【まとめ】HIFT(ハイ・インテンシティ・ファンクショナル・トレーニング)ってなに?やり方は?
高強度トレーニングと言えばHIITやSITなどが有名で、当ブログでも何度かご登場しております。
しかし実はこの他にも高強度トレーニングってのはありまして、日々もっと良いトレーニング法はないものかと研究されているんですよね。
しかし実はこの他にも高強度トレーニングってのはありまして、日々もっと良いトレーニング法はないものかと研究されているんですよね。
HIFTってなに…?
まずは2019年のケネソー州立大学の研究を参考にHIFTの説明からしていきます。
HIFT(ハイ・インテンシティ・ファンクショナル・トレーニング≒クロスフィット)は、2010年ぐらいからジワジワ人気が出てきた運動法で、日常の動きで良くある動作を高強度インターバルで次々と行っていくトレーニング法になります。
もうちょい詳しく言うとHIFTは、
- 歩いたり
- 走ったり
- 起き上がったり
- しゃがんだり
- 持ち上げたり
- 押したり
- 引いたり
- 跳んだり
する動作をHIITのように短時間の運動と休憩を交互に繰り返して行っていくって感じです。またHIFTはHIITと違い筋トレ要素も入っているんで、VO2max(心肺機能)の向上だけでなく、筋力アップも見込めたりします。
そんなバランス良く鍛えられるHIFTは、アメリカを中心にブラジルやイギリス、カナダ、ポーランド、スペインなんかで行われておりますが、日本では知名度がまだまだとなっております。知らない方も多いのではないでしょうか…?
HIFTを更に深掘りしていく…!
2018年のケネソー州立大学などのレビュー論文によると、HIFT(ハイ・インテンシティ・ファンクショナル・トレーニング)の定義やこれまでの研究について振り返ってみたそうです。
そもそもHIITに比べHIFTは比較的新しいトレーニング法の為、知名度が低く、効果についてもあまり知られていなかったりするそうです。そのため、やり方の概要をつかみつつ、定義を決めてみたそうな。
そもそもHIITに比べHIFTは比較的新しいトレーニング法の為、知名度が低く、効果についてもあまり知られていなかったりするそうです。そのため、やり方の概要をつかみつつ、定義を決めてみたそうな。
まずHIFTについてですが、有酸素運動と筋トレの両方を行う運動法で、それぞれの運動レベルに合わせて強度を変更でき、反復的な有酸素運動よりもいろんな筋肉を使うため、心肺機能だけでなく、筋力や柔軟性もアップすることが期待されております。
またHIFTについて調べた研究のほとんどは、クロスフィットのテンプレトレーニング法を用いているそうで、
なんかをしているそうです。
そして研究者は、HIFTの定義を以下のようにしたいと提案しております。
- 様々な機能的動作を取り入れ、それぞれの運動レベルに合った高強度で行い、一般的な体力(心肺機能や筋力、体組成、柔軟性など)と運動パフォーマンス(例:瞬発力やスピード、パワー、筋力など)をアップさせるようデザインされたトレーニングプログラム。
定義が定まったところで、次にHIITとHIFTの違いについて見ていきます。
HIITとHIFTの違いってなに…?
HIFTでよくある誤解は、
- HIFT=HIITじゃない…?
っての。確かにHIFTとHIITは、高強度を使うなど、共通点はいくつも存在しますが、研究者曰く、明確な違いがあるそうです。
まず違いの一つ目はHIFTは筋トレもするという点です。
HIITは有酸素運動を行うのでランニングやサイクリングなどをするのみとなります。それに対してHIFTは上記で挙げたようにスクワットやデッドリフト、クリーンやスナッチ、プルアップ、垂直ジャンプなど、様々な動きの筋トレを行い全身運動を行っていくんですよね。
そのため、HIITと同じようにHIFTも心肺機能はアップしますが、HIFTは更に筋力の大幅なアップも追加で期待できるそうです。
二つ目の違いは、休憩時間の間隔です。
HIITは細かく休憩を挟むことを基本としていますが、HIFTの場合は、可能な限り短い時間で特定の回数の繰り返しを完了するか、又は制限時間内で出来るだけ多くの繰り返しを行うことを目標にしている為、休憩時間が存在しません。一連のエクササイズが終了するまで休憩はなしってことですね。
HIITとHIFTってどっちが優れているの…?
