エビデンスに基づいた履歴書の写真の撮り方とコツ
当事業所は就労移行支援のサービスをしておりまして、当然ですが就職活動をサポートしております。そして就職活動の一つとして、履歴書の作成があります。
その履歴書なんですが、基本的に手書きで作成しようが、パソコンで作成しようが色は黒色しか使わないんですよね。でも、履歴書には一か所だけカラーの場所がございます。そして、当然モノクロよりもカラーに目がいきますんで、人事の方はそこにまず目がいくわけですよ。
更にそのカラーの場所はその人の第一印象を決める場所でもあります。以前に書いた通り、第一印象は超重要でして、にも関わらず、人は瞬時に第一印象を判断するみたいなんですよね。そのため、第一印象を決める服装や髪型はかなり重要であります。まぁ、ぶっちゃけ顔から能力や性格を判断するのは難しいみたいですが…。
前置きが長くなりましたが、もう皆さんお気づきかと思います。そう、履歴書唯一のカラーの場所であり、第一印象を決める大事な場所、それは写真です。
第一印象の研究で有名なプリンストン大学の博士から学ぶ履歴書の写真の撮り方とコツ
「第一印象の科学 なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?」の著者であり、第一印象の研究で有名なプリンストン大学のアレクサンダー・トドロフ博士の2014年の研究によると、実験を4つ行った結果、第一印象は40ミリ秒(0.04秒)で決まっていたそうです。以前にご紹介したトドロフ博士の2006年の研究では、第一印象は100ミリ秒(0.1秒)とのことでしたが、今回は更に短くなっておりますね。そういえば好感度は2秒で決まるとかいう話もありましたな。まぁ、いずれにしても第一印象は一瞬で決まると思っていいでしょう。
では、早速、履歴書の第一印象である写真の撮り方とコツを見ていきましょうか…。
履歴書の写真の撮り方とコツ①:目がはっきり写るようにすべし…!
以前にご紹介済みですが、目が隠れるような髪型はNGだそうです。なんでも、髪が長くて目が隠れてしまうと能力が低く見られ、また、自信もないように見られたとのこと。
じゃあ、髪をちゃんと切っておけばいいのね…!となりそうですが、実は写真の場合それだけでは危なくて、例えば、写真でありがちな目のところに強い光が当たって目が見づらくなっていたり、逆に明度(明るさ)が足りなくて、目周辺が暗く影になって隠れているのもダメなんで注意が必要です。
この当たりは例えば、メガネをかけている人はライトの反射により目が見づらくなるので注意ですし、逆に駅などに設置してある証明写真機なんかは、たいてい明度(明るさ)が足りないので目のあたりが暗くなりがちです。ご注意を。
因みに実験によると、サングラスは特にヤバくて最も魅力度(第一印象)が悪かったそうな。まぁ、履歴書の写真にサングラスをかけて撮る人はいないとは思いますが(笑)、一応ついでに書いておきます。
履歴書の写真の撮り方とコツ②:顎のシャープさを強調すべし…!
トドロフ博士によれば、顎のシャープさがはっきりでていると第一印象が良くなったそうです。具体的には、能力・自信・魅力がアップしたとのこと。これを履歴書の写真に活かすとなると、女性はメイクで顔と首の色を少しだけ変えて、はっきりさせると良い感じかと。男性の場合は、明るい(白がやっぱベスト…!)のシャツを着て、明度を意識し、顎の下にはっきりと影ができるようにすればいい感じですかね。
履歴書の写真の撮り方とコツ③:歯を少し見せた微笑を意識すべし…!
履歴書の写真は、兎角まじめな感じや緊張から気難しい感じになってしまいがちですが、これは第一印象を決めるに当たってマイナスポイントになり得るみたい。まぁ、笑顔の写真の方が良いのはなんとなく分かるとは思いますが、具体的に、じゃあ、どうすればとも思いますよね。
実際、トドロフ博士によれば、笑顔には大きく以下の3つのパターンがあるそうで、それぞれの効果はこんな感じだったそうな。
つまり、ベストは歯を少し見せた微笑…!ってことになりますね。
- 口を閉じた状態の笑顔:あんま意味がなかった…。
- 少しだけ歯を見せた笑顔:能力・自信・魅力が軒並み上がった…!
- 満面の笑み(笑顔):魅力は大幅にアップ…!能力・自信はダウン…。
つまり、ベストは歯を少し見せた微笑…!ってことになりますね。
履歴書の写真の撮り方とコツ④:黒のリクルートスーツに白のボタンダウンシャツで撮るべし…!
こちらも以前にご紹介しましたが、服装はスーツが良かったとのこと。特にダークカラーに明るい感じの色のボタンダウンシャツがベストだったそうです。ともなれば、やっぱ黒のリクルートスーツに白のボタンダウンシャツの組み合わせが良さそうですね。
履歴書の写真の撮り方とコツ⑤:基本通り、顔から肩ぐらいまでが写るようにすべし…!
お次は、写真の範囲について。これは一言で言うと、基本通り、顔から肩ぐらいまでが写るようにすると良いみたいです。
というのも、顔のみや全身写真だと、能力・自信・魅力が全てダウンしてしまったそうなんですよ…。そのため、少なくとも顔のどアップや、腰から下が写ることは避けた方が良さそうな感じ。
基本に忠実に、頭のてっぺんから、肩が入るぐらいまでで写しましょう。
履歴書の写真の撮り方とコツ⑥:背景は白…?いいや、オレンジにすべし…!
