RMとは何か、皆さんご存知でしょうか…?
当ブログでもチラッとでてきましたが、筋トレを行う方には同じみな内容かと思います。
そして今回は、RMが今後結構出てきそうなんで、今のうちに、もうちょい詳しくご紹介しておこうと思います。



RMってなに…?

RM(repetition maximum)ってのは限界の重さを数値化した指標でして、1RMとは1回行うだけで限界になる重量のことを言います。
他にも例を挙げておくと、

  • 3RMだったら、3回で限界の重さ
  • 5RMだったら、5回で限界の重さ
  • 10RMだったら、10回で限界の重さ

となります。
自分自身の1RMを正確に把握しておくと、適切な重さの設定ができるため、効率良く筋トレが行えるようになります。そして、RMと強度(1RMに対する割合)についての指標には、いくつかの説がありまして、ご紹介していくと下記な感じ。


RMと強度の一覧①マット・ブルジツキさんの説

1998年のマット・ブルジツキさんの書籍を基にしたRMと強度の一覧は以下になります。

  • RM:強度(1RMに対する割合)
  • 1回:100%
  • 2回:95%
  • 3回:90%
  • 4回:88%
  • 5回:86%
  • 6回:83%
  • 7回:80%
  • 8回:78%
  • 9回:76%
  • 10回:75%
  • 11回:72%
  • 12回:70%
  • 15回:-(なし)


RMと強度の一覧②トーマス・R・ベークルさんらの説

2000年のトーマス・R・ベークルさんらの書籍を基にしたRMと強度の一覧は以下になります。

  • RM:強度(1RMに対する割合)
  • 1回:100%
  • 2回:95%
  • 3回:93%
  • 4回:90%
  • 5回:87%
  • 6回:85%
  • 7回:83%
  • 8回:80%
  • 9回:77%
  • 10回:75%
  • 11回:-(なし)
  • 12回:67%
  • 15回:65%


RMと強度の一覧③ロバート・ドス・レメディオスさんの説

2007年のロバート・ドス・レメディオスさんの書籍を基にしたRMと強度の一覧は以下になります。

  • RM:強度(1RMに対する割合)
  • 1回:100%
  • 2回:92%
  • 3回:90%
  • 4回:87%
  • 5回:85%
  • 6回:82%
  • 7回:-(なし)
  • 8回:75%
  • 9回:-(なし)
  • 10回:70%
  • 11回:-(なし)
  • 12回:65%
  • 15回:60%


といった形です。
う~ん…。微妙に違いますね~。
では、上記3つのエビエンスレベルも視野に入れつつ、まとめてみます。
おそらくこんな感じ。

  • RM:強度(1RMに対する割合)
  • 1回:100%
  • 2回:95%
  • 3回:93%
  • 4回:90%
  • 5回:87%
  • 6回:85%
  • 7回:83%?
  • 8回:80%
  • 9回:77%
  • 10回:75%
  • 11回:72%?
  • 12回:70%
  • 15回:67%
  • 18回:65%?
  • 20回:60%?

?の部分は信頼度が低めの数値となっております。
使い方は簡単で、例えば、75kgのバーベルを10回持ち上げることができれば、今の自分の1RMは100kgだ…!って計算になります。
こんな感じで、自分自身の1RMを知ることによって、ベストな筋トレの重量が分かり、効率良く筋トレができるようになるって寸法です。

いやいや、いちいち計算なんてメンドイ…!って方には、ExRx.netさんが1RMを自動で計算してくれる計算機を無料で出してくれていますんで、こちらを使うのもよろしいかと…。
使い方は簡単で、今自分が持ち上げられた重さと、連続して行えた回数(レップ数)を入れるだけで、勝手に1RMを出してくれます。便利~。



1RMって本当に信用して良いの…?精度はどれぐらいなの…?

