【まとめ】精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?
精神疾患における死亡リスクについてレビューしてみた…!
1998年のサウサンプトン大学のレビュー論文によると、精神疾患における死亡リスクについて先行研究を見直ししてみたそうです。
まず研究者たちは1966年から1995年までに発表された該当する研究をMedlineで検索してみたそうな。すると良い感じの研究が152件も見つかったとのこと。
これらの研究は27種類の精神疾患カテゴリと8種類の治療カテゴリが網羅されていたそうで、
- 全ての死因
- 全ての自然死
- 全ての非自然死
についてチェックすることが出来たんだとか。
結果、
- 自然死・非自然死の両方での早期死亡リスクが最も高くなる要因は、薬物乱用と摂食障害だった
- 非自然死での死亡リスクは、機能障害、統合失調症、重度のうつ病で高かった
- 自然死での死亡リスクは、器質性精神障害(脳の病気・損傷で起こる精神障害)、知的障害、てんかんで著しく高くなっていた
とのこと。
これらの結果から研究者曰く、
- 精神障害の種類に関わらず早期死亡リスクは高まるのだろう
としています。
まずは20世紀までの研究の大体のまとめを見てみました。
精神疾患と死亡率の関係についての系統的レビューとメタ分析
2015年のエモリー大学の研究によると、精神疾患と死亡率の関係について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
そもそも先行研究では精神疾患を持つ方々は一般集団と比較して死亡率が高いと報告されております。例えば1937年の研究によると、精神科の入院患者さんの死亡率はニューヨークの一般人口の6倍であったそうな。
他にも精神疾患と死亡率の関係を調べた研究はありまして、
って感じで、レビューが何度も行われていたり、
- 統合失調症(2007年のクイーンズランド大学の研究)
- うつ病(2002年のトリンボス研究所の研究、2014年のアムステルダム自由大学の研究)
- 双極性障害(2009年のワシントン大学の研究)
と特定の診断を受けた場合もチェックしております。
但し、これだけ調べているにもかかわらず謎な部分が多かったりするみたい。
なんでかというと、精神疾患と死亡率の関係は変数や因果関係がめっちゃ複雑なんだとか。
例えば、
- 精神疾患を持つ人の多くは、精神疾患そのもので死亡するのではなく、心疾患やその他の慢性疾患、感染症、自殺などで亡くなるケースが多い
- 精神疾患を持つ人は、喫煙、違法薬物の使用、運動不足、不健康な食事などの割合が高い。これらが慢性疾患の割合の高さにつながっている
からとのこと。
確かにこう考えていくと複雑に絡み合っていると言えるんで判断が難しいですね。
そのため今回、系統的レビューとメタ分析を行い、現時点での結論を出して見ることにしたんだとか。
まず研究者たちは2014年5月7日までに発表された該当する先行研究をEMBASE、MEDLINE、PsychINFO、Web of Scienceで検索してみたそうな。
すると、
- EMBASE:114件
- MEDLINE:509件
- PsychINFO:143件
- Web of Science:1,715件
の合計2,481件の研究がヒットしたらしい。
更に手作業で研究を探したり、Google Scholarで検索した結果、追加で71件の研究が見つかったんだとか。次にこの中で質の低い研究や重複している研究を除外し、最終的に203件の研究に絞り込んだそうです。
因みにこの203件の中には日本の研究もいくつかありまして、
とのことでした。気になる方は各リンクからご覧ください。
話しを戻しまして、この203件の研究は6大陸29か国を対象にしており、そのほとんどの研究はヨーロッパ(125件)だったみたい。また追跡期間は1年~52年の間でして中央値は10年だったそうです。
では気になる結果を見てみましょう。精神疾患と死亡率の関係はこのようになっておりました。
- 精神疾患の全死亡率:2.22倍(RR2.22)高い。
- 精神病の死亡率:2.54倍(RR2.54)高い。
- 気分障害の死亡率:2.08倍(RR2.08)高い。
- うつ病の死亡率:1.71倍(RR1.71)高い。
- 双極性障害の死亡率:2.00倍(RR2.00)高い。
- 不安障害の死亡率:1.43倍(RR1.43)高い。
- 自然死の死亡率:1.80倍(RR1.80)高い。
- 自然死以外の死亡率:7.22倍(RR7.22)高い。
6倍とまでは行きませんが、やはり精神障がいは死亡リスクを高めてしまうみたいですね。
更にこの研究では、失われた寿命がどのぐらいかも計算しているんですが、
- 精神疾患の全死亡率では、平均寿命が1.4年~32年(中央値10.1年)短くなると出ていた
- 自然死の死亡率では、平均寿命が3年~26.3年(中央値9.6年)短くなると出ていた
- 自然死以外の死亡率では、平均寿命が8.4年~41.2年(中央値21.6年)短くなると出ていた
とのこと。
全体と自然死は約10年、自然死以外は約20年、寿命が短かったみたいです。
因みにこの研究によれば毎年世界中で約800万人が精神疾患で亡くなっているそうなんで、良く聞く死因と同じぐらい対策が必要だと言うことでした。
