【加筆内容】RCTのメタ分析で運動の認知機能改善効果を調べてみた!
RCTのメタ分析で運動の認知機能改善効果を調べてみた…!
2015年のアムステルダム自由大学医療センターのRCTのメタ分析によると、認知症の患者さんに運動をしてもらうと認知機能が改善するのか調べてみたそうです。また今回は、運動がもたらす認知機能への影響について以下の3点もチェックしてみたらしい。
- 認知症にはアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症など色々な種類があるが、効果が同じようにあるのか…?
- 有酸素運動と無酸素運動で違いはあるのか…?
- 運動の頻度で認知機能への影響は変わるのか…?
ということで研究者たちは、まず1960年1月1日~2015年5月1日までに発表された該当する先行研究を、PubMed(MEDLINE)やWeb of Knowledge(science)、Science Direct、ALOISといったデータベースで検索してみたそうな。またその際査読済みであるかどうかもチェックしたとのこと。
次に検索したものの中から基準を満たしている研究を精査していったそうで、最終的にピックアップされたRCTは18件だったみたい。この18件の研究の総サンプル数は認知症患者さん802人でして、運動グループが433人、対照群が369人となっておりました。
これらのデータをまとめてメタ分析にかけてみたそうです。
その結果、
- 認知症の患者さんに運動をしてもらうと認知機能が改善(標準化平均差(SMD)=0.42)していた…!
- アルツハイマー病患者さんに運動をしてもらうと認知機能が改善(SMD=0.38)していた…!
- アルツハイマー病型認知症患者さん又は非アルツハイマー病型認知症患者さんに運動をしてもらうと認知機能が改善(SMD=0.47)していた…!
- つまり、認知症の種類に関係なく、運動で認知機能が改善していた…!
- 有酸素運動+無酸素運動をしてもらうと認知機能が改善(SMD=0.59)していた…!
- 有酸素運動のみをしてもらうと認知機能が改善(SMD=0.41)していた…!
- 無酸素運動のみをしてもらうと認知機能が改善(SMD=-0.10)していなかった…!
- つまり、有酸素運動+無酸素運動又は有酸素運動のみを行うと認知機能が改善していた…!
- 運動頻度が多い場合、認知機能が改善(SMD=0.33)していた…!
- 運動頻度が少ない場合、認知機能が改善(SMD=0.64)していた…!
- つまり、運動頻度に関係なく、運動で認知機能が改善していた…!
とのこと。
まとめると、
- 認知症の種類に関係なく、有酸素運動を行えば、頻度はそれほど多くなくても認知機能は改善する…!
ってことになりましょう。
まことに嬉しい話ですな。
個人的考察
やはり運動は認知症に効果があったみたいですねー。個人的にはおそらくポイントはBDNFなんじゃないかな~とか愚考しております。
それと、いろんな研究を見ていくと、知的障がい・発達障がい(自閉症スペクトラム障害)・精神障がいにも運動は効果がありそうなんで、障害福祉と高齢福祉、どちらにも取り入れていきたいですな。
まぁ、就労系のサービス(就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援)なら手っ取り早いのが農福連携なのかもとは思いますがね。