1RMについて分かりましたが、そもそもこれって本当に信用して良いの…?精度はどれぐらいなの…?って疑問が皆さんあるかと思います。そこで参考になるのが2021年のウィンストン・セーラム州立大学などの研究になります。この研究によると、全米大学スポーツ協会(NCAA)のアメフトのディビジョンIIに所属する大学生選手40人を対象にバーベルとダンベルを使って1RMの精度を調べてみたそうです。参加者の平均年齢は20.8歳±1.8で、まず最初に全員のバーベルベンチプレスの1RMを調べたとのこと。その後、

  1. ウォームアップ、5分休憩後、90.9kgのバーベルベンチプレスを1セット限界まで行ってもらう
  2. 48時間、回復に努める
  3. ウォームアップ、5分休憩後、45.5kgの両手のダンベルベンチプレスを1セット限界まで行ってもらう
  4. 48時間、回復に努める
  5. ウォームアップ、5分休憩後、45.5kgの片手のダンベルベンチプレスを1セット限界まで行ってもらう

の順番で行ってもらったそうです。
因みに片手でダンベルベンチプレスを行う際に、左右どちらの手から行うかを決めた方法が面白くて、アメフトの攻撃プレーヤーは最初に利き手から計測、防御プレーヤーが利き手と逆の手から計測したそうで、これでランダム化を図ったそうです。それと参加者の中で左利きは4人だけだったみたい。

実験終了後、それぞれのデータを集計し、1RMの相関関係を割り出したら、以下のような結果になったんだそうな。

  • 種目:1RMとの相関関係
  • バーベルベンチプレス:0.90
  • 両手のダンベルベンチプレス:0.87
  • 右手のダンベルベンチプレス:0.86
  • 左手のダンベルベンチプレス:0.87

0.86~0.90ということで、これだけみると、1RMはかなり信頼できる…!って結果だったご様子。う~ん。嬉しいですねー。
しかし、ここで見過ごせないのが、実際とのズレ。
どんな感じかというと、

  • バーベルベンチプレス:-7.1kg
  • 両手のダンベルベンチプレス:-7.9kg
  • 右手のダンベルベンチプレス:-8.3kg
  • 左手のダンベルベンチプレス:-8.0kg

7~8kgも実際はズレてしまうみたいなんですよねー。
こうなってくると判断が難しいのですが、セルフで簡単に1RMが出せると思えば、これぐらいのズレは仕方ないのかもしれませんね。



実際に1RMをセルフで出すコツは…?

最後に1RMをセルフで出すコツについて書いておきます。
というのも(最初の私のように)、

  1. バーベルを上げるぞ…!
  2. 100kgをいきなり上げようとする…!
  3. ダメ…!
  4. 次は80kgだ…!
  5. ダメ…!
  6. やっぱいきなりは無理か…。じゃあ、10kgずつ行くか…!
  7. 楽勝…!
  8. じゃあ、30kgで…はやめといて、20kgいくか…!
  9. 楽勝…!
  10. なんだか疲れてきたな…。
  11. 疲労で上がらんのか、RMだから上がらんのか分からん…!

のように困ってしまうんですよね(笑)
調べてみるとベテラントレーニーの皆さんは、いきなり1RMを調べず、余裕がある軽い重量から調べて行くみたいなんで、パッと持って軽いと感じるところから、徐々に調べていくと良いかと思います。
因みに上記の研究を参考に1RMを調べるとなると、

  1. ウォーミングアップとして軽度から中程度の負荷で3〜5回行う
  2. 5分間休憩する
  3. 中度で1セット限界まで行う
  4. 仮1RMを出す
  5. 48時間休憩する
  6. ウォーミングアップとして軽度から中程度の負荷で3〜5回行う
  7. 5分間休憩する
  8. 前回より負荷を上げて1セット限界まで行う
  9. 仮1RMを出す
  10. 上記を繰り返して、1RMの平均を出す…!

って感じが良いのかな~と思います。
参考にどうぞ。



個人的考察

最近、自分の1RMを出してないな~ってこれを書いていて思いました(笑)
今日早速出して見よう…。



参考文献