デンマークに住む700万人以上を対象に観察研究を行ってみた
2019年のオーフス大学の観察研究によると、精神疾患に関連する死亡リスクについて調べてみたそうです。
そもそも精神疾患を持つ人は早期死亡リスクが高いと先行研究で出ておりまして、そのリスクは大まかな推定値により基づいております。そのため実際のところはどうなのかイマイチはっきりしていなかったんですな。そこで今回調べてみることにしたみたい。
この研究は、1995年1月1日~2015年12月31日までのどこかの時点でデンマークに住んでいた95歳未満の全ての人を対象としておりまして、精神疾患の方と死亡日、死因のデータを見比べてみたと言うもの。
死因については、
- 自然死:疾患や病気による死亡
- 自然死以外:自殺、殺人、事故による死亡
に分類したんだとか。
これらのデータを統計処理して死亡リスクとの関係を見てみたらしい。
最終的なサンプル数は7,369,926名だったそうで、結果は以下のようになったとのこと。
- 精神障害と診断された人の死亡リスクは一般人口よりも高かった(28.70人vs12.95人)
- 精神障害の種類に関わらず死亡リスクの高さと関係しており、気分障害(1.92)から依存症(3.91)の範囲だった。
- 精神障害の種類に関わらず平均寿命の短縮と関係していた。
- 精神障害を持つ女性における失われた寿命は5.42年だった。
- 精神障害を持つ男性における失われた寿命は14.84年だった。
残念ながら精神疾患は早期死亡リスクや平均寿命の短縮と関係があったみたいですね。
更に研究者曰く、この結果によりこれまで過小評価されていたのが明らかになった、としておりました。
347億人以上を対象に精神疾患を持つ方の平均余命と損失生存可能年数を網羅的に調べてみた…!
2023年の香港大学の研究によると、精神疾患を持つ方の寿命について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
そもそも2022年の世界の疾病負担研究(GBD)によれば、2019年には世界中で9億7000万人(8人に1人)が精神疾患に苦しんでいると推定されているそうな。つまりそれほど世界的に見て精神疾患は主な疾病の一つってことですね。
そして様々な先行研究により精神疾患を持つ方の死亡率は一貫して高くなっておりまして、全体的に一般人口よりも早期死亡リスクが2~3倍高いらしい。その主な原因は自殺とのことですが、他にも身体的な疾患によるところも大きいんだとか。また死亡率の差はここ数十年にわたって横ばいか増加傾向にあるみたい。
ただその全容が明らかになっていないのも事実でして、今回、全ての精神疾患や特定の精神疾患を持つ方の寿命について調べてみることにしたんだとか。
ということでこれから具体的な研究を見ていきますが、まずは寿命研究で出てくる各用語についてチェックしておきましょう。
- 標準化死亡比(SMR):全体的な死亡率と特定の年齢を調整したうえでの死亡率がどの程度違うかを示している。例えば一般人口のSMRを100とした時、精神疾患の方のSMRが150なら死亡率が50%高い、逆に精神疾患の方のSMRが70なら死亡率が30%低いって感じ。
- 平均余命:あと何年生きるか予想される年数。
- 損失生存可能年数(YPLL):一般人口の平均寿命と対象疾患を持つ方の平均寿命の差から失われた寿命(本来生きられたであろう寿命)の年数。
今回は上記の平均余命と損失生存可能年数をチェックしたそうです。
まず研究者たちは、2023年7月31日までに発表された該当する研究をEmbase、MEDLINE、PsycINFO、Web of Science、コクランで検索してみたそうな。すると合計35,865件もの研究がヒットしたとのこと。続いてこれらの研究を基準に従い精査、最終的に109件の研究にまで絞り込んだらしい。
次にこの109件の研究のサンプル数を見ていきますが、兎に角数がデカいんですよ。
- 精神疾患を持つ方の総サンプル数:12,171,909人(1,200万人以上)
- 一般人口や精神疾患のない方、特定の精神疾患のない方の総サンプル数:34,724,535,980人(347億2400万人以上)
- 気分障害(うつ病、双極性障害を含む)の総サンプル数:3,912,695人
- 重度の精神疾患(統合失調症、双極性障害を含む)の総サンプル数:3,407,306人
- うつ病(大うつ病)の総サンプル数:2,863,936人
- 統合失調症の総サンプル数:2,873,114人
- 神経症性障害(パニック障害や強迫性障害、不安障害、解離性障害など)の総サンプル数:1,202,764人
- 物質使用障害(アルコールや薬物なんかの依存症)の総サンプル数:1,097,789人
- パーソナリティ障害(人格障害)の総サンプル数:667,263人
- 行動障害の総サンプル数:208,088人
- 双極性障害の総サンプル数:203,548人
- 発達障害の総サンプル数:106,928人
- 摂食障害(過食症や拒食症)の総サンプル数:89,841人
- 認知症の総サンプル数:17,308人
これだけ大規模且つ網羅的に調べてくれたのは大変ありがたいですね。感謝感激。
