12月に入りまして来年の三福祉士の国家試験の準備をしている方も多いのではないでしょうか…?
そんな中、特に困るのが分からん問題が見つかった時。つまり勉強の混乱でしてあれは嫌なもんですよね~。不安になるし焦るしで良い事なんてないような気も…。
…っという考え方に一石を投じたのが今回の研究になります。
先に結論も書いちゃうと、勉強の混乱っていっても色々な種類があるよね…!良い面もあるよね…!って話でして、しっかり正しく混乱をすると成績アップに繋がるというんですな。
では早速見ていきましょう…!



勉強中に混乱することは良い事…?正しい混乱の仕方

2014年のノートルダム大学の研究によると、勉強中の混乱にメリットはないのか調べてみたそうです。
そもそも勉強ってのは、なるべく混乱を避けて自信をつけるべきだと考えられております。また先生もなるべく生徒の混乱を最小限に止めつつ、万が一混乱した場合にもすぐさま対応、混乱からの脱出を手助けするようにしております。まぁ、当たり前ですな。
んがしかし、この当たり前に疑問を持ったのが今回でして、これじゃあ仮定が単純すぎるんじゃない…?ということでした。
もちろん、後で再現するために内容を暗記する、習得したスキルを繰り返し練習する、手順を機械的に繰り返すみたいなときは混乱がないに越したことはないとのこと。
だけど、難しいテキストを理解する、多くの情報から結論を出す、困難な問題を解決する、複雑なシステムを形にするみたいな勉強の時はどうしても混乱をするのではないか、混乱を避けようがないのではないかと。そして混乱した果てに、仮説を考え、因果関係を整理し、実際に問題解決して、比較を行いつつ、整理された状態で説明をする。更にこれらで学んだ知識を応用したり他にも活かしたりするってことで、混乱は必要なプロセスじゃないのかと思ったみたい。確かに、繰り返す学習には混乱はない方が良いけど、一から作っていったりするには混乱はあった方が良いってのは有り得る話ですな。
実際、この可能性は先行研究にも見られているそうで、複雑な勉強中における混乱の発生率と学習成果には正の相関関係があることが分かっているんだとか。
といっても複雑であれば何でも良いってもんじゃないらしく、家庭教師がわざと時折外国語を混ぜて話して混乱を誘発させる、数学の教科書の場所がわからない、難しい数学の問題に直面しその問題を解こうとして何度もミスり解くのをやめた場合みたいなのは意味がないらしい。つまり混乱の解決に失敗するのはダメってことですな。
そこで研究者が考えた正しい混乱の流れは

  • 勉強中に混乱があり、その混乱が特定され解決したときに深い学習につながる…!

という感じ。
逆にこれ以外の混乱は勉強に意味のない混乱だと。
そしてこれらをサポートする先生などは、

  1. 勉強の中で適切に混乱が発生する
  2. 勉強している人はその混乱に対して解決する能力がある
  3. 勉強している人が自分で混乱を解決できない場合にその混乱を解決するのに役立つアドバイスを提供できる環境になる

を満たすと正しい混乱となり学習にプラスの影響をもたらすとも仮定したとのこと。
じゃあ、この2つの仮説が正しいのか…?ってことで、学生を対象に2つの実験(シミュレート)を行い調べてみたそうな。因みに2つの実験の参加者は以下な感じ。

  • 実験1:アメリカ南部の大学の大学生63人(男性21人、女性42人)が参加した。年齢は18歳~50歳とのこと。
  • 実験2:アメリカ南部の大学の大学生76人(男性26人、女性50人)が参加した。年齢は18歳~45歳とのこと。

結果は仮説の通りでして、

  • 正しい混乱をした場合、多肢選択式テストや他でも応用できるか調べたテストでの成績が大幅にアップした…!

そうです。
つまり、難しい問題で混乱し、その原因が分かって解決する経験を多く積むと、テストの成績がアップし、更に違う問題でもその知識を上手く使って解決していたと。



個人的考察

確かに勉強していて、分からないことが多くて混乱する時もあるけど、それぞれがつながって理解が深まるってことはありますからね。正しく混乱する、正しく混乱できるようにアドバイスするってのはぜひ押さえておきたいですな。
それと今回の研究結果を踏まえると、勉強に限らず仕事にも言えそうな感じですよね。支援でも使える考え方ではないかと。



参考文献