HIITとHIFTってどっちが優れているのか…?って話ですが、研究者曰く、
- 現段階では、両方のトレーニングを比較したデータが不足しているためよく分からん…!
とのことです。
ただし、HIFTはHIITでは観察されなかった複数のパフォーマンスアップが見受けられたそうで、今後の研究結果によってメリットが明らかになってくるかもですねー。
HIFTのメリットってなに…?
HIFTを行うと、どのようなメリットがあるかですが、まとめてみると以下のような感じだそうです。
- VO2max(心肺機能)の大幅なアップ(~12%)
- 体脂肪の減少(~8%)
- 骨のミネラル含有量のアップ(~1%)
- 他の有酸素運動や筋トレよりも楽しく感じる
- 運動を継続しようとする意思が高まる
- インスリン感受性の大幅な改善
- 身体能力の大幅なアップ
- メタボの大幅な減少
- 心血管疾患や死亡率を発症する健康リスクを大幅に改善
- ミトコンドリアも元気に…!
- 一般的なフィットネスよりもケガ率が低い
健康とダイエットの両面に有効であり、楽しく続けやすいってのは良いですね~。
警察や消防、軍隊のトレーニング法としてもオススメとのことでなかなかポテンシャルが高そうな予感。
難点としては、色々道具が必要なことですかね(ある程度代用は可能そうですが)
HIFTの様子を動画で見てみよう…!
因みに実際にHIFTを行っている様子はこんな感じです。大体動画の4分30秒ぐらい又は6分40秒ぐらいから見るとよろしいかと思います。
- 縄跳び:2分間
- デッドリフト:10回
- バーピージャンプ:8往復
- レッグリフト(レッグレイズ):10回
- プッシュアップ(腕立て伏せ):20回
- スレッドプッシュ(2プレート):1回
- スレッドプル(2プレート):1回
- バーピージャンプ:10往復
- 上記1~8までを1セットとし、5セット行う
見ただけでヤバいのが分かりますねー。
これを5セットとか死ぬんちゃうか…。
もうちょい軽めだとこんな感じ。
軽めと言ってもこちらもかなりきつそうですねー。
HIFT(CrossFit)を半年間行って効果を調べてみた…!
2018年のサンパウロ大学の研究では、HIFT(CrossFit)の先行研究を集めて系統的レビュー・メタ分析をしております。
まず研究者たちは、2016年11月25日時点でデータベースに挙がっていたHIFTの先行研究を検索し、204件の研究がヒット、続いて質の高い研究をピックアップし、結果、31件の論文で系統的レビューを、4件の論文がメタ分析にかけられました。
その結果、
って感じだったんですよ。つまり、HIFT(CrossFit)で質の高い研究はほとんどないから、実際のところ効果ってよう分からんよね~ってなってしまったんですな。
この他にも問題なのが実験期間が比較的短い物ばかりということ。大体3週間から16週間ぐらいのものばっかなんで長期的に行っても効果があるのか不明だったりしております。
そこで、
- じゃあ、16週間を超える研究をしてみようじゃ~ないか…!
となったのが今回ご紹介する研究です。
2019年のカンザス州立大学の研究によると、HIFT(CrossFit)を6ヶ月間行った場合、運動パフォーマンスがアップするのか調べてみたそうです。
はじめに、この研究の参加者についてですが、18歳以上であり、尚且つ新規又は現在継続してHIFTを行っている人を選んでおります。参加者は全員で45名おりまして、
- HIFTの経験が0~6ヶ月:女性11名、男性13名
- HIFTの経験が7か月以上:女性12名、男性9名
という感じでして、経験者の範囲は0~27か月、平均経験9.8か月だったそうです。また、平均年齢が31.8±13.2歳、平均体重が72.5±13.6kg、平均身長1.73±0.10mって感じだったそうな。
実験のスタートは、2013年の2月、4月、8月、10月のどれかからスタートしておりまして、その後6か月間、HIFTを行ってもらったとのこと。また参加者は、週2~6日の範囲でHIFTをしたそうで、1セッション60分間の内容だったらしい。
HIFTの大まかな流れとしては、
- 10~15分間:ウォームアップ
- 10~20分間:スキルワーク&テクニックの練習
- 5~30分間:ワークアウト
- 5分間:クールダウン&ストレッチ
という感じで、種目はCrossFitのテンプレートメニューを行ったそうです。
合わせて参加者全員は、実験開始前と6か月後に、3日間に分けて10種類の運動パフォーマンステストを行ったそうで、最後にそのデータを統計処理したとのことでした。
んで気になる結果を男女別に見てみますと、女性の場合は、
- 柔軟性(シットアンドリーチ)
- 筋力(走り幅跳び)
- 筋持久力(腕立て伏せ)
- 最大筋力(バックスクワット(バーベルスクワット)、スタンディングプレス(ミリタリープレス)、デッドリフト)
がアップしたとのこと。
更に持久力・心肺機能(1.5マイル(≒2.4km)ランニング)については、
- HIFTの経験が乏しい(HIFTの経験が0~6ヶ月)女性は、HIFTの経験が豊富な(HIFTの経験が7か月以上)女性に比べて、より大きくアップしていた…!
そうです。
続いて男性の場合ですが結果は、
- 柔軟性(シットアンドリーチ)
- 筋持久力(懸垂(プルアップ))
- 最大筋力(バックスクワット(バーベルスクワット)、デッドリフト)
この研究は実験期間が長いものの、サンプル数の少なさ、ランダム化やコントロール群がいないことなど気になる点はありますが、まぁ、仕方ないでしょう。
結果に男女差が出たのも謎ですが、とりあえず従来から言われております、VO2max(心肺機能)&筋力アップは期待して良いんじゃないでしょうかね~。
HIFT(ハイ・インテンシティ・ファンクショナル・トレーニング)を続けた効果はどうなのか…?
2020年のローマ大学フォロイタリコの研究によると、HIFT(ハイ・インテンシティ・ファンクショナル・トレーニング)をずーっと続けると運動パフォーマンスはどうなのか調べてみたそうです。
この研究は男性10人(平均年齢29±5.3歳)と女性10人(平均年齢30±3.2歳)の合計20人が参加したもので、全員少なくとも3年以上はHIFTを続けているアスリートを招集したそうな。
実験はあっさりしていまして、集められたHIFTアスリート軍団の全員の基本的な運動パフォーマンスを様々な方法でチェックしてみたとのこと。因みにその際、ラボ内とフィールド調査の2つを混ぜてやってみたらしい。
結果、HIFTアスリート軍団は、
- peak VO2(=VO2max=心肺機能)、最大筋力、筋持久力、筋瞬発力といった、様々なスポーツの鍵となる運動パフォーマンスが並外れて高かった…!
とのこと。
HIFTを続けると、やはり、有酸素運動・無酸素運動の両方のパフォーマンスがアップするみたいですねー。十分続ける価値がありそうな感じ…。
因みに同じ研究チームは2021年にも似たような研究をしておりまして、こちらでは18歳~38歳の男性30人を集めております。
こちらも上記同様、HIFTのアスリート軍団だったのですが運動パフォーマンスをチェックしたところ、やっぱり結果は同じで、
- 有酸素レベル(心肺機能)→並外れて高い…!
- パワーと筋力出力(最大筋力&筋爆発力)→並外れて高い…!
って感じだったんですよね。
この結果に研究者も、
- HIFTは持久力関係と筋力関係の両方のパフォーマンスをアップさせるのに効果的だろう
としており、やはり運動メニューとして取り入れていく・続けていく価値がありそうな感じなんですよね。
個人的考察
HIFTは7分間ワークアウトに近い部分も多いかと思います。しかし、こちらは必要な空間、道具(機械)が結構多いのが難点ですね。実践するにはかなりアレンジを加えないといけないですなー。
因みに私はHIITを行った後、休憩をほぼ挟まず筋トレに移行して擬似的にHIFTを再現しておりますね。