【加筆内容】コーヒー(カフェイン)の効果を見ていくよー その23「抗酸化作用編2」
コーヒーの抗酸化作用と抗ラジカル作用について
2013年のロシア科学アカデミー ゼリンスキー有機化学研究所のレビュー論文によると、コーヒーの抗酸化作用と抗ラジカル作用についてまとめてみたそうです。
そもそもフリーラジカルが体内にたくさん蓄積すると、老化スピードを早め、多くの病気を引き起こすことが分かっております。そして細胞内のフリーラジカルの増加はDNAや血管、タンパク質、炭水化物、脂質を酸化させるんですよね。
もうちょい流れを具体化すると、
- 体内のフリーラジカルが増える
- DNA分子の結合を破壊したり細胞増殖を調節するDNAにダメージを与える
- 結果、がん細胞が発生したり、LDLが血管の壁にくっついて狭くしてアテローム性動脈硬化や心血管疾患(CVD)、糖尿病を引き起こす…!
- 更に酸化で老化スピードもアップする…!
って感じ。
そんな酸化ですが、抗酸化物質による抗酸化作用で食い止めることが出来ることが分かっております。抗酸化物質は、野菜や果物、ベリー類、植物油、蜂蜜、お茶、コーヒー、ココア、ワインなんかに含まれておりまして、如何に普段の食事から抗酸化物質を摂取できるかがポイントになるんですよ。
そしてコーヒーは毎日気軽にとれる抗酸化物質の代表的な飲み物なんですよね。コーヒーの健康的なメリットは、その高い抗酸化作用(酸化を邪魔する力)が理由と考えられておりまして、特にコーヒーに含まれる
- クロロゲン酸
- フェルラ酸
- コーヒー酸
- クマル酸
なんかがポイントなんだとか。
また焙煎コーヒーだとメラノイジン(コーヒーの茶色い色の色素)やフェニルアラニンっていう超強力な抗酸化物質が含まれていたりするのも大きいそうな。他にもカフェインやトリゴネリンも抗酸化物質であると考えられているんで、まさに抗酸化物質の宝庫となっております。
抗酸化物質が豊富な代表的飲料の比較の話
ではここから、コーヒーの抗酸化作用と抗ラジカル作用をもうちょい詳しく見ていきましょう…!
まずは抗酸化物質が豊富な代表的飲料として下記のものが挙げられます。
- コーヒー:1杯で抗酸化物質が200~550mg入っている…!
- お茶:1杯で抗酸化物質が50~400mg入っている…!
- 赤ワイン:1杯で抗酸化物質が150~400mg入っている…!
これらの飲み物は摂取する抗酸化物質の総量に大きく関係していまして、その中でもコーヒーはめっちゃおすすめとのこと。
まず生のコーヒー豆の時点で、
- クロロゲン酸
- コーヒー酸
- フェルラ酸
- クマリン酸
などのポリフェノール系の抗酸化物質が大量に含まれていて、更にコーヒーを焙煎すると、上記で挙げたような更なる抗酸化物質が生成されるんですよね。
因みに10gの焙煎コーヒー豆を含むたった1杯のコーヒーだけで、およそ15~325mgものクロロゲン酸が含まれているみたいです。んで平均的なコーヒーだとカップ1杯で約200mgのクロロゲン酸が含まれているんですな。
更に上記で挙げたフェルラ酸は、
- 抗炎症作用
- 抗アレルギー作用
- 抗菌作用
- 抗血小板作用
- 抗ウイルス効果
なんかもあってこちらもかなり良い感じです。
そして抗酸化物質の総含有量の視点から代表的な飲み物を比較した結果も見てみると、
- 飲料名:1回で使うグラム数:抗酸化物質の総含有量
- コーヒー:7~10g:150~300mg
- 緑茶:2g:150~300mg
- 紅茶:2g:110~200mg
- ココア:10g:200~250mg
となった様子。
海外では日本のように緑茶を飲む習慣がなく代わりに紅茶なんで、やはりコーヒーの良さが際立ちますね。
抗ラジカル作用の話
続いて軽く抗ラジカル作用についても確認しておきますか。
そもそも抗ラジカル作用と抗酸化作用ってのは似ているけど違うみたいで、
- 抗ラジカル作用:フリーラジカルに反応する成分や作用のこと
- 抗酸化作用:酸化プロセスを阻害する能力のこと
となっているそうな(まぁ、大体同じ物って覚えておいても良いと思います)
んで、生のコーヒーや焙煎コーヒーはフリーラジカルに対してはっきりと抗ラジカル作用を有することが示されているそうです。コーヒーの効果をさらに押し上げているポイントはここみたいですね。
コーヒーの抗酸化作用を最大限発揮させるにはどれぐらい飲めば良いのか…?
