクが20%も高かった…!

やっぱりソフトドリンクの摂取量が増えると体重が増え、結果、メタボや2型糖尿病になりやすくなるみたいですね~。



個人的考察

まぁ、2009年にアメリカ心臓協会もソフトドリンクの摂取量を減らせ…!って言ってますし、1日1杯以上飲む人は、ダイエットのスタートとして、試してみてもよろしいのではないでしょうか…?



参考文献