因みに世界中の国や地域から研究は選ばれておりまして24か所とのこと。また日本の研究も2件選ばれておりました。
それと追跡期間の幅は1年から36年の間でして、
- 1年から5年:24件
- 5年から10年:31件
- 10年以上:62件
って感じ。10年以上が多くこちらもありがたいですね。
では結果を見てみましょう。
精神疾患の平均余命と損失生存可能年数は以下のようになっておりました。
【精神疾患・精神障害全体】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:63.85歳:14.66年
- 女性:68.24歳:13.14年
- 男性:60.98歳:14.94年
【認知症】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:75.40歳:8.58年
- 女性:76.53歳:9.88年
- 男性:74.96歳:8.86年
【物質使用障害】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:57.07歳:20.38年
- 女性:59.56歳:18.37年
- 男性:53.70歳:18.62年
【重度の精神疾患】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:65.10歳:14.22年
- 女性:69.07歳:12.83年
- 男性:61.84歳:14.43年
【統合失調スペクトラム症】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:63.70歳:15.37年
- 女性:68.15歳:13.87年
- 男性:60.92歳:15.84年
【統合失調症】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:63.66歳:15.22年
- 女性:69.22歳:13.11年
- 男性:61.69歳:14.96年
【気分障害】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:64.03歳:12.79年
- 女性:68.99歳:10.63年
- 男性:61.12歳:12.77年
【双極性障害】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:67.30歳:12.47年
- 女性:70.57歳:11.29年
- 男性:64.80歳:11.63年
【うつ病】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:61.94歳:12.80年
- 女性:67.34歳:10.68年
- 男性:58.95歳:13.45年
【神経症性障害】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:69.51歳:8.83年
- 女性:73.56歳:7.88年
- 男性:64.70歳:10.26年
【摂食障害】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:該当なし:16.64年
- 女性:該当なし:該当なし
- 男性:該当なし:該当なし
【パーソナリティ障害】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:63.51歳:15.35年
- 女性:66.90歳:13.30年
- 男性:60.12歳:15.52年
【発達障害】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:該当なし:12.72年
- 女性:該当なし:該当なし
- 男性:該当なし:該当なし
【行動障害】
- 項目:平均余命:損失生存可能年数
- 全体:該当なし:8.54年
- 女性:該当なし:該当なし
- 男性:該当なし:該当なし
では、平均余命なら見えてきた情報を下記にまとめてみます。
- 精神疾患・精神障害全体の平均余命は63.85歳だった。うち女性は68.24歳、男性は60.98歳だった。
- 高齢になってから発症する認知症を除いた場合、神経症性障害の方が最も平均余命が長かった(69.51歳)
- 次が双極性障害(67.30歳)、統合失調スペクトラム症(63.70歳)だった。
- 物質使用障害の方が最も平均余命が短かった(57.07歳)
次に平均余命の研究のその他の情報です。
- 地理的に最も平均余命が短かったのは南米(47.27歳)だった。
- 次がアフリカ(49.25歳)だった。
- 他の4大陸(アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北アメリカ)の平均余命は62〜69歳で同じぐらいだった。
- 精神疾患を持つ方の平均余命は、2001年以前が59.86歳と最も低かった。次が2001〜2010年の64.71歳、2010年以降の72.46歳だった。
- つまり、平均余命は時代とともに長くなっていた。
- 重度の精神疾患と統合失調スペクトラム症の平均余命は2001〜2010年から2010年以降にかけて有意に増加していた。
続いて、損失生存可能年数なら見えてきた情報を下記にまとめてみます。
