【加筆内容】障がいとBDNFの関係について考える その8「統合失調症・双極性障害・統合失調感情障害編2」
統合失調症と統合失調感情障害の患者さんのBDNFレベルの間に統計的な有意差はないが、どちらもBDNFレベルが低くなればなるほど症状も重くなる…!
- 2015年のリオ・グランデ・ド・スール連邦大学などのメタ分析では、統合失調症の患者さんは、健康な方に比べて、血清BDNFレベルも血漿BDNFレベルも中程度低かった…!
- 2018年のガリシア・スール健康研究所などのメタ分析では、薬物治療を受けていない統合失調症の患者さんと受けた統合失調症の患者さんのBDNFレベルをチェックしてみたら、どちらの患者さんもBDNFレベルが低下していた…!
って感じで、関係はありそうだったんですよね。
そこで研究者たちは、BDNFレベルと様々な要素との関係性とBDNF遺伝子の影響を見てみたらしい。また、統合失調症の患者さんと統合失調感情障害の患者さんとではBDNFレベルに違いがあるのかも比べてみたんだとか。
今回、実験に参加したのは統合失調症と診断されている64名と統合失調感情障害と診断されている41名でして、合計サンプル数は105名、平均年齢は48.85±10.45歳だったとのこと。
んでこの105名の方々の症状の重さや社会的機能、QOL(生活の質)、認知機能なんかを測定し評価してみたそうな。更に採血を行い、血清BDNFレベルをチェックしたり、BDNFの遺伝子も解析してみたらしい。
最後に集まったデータを統計処理した結果、統合失調症と統合失調感情障害の患者さんは、
- BDNFレベルが低い人ほど、症状も重かった…!
- BDNFレベルが高い人ほど、認知機能(特に言語)のパフォーマンスが高かった…!
とのこと。
またBDNFの遺伝子解析の結果については、
- 血清BDNFレベルの統計的な有意差は見つからなかった…!
とのこと。
こちらは関係なさそうですねー。
最後に統合失調症と統合失調感情障害の患者さんのBDNFレベルの違いもチェックしたんですが、
- 統合失調症と統合失調感情障害の患者さんのBDNFレベルの間に統計的な有意差はなかった…!
そうです。
統合失調感情障害は統合失調症+双極性障害の症状があるものの、BDNFレベルに関しては統合失調症の患者さんと違いはなかったみたいですね。但し、どちらもBDNFレベルが低下しているのは間違いないと。
個人的考察
ということで、統合失調症・双極性障害・統合失調感情障害とBDNFは関係ありそうな感じ。そして共通点はBDNFレベルが低い事、低くなればなるほど症状が重症化しているということです。なんで因果関係はまだよく分かりませんが、症状改善の為にも、是非運動等でBDNFレベルをアップさせていきたいですねー。