【加筆内容】ビッグファイブと脳の構造には関係があるのか?
7月頃、ビッグファイブの深掘りとして以下のような記事を書きました。
詳しくは上記の記事をご覧いただきたいのですが、性格診断の歴史やビッグファイブの各特徴、活かし方、世界共通や遺伝の影響なんかを一つ一つ見てきた感じです。
- さて、ビッグファイブについて深掘りしていきますか~その1「性格特性歴史編」
- さて、ビッグファイブについて深掘りしていきますか~その2「外向性編」
- さて、ビッグファイブについて深掘りしていきますか~その3「神経症傾向編」
- さて、ビッグファイブについて深掘りしていきますか~その4「誠実性編」
- さて、ビッグファイブについて深掘りしていきますか~その5「協調性編」
- さて、ビッグファイブについて深掘りしていきますか~その6「開放性編」
- さて、ビッグファイブについて深掘りしていきますか~その7「活かし方編」
- さて、ビッグファイブについて深掘りしていきますか~その8「番外編」
詳しくは上記の記事をご覧いただきたいのですが、性格診断の歴史やビッグファイブの各特徴、活かし方、世界共通や遺伝の影響なんかを一つ一つ見てきた感じです。
ビッグファイブと脳の構造には関係があるのか…?
2010年のミネソタ大学の研究によると、ビッグファイブの性格特徴って脳の構造と関係あるの…?ってことを調べてみたそうです。
なんでも研究者たちは、ビッグファイブの各性格特徴と様々な脳領域の体積との関係性について仮説を考えてみたんだとか。ではまずその仮説ってのをみていきましょうか。
なんでも研究者たちは、ビッグファイブの各性格特徴と様々な脳領域の体積との関係性について仮説を考えてみたんだとか。ではまずその仮説ってのをみていきましょうか。
外向性・神経症傾向
ビッグファイブのうち、外向性・神経症傾向の2つの特徴は最も理解されているそうです。報酬の感受性と脅威・罰の感受性に対する反応がかなりはっきりでると先行研究でも明らかになっているんだとか。
外向性の仮説
外向性は報酬の感受性と深い関係があります。
外向性の主な特徴は自己主張や社交性、会話などであり、報酬に対する反応のアプローチに関係しているみたい。このように外向性は社会的行動に現れることが多いんですがこれは人間の報酬の多くが社会的所属や地位に関係しているからとのこと。
以上から外向性は、側坐核、扁桃体、眼窩前頭皮質(腹内側前頭前野)など、報酬の感受性の脳部位が関係しているという仮説を立てたそう。
神経症傾向の仮説
神経症傾向はネガティブな感情と深い関係があります。神経症傾向の主な特徴は不安や自意識、繊細さなどであり、脅威や罰に対する反応のアプローチに関係しているみたい。
以上から神経症傾向は、扁桃体、前帯状皮質・中帯状皮質、内側前頭前野、海馬など、脅威・罰の感受性の脳部位が関係しているという仮説を立てたそう。
協調性の仮説
協調性は利他的な感情と深い関係があります。協調性の主な特徴は他人とのかかわり、欲望、権利などであり、外向性の他人と楽しむのとは真逆とのこと。
また協調性の良い側面としては、協力や思いやり、礼儀正しさといった向社会的な特徴があります。逆に協調性のダークな側面としては、冷淡や攻撃性といった反社会的な特徴があるそうです。このように協調性は共感や心を含む他人の感情や意図、精神状態を理解する力が関係しているんだとか。
以上から協調性は、上側頭溝(側頭葉)、側頭頭頂結合部、後帯状皮質などの脳部位が関係しているという仮説を立てたそう。
誠実性の仮説
誠実性はセルフコントロールと深い関係があります。誠実性の主な特徴はルールの遵守、目標達成の為の衝動・抑制のコントロールなどであり、学業や職業の成功、健康や長寿を促進する行動に関係しているとのこと。
また誠実性の良い側面としては、まじめさ、秩序の正しさ、自己規律性といった特徴があります。逆に誠実性のダークな側面としては、衝動的、注意力の散漫、無秩序といった特徴があるそうです。
以上から誠実性は、外側前頭前野の脳部位が関係しているという仮説を立てたそう。
開放性の仮説
開放性は、想像力や知的好奇心と深い関係があります。開放性の主な特徴は、抽象的で知覚的な情報を柔軟且つ効果的に処理する能力であり、高いほど情報処理能力の幅も広がって意識の幅や深さ、透明性が増えるそうな。
このように開放性はワーキングメモリや抽象的な推論、注意の制御に関係しているとのこと。
以上から開放性は、背外側前頭前野、前頭極、頭頂葉の脳部位が関係しているという仮説を立てたそう。
ではこの仮説が正しいかどうかチェックした研究を見ていきます。
この研究は、ワシントン大学とその周辺地域から参加者を募ったそうで18~40歳の健康な男女116名(女性58名、男性58名、平均年齢22.9歳)が参加したそうな。因みに追加参加者として女性1名も加わったらしい。
んで流れは結構あっさりしておりまして、
- 年齢や性別に対する脳の体積を調整後MRIでスキャン
- ビッグファイブを行う
- 結果を照らし合わせる…!
って感じ。
その結果は、
- ビッグファイブの5つの性格特徴のうち4つは仮説を裏付ける結果となった…!
- 具体的には外向性、神経症傾向、協調性、誠実性が仮説通りだった(開放性だけ違った)
とのこと。
つまり、ビッグファイブの性格特徴ってのは、脳科学でも裏付けられた…!ってことですね。すごい…。
個人的考察
ビッグファイブの特徴は脳にも出ている…!ってのはすごいですねー。
やっぱり性格診断はビッグファイブですな。