- 精神疾患・精神障害全体の損失生存可能年数は14.66年だった。うち女性は13.14年、男性は14.94年だった。
- 物質使用障害の方が最も損失生存可能年数が高かった(20.38年)
- 次が摂食障害(16.64年)、統合失調スペクトラム症(15.37年)、パーソナリティ障害(15.35年)、うつ病(12.80年)、発達障害(12.72年)、双極性障害(12.47年)だった。
- 神経症性障害(8.83年)、認知症(8.58年)、行動障害(8.54年)の方は比較的損失生存可能年数が少なかった。
最後に損失生存可能年数の研究のその他の情報です。
- 地理的に最も損失生存可能年数が高かったのはアフリカ(28.40年)だった。
- 次が南米(27.64年)で、あらゆる精神疾患の方の損失生存可能年数が高かった。
- 他の4大陸(アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北アメリカ)の損失生存可能年数は12〜16年で同じぐらいだった。
- 精神疾患を持つ方の損失生存可能年数は、2001年以前が17.08年だった。
- 精神疾患を持つ方の損失生存可能年数は、2001〜2010年が13.36年だった。
- 精神疾患を持つ方の損失生存可能年数は、2010年以降が15.74年だった。
- 精神疾患を持つ方の自然死における損失生存可能年数は、4.38年だった。
- 精神疾患を持つ方の自然死以外における損失生存可能年数は、8.11年だった(自殺は8.31年だった)
なかなかショッキングな数字が並んでおりますが、これが結果なんで仕方ないですね。
これら全てから言えることは、
- 精神疾患は、平均寿命の大幅な短縮と関係していた
- 精神疾患を持つ方は一般人口に比べて平均余命が短く、失われた寿命は14.7年だった
- 但し、精神疾患を持つ方の平均余命は時代とともに長くなっていた
- 特に、統合失調スペクトラム症(≒統合失調症)の平均寿命は大幅に延びていた
のようになりましょう。
確かに精神障がいは平均寿命を短くしているけど、精神障がいの医療全般の改善や早期治療の改善、新しい治療戦略の開発が確実にプラスの影響をもたらしているみたいですね。
精神障がいと死亡リスクにおける社会経済的地位(SEP・社会的経済的地位)との関係性
2024年のオーフス大学の研究によると、精神障がいと死亡リスクにおける社会経済的地位(SEP・社会的経済的地位)との関係性について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
そもそも今まで見てきたとおり、残念ながら精神障がいを持つ方は一般人口よりも早期死亡リスクが高く、平均寿命も短い傾向にあります。一方で社会経済的地位が低い場合も死亡率が高く、平均寿命も短い可能性があるんですよね。
そして先行研究により、社会経済的地位が低いと精神障がいの発症リスクが高くなる事も分かっているんですな。
具体的な研究を挙げていきますと、
- 2016年のエクセター大学の系統的レビュー:ADHD(注意欠陥多動性障害・注意欠如多動性障害)
- 2004年のオーフス大学の研究:統合失調症
- 2012年のハーバード大学の研究:うつ病
って感じです。
んがしかし、ここまで傍証はそろっているものの、精神障がいと死亡リスクにおける社会経済的地位の関係を直接調べた系統的レビューとメタ分析はなかったそうな。そこで今回研究者たちはチェックしてみることにしたらしい。
まず最初に1980年1月1日から2023年4月3日までに発表された該当研究をMEDLINE、PsycINFO、Embase、Web of Scienceで検索してみたそうです。更にGoogle ScholarとWeb of Scienceの検索にヒットした研究の参考文献・引用文献もチェックしたとのこと。すると全部で28,415件もの研究が見つかったんだとか。次にこの中で被っている物を除外、更に基準に従って質の低い物も除外していったそうで、最終的に71件の研究に絞り込んだとのこと。
では結果の前にこの71件の研究の特徴を見ておきましょう。
それでは結果を見てみますかー。
- 社会経済的地位レベルによる精神障がいと死亡率の関係は、ほぼ全てのリスク比(RR)で1より大きかった。つまり精神障がいを持つ方の死亡率は社会経済的地位レベルに関係なく高かった。
- 最も高い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方の全死亡率はRR2.23だった。
- 最も高い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方の自然死以外の死亡率はRR8.02だった。
- 最も高い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方の自然死の死亡率はRR2.56だった。
- 最も低い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方の全死亡率はRR2.17だった。
- 最も低い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方の自然死以外の死亡率はRR5.16だった。
