知的障がいと老化・認知症の話の続きです。
今回からは海外の研究に目を向けてみよう…!ってことで、まずは台湾の研究を見てみたいと思います。



知的障がい者の老化スピードは早い…!と感じている台湾の知的障がい者施設の管理者は90%以上…!

2011年の国防医学院の研究によると、知的障がい者の早期老化とそのサービスの準備について施設管理者側の視点から調べてみたそうです。
そもそも知的障がいのある高齢者の寿命は延びているんですが、その方々の老化スピードの情報は限られております。そこでサービスの準備を含め、施設管理者にどんな感じか聞いてみよう…!となったのが今回の研究になります。
まず研究者たちは、台湾で知的障がいのある方を支援している施設に所属する54人の管理者にアンケートを実施したそうな。因みにアンケートは2009年11月に行われたとのこと。
次に回答されたアンケートを集計し、ポイントをまとめてみたらしい。つまり、この研究は横断研究ってことですね。
んで、集計結果を見てみますとこんな感じ。

  • 女性の回答率は70.4%、男性の回答率は29.6%だった。
  • 回答者の平均年齢は42.2歳(範囲22歳から66歳)だった。
  • 障害福祉サービスの平均経験年数は11.0±7.8年だった。
  • 現在の施設での平均勤続年数は6.7±6.5年だった。
  • 障がい者施設の勤務者が70.4%、福祉財団系の施設の勤務者が13.0%だった。
  • 50人以下の小さい施設が多かった。
  • 知的障がい者の早期老化はある…!と答えた管理者は90%以上だった…!
  • 一方で、アンケートに回答した管理者のほぼ全員が台湾政府の政策は不十分だ…!と答えていた。
  • 管理者の半分以上は、高齢知的障がい者のサポートが満足できるものではない…!と答えていた。
  • 知的障がい者に対する台湾政府の高齢化対策の優先順位について、医療面、経済面、日常生活介護面の順番で重要度が高いと回答していた。

まぁ、あくまで管理者視点から見た結果なんでエビデンスレベルは低いんですが、やはり知的障がい者の老化スピードは早いと感じる方は多いみたいですね。



個人的考察

ということで、台湾でも状況は似ているみたいですね。
日本も超高齢化社会まっただ中であり、高齢の知的障がい者の方も増えていますんで、この分野の福祉を考えて行かないといけないのかな~と思いました。



参考文献