昨日の続きです。
今回も引き続き、歪んだボディイメージがもたらす効果を見てみます。



歪んだボディイメージで太る…!

2013年のフロリダ州立大学の研究によると、体重差別と肥満の長期的な変化との関連性について調べてみたそうです。
そもそも2010年のイェール大学の研究によると、アメリカ社会において、肥満の人は、怠け者、成功していない人、意志が弱い人という固定観念(レッテル)が広く浸透しているそうな。
そして恐ろしいのは、この思い込み(バイアス)によって、肥満の人は様々な被害を被るということ。
例えば、


らしい。
また上記の被害によって、


など、メンタルをガタガタにしていくとのこと。
更に恐ろしいのは肥満ってのが、メンタルに限定されず、


って感じで、個人の生活のほぼ全てにデメリットを及ぼすみたいなんですな。ここまでくると、たかが肥満って状況じゃないですな…。
こんな状況下なんで、慢性ストレスにもさらされまして、結果、体重差別は身体的健康にも影響を及ぼすみたい(2008年のコロンビア大学の研究2011年のパデュー大学の研究
もうここまででもかなりひどいのに、挙句の果てに、このループから抜け出すのも大変ってのが厄介なところ。
どういうことかというと、体重差別を受けると、暴飲暴食や運動不足が加速するんですな。一例をあげておくと、


とのこと。
確かに「肥満の人がこんな文章を読むと更に太ってしまう!」の記事でご紹介したお通り、自分で思うのはもちろん、他人に言われても加速し負のスパイラルに陥るのは有り得そうですよね…。
但し、ここまでの状況でポイントなのは、本当に太っていて体重差別を受けたのか、別に問題ない体型なのに体重差別を受けたのかによって、いずれの反応も変わりそうと言うこと。
つまり、歪んだボディイメージによって上記の様々なデメリットが変わる可能性があるんですな。
そこで今回研究者たちは、体重差別と肥満の長期的な変化との関連性について調べてみることにしたんだとか(因みに肥満はBMIが30以上とした
具体的には、

  • 肥満じゃなかった人が体重差別(歪んだボディイメージを持つ)と肥満リスクはどうなるのか…?
  • 肥満であった人が体重差別(歪んだボディイメージを持つ)と肥満継続リスクはどうなるのか…?

をチェックしたみたい。
この研究は、アメリカ健康・退職調査(HRS)っていうアメリカで行われた全国調査のデータセットを使ったもので、参加者は50歳以上のアメリカ人となっております。そしてHRSは2年ごとに心理社会的質問票を渡して回答してもらうってものなんですな。
んで2006年以降、この質問票に体重や様々な種類の差別の経験の質問が追加されたとのこと。そのため、2006年から2010年までの4年間のデータを使ってチェックしてみることにしたそうな。
では、抽出されたデータをまずはバーッと見てみますか。

  • 総サンプル数:6,157人
  • 女性の割合:58.6%
  • 平均年齢:66.51歳
  • 非肥満→肥満者数(質問票から):4,193人→357人(全サンプルの5.8%)
  • 肥満→肥満者数(質問票から):1,964人→1,618人(全サンプルの26.3%)
  • 非肥満→肥満者数(実際の測定から):2,850人→339人(測定者全体の5.3%)
  • 肥満→肥満者数(実際の測定から):1,813人→1,551人(測定者全体の24.3%)
  • 体重にまつわる日常的な差別経験:513人(全サンプルの8%)が受けたいた

ではこれらのデータを統計処理した結果を見てみましょう。
体重差別を経験した人は、そうでない人に比べて、

  • 非肥満者の場合の肥満リスクは約2.5倍(OR2.54)高かった…!
  • 肥満者の場合の肥満継続リスクは約3.2倍(OR3.20)高かった…!

とのこと。
例え太っていなくてもボディイメージにネガティブな印象を持っていると、4年間のうちに本当に太ってしまう可能性が約2.5倍高まるってのは恐ろしいですね…。
しかも上記は、年齢や性別、人種や学歴といった変数をコントロールしても、維持されたらしい。更に性別、人種といった他の差別とも関連がなかったんだとか。



個人的考察

今回はここまでです。
続きは明後日になります。



参考文献

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20075322/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18356847/