- 最も低い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方の自然死の死亡率はRR2.07だった。
- 最も高い社会経済的地位レベルの統合失調症を持つ方の全死亡率はRR4.03だった。
- 最も高い社会経済的地位レベルのうつ病を持つ方の全死亡率はRR1.78だった。
- 最も高い社会経済的地位レベルのアルコール依存症を持つ方の全死亡率はRR1.72だった。
- 但しいずれも最も低い社会経済的地位レベルの方と各障がいの間に明確な差はなかった。
- 最も高い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方は、最も低い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方に比べて、全死亡率が21%(RR0.79)も低かった。
- 最も高い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方は、最も低い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方に比べて、自然死の死亡率が27%(RR0.73)も低かった。
- 最も高い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方は、最も低い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方に比べて、自然死以外の死亡率が18%(RR1.18)も高かった。
- つまり最も高い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方は、最も低い社会経済的地位レベルの精神障がいを持つ方に比べて、全死亡率、自然死による死亡率は低かったが、自然死以外の死亡率は高かった。
なんか予想とちょっと違う結果になっていますねー。
まとめると、
- 精神障がいは確かに死亡率を上げていた
- 但し社会経済的地位レベルは関係なかった
- 詳しく見てみると、社会経済的地位レベルが高い方が全死亡率、自然死による死亡率は低くなりそうだった
- 但し社会経済的地位レベルが高い方が自然死以外の死亡率は高くなりそうだった
のような形となります。
もしかしたら、社会経済的地位が高い方は自殺などが多く、社会経済的地位が低い方は精神障がいによる心血管疾患の発症など他の健康リスクが基で亡くなるケースが多いのかな~と愚考しておりました。
統合失調症における死亡リスクの地域差
2024年の欧州神経精神薬理学会(ECNP)の研究によると、統合失調症における死亡リスクの地域差について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
まず先行研究により、統合失調症は一般人口と比較して平均寿命が約10~25年短くなると出ております。そして、2022年のザッカーヒルサイド病院などの系統的レビューとメタ分析では、1957年~2021年の間に発表された135件の縦断研究をまとめたそうで、結果、統合失調症の方の全死亡リスクは一般人口や他の対照グループと比べて約2.5倍も高かったとのこと。また原因別の死亡リスクもチェックしているんですが、
- 自殺・外傷や中毒・原因不明の非自然的原因による死亡リスク:9.8倍
- 肺炎による死亡リスク:7.0倍
- 感染症・内分泌・呼吸器・泌尿生殖器・糖尿病による死亡リスク:3.2~3.8倍
- アルコール・胃腸・腎臓・神経系・心脳血管・肝臓・その他の自然的原因による死亡リスク:2.1~2.9倍
- 脳血管、乳房、結腸、膵臓、その他のがんによる死亡リスク:1.3~1.6倍
も高かったらしい。
但し今のところ、統合失調症の死亡リスクの軽減要因やリスク要因が地域によって異なるかは分かっていなかったみたい。そこで今回その辺をチェックしてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは2021年9月9日までに発表された該当する研究をMedline、PubMed、PsycINFOで検索してみたそうです。すると合計8,345件の研究がヒットしたそうな。
続いてこの中で重複している物や質の低い物を除外していった後に、上記で挙げた2022年のザッカーヒルサイド病院などの系統的レビューとメタ分析で使われた135件の研究を併せたとのこと。総サンプル数は、
- 統合失調症の方:4,136,128人
- 対照グループの方:1,231,669,106人
となっておりました。
また選ばれた国と地域は、6大陸23か国でして、
- ヨーロッパ:70
- 北米:29
- アジア:33
- オセアニア:2
- アフリカ:1
とのこと。
では結果を見てみますか。
- 統合失調症の発症率と有病率を合わせると、全死亡率が最も高かったのはアフリカで約6倍(RR5.98)、最も低かったのは北米で約2.1倍(RR2.1)だった。
- 統合失調症の方の自殺率が最も高かったのはオセアニアで13.5倍(RR13.5)、最も低かったのは北米で4.4倍(RR4.4)だった。
- 自然死については大陸間の差はなかった。