最後にコーヒーの抗酸化作用を最大限発揮させる種類や飲む量なんかをチェックしておきます。
この研究では21か所から主要なコーヒーを取り寄せて抗酸化物質の総含有量を調べてみたそうなんですが、コーヒーの種類によって最大1.5倍も違いがあったそうなんですよ。
この研究では21か所から主要なコーヒーを取り寄せて抗酸化物質の総含有量を調べてみたそうなんですが、コーヒーの種類によって最大1.5倍も違いがあったそうなんですよ。
そのランキングは下記となっておりました。
- 1位:マラゴジペ・グアテマラ:32.1mg:1杯当たり224.72mg
- 2位:ブラジル:30.8mg:1杯当たり215.63mg
- 3位:コロンビア:30.5mg:1杯当たり213.54mg
- 4位:イルガチェフェ・エチオピア:28.6mg:1杯当たり200.25mg
- 5位:プエルトリコ:28.6mg:1杯当たり200.26mg
- 6位:カフェインレスコーヒー:27.3mg:1杯当たり191.17mg
- 7位:ケニア:27.0mg:1杯当たり189.08mg
- 8位:キューバ:26.7mg:1杯当たり186.99mg
- 9位:ジャマイカ:26.1mg:1杯当たり182.710mg
- 10位:スマトラ島:24.5mg:1杯当たり171.511mg
- 11位:メキシコ:24.1mg:1杯当たり168.712mg
- 12位:ニカラグア:24.1mg:1杯当たり168.713mg
- 13位:グアテマラ:24.0mg:1杯当たり168.014mg
- 14位:ホンジュラス:23.9mg:1杯当たり167.315mg
- 15位:マラゴジペ・ニカラグア:23.2mg:1杯当たり162.416mg
- 16位:マラゴジペ・メキシコ:23.1mg:1杯当たり161.717mg
- 17位:タンザニア:23.1mg:1杯当たり161.718mg
- 18位:イエメン:22.9mg:1杯当たり160.319mg
- 19位:コスタリカ:22.5mg:1杯当たり157.520mg
- 20位:スカイベリー・オーストラリア:22.3mg:1杯当たり156.121mg
- 21位:ジャワ:21.1mg:1杯当たり147.7mg
但し、原産国や焙煎度、コーヒーの加工方法、コーヒーが栽培された標高、土壌、平均気温、晴天の回数なんかで変わってくるそうなんで、こんなんを気にして買うのは無理ですね(笑)
因みに研究者たちによれば、
- 焙煎済みコーヒーなら1日2~3杯で1日の抗酸化物質の摂取量がゲットできるよ…!
ってことなんで1日2~3杯が目安になりそうです。
でも焙煎コーヒーなんて…インスタントしか飲まんし…って方にも朗報がございまして、
- インスタントコーヒーの種類によっては焙煎コーヒーよりも、より多くの抗酸化物質が含まれている場合がある…!
ってことなんで、インスタントコーヒーでも気にせず飲んでいくと良さげな感じです。
個人的考察
余談ですが、生のコーヒー豆にはクロロゲン酸がめっちゃ多いんですが、焙煎すると大幅に減っちゃうんですよ。しかし一方で、焙煎することによってメラノイジンやその他の化合物が生成されるんですな。つまり焙煎によって抗酸化物質が減って抗酸化物質が増えるみたいな現象が起きており、このクロロゲン酸とメラノイジンはトレードオフの関係となっております。