【加筆内容】HIFT(ハイ・インテンシティ・ファンクショナル・トレーニング)の長期研究で結果は変わるのか?
2018年のサンパウロ大学の研究では、HIFT(CrossFit)の先行研究を集めて系統的レビュー・メタ分析をしております。
まず研究者たちは、2016年11月25日時点でデータベースに挙がっていたHIFTの先行研究を検索し、204件の研究がヒット、続いて質の高い研究をピックアップし、結果、31件の論文で系統的レビューを、4件の論文がメタ分析にかけられました。
その結果、
って感じだったんですよ。つまり、HIFT(CrossFit)で質の高い研究はほとんどないから、実際のところ効果ってよう分からんよね~ってなってしまったんですな。
この他にも問題なのが実験期間が比較的短い物ばかりということ。大体3週間から16週間ぐらいのものばっかなんで長期的に行っても効果があるのか不明だったりしております。
そこで、
- じゃあ、16週間を超える研究をしてみようじゃ~ないか…!
となったのが今回ご紹介する研究です。
HIFT(CrossFit)を半年間行って効果を調べてみた…!
2019年のカンザス州立大学の研究によると、HIFT(CrossFit)を6ヶ月間行った場合、運動パフォーマンスがアップするのか調べてみたそうです。
はじめに、この研究の参加者についてですが、18歳以上であり、尚且つ新規又は現在継続してHIFTを行っている人を選んでおります。参加者は全員で45名おりまして、
- HIFTの経験が0~6ヶ月:女性11名、男性13名
- HIFTの経験が7か月以上:女性12名、男性9名
という感じでして、経験者の範囲は0~27か月、平均経験9.8か月だったそうです。また、平均年齢が31.8±13.2歳、平均体重が72.5±13.6kg、平均身長1.73±0.10mって感じだったそうな。
実験のスタートは、2013年の2月、4月、8月、10月のどれかからスタートしておりまして、その後6か月間、HIFTを行ってもらったとのこと。また参加者は、週2~6日の範囲でHIFTをしたそうで、1セッション60分間の内容だったらしい。
HIFTの大まかな流れとしては、
- 10~15分間:ウォームアップ
- 10~20分間:スキルワーク&テクニックの練習
- 5~30分間:ワークアウト
- 5分間:クールダウン&ストレッチ
という感じで、種目はCrossFitのテンプレートメニューを行ったそうです。
合わせて参加者全員は、実験開始前と6か月後に、3日間に分けて10種類の運動パフォーマンステストを行ったそうで、最後にそのデータを統計処理したとのことでした。
んで気になる結果を男女別に見てみますと、女性の場合は、
- 柔軟性(シットアンドリーチ)
- 筋力(走り幅跳び)
- 筋持久力(腕立て伏せ)
- 最大筋力(バックスクワット(バーベルスクワット)、スタンディングプレス(ミリタリープレス)、デッドリフト)
がアップしたとのこと。
更に持久力・心肺機能(1.5マイル(≒2.4km)ランニング)については、
- HIFTの経験が乏しい(HIFTの経験が0~6ヶ月)女性は、HIFTの経験が豊富な(HIFTの経験が7か月以上)女性に比べて、より大きくアップしていた…!
そうです。
続いて男性の場合ですが結果は、
- 柔軟性(シットアンドリーチ)
- 筋持久力(懸垂(プルアップ))
- 最大筋力(バックスクワット(バーベルスクワット)、デッドリフト)
個人的考察
この研究は実験期間が長いものの、サンプル数の少なさ、ランダム化やコントロール群がいないことなど気になる点はありますが、まぁ、仕方ないでしょう。
結果に男女差が出たのも謎ですが、とりあえず従来から言われております、VO2max(心肺機能)&筋力アップは期待して良いんじゃないでしょうかね~。