- 向精神薬と全死亡率・自殺率の低下の関係が最も大きかったのはヨーロッパだったのに対し、アジアでは最も小さいか有意差がなかった。
- 自然死については差がなかった。
つまり、統合失調症の方の全死亡率や自殺率には有意な地域差があったってことですね。それに対して自然死は世界でみても同じだけど多いのは変わらないと。また、薬も効果はありそうな感じですが、こちらも地域差があるみたい。
住んでいるところで違うのは文化や食事スタイルが違うからですかねー。
いずれにしても主治医から処方された薬をちゃんと飲むことは死亡リスクの軽減になりそうです。
ハンガリーにおける大うつ病の死亡率と移行率
2024年のセンメルワイス大学の研究によると、ハンガリーにおける大うつ病の死亡率と移行率について調べてみたそうです。
そもそも大うつ病の生涯発症リスクは15~18%らしく、世界中で約3億人(4.4%)に影響を与えているんだとか。そんな大うつ病について、今回ハンガリーにおける死亡率をチェックしてみたらしい。
この研究は2010年1月1日~2020年12月31日までにおけるハンガリーの国民健康保険データを使ったというもの。この中で大うつ病の人とそうでない人をグループ分けしつつ、更に大うつ病から双極性障害や統合失調症への移行率も調査してみたんだとか。サンプルは大うつ病の人が471,773人、そうでない人も471,773人って感じでして、平均年齢は54.8歳、女性の割合は67.2%とのこと。
それでは11年間の結果を見てみましょう。
- 大うつ病の人はそうでない人に比べて、様々な合併症(心血管疾患や高血圧、糖尿病、不安障害など)を持つ割合が高かった。
- 大うつ病の人はそうでない人に比べて、死亡リスクが高かった(HR1.50)
- 大うつ病の男性はそうでない男性に比べて、死亡リスクが高かった(HR1.69)
- 大うつ病の女性はそうでない女性に比べて、死亡リスクが高かった(HR1.40)
- スタート時にもっていた他の疾患を調整しても、大うつ病の人はそうでない人に比べて、死亡リスクが高かった(HR1.29)
- 20歳での大うつ病の人とそうでない人の推定平均余命の差は7.8年だった。
- 20歳での大うつ病の男性とそうでない男性の推定平均余命の差は10.2年だった。
- 20歳での大うつ病の女性とそうでない女性の推定平均余命の差は5.9年だった。
- 45歳での大うつ病の人とそうでない人の推定平均余命の差は6.0年だった。
- 45歳での大うつ病の男性とそうでない男性の推定平均余命の差は7.8年だった。
- 45歳での大うつ病の女性とそうでない女性の推定平均余命の差は4.6年だった。
- 最初に大うつ病を診断されて1年以内に双極性障害と診断された人は2.4%だった。
- 最初に大うつ病を診断されて2年以内に双極性障害と診断された人は3.3%だった。
- 最初に大うつ病を診断されて5年以内に双極性障害と診断された人は4.9%だった。
- 最初に大うつ病を診断されて11年以内に双極性障害と診断された人は6.8%だった。
- 最初に大うつ病を診断されて1年以内に統合失調症と診断された人は1.4%だった。
- 最初に大うつ病を診断されて2年以内に統合失調症と診断された人は1.8%だった。
- 最初に大うつ病を診断されて5年以内に統合失調症と診断された人は2.6%だった。
- 最初に大うつ病を診断されて11年以内に統合失調症と診断された人は3.4%だった。
- 双極性障害や統合失調症への移行率は大うつ病の診断直後に最も高く、時間の経過とともに減少していた。
- 大うつ病から双極性障害に移行した人は移行していない人に比べて、死亡リスクが高かった(HR1.61)
- 大うつ病から統合失調症に移行した人は移行していない人に比べて、死亡リスクが高かった(HR2.48)
やはり、大うつ病だと死亡率が高まるみたいで寿命も6~8年短くなってしまうみたいですね。また、大うつ病と診断されたのち双極性障害や統合失調症と診断されるパターンもあるみたいで、その場合も死亡リスクは高まるみたいです。
スウェーデンにおけるうつ病と双極性障害の死亡率
2001年のカロリンスカ研究所の研究によると、スウェーデンにおけるうつ病と双極性障害の死亡率について調べてみたそうです。
この研究は1973年から1995年にかけてのスウェーデンの精神科入院患者登録データベースを使ったというもの。最初にデータベースからうつ病(単極性障害)と双極性障害(躁うつ病)の方をピックアップしたそうな。続いて、国家登録番号を使って対象者の死亡日と死因をチェックしてみたらしい。
因みにサンプル数はうつ病が39,182人(男性15,829人、女性23,353人)、双極性障害が15,386人(男性6,578人、女性8,808人)とのこと。また期間中亡くなった双極性障害の方は、男性が1,716人、女性が1,747人で、うつ病の方は男性が4,119人、女性が4,902人だったみたい。それと2つの診断には重複が傾向もみられたらしく、3,109人(双極性障害患者の20%)が最初にうつ病の診断で退院していたんだとか。
平均追跡期間は約10年ってことで、結果を見てみましょう。
- 主な死因は心血管疾患であり、その次が自殺とガンだった。
- 双極性障害における全死亡の標準化死亡比(SMR:期待死亡数と実際の死亡数を比較したもの)は男性2.5、女性2.7だった。
