ダイエットをするなら押さえておきたい超正常刺激(超常刺激)について書いておきます。



超正常刺激(超常刺激)ってなに…?

超正常刺激(超常刺激)は、ノーベル生理学・医学賞を受賞したコンラート・ローレンツニコ・ティンバーゲンが発見した現象です。超正常刺激(超常刺激)とは、動物は大げさな刺激に対してより強く優先的に反応してしまうことを意味しております。
例えば、

  • オスのトゲウオは他のオスのトゲウオと縄張り争いをする。観察すると他のオスのトゲウオの赤い下腹部をみて刺激され、縄張り争いを始めていた。そこで赤い下腹部を誇張した魚の模型を作り近づけてみた。結果、他のオスのトゲウオよりも赤い下腹部を誇張した魚の模型に強く反応していた
  • メスの鳥に実物よりも大きくて鮮やかな斑点を付けた石膏の卵を渡したら、本物の卵よりも石膏の卵を温めようと必死になっていた

みたいな感じ。
そしてこれらはもちろん人間にも当てはまりまして、例えば、ハーバード大学のディードリ・バレット教授の著書「加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか」によると、人間が太古の時代、食料の乏しい環境下で暮らしながら進化を続けてきたので脳はそういったものに強い反応をするよう設計されてしまったそうです。そして代表的なものとして加工食品、つまりファストフードやジャンクフードと言われる食べ物たちを挙げております。

この辺については2013年のニューヨークタイムズの記事が分かりやすくて、加工食品は砂糖、塩、脂肪の3つが多く含まれる食品であり、これらが大量に入っていると食品は中毒性がヤバいそうなんですよね。確かにファストフードやジャンクフード、お菓子なんか、一度食べだすと止まらなくなって…って経験は誰しもありましょう。あれは原始の脳が超正常刺激を求めてしまい暴走したと言えます。またバイキングで食べ過ぎるのもこれが原因です。
この当たりは食事報酬のところで紹介した通り、砂糖、塩、脂肪なんかは、なかなか手に入らなかったので強く求めるよう(強い刺激を受けるよう)、脳が設計されてしまったのですが、現在は簡単に手に入ってしまうので、あだとなり、結果として食べ過ぎ→肥満になってしまうってことで、これがセットポイントが狂う原因でもありました。
更に2013年のForbesの記事によると、精製穀物も超正常刺激を与えている可能性があるかもしれないみたいで、結構、世の食品に蔓延っている感じです。
以上を見ると、普通に暮らしていてこれだけ超正常刺激がありふれた現代なら、自然と食べ過ぎるし、慢性的な過食に落ちるのも無理からぬ話ではないかと…。



個人的考察

対策はやっぱりカロリーの質を意識していくことや地中海式ダイエットの実践を行っていくっていうことになるんですが、問題なのはこの超正常刺激、ダイエット以外にも起きるんですよねー。
例えばインターネットやSNS、ゲームなどの依存性ポルノの依存なども同じ原理が働いております。そのため、ダイエットに限らず、まずは超正常刺激なるものが身近にあり、気を付けようと意識していくところから始めるのが第一歩となるような感じですねー。



参考文献