実は被写体だけでなく、バックグラウンドも重要なんだとか。
なんでも、実験で、暗い背景と明るい背景で写真を撮って魅力度を比較してみたら、暗い背景よりも明るい背景の方が魅力度が高かったらしい。
そして意外なのが明るい背景=白…!ではなく、オレンジの背景がベストだったとのこと。これはびっくり…!
とはいえ、オレンジ過ぎても良くないんで、なんとなくオレンジっぽい色、薄オレンジが個人的におすすめですかね。そして、そんな背景で写真を撮れる場所は、まずないので、背景を白で撮影し、フォトショップで加工して薄オレンジにすると良いかと思います。これはかなり目から鱗な情報じゃないですかね~。
履歴書の写真の撮り方とコツ⑦:目を少~しだけ細めるべし…!
私も過去迷ったことがあるのが、目は開いた方が良いのか、細めた方が良いのか、普通な方が良いのかということです。この答えをトドロフ博士が教えてくれておりまして、結論は、目を少~しだけ細めると良いよ…!とのこと。
理由については大体こんな感じ(一部脚色あり)
- 目をカッと開く:大きな目は相手に恐怖心を与える。また不安な印象も与えてしまう。つまりマイナス効果しかない…。
- 普通に目を開く:可もなく不可もなく…。
- 少~しだけ目を細める:自信とリラックスの印象を与える…!
- 目を細める:目が悪いのかな…?大丈夫…?
ということで、なんとな~く目を細めましょう…!
科学的な履歴書の写真の撮り方まとめ
では、上記の内容や過去にご紹介した印象を良くする研究も踏まえて、科学的な履歴書の写真の撮り方を最後にまとめておきます(※このまとめは全てハイライト(アンダーライン)を引きたいくらい重要ですが見づらいのであえてひきません…!)
①事前準備:男性編
服装は以下の通り。
髪型は、就職先に必要そうな特徴に合わせた髪型にする。詳しくは以下の通り。
- 基本は目がはっきり写るようにする
- 坊主(スキンヘッド):支配的で、背が高く、強そうに見える
- ショートヘアの男性の良い印象:セクシーに見える・自信があるように見える
- ショートヘアの男性の悪い印象:自己中心的に見える
- ミディアムヘアで横分けの男性の良い印象:知的に見える・金持ちに見える
- ミディアムヘアで横分けの男性の悪い印象:ケチに見える
- ミディアムヘアで中分けの男性の印象:特徴がない人に見える
- ロングヘアの男性の良い印象:良い人に見える
- ロングヘアの男性の悪い印象:注意力がなさそうに見える
①事前準備:女性編
服装は以下の通り。
メイクは以下の通り。
髪型は、就職先に必要そうな特徴に合わせた髪型にする。詳しくは以下の通り。
- 基本は目がはっきり写るようにする
- ショートヘアの女性の良い印象:社交的に見える・自信があるように見える
- ショートヘアの女性の悪い印象:セクシーに見えない
- ミディアムの黒髪の女性の良い印象:知的に見える・良い人に見える
- ミディアムの黒髪の女性の悪い印象:注意力がなさそうに見える
- ロングヘアで黒髪の女性の印象:特徴がない人に見える
- ロングヘアの金髪ストレートの女性の良い印象:セクシーに見える・金持ちに見える
- ロングヘアの金髪ストレートの女性の悪い印象:ケチに見える
②撮影時・撮影後
撮影時・撮影後のポイントは以下の通り。- 目のところに強い光が当たって目が見づらくなっていたり、逆に明度(明るさ)が足りなくて、目周辺が暗く影になって隠れていたらダメ
- メガネをかけている人はライトの反射により目が見づらくなっていないか注意
- 証明写真機はダメ(明度(明るさ)が足りないので目のあたりが暗くなりがち)
- 目を少~しだけ細めて撮影する
- 顎のシャープさを強調する。明度を意識し、顎の下にはっきりと影ができるようにする(足りなければフォトショップで加工)
- 歯を少し見せた微笑をする
- 写真の範囲は顔から肩ぐらいまでが写るようにする
- 背景はオレンジにする。または背景を白で撮影し、フォトショップで加工して薄オレンジにする
- ダメなら何度でも撮影する
- 明度(明るさ)が足りなければフォトショップで加工する
- 顔色は健康的に見えるようにフォトショップで加工する
- フォトショップの加工はした方が良い。但し、やり過ぎないこと…!
個人的考察
皆さんもご存知の通り、大体の企業の採用までの道のりは、一次が書類審査で二次が面接です。つまり、書類が通らなければ面接に呼ばれないということです。この足きり・第一印象を決める書類審査でほぼ必要な物が履歴書となります。その履歴書で、最も重要とも言われるのが写真です。そして今回、いつか行いたいと思っていたこの履歴書の写真の撮り方とコツをまとめてみました。
因みに今回ご紹介したテクニックの多くは、就職活動の面接でも使えますし、ビジネスの場面(交渉など)でも使えます。私も使っておりますので、是非、皆さんも使ってみてください。
就職を希望する皆さんが少しでも書類審査を通過し、面接に呼ばれ、内定をもらう助けになればと思います。