- うつ病における全死亡の標準化死亡比は男女ともに2.0だった。
- 双極性障害における自殺の標準化死亡比は男性15.0、女性22.4だった。
- うつ病における自殺の標準化死亡比は男性20.9、女性27.0だった。
- 双極性障害における全ての自然死の標準化死亡比は男性1.9、女性2.1だった。
- うつ病における全ての自然死の標準化死亡比は男性1.5、女性1.6だった。
- 双極性障害とうつ病の両方において、全死亡の標準化死亡比が最も高かったのは、初回入院時の年齢が若い患者だった。
- 標準化死亡比の増加は、初回診断後の最初の数年間に最も顕著だった。15年間の追跡調査後も有意な増加が観察された。
- 双極性障害とうつ病の両方において、自殺の標準化死亡比は全年齢層と追跡期間で高くなっていた。年齢が若いほど、追跡期間が短いほど、標準化死亡比が高くなっていた。
ちょっとポイントをまとめてみます。
- 双極性障害とうつ病の両方において、全死亡、自殺(非自然死)、自然死の全てで標準化死亡比が高かった。
- 双極性障害とうつ病の両方において、全死亡の標準化死亡比が高かったのは、初回入院時の年齢が若い患者だった。
- 双極性障害とうつ病の両方において、自殺(非自然死)の標準化死亡比が高かったのは、年齢が若い、追跡期間が短い方だった。
これらを見ると、双極性障害とうつ病は自然死・非自然死の両方で死亡率が上昇してしまうみたいですね。特に若い人は注意が必要だと。
イギリスにおける統合失調症と双極性障害の回避可能な死亡率について調べてみた
2013年のオックスフォード大学の研究によると、イギリスにおける統合失調症と双極性障害の回避可能な死亡率について調べてみたそうです。
この研究は2006~2007年にかけて統合失調症又は双極性障害で退院した75歳未満の方を対象にしたもので、その後1年間にわたって追跡調査をしたというもの。
その後集まったデータから回避可能な死亡率や標準化死亡比(SMR)なんかを見てみたらしい。
結果、
- 統合失調症における回避可能な死亡率は全死亡率の60.2%だった
- 双極性障害における回避可能な死亡率は全死亡率の59.2%だった
- 統合失調症における全原因の標準化死亡比は4.23年だった
- 双極性障害における全原因の標準化死亡比は2.60年だった
- 統合失調症における全原因から回避可能な原因と自殺を引いた標準化死亡比は2.38年だった
- 双極性障害における全原因から回避可能な原因と自殺を引いた標準化死亡比は1.66年だった
とのこと。
つまり、統合失調症や双極性障害の方は2年半~4年ぐらい寿命が短くなっており、その原因の一つに回避可能な死亡によるところがあると。
この結果に研究者曰く、自殺率を一般人口レベルにまで下げれば、重度の精神疾患による全体的な死亡率の超過を約50%に減少できるとしています。その上で、完全になくなるわけではないから根本的な要因を探る必要があるともしています。
双極性障害(双極性感情障害)と早期死亡リスクの関係についての系統的レビュー・メタ分析
2015年のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によると、双極性障害(双極性感情障害)と早期死亡リスクの関係について系統的レビュー・メタ分析を行ってみたそうです。
具体的には、全死因の死亡率と死因別の死亡率の標準化死亡比(SMR)を見てみたんだとか。
まず研究者たちは2014年7月30日までに発表された該当研究をPsycINFO、MEDLINE、EMBASEで検索してみたそうな。すると、PsycINFOが611件、MEDLINEが699件、EMBASEが3,196件ヒットしたとのこと。次のこの中で重複している物を除きつつ、各研究の質をチェックしたそうです。
最終的に選ばれた研究は31件でして、特徴は、
- 64%が入院患者のコホート研究だった
- 45%の研究はスカンディナヴィアの国(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド)の物だった
- 双極性障害とと診断された方の総サンプル数は305,859人だった
って感じ。
因みに日本の研究も1件入っておりました(以前にも登場した1995年の産業医科大学の研究)
それでは結果を見てみますか。
- 双極性障害の全死亡率の標準化死亡比(SMR)の範囲は1.24~4.65の間だった。
- 双極性障害の全死因の死亡率の標準化死亡比は2.05だった。
- 双極性障害の自然死の標準化死亡比は1.64だった。
- 双極性障害の自然死以外の標準化死亡比は7.42だった。
- 双極性障害の自殺の標準化死亡比は14.44だった。
- 双極性障害のその他の暴力の標準化死亡比は3.68だった。
- 双極性障害の循環器疾患の標準化死亡比は1.73だった。
- 双極性障害の呼吸器疾患の標準化死亡比は2.92だった。
- 双極性障害の感染症の標準化死亡比は2.25だった。
- 双極性障害の腫瘍の標準化死亡比は1.14だった。
全体的に見ると死亡リスクは2倍高いみたいですね。更に細かく見てみると、自然死以外が7倍以上も高く、その中でも自殺は14倍以上だったみたいです。
うつ病を持つ方の平均寿命は短いのか…?
