「アンブレラレビューを見てみよう! その23」です。
今回は自閉症スペクトラム障害のアンブレラレビューを見ていきます。



自閉症スペクトラム障害と環境要因・バイオマーカーについてアンブレラレビューを行ってみた…!

2019年の延世大学校の研究によると、自閉症スペクトラム障害と環境要因・バイオマーカーについてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそも先行研究により、自閉症スペクトラム障害は環境要因やバイオマーカーが関係していそう…!となっておりました。そこで今回研究者たちは、その辺をはっきりさせるべく、アンブレラレビューを行ってみることにしたらしい。
まず最初に2018年10月17日までに発表された該当研究をPubMedやEmbase、コクランといったデータベースを用いて検索してみたそうな。続いてその中から基準を満たす質の高い研究を選んで行ったみたい。すると46件の研究を選ぶことが出来たんだとか。
因みにこの中には、

  • 67個の環境要因(544,212件の症例、81,708,787人の個人)
  • 52個のバイオマーカー(15,614件の症例、15,433件の対照群)

があったそう。
これらのデータをまとめてみた結果、

  • 母親の年齢が35歳以上の場合:RR1.31
  • 母親が慢性的な高血圧の場合:OR1.48
  • 母親が妊娠高血圧症候群の場合:OR1.37
  • 妊娠前又は妊娠中の母親が過体重の場合:RR1.28
  • 母親が子癇前症の場合:RR1.32
  • 妊娠前の母親が抗うつ薬を服薬している場合:RR1.48
  • 妊娠中の母親がSSRIを服薬している場合:OR1.84

が説得力のあるエビデンスレベルがあったとのこと。
また感度分析でチェックした結果、過体重とSSRIの服薬がエビデンスレベルが高かったらしい。それとバイオマーカーについては良く分からなかったそうです。



個人的考察

やはり先行研究で言われていた環境要因は自閉症スペクトラム障害リスクを上げてしまうみたいですね。



参考文献