肉と野菜はどちらを食べるべきか食べないべきか?ダイエット編、その1その2の続きです。
今回はほぼ肉しか食べない場合はどうなのか、狩猟採集民のデータを基に見てみます。



ほぼ肉しか食べないと太るのか…?糖尿病はどうなのか…?

ベジタリアンやビーガンは確かにダイエット効果がある…!って感じでしたが、その逆、つまり肉だけ食べたらどうなるのか…?
この答えを探る際に非常に参考になるのが1973年のアメリカ合衆国保健福祉省の研究などになります。理由はエスキモーの方々を調べてくれているからなんですよ。
エスキモーってのは、アラスカやカナダ北部、グリーンランドなんかに住んでいる先住民族のことでして、イヌイット族などと言うと分かりやすいかと思います。そしてエスキモー(イヌイット)の方たちはほとんど肉しか食べない(というかツンドラ地域なんで食べ物がアザラシの肉とかしかない)んですよね。
そんなエスキモー(イヌイット)の肥満率は男性が約4%、女性が約10%と非常に少なく、年齢を重ねるごとに肥満率はさらに下がっていくみたいです。ということでほぼ肉しか食べていないのに肥満と無縁な暮らしをしているらしい。

更に糖尿病についてなんですが1957年のアメリカ合衆国保健福祉省の研究によると、1957年にアラスカのエスキモーの方16,000人を対象に、糖尿病の発症率をチェックしております。
すると、糖尿病の発症者はわずか3~6人だったそうです。つまり、糖尿病何それ…?レベルですね。有病率が1,000分の0.2~0.4って感じなんで、野菜と同じく実は肉だけ食べても糖尿病になりづらいみたいです。

しかし、ここでポイントなのがエスキモー(イヌイット)の方たちが特別な種族という訳ではない点です。
というのも1988年の研究1993年の研究なんかをみてみますと、近代化が進むにつれ、徐々に加工食品を使う西洋スタイルの食事を食べることが増え、結果として、糖尿病の発症率も増えてきているみたいなんですよ。

つまりまとめると、

  • 確かに野菜を中心に食べるとダイエット効果はあるし糖尿病も予防できる…!
  • しかし肉を中心に食べてもダイエット効果はあるし糖尿病も予防できる…!
  • ポイントなのは野菜だけ、肉だけではなく、カロリーの質っぽい…!

って感じです。


因みに他の民族はどうなのか…?ってことで例えばサン人ブッシュマン)の研究を見てみましょう。
サン人研究の第一人者である人類学者リチャード・ボルシャイ・リー教授の1979年の書籍には、リー教授がサン人を3年以上追いかけ続けた記録が書かれております。ボツワナ北部に住む狩猟採集民(古代の生活を今も続けている人たちのこと)であるサン人1,000人程を1973年から1986年の近代化が入る手前まで調べ続けた貴重なデータでして、なんでも、1日の摂取カロリーのうちの約40%が肉(ジビエ肉などの動物の肉)だったそうなんですよ。
にもかかわらず、平均BMIが約18.5ってな話なんでびっくりです。超スマート。



個人的考察

ということで、一番良さそうなのはやっぱり加工度の少ない肉と野菜を食べるに落ち着くんじゃないでしょうか…?



参考文献