2018年のセアラ連邦大学の研究によると、うつ病を持つ方の平均寿命は短いのかアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそもうつ病(大うつ病)は慢性的且つ再発性のある精神疾患でして、2011年のニューヨーク州立大学ストーニーブルック校などの研究や2013年のハーバード大学の研究によると、生涯における発症リスクは高所得国で14.6%、低中所得国で11.1%と推定されるんだとか。また、うつ病は糖尿病や肥満、脳卒中、急性心筋梗塞、認知症などといった健康状態になると発症リスクが高くなってしまうみたい。更にその逆もあり得そうでして、因果関係が不明ながら、寿命に影響を及ぼしそうな感じなんですよね。
そんな精神障害の寿命研究の歴史は意外と古く、1851年の研究や1952年の研究ってのがあるそうで150年以上にわたって調べられてきた分野とのこと。また最近では系統的レビューやメタ分析もいくつか発表されているんだとか。そこで今回研究者たちは、これらのデータを統合し、うつ病と全死亡率・原因別の死亡率についてアンブレラレビューを行ってみることにしたそうです。
まず最初に2018年1月20日までに発表された該当する観察研究の系統的レビューやメタ分析をPubMed(MEDLINE)、EMBASE、PsycINFOといったデータベースで検索してみたそうな。すると4,983件もの研究がヒットしたらしい。続いてこの中から質の高い研究を選んでいったそうで、最終的に26件の研究が基準を満たしていたんだとか。因みにこの26件の研究には17件のメタ分析が含まれていたみたい。
それでは次に研究の特徴を見てみましょう。
- アンブレラレビューで選ばれた研究のオリジナル研究の合計は246件だった。
- 246件中238件は前向きコホート研究だった。
- 246件中8件は後ろ向きコホート研究だった。
- 総サンプル数は3,825,380人だった。
- そのうち、うつ病の参加者は293,073人だった。
- そのうち、亡くなった参加者は282,732人だった。
うつ病と平均寿命の関係を調べた研究としては超大規模と言えるでしょう。さすがアンブレラレビュー。
それでは気になる結果を見てみましょう。
- 17件のメタ分析を全てチェックしたが、うつ病が寿命を短くする説得力のあるエビデンスは1つもなかった。
- がん患者、急性心筋梗塞後の患者、心不全患者、これらにプラスして入院・外来・地域やプライマリケアの人における、うつ病と全死亡率との関係は、非常に有り得そうなエビデンスだった。
- 冠状動脈性心疾患の患者、糖尿病患者における、うつ病と全死亡率との関係は、有り得そうなエビデンスだった。
- その他は弱いエビデンスだった。
どうやらなんらかの病気と精神障がいがセットになって寿命が短くなるみたいですね。
これについて研究者曰く、
とのこと。
- うつ病が全死亡率と原因別の死亡率に及ぼす因果関係は証明されていないが、今回のアンブレラレビューによれば、うつ病によって死亡率が低下するとは予想されないだろう
とのこと。
観察研究がベースなんで因果関係は不明なものの、少なくともうつ病で死亡率が低下することはないみたいです。
鶏が先か卵が先かは分からないですが、とりあえず糖尿病や肥満対策など出来ることから始めておいても良いかもしれませんね。
統合失調症における損失生存可能年数と平均余命
2017年のコペンハーゲン大学の研究によると、統合失調症と寿命について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
具体的には、損失生存可能年数(本来生きられたであろう年数)と平均余命(あと何年生きるか予想される年数)をチェックしてみたとのこと。
まず研究者たちはMEDLINE、PsycINFO、Embase、Cinahl、Web of Scienceで該当研究を検索してみたそうな。次に基準に従って各研究を精査していったみたい。
最終的にピックアップできた研究は13件でして、南米を除いた全ての大陸をチェックできたそうな。因みに内訳は、
- アフリカ:1件
- アジア:1件
- オーストラリア:1件
- ヨーロッパ:7件
- 北米:3件
でして、最大で247,603人の方を対象にしていたそう。
では結果を見てみましょう。
- 統合失調症における損失生存可能年数(本来生きられたであろう年数)は14.5年だった。
- 男性の統合失調症における損失生存可能年数は15.9年だった。
- 女性の統合失調症における損失生存可能年数は13.6年だった。
- 損失生存可能年数はアジアの研究で最も少なく、アフリカの研究で最も大きかった。
- 統合失調症における平均余命(あと何年生きるか予想される年数)は64.7歳だった。
- 男性の統合失調症における平均余命は59.9歳だった。
- 女性の統合失調症における平均余命は67.6歳だった。
- 平均余命が最も短かったのはアジアとアフリカだった。
どうやら統合失調症は寿命を短くする傾向があるらしく、この影響は男性の方が大きいみたいですね。
個人的考察
これらを見ると、残念ながら精神障がいの方の平均寿命は短い傾向があるみたいですね。