今回は運動で実行機能はアップするのか調べた質の高い研究を見てみます。



運動で実行機能がアップする…!

2023年の済南大学の研究によると、運動により実行機能がアップするのかRCTのメタ分析で調べてみたそうです。
まず研究者たちは、2010年1月1日から2022年3月1日までに発表された該当する先行研究をPubMedやWeb of Science、Cochrane Library、Embaseで検索してみたそうな。すると7,836件もの査読済み論文があったとのこと。
続いてこの中から質の高い研究を選んで行ったそうで、最終的に18件の研究が基準を満たしていたらしい。この18件の研究は全てランダム化比較試験だったそうで、総サンプル数は1,366人だったみたい。
このデータを使ってメタ分析をかけてみたそうです。
その結果、

  • 全体的にみると、運動により実行機能がアップ(SMD=0.23)していた…!
  • 特に計画を立てる認知機能がアップ(SMD=0.31)していた…!
  • セルフコントロールワーキングメモリ、認知的柔軟性は有意ではなかった。

とのこと。
運動はやっぱ脳に良いみたいですねー。
ではどれぐらい運動すれば実行機能がアップするのかですが研究者たちはそこんところもチェックしておられました。ありがたい…!
ってことで早速見てみますと、

  • 強度:中程度が良さそう
  • 期間:24週間ぐらいは入りそう
  • 頻度:週1~2回が良さそう

となっておりました。
これで全体的な実行機能がアップするらしい。早歩きやスロージョギングぐらいのペースで週1~2回を半年ぐらい続けると良いみたいなんで、これならそんなに難しくなさそうですな。



個人的考察

今回の研究は高齢者やアルツハイマー病、認知症の方を対象としており、特にその方々へのメリットが大きかったみたいなんで、予防・改善にも運動が良